機動戦士ガンダムSEED白式 05 |
フェイズシフトダウン・シールドエネルギーエンプティー
?戦闘が始まった。アークエンジェルから無数のミサイルが後方のMSに放たれる。その後、ストライクが直ぐに発進し、ザフトのMSを迎え撃つ。
?その頃、一夏は前方のナスカ級を叩くため、フットペダルに力を入れる。
?PPPPPPPPPッ!!?
?「アラート!?、前から?…何か来る!」
?一夏は白式のハイパーセンサーで数百メートル先にいるであろう敵の姿を捉える。
?「赤い色のMS!?ヘリオポリスにいたアイツか!」
?先手必勝。一夏はビームライフルを構え、赤いMS、イージスを狙う。そして、トリガーを引き、ライフルの銃口から緑色の閃光が走った。
?しかし、それはイージスにかすりもせず、イージスの真上、50mの位置を飛ぶ。
?「外した!?」
?「もうこちらを察知したのか。だが、当たらなければ意味がない!」
?今後はアスランが牽制にビームライフルを撃つ。一夏の時とは違い、それは白式の肩へかすり、シールドエネルギーが少し減る。
?「当たった!?、何で!」
?「白い機体…アレがミゲルを撃ったMSか」
?そして、お互いライフルを構え、ビームを放つ。閃光が交差し、白式とイージスはソレを避ける。
?その時アークエンジェルの方からビームとは別の光が見えた。
?「アークエンジェルが…!?」
?攻撃されている。ストライクの方はデュエルの相手で精一杯らしく、他の相手に手が回っていない。一夏は白式の方向を変え、アークエンジェルへと戻ろうとするが、ソレをイージスに妨げられる。
?イージスはビームサーベルを抜き、白式に斬りかかるが、白式は雪片を構え、それを受け止める。
?バシュッ…!!
?「ッ…!邪魔をするなぁ!」
?「子供!?」
?接触回線により聞こえた声にアスランは驚愕した。自分達の様なコーディネーターなら兎も角、地球軍のMSパイロットが自分とそう変わらなさそうな少年だった事にだ。
?(なら、彼もコーディネーターなのか…?)
?PPP!!
?(ッ!)
?突然、イージスに通信が入る。発信源は目の前のMSの様だ。しかしコレは、あのパイロットが何者なのか知る絶好の機会だ。
?アスランはイージスの回線を開くと、サブモニターに黒髪の少年が現れた。
?「ッ?、お前が、そのMSのパイロットなのか!?」
?回線が開いた一夏は、対峙していた赤いMSのパイロットが自分とそう変わらない子供だという事に驚いく。
?「そうだが?何故そこまで驚く?」
?「いや…てっきりベテランっぽいおっさんが乗っているのかと…」
?「見た目で人を判断しては、足下をすくわれるぞ!」
?「うわッ?」
?ブゥン!!
?イージスはサーベルを再び振り上げ、白式のコックピットを狙う。しかし白式はコレをギリギリで交わし、イージスがサーベルを振り切ったウェイトを雪片で狙うが、イージスは手首を返しそれを受け止めた。
?「いい反応だ。やはりお前はコーディネーターなのか?」
?「違う、俺はナチュラルだ!」
?「…そうか、お前みたいな子供がMSに乗っているから、まさかと思ったんだがな…」
?「子供って…そっちだってそう変わらないじゃないか!」
?「コーディネーターはナチュラルと違って、優秀なんだ。一緒にするな!」
?「そうやって、お前達は、ナチュラルを見下して!」
?「それはお前達も同じだろ!お前達も俺達をバケモノと呼ぶ!」
?サーベルのビームが弾け、白式とイージスが離れる。
?そこへ、後方で戦闘をしていたはずのストライクとデュエルが白式とイージスの間を通り過ぎる。
?「キラ!」
?「え?!」
?イージスはバーニアを吹かし、デュエルと共にストライクを追った。その少し遅れて、白式がイージスの後ろに付きまとう。
?「待て!何でお前が、キラさんを知っているんだ!?」
?返答がない。アスランはイージスの回線はストライクを追い始めた時に、既に切っていたのだ。
?アスランは追って来ている白式の事など気にせず、キラの乗るストライクへと向かう。
?そこに、アークエンジェルを撃沈させるのが困難と判断したのか、残りのブリッツとバスターが合流する。
?ストライクはGシリーズ3機の攻撃をかわし続け、ビームライフルを撃つが3機のGは難なくそれを交わしていた。
?「もらったぁ!!」
?「ッしまった!?」
?デュエルがストライクの背後をとり、コックピット目掛けビームライフルを撃つ。しかし、その間に割り込む、白い影があった。
?「させるかぁ!!」
?「一夏!」
?一夏は装備していたシールドでビームを弾く。白式はストライクと背中合わせでいた。
?「アスラン!こいつか?ミゲルを殺ったMSってのは」
?「あぁ、パイロットはナチュラルの子供だ」
?「子供だと!?」
?「だが、あの機体、油断はするな!」
?デュエルは白式へと斬りかかり、ストライクと分断する。ストライクにはイージスとブリッツが向かい、白式にはデュエルとバスターがついて来た。
?「フン、ナチュラルのガキとやら、ミゲルを倒したその力、俺に見せてみろ!」
?「クッ!」
?しかし、そこでアークエンジェルから一条の光が流れた。ローエングリーン、その光はヴェサリウスの側板を焼く。
?「ヴェサリウスが!?」
?そして、アークエンジェルから帰還信号が打ち上げられ、ストライクと白式はアークエンジェルへと退く。
?「させるかよ、こいつだけでも!!」
?だが、デュエルがそれを阻む。ストライクは慌てて、ライフルを放つが、デュエルはそれをいとも簡単に避けていく。
?「もらったぁ!!」
?デュエルはビームサーベルを振るい、ストライクのビームライフルを切り捨てた。
?「ああああああああ!!!?」
?「キラさん!」
?「おぉっと!お前の相手は俺だぜ」
?一夏は、バスターの砲身がこっちに向いているのに気が付かず、ビームランチャーが白式の腹部に直撃してしまう。
?「うぁあああああああ!!?」
?シールドエネルギーが大きく激減し、残り90を切る。一夏は自らに死が近づいてくるのを感じた。
?「ちょ、ビームに耐えるなんて反則なんじゃない!?」
?「いえ、そうでもないみたいですよ。あのMS、腹部にヒビが入っています。もう一押しの筈です」
?ブリッツのシールドの下からアンカーが顔を覗かせ、白式のヒビの隙間を狙う。
?
?「一夏ぁ!」
?キラは咄嗟にエールストライカーを切り離し、白式を狙うブリッツに向けて射出する。そして、それは見事にブリッツへと激突し隣接していたバスターを巻き添えにした。
?しかし、エールストライカーを切り離した事によって、ストライクのバッテリーが激減し、フェイズシフト装甲がダウンする。
?「なら、貴様から始末してやる!」
?今度はデュエルがストライクに斬りかかる。だが、デュエルのサーベルは、あとちょっとの処で、ストライクをイージスが捕獲し、そのサーベルは何もない空間を斬った。
?「アスラン!どういうつもりだ!!」
?「この機体を捕獲する」
?「おいおい、命令は撃破の筈だぜ?」
?「捕獲できるならその方がいい」
?ストライクはそのまま、イージスに攫われてしまった。
?(キラさん!…俺は、…何も出来なかった…。キラさんの足を引っ張って…俺は!)
?己の無力さに嘆く一夏に、モニターから見知らぬインフォが表示される。
?『エールストライカー装備可能』
?「え?エールストライカーって…ストライクの背中に付いてた、あれか!」
?一夏はすぐさま、「確認」をタッチすると、白式のツインアイが光る。
?「ッ?ディアッカ!あの白いのがまた動き出しますよ!」
?「何!?」
?ディアッカ達が気づいた時には、もう遅かった。白式の翼が消え、そこにエールストライカーのプラグが接続される。刹那、白式のシールドエネルギーが回復し、腹部の傷が癒えていく。
?「装甲が回復しただと!?」
?「なんつぅ出鱈目な…」
?「二人共気を付けて!奴が来ます!」
?一夏は白式の新たな力に驚きを隠せないでいた。何せ、ストライクの使っていた武装が白式でも使えたのだから。もともとISは使用者が許可を出せば、相手の装備を使う事ができ、ビームライフルやシールドもそれと同じだったのだが、まさかストライカーパックまで使えるとは思っても見なかったのだが、コレは嬉しい誤算である。
?一夏はイージスへ向け、出力を最大にし、瞬時加速(イグニッションブースト)で一気に飛翔した。
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