死にたがりの第四十三話 訪問、テスタロッサ家 |
あらすじ
フェイトが覚醒したかもしれない
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「お土産はこれでよしっと」
「甘いお菓子か……こんな物、あの人は喜ぶのかね……?」
「分かんないけど、こう言うのは気持ちだから」
「ふぅーん……」
……えぇ子や(泣)
どうも、いきなりでごめんなさい、アニスたんです。
ただ今段ボール箱の中に身を潜めて二人にばれないように隠れています。
今日はフェイトが家に一回帰る所です。
えぇ、着いて行きますとも、駄目ですか?
アンクに話したら怒られたけど、ここは引けなかったとです。
それにしても……これってストーカー?
うん、知ってるし。でも行かなきゃ話も出来んしな。
まぁ、頑張るよ。最悪、斬魄刀で軽く脅してくるわ。
へ?それはやり過ぎだ?ですよねー。
あ、もう行っちゃった……さて、魔力の残り香で座標を計算してッと……。
よし、完成した。
「待たせたなぁ!」
俺は段ボールから勢いよく出て、お決まりの台詞を吐く。
まぁ、この場には俺しか居ませんけどね。
「さて、行きますか。……リク・ラク・ラ・ラック・ライラック……」
キーを唱えるよ、札転移符は自動で魔力を放出し、そのまま光りだす。
さて、行きますか。時の園庭へ……。
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「よっと……」
うひゃー、こりゃ広いわ……あーらら。どうしましょこれ……。
中迷路じゃんか……俺にとってはね。
「まぁ、少しそこら辺をうろついてみますか」
少し時間かかりそうだねこりゃ。
……つか、マジでここ広いんですけど。
《お前迷子か》
「ちょい待ちクイーン。それはちょいと間違いがあるよ。俺はまだここに来たばかり。だから迷子ではない」
《まぁ、良いですけども……それにしても、ちょいとプレシアの事について調べて起きましたよ》
「……いつ調べたんだよ……」
《いえ、暇なときにですけど》
……ま、まぁ……気にしたら負けか。
どうにでもなれってんだ。
《纏めて簡単に話すと、26年前、ミッドの中央技術開発局の第3局長だったが、個人開発の次元航行エネルギー駆動炉「ヒュードラ」使用に失敗、中規模次元震を起こしてしまい、地方に異動後、辺境で行方不明になった。23歳で結婚。28歳で1児アリシアを授かる。その後、夫とはアリシアが2歳のときに生活のすれ違いから離婚している》
「……お前、それって……」
《はい、管理局のデータを軽くハッキングしちゃいました。テヘッ☆》
「……はぁ、お前ってデバイスは……」
頭が痛くなって来たよ……ホント。
全く、何でいきなりそんな事しだしたんか分からんわ。
「まぁ、そこまでは原作を知ってるし、大して良い情報でもないね」
《ですよねー。まぁ、原作とかが変わってなくてよかったじゃないですか。それよりも、良いんですか?行かなくて》
「あぁ、そうだね。そろそろ動こうか」
早く行かないと、フェイトが可愛そうだ。
サッサと行って、話し合いを……上手く行くかな〜。
「クイーン、フェイトの魔力を探って、道順確保」
《りょーかいです。んじゃさっさと解析しちゃうんで、さっさと動いてください》
「はいはい」
もう何か、このデバイスめんどくさいなー……。
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アンクサイド
《……何で行かせた?》
「アッ?唐突に何だよお前」
《あのアニスの旦那、正直言ってあの大魔導師に勝てる体力も体調もねぇぞ。できると言ったら、魔法をレジストするだけだ。それなのに、どうして行かせた?》
「……はぁ、あのなぁ……そんなもん、俺は一番分かってねぇんだよ」
《……ハァッ?》
グリードは変な声で驚く。
しょうがねぇだろう。俺だって、良く理解してないんだ……。
「どうして行っちゃ駄目なんだよ!?」
「馬鹿か!てめぇの体調暗いてめぇで分かるだろう!魔法も使えないお前で、プレシアに適うとか思ってんのか!」
「思ってない!だけど、このままフェイトを見捨てろって言うのかよ!?」
「あぁそうだ!あんな奴なんてほっておけ!お前は、今闇の書の主なんだ!管理局が現れて、それがバレたらどうなると思ってんだ!」
あの時、俺は確かにもう反対をしていた。
こいつを、もう危険な目に合わせたくないから。せめて、二期に入るまでは、平穏に暮らさせていたかった。
「知ってるさ、それ位……でも、フェイトを……助けたいんだよ!フェイトは、誰の手も掴もうとは考えていない……そう……火野映司みたいに……」
「!……だからどうした……」
「……フェイトは、絶対に掴まない……いつまでも、いつまでも、自分の親の柵から抜け出せない……。だから、せめて……俺がフェイトの手を掴む!フェイトが掴んでくれなくても!俺が!……いや、俺とアルフがフェイトの手を掴む!」
「……馬鹿野郎が……」
こいつは、ホントに大馬鹿野郎だ……。
どうして……そこまで他人に……。
「他人じゃ、無いよ……」
「!?」
「友達、だから。フェイトは、俺の友達だから。それに、他人だったら、俺だってここまでやろうとは思わないよ。ただ、俺は我が儘なだけなんだ。手を伸ばすってのは……そんな簡単な事じゃないって事は知っている。でも、それでも……差し伸べられる手が空いてるのなら、友達の為に使うのが、筋ってもんじゃん?」
「……はぁ……分かった……」
「アンク……」
「サッサと行って来い。その代り、俺は無いもしないし、今回は手出しはしない……お前がやるたいようにやれ。だからと言って、魔法は使うなよ?」
「……うん!ありがとうアンク!」
…………………。
「ホント……何で行かせたんだろうな〜……」
《ハァッ……お前もつくづく、馬鹿って事だよ……バーカ》
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「……ここか……」
角から観察なう。
ちょっち、何か……ピシパシ聞こえてくる……。
これは酷い……。
アルフも、何か壁ガンガンしてるし……。
ったく、どうしてこうも……この世界の子供は……。
「おいっすアルフさん」
「!?……あ、あんた……どうしてここに……」
「いやはや、何かフェイトちゃんが次元移動するの見えたから、気になって魔力辿って来ちゃいました。すいません……」
「今そんな事はどうでも良い!フェイトを、フェイトを助けて!!」
「……アルフさん……」
「頼む!もう、アニスにしか頼めないんだ!!だから……お願いだよぉ……」
そう言って、泣き崩れるアルフ……。
あぁ、任せとけ……その為に……。
「うん、任された!」
俺が、ここに居る!!
さて……行きますかね……。
俺はドアの前に歩き出し、一歩手前で止まる。
そして、深呼吸を何度か繰り返す……ドアを勢いよく開ける……。
さて、行きましょうか……。
「うちの友達傷つけちゃってる鬼婆が居るってのは、ここですか?」
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アニス、襲来 | ||
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