超次元ゲイムネプテューヌmk2+ BlackFateその3
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ネプギアねーさんに連れられて到着したプラネテューヌ。

薄紫色の果てしなく高い塔がよく目に入る。

ラステイションからですら見えるほどの高く聳える塔が、崩れ去ったあの時が一瞬脳裏によぎった。

 

「ネプねーさん……。」

 

ふと、声が漏れた。

……ネプねーさんが殺されたのを直に見たわけじゃあないけど、ノワールねーさんから聞かされた時は、声が出なかった。

 

イストワールは過去を変えろ、未来を救えとか言っていたけど正直どうすればいいのかなんて、ちっとも思いつかない。

そもそもどうしてあの出来事が起こったのかもすらわからない。

原因を取り除くといっても、首謀者が誰だかわからないし…。

少なくともねーさん達を殺した奴らを…。

でも、誰だかわからないし今の時代何してるかはわからない…。

 

…未来とか何だって言っても、結局何もできることはない。ってことなのかな。

 

「ネロちゃん?」

「・・・・・・・っ!?」

 

突然目の前にネプギアねーさんの顔が広がっていた。

心配そうな表情のネプギアねーさん。きっと心底から心配してる…んだと思う。

私の知る限りだと、ネプギアねーさんは本当に疑うことを知らなかったから。

この時のネプギアねーさんも、多分そうなのかもしれない。

 

「大丈夫…?疲れちゃった?」

「だ、大丈夫です、気にしないでください…。」

 

今がどれぐらいの過去かはわからないけれど、ネプギアねーさんはネプギアねーさん、ってことがわかったかもしれない。

 

 

 

ネプギアねーさんたちに連れられて到着したプラネテューヌ教会。

扉の先では、イストワールが巨大な光の塔に向かって何かやっている。

……正直、見てもわからないだろう。

 

「イストワール様。」

「ただ今戻りましたです!」

 

アイエフとコンパがイストワールに声をかける。

振りむいたイストワールの姿は、私の時代と一切変わっていなかった。

ネプギアねーさんは割と大きくなってるみたいだけど……。流石に本なのねイストワール。

 

「お疲れ様です、アイエフさん、コンパさん、ネプギアさん。」

「あの、えっと。いーすんさん……。」

「イストワール。あんた一つ聞きたいことがあるんだけど。」

 

ネプギアねーさんを押しのけ(ごめんなさいねーさん)、イストワールに話しかけた。

イストワールは私を見て妙な顔をしている。驚いた…表情なのかな。

 

「……あなたは?貴女に関する記録が一切ありませんが…。」

「私はネロ。詳しい説明は省略したいけど、とりあえず聞かせてほしいことがある。」

「・・・・・なんでしょう。」

「今この世界にあった驚異って、マジェコンヌだけ?」

 

質問を聞いたイストワールが目を見開いた。

マジェコンヌ。私は聞いただけの存在だけど、世界を本格的に脅かした、とねーさんやケイから教わった。

…過去で何か予兆でもあれば……

 

「マジェコンヌ以外の脅威…?」

「そう。いわばそれの調査に来てる。」

「脅威……マジェコンヌシェアによる人間の汚染などによる二次被害が……。」

「人間の汚染……。」

 

汚染。

私が直接目にしたことはないけれど、マジェコンヌのシェアによって生物が凶暴化する現象…らしい。

女神も例外ではないそうだが、聞いた限りでは汚染は起こらなかったとか。起ってたらと思うと、ねーさん達の内一人でもいなかったという考えでぞっとする。

 

「では、こちらからも質問させてもらいます。あなたは何者ですか?このデータの中に、あなたに関するデータが入っていません。……何処から来たのですか?」

「・・・・・・。未来から。」

「未来、ですか……。未来から来た、というのであればこの場にデータがないのは納得できますが……。」

 

少し考え込んだ後、決めたようにイストワールが顔を上げた。

 

「ネプギアさん、アイエフさん、コンパさん。当初の目的の通り、プラネテューヌのゲイムキャラから協力を取り付けてください。」

「え…!?あの、いーすんさん…ネロちゃんは…」

 

私の事が心配なのか疑っているのか、ネプギアねーさんが声を上げた。

……まぁ、常識的に考えれば後者。

 

「お願いします、みなさん。私は、ネロさんから少し話を聞こうと思っていますので。お願いします。」

「…了解。」

「です!」

「はい……!」

 

アイエフが不満そうだったけど、言い返すことはできなかったのか大人しく三人は教会を出て行った。

謁見の間には私とイストワールが残った。

あの時のイストワールと雰囲気が全く違わないってのもどうなのかな…。

 

「人払いはしました。もう少し詳しくお聞かせ願えませんか?」

 

全てわかっていると言いたげなニヤケ笑顔でイストワールが言う。

どれだけたってもこいつはこいつってこと。うん、理解した。

 

「詳しくって…。わたしが知ってるのは、突然沢山の人間が教会を襲って、教会のひとたちやね、ねーさん達を、殺して・・・・・・・・・・!!!」

「…なるほど。マジェコンヌの残党、またはクーデターか何かでしょうか……。それで、ネロさんはこの時間に?」

「イストワールに飛ばされてきた。それで今のあんたを頼ったってこと。」

「ふむ。まぁ正解ではあるでしょう。他の人なら与太話で済まされかねないことですし。」

「イストワールは違うと?」

「私の本にはプラネテューヌ建国、つまり私が生を受けてから今までのゲイムギョウ界のあらゆるデータが詰まっています。その中にあなたという存在はありませんから。」

「…頼って、いいと?」

「お任せください。さて、ネロさんも時間逆行で疲れてるでしょうし、お好きな客室でお休みくださいな。私も、少し考えごとがありますので。では。」

 

イストワールの乗る本が閉じ、彼女はその姿を消した。

プラネタワーの構造は大体わかってるし、いつも使ってた部屋にでも行こうかな…。

 

この時間に飛ばされて、最初にイストワールを頼ったのは正解だったかもしれない。

スタートは上々。こうして、いつかねーさんたちを…救って見せる。

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〜Sideイストワール〜

無限ともいえるほどに広がる、広大なデータの海。

プラネテューヌ建国から、今まで。

文字、音、絵。全ての情報が((私|イストワール))の中に詰まっています。

流石に未来の情報はありませんので、勿論ネロさんの情報は微塵もありません。

 

この膨大なデータの量をかたっぱしから漁っても、ネロさんのことも、そのネロさんの見た惨劇の様子もわかりません。

・・・・・・まだ予測もできないような情報量です。ネロさんが心を開いてくれればいいのですが…。

今は情報、女神、ゲイムキャラと、何でも集めなければいけない時期。歯がゆいですね……。

 

 

本を開き、私の姿を現します。

視界が復活し、軽く見渡しますが、周りに人影はなく、静寂そのものでした。

ネロさんは客室に行ったのでしょうか……。

 

「はぁ……。…!?障壁展開!」

 

突然背後に違和感を感じ、物理障壁を展開。

すぐに【ガキィン】、という音が聞こえました。

 

「ほう…。気づいたか。」

「あれだけ殺気を向けたのによく言いますね。」

「まぁ許せ。ほんの試だ。」

「三年来の再開した相手にすることですか?」

「礼を尽くすような仲でもあるまい……。」

 

振り向くと、そこにいたのは黒い大鎌を持った禍々しい雰囲気の女性。

このマジェコンヌ騒動の主犯と言ってもいい【マジック・ザ・ハード】そのひとでした。

ククク、と薄ら笑いを浮かべて私を挑発しています。乗りませんけど。

 

「それで、わざわざこんなところに何の用でしょうか?仮にもマジェコンヌの総大将でしょう?」

「我は副官にすぎぬさ。用は…そうだな。貴様らの宣戦布告に対する【勝利宣言】だ。」

「…随分と大きく出ましたね。根拠もあるのでしょう?」

「当然だ。イストワール、我はマジェコンヌ様以外に貴様にしか一目置いておらなんでな。貴様にもわかるだろう。マジェコンヌは、犯罪組織ですらなくなっている。」

「どういう、ことでしょうか?」

「我らマジェコンヌは貴様ら女神と対立している。これがどういうことか一部では【反女神勢力】とも呼ばれているそうでな…。貴様ら女神の一番の敵は我らではなく人間共だよ。」

 

マジックは、こういいたいのでしょう。

【マジェコンヌを倒したところで、人間の女神への負の感情を取り除かなければ何の意味もない】と。

…そんなこと、わかりきっています。

います、が……。

 

「何が目的なのですか……マジック…!」

「我らの目的は世界を無に帰すこと。そのためには多くの負の信仰が必要だ。お前たち女神と人間が負の感情をばらまいてくれれば我らは満足だよ。」

「民を理解し、民を受け入れ、民を使うのが為政者です。」

「貴様は暗愚ではない。故にわかるはずだ。既に、手遅れだと。」

「どうですかね……?」

「わからないのならば教えてやろうではないか。仮に我らマジェコンヌを打倒したとしよう。次に待ち構えるのは…人間による【革命】だ。」

 

……革命。

 

予想はしていましたが、こういわれると、やはり響きます。

確かに、今のゲイムギョウ界の国は女神…いや、教会の独裁政権と言っていいでしょう。

あらゆる政治的判断権は女神にありますし。

…しかし、女神の殆どは姿も少女、精神的にも……まともなのはノワールさんだけと言っていいですね。

…不満が重なっても不思議じゃありません。

しかし、それも見通して先手を打ったはず……。何故……!

 

 

「…。では、我もここを去ろう。イストワール。その気があるのならば、貴様を引き抜いてやらんこともない。我はマジェコンヌ様以外には貴様にしか一目置いたことはないからな……。」

 

ハ、ハ、ハ…と私、如いては女神全員を嘲笑いながら、マジックは姿を消しました。

 

 

――――――私の中は、謁見の間と同じように静かでした。

何も思いつかない。思考すらできないほどに。

…何故、何故……。

 

どうすれば、いいの………?

 

 

「いーすんさーん!!」

 

 

突如、ネプギアさんの声が聞こえ、ハッと我に返りました。

行く前と違い、ネプギアさんの声が元気そうです。ゲイムキャラの協力を取り付けたのでしょうか。

 

…ネプギアさんたちには、このことを話さずに女神召集やゲイムキャラに集中してもらいましょう。

今この状況で人間も怪しいと言われたら、ネプギアさんがどうなることか…。

ネロさん頼みになってしまいそうです……。

 

世界の記録者が聞いてあきれますね…。

所詮、記録者は何もできないということなのでしょうか…。なんだか悔しいですね…。無力というのは………。

説明
※三人称視点とか無理だった。最大限甘えて一人称でやっていきます。

※作者は最近ムゲンソウルズにはまっています。

※投稿前に書きかけが消えて書き直した結果かなり低クオリティに…。エラーなんて大嫌いや・・・・
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