IS−転生者は漆黒の騎士となりて− 第3話
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side悠也

 

眠い、凄く眠い。ああ、でもなぜだか起きなきゃいけない気がする。

そう思いつつ目をこすり起き上がる。

 

「お早う、悠也。ようやく起きたのか」

「……ふえ?」

 

いかん。何か変な声が出た。

って待て。ティエリアが何故ここにいる?

 

「その様子だとまだ寝ぼけている様だな」

「…え?どゆこと?」

「昨日のことを思い出してみろ」

 

えーと、昨日は朝ソレスタルビーイング号に来て、途中で束さんたちが侵入してきて、自分が転生者だという事を大暴露して、2人にほんの少しばかり説教をして、ティエリアが2人に追い回されているのをヴェーダ経由で見て。えー、そっから記憶がない。

 

「まさか、あのまま寝てた?」

「その通りだ」

 

おいおい、マジかよ……

やっぱ、あれだな。精神はともかく体は小学生だから夜遅くになると寝ちまうな。

 

「起こしてくれなかったのかい?ティエリア」

「仕方ないだろう。あんなに気持ち良さそうに寝ていては起こせない」

「…他に誰かに見られた?」

「…リジェネとアニューだけだ」

 

なんだろう。アニューはともかくリジェネに見らえたとなればかなり致命的な気がする。

 

「まあ、それはいいや。束さんと千冬さんはどうした?」

「リジェネに言って送り返してもらった」

「っていうことはその際に寝顔見られた?」

「……その通りだ」

「838呼んで来い。その時のリジェネの記憶を消す」

「落ち着け悠也。838にその様な能力は無い。」

「ちっ。まあいいや。DIVA今時間は?」

『現在日本時間で8時47分ですね』

「もうそんな時間か。なんか家に戻るのも面倒だな」

 

実際今日は特に予定も無かった筈だから家に帰る意味は無いし。

それにしても腹が減ったな……

 

「ティエリア何か食事ある?」

「そういうと思ってもう作ってある」

「そっか。ありがとう。あ、DIVA束さんにメール送っといて」

『文面はどのように?』

「今日また船に来るように。部屋は転移装置以外触らないなら勝手に入ってきても構わないと」

『了解しました』

「一応、部屋の電子ロックは切っておいて」

 

さてさて用件も済ましたし飯でも食ってきますかね。

 

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side束

 

やあ昨日のゆーくんの説教は凄かったね。さすがの束さんも精神がヴァルハラに旅立つかと思ったよ。あの時のゆーくんの後ろに鬼神がみえたからね。

 

prrrrrrr

 

ん、なになに?ゆーくんからのメール?

 

よし!ゆーうんからの許可も貰ったしちーちゃん誘ってゆーくんのところに行こう!!

 

 

side千冬

 

昨日の悠也の説教は恐ろしかった。何せ的確にこちらの言い返せないところを突いてきてそこから発展し攻め立ててくる。その上喋ってる間はずっとプレッシャーを放ってくるのだから。

 

prrrrrrr

 

ん?何束からか?

 

『もしもし、ちーちゃん』

「どうしたんだ?束」

『うん!今からゆーくんの所に行こう!!』

「何?またか!?私はまたあの説教を受ける気はないぞ!!」

『ちがうよ、ちーちゃん。こんどはゆーくんから許可貰ってるから!!』

「そ、そうか。ならいいんだ……」

 

良かった……私はまたあの説教を受けたくは無いからな……

 

 

side悠也

 

「ご馳走様。いやーホント美味かったね。たまには他人に作って貰うのもいいね」

「はい、お粗末様です」

「うん、ありがとねアニュー。それと昨日俺の寝顔見たって本当かい?」

「ええ。ばっちりと」

 

マジか……なんか軽い敗北感を感じる……

 

「昨日遅くまでいたので食事が必要か聞きに来た際に」

「あー、じゃあ布団掛けといてくれたのってアニュー?」

「はい。そうですね」

 

あー、やっぱりか。ティエリアはあの調子だと朝まで様子を見に来てなかったみたいだし、リジェネはそんな気遣いをしてくれてるとは思えないしDIVAに至ってはAIなのでまず無理だ。

ちなみに艦内での食事などは基本的に船員がイノベイドとハロなので必要ないがアニューと838が担当している。

 

「ありがとね。それじゃあ俺はそろそろ戻りますか」

「はい、ではいってらっしゃい」

 

束さんたちもそろそろ来るだろうし

 

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「やあ、悠也。昨日はよく眠れたみたいだね」

「リジェネ…お前……」

 

畜生!!本当に見られていた!

しかも何か妙に勝ち誇ったような顔をしてやがる。

 

「まあいい。それで2人はきたのか?」

「まだみたいだね」

 

束さんだから直ぐにでも飛んでくると思ったんだが……まさか!!

 

「DIVA!!今直ぐ俺の部屋を確かめろ!」

『了解!マイマスター』

 

直ぐに空中投影モニターに映し出される。

そこには……

 

『ちーちゃんちーちゃん、これ何だとおもう?』

『おい束、やめろ!!下手したらまたあの説教だぞ!!』

『だいじょーぶだよちーちゃん。さすがに今は分からないって』

「おい……コラちょっと待てや」

『ゆ、ゆーくん?』

『ほら見ろ束!!ばれたじゃないか!』

 

やっぱりやらかしやがったか!!あの大天災は!

 

「5秒以内にこっちに来てくださいね♪」

『もし行かなければ?』

「そんなこと許すとでも?」

『ハイ…今すぐ行きます……』

「よろしい♪」

 

やっぱ話し合いって大事だよね♪

こころなしか2人の顔が引きつっていたような気がするけど気のせいだよね。

 

「いや、明らかに引きつっていたからね」

「うーん俺よく分かんないな〜」

「……そうかい」

 

どうしたんだろうんね?リジェネまで黙り込んじゃったよ。

そんなやり取りをしていると目の前の転移装置から2人が出てきた。

 

「ようやく来ましたか〜。待ちくたびれちゃいましたよ〜」

「うっ……すまない」

「ゆ、ゆーくん笑顔が怖いよ」

 

やだなー束さんは何を言ってるんだろうね?そんな訳ナイジャナイカ

 

「じゃあこっち付いて来て下さいね」

 

2人が無言で首を縦に何回も振りまくる。何にそんなに怯えてるんだろうね?

 

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「はい、という訳で昨日は色々あって有耶無耶になったISについて話し合いたいと思います!」

 

うん、なんかさっきから自分のテンションがおかしい気がするけど気にしない。気にしないったら気にしない。

 

「いや、話し合うとしても何についてだ?」

 

ようやく落ち着いた千冬さんが聞いてくる。

 

「そんなん決まってますよ。あれを世界に向けて発表するなら後ろ盾とか作る際の材料及び材料費だとか」

「ゆーくん。こんな船あるんだから材料なんかはどうとでもなるんじゃないかな?」

「いやまあ、そうなんですけど。ここから地球に送るとなるとあの転移装置じゃ一度に人間3人分ぐらいじゃないと無理なんですよね」

 

特にそんな物転送させるつもりも無かったし、なにより面倒だったし。

あれ造る際に参考にしたデータなんてダンクーガノヴァの奴やフォールドやらDSドライブやら亜空間技術をミックスして適当にやったものだし。

 

「ゆーくんさりげにとんでもないことやらかしてるよね」

「やだなぁ、束さんにだけは言われたくないですね。他人巻き込んでる分余計に」

「むっゆーくんひどいな!ちーちゃんも何か言ってやってよ」

「この場合悠也のいってることの方が正しい」

「ええっ!?」

 

そうだよね。興味本位で人の家に不法侵入してくる人にだけは言われたくないね。

 

「まあそんな事はさて置き輸送船で送るって手も有るんですけどその場合はその船をどうやって隠すかって問題も出てくるんですよね」

 

まあ実際はミラージュコロイドやらイマジナリーロードやらECSやら被膜光学迷彩とかで肉眼電子機器問わず隠すことも可能だけどコストが釣り合わないからやらない。それに面倒だし。

 

「だから、地上で穏便に物資を得た方が遥かに楽なんですよね。俺が」

「……そこまで楽がしたいのか?」

「当たり前じゃないですか。現在唯でさえ面倒なことに巻き込まれてるんですからこれ以上面倒事を増やしたくは無いですね」

「……確かにな」

「ゆーくんゆーくん。束さんにいい考えがあるよ!」

「なんです束さん?もし下らない考えだったらこの後に控えてる説教がもっと酷いことになりますよ」

 

具体的には昨日のあれに肉体言語を加えるぐらい。

 

「うっ……無いものは創ればいいんだよ!」

 

創る…創るねぇ……ん?そうか、それだ!

 

「ティエリア!今直ぐヴェーダ使って株で稼ぐぞ!」

「悠也突然何を言い出すんだ!?」

「決まってんだろ!会社作るんだよ会社!!」

「何?会社なんか作ってどうするつもりなんだ?」

「決まってるだろ。交渉の窓口にして資金源にする」

「そうか。だが社員はどうするつもりだ?」

「勿論イノベイドとハロオンリーで」

 

これなら殆ど人件費はかからないしな。

それに会社建てるなら目ぼしい土地にも目を付けてある。

凄いよなこの世界。メリダ島とか龍牙島とか普通にあるしね。もちろんどっかの組織の基地なんかは無いけど。そこら辺はヴェーダで確認済みだ。

 

「よし!これで目前の最大の問題は解決!じゃあ束さん早速IS作成に入りましょう!」

「おう、ゆーくん。突然乗り気だね」

「当たり前でしょう!あんなん見せられたらもう興奮もんですよ!」

「やっぱりゆーくんはそう言ってくれると思ってたよ♪」

「ええ、そうですね。ああ、それと先戻っといて下さい。まだここでやる事が少しあるので」

 

そういって2人を先に送り返すと

 

「その前に悠也、リボンズからの伝言だ」

「なんだい?ティエリア」

「エウクレデスの建造が残すところあと1隻になったそうだ」

「分かった。リジェネに仕事ができたと伝えといてくれ」

「了解した」

「あー、それとDIVA?]

『何でしょうかマスター?』

「父さん達から帰ってくるなんて連絡は無いよな?」

『9月まで帰ってくる予定は無いようですね』

「そうか」

 

うん。これで後顧の憂いもなくなった。これでしばらく作業に没頭できる。

しかし両親揃ってまだ5歳の息子ほっぽって旅行に行くのはどうかと思うけどな。

だがまあそのお陰でこちらは色々と自由にできるので何も言えないけどな。

 

「それじゃまあ俺も戻るとしますかね」

 

いやぁ、しかしIS弄れるとなると楽しみだ♪

説明
第3話
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タグ
インフィニット・ストラトス ガンダムシリーズ ロボットアニメ 

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