WvsA`s ビギンズナイト 【第6話:怒れるS・灼熱の切り札】 |
『ヒート・メタル』!!
電子音声と共に姿を現したW。その姿は右側が赤色に変わり、熱を発しているのが分かる。
「こんの!」
メタルシャフトを振る…しかし、何も起こらない。
「あれ?」
『ルナメモリじゃないから伸びないよ…。』
「うっそ〜ん!?」
思わず驚く翔子。
「なに茶番をしてるんですか?」
呆れながらWを見る怪人。ちなみにシグナム達も冷めた目で見ている…。
「舐めんじゃないわよ!」
意地で怪人に突っ込むW。メタルシャフトを振り回すが怪人はひらりとかわす。
「甘いです…。」
そして、突きを外した隙にメタルシャフトを捕まれてしまった…。右手が再び吹雪を放つべくWに向けられる。しかし…
「かかったわね…」
「!?」
その瞬間、Wの体が凄まじい蒸気を出すほど発熱する。メタルシャフトを握る怪人の左手も燃え上がる。
「ぐあぁぁぁぁぁぁ!?」
熱で苦しみだす怪人…。
『このまま決めよう!』
その状態のままWはドライバーの左側のメタルメモリを引き抜きメタルシャフトのスロットに挿入しようとしたが…
「なんてね。」
バチチチチチ
「「!?ぐあぁぁ!!」」
赤い稲妻がWを襲う。
「フィリップ!翔子!」
スカルもあわてて駆け寄ろうとしたが…
「はっ!」
スバン
「ぐっ!!」
怪人による稲妻の牽制により近付けない。
「もう少し手応えがあると思ったんですが…」
怪人は右手を振り上げると巨大な雷を纏った水球が形成される。
「それにしても一思いに殺すのも難ですからジワジワと殺してあげましょう…。」
どう考えても言動と行動が一致していない気がするが怪人は思い切り水球をWに叩き付ける。
「「ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」
そのまま水球に取り込まれ放電と息が出来ない二重の苦しみを味わうW。怪人はその様子を見て楽しそうに笑う。
しかし…
「ラケーテン・ハンマー!」
ズガァァン
「!」
ヴィータがアイゼンを振り回し乱入する。
「人のケンカに首を突っ込むたぁ良い度胸してんじゃなえか!!」
「おや?苦戦中のようにもみえましたが…?」
「うるせえ!さっきこれからババーンと逆転するところだったんだよ!」
怪人も軽やかにかわしヴィータに吹雪を吹き付ける。
「ぬお!?」
アイゼンもろとも凍りづけにされてしまうヴィータ。
「不味い!!」
シグナムとザフィーラも駆け付けようとしたがあと一歩で間に合わ無い。
「くそ…」
諦めかけたその時…
『ヒート・ジョーカー』!!
「せいや!!」
水球を破壊し、Wがメタルメモリから再びジョーカーメモリを使用、ヒートジョーカーとなり、灼熱の拳を見舞う。
「!」
驚いて距離をとる怪人。そして、Wの纏う熱気によりヴィータの氷が溶けていく…。
「はっ……はっくしょん!!」
氷が溶けるやいなや盛大にくしゃみをするヴィータ。
「ヴィータ、大丈夫か!?」
心配し、声をかけるザフィーラ。シグナムは怪人に斬りかかるがあえなく水流により返り討ちにされてしまった…。
「まさか…こいつの能力は…」
シグナムは気が付いた…
雷…
水…
吹雪…
これら全てを満たしている能力と言えば…
「ヴィータ!奴の能力は『天気』だ!」
「何?」
「今更ですか?」
シグナムは警告したがヴィータは今一つ理解している様子は無く怪人も自分の能力に今気が付いたことに呆れているようだ…。
「それでも、勝機には繋がりませんけどね!!」
怪人は再び稲妻を放つ。
「それは見切った!」
しかし、シグナムはレヴァンティンでそれを弾き間合いを詰めるが…
「知ってますか?今日は強風警報がでてるんですよ。」
「!」
あと一歩というところで怪人の放つ突風により弾き返されるシグナム。彼女の騎士甲冑が所々破ける。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
ザフィーラも突っ込むが…
「馬鹿の一つ覚えで殴りかかっても無駄です。」
怪人はザフィーラの腕を掴み放電。そのまま彼を投げ捨てる。
「ぐあ!!」
「ザフィーラ!てんめえ!!」
怒るヴィータがアイゼンを振るう…
「何処を狙っているんです?」
「!?」
怪人の体は溶けるように消えてしまった…。
「どこいきやがった?」
辺りを見渡しても何も見えない…
「ヴォルケンリッターもこの程度ですか…」
「!」
後ろからの声に気が付いたヴィータは振り向くが時既に遅し…怪人の攻撃が炸裂しようとしたが…
『スカル・マキシマムドライブ』!!
紫の銃弾が怪人の体に辺り後退りさせる。
「飛び道具も一応有るんだぜ…」
スカルマグナムを構えるスカル。先程の弾はスカルが放ったのだ。
「ふん…この程度…」
『ヒート・マキシマムドライブ』!!
「「ヒート・スマッシュ!!」」
「何!?」
灼熱の業火を纏った拳を怪人に食らわせるW。流石の怪人もこれは効いたようだ…
「まさか…本命がこっちとはね…」
傷口を押さえるように胸に手を当てる怪人。
「ここはひとまず引きましょう…」
そう言うと怪人はヴィータの攻撃をかわした時のように姿を消す…。
「さらば…ヴォルケンリッター…仮面ライダー…」
不気味な言葉を残し…
『やっと終わった…』
安堵するフィリップ。しかし、周りの空気の緊張は解けない…なぜなら…
「さて、仕切り直しよ!」
「望む所だ!!」
再度闘おうとW(翔子)とヴィータが構えていたからだ…
しかし…
「あ…れ…?」
Wの変身は解け装甲は空中に細かく砕けて消え、翔子の姿に戻ってしまう…。そして、翔子はフラフラとした後倒れてしまう…。
「はっ!翔子!!」
自らの肉体に意識が戻ったフィリップは翔子に駆け寄る。
「お、オイ…!?」
ヴィータも様子を見守る…。
「しっかりしろ!翔子!!」
フィリップが揺さぶるも反応は無い…。
「待て、落ち着けフィリップ。」
変身を解きフィリップ達にゆっくりと歩み寄る宗吉。
「よく耳を澄ませろ…」
「え?」
「z…zz…z…」
「「「!」」」
宗吉を覗きその場の全員が驚く。
「マキシマムを三回も初めての戦いで使ったんだ。疲れたんだろ…肉体的にも…精神的にも…」
宗吉は翔子を抱き上げ、シグナム達を見る。
「お前達もついてこい。話したい事がある。」
そう言うと何やら携帯電話らしき物を取り出すと何か入力するやいなや巨大な装甲車が現れる。4つのタイヤにボディはWのサイクロンジョーカーを思わせるかのように左が黒く、右側が緑で赤い複眼やWの形をした角までついている。
そして、車体が真ん中から開くとそこには一台のバイクがあり、宗吉は翔子とフィリップを乗せるとバイクに股がる。すると、車体は閉じてしまい土煙をあげながら発進する。
「どうする?シグナム?」
ヴィータはシグナムに意見を求める。
「罠かもしれん…」
ザフィーラは慎重な態度だったが…
「いや…私はそれは無いと思う。しかし、ここは慎重に行くべきだな…。シャマルは家に戻らせて主、はやての側にいてもらおう。」
シグナムの提案を受け入れ装甲車の後を追うことにした…。
「オイ…」
「確かに多少は危険を冒さねば真実は分からんか…。」
「ザフィーラ!」
ザフィーラも賛同する。しかし、ヴィータは渋っているようだ…。
「ええい!くそ!私も着いてくよ!!」
結局、ヴィータも着いていくことになり三人は装甲車の後を追った…。
後編に続く…
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