番外編 例えばこんなアニス(九本収録) |
〜日常編〜
「こらヴィータ……抱き着いちゃ駄目だって」
「良いじゃんか、今この家には私とアニスだけなんだし」
「だ、だからって……流石に恥ずかしいって……」
ただ今たれヴィータ再来中。
誰か助けてください……恥ずかしいです……。
「ソファーはまだ空いてるんですから、別に隣に来なくても……」
「アニスの隣が良い……」
「ヴィータェ……じ、じゃあ、隣に座っても良いですから。せめて抱き着くのは止めなさい……」
「アニスとくっ付きたい」
「何だよそれ!?」
何故かエロい、そのフレーズはエロイ……。
くっ付きたいから……あぁ、何ひyゲフンゲフン。
「で、でもね。女の子があんまり男の子にべたべたくっ付くのはどうかと思うんだけども……」
「アニスにしかくっ付かねーもん……」
ありゃま、何でこの子完全にデレてるんでしょうか?
本編でも確かにはやてにはデレてたけども、ここまででもなかったぞ!
「……アニスってさ、ホントに小さいな」
「まぁ、気にしてはいないけども、明らかに目に見える人のコンプレックスを直球で行っちゃう辺り、ヴィータらしいね……」
「……結局気にしてるのか?気にしてないのか?」
「さぁ……気にしてないんじゃね?」
「何だよそれ」
「さぁ……」
「……はぁっ……」
ため息つかんといてや。
「そんなに小さくて不便じゃないのか?」
「不便っちゃ不便だよ?自分の部屋のドアすら背伸びしないと届かないし、自販機でジュースは買えないし、サイズが合う服は全部幼児のしかないし……色々だよ」
「それは……まぁドンマイ……」
「まぁそれでもさ、この背のお蔭で得する事もあるから良いんだけどねー。主にアンクに抱っこされたりするし」
「アニスって案外甘えん坊何だな」
「黙らっしゃい。甘えん坊で何が悪いのだ」
「だったらさ……その……私にも甘えてくれても……良いんだぞ?」
……あんさん、何処までデレれば気が済むんですか……。
まぁ、可愛いから許す。
「いや……流石に……」
「……アニスは私の事が嫌いなのか?」
「いや、そうじゃないけども……」
「そうかそうか……いや、別に良いんだ、気にしてないし……」
ムー、何でそう拗ねちゃうかな〜。
……はぁっ、全く。
「コ〜ラッ」
ポスッ……。
俺はヴィータの頭を自分の胸倉まで持って行き、抱きしめる。
このツンデレ幼女め。
「ア、アニス!?」
「誰がヴィータの事嫌いだって?俺、そんな事一言も言ってないんだけどな〜」
「ちょっ、離せ〜!」
「や〜だ、ホレホレ!ムニムニしちゃうぞ〜」
俺はヴィータのほっぺを軽くつまみ、ムニムニする。
うっは、やわれけぇ……。
「ひゃへろひょおー(止めろよー)!」
「ん〜、なんて言ってるのか全く分からないな〜」
「う〜……ふぉの!」
「きゃっ!?」
ちょっ!?
何故押し倒したし!?
「よし、これで形勢逆転!」
「いや〜!勘弁してくださーい!」
「ちょっ、暴れるなって、うわ!?」
ドタッバタン!
いってて〜……勢い余ってソファーから落ちちゃって……。
うー……って、おいちょっ、ヴィータ!?
「ど、何処に顔突っ込んの!?」
何かヴィータが俺のシャツの中に顔突っ込んでるんですけど。
それって普通、男がなるもんじゃないの?To LOVEる的な意味で。
「いってって……」
「ひゃっ!?い、息が……くすぐったい……」
「って……うわぁ!?ご、ごめんアニス!?」
「ひゃん!?……い、良いから……早く、顔をシャツから……」
だ、だめ……くすぐったい……。
ヴィータの息が掛かって……。
スポッ!
「う〜……ヴィータに汚された……」
「人聞きの悪い事言うなよ!?」
「冗談だよ、冗談www」
「アニスの冗談はたちが悪いからな……」
あら、そんなに酷いの?俺の冗談って。
それは失敬。
「それよりも……今アニスがどんな格好か……分かってる?」
……ヘソチラ……そして少し衣服が乱れ……。
傍から見れば、俺がヴィータに押し倒されてる構図にしか見えないねこれ。
「ヴィータったら……まだ、早いよ……」
「いや、何でそうなるんだよ!?」
「あれ?違った?」
「少しは自覚を持てって言ってるんだよ!」
「……あー、すいませんした」
俺はシャツを戻し、上体を起こす。
やれやれ、腰が痛いわ……腰打ったなさっき……。
「もうそろみんな帰って来るな」
「そうだな……」
「……もう少し座って様か」
「……だな」
例えば、こんなアニス(日常編)
アニスはやっぱり自覚がない子(笑)
〜アニスを完全にデレさせてみました〜
「…………」
「あ、あの……主……」
「……ん〜?」
「き、今日はまた、何のお戯れなのでしょうか!?」
「……シグナムは暖かなのです……」
どどどどど、どうも……。
シグナムだ……これは……どど、どういうじょ、状況なのだろうか……。
主が私に抱き着いて離れない……。
「みぃー、暖か暖かなのです……」
「あ、主……」
「……このままだったらシグナムも我慢できないよね……」
「い、いえ!そうではないんです!で、ですけど、普段はご自分からこう言った行動に出られる主ではないではないですか……」
「あうあう……良いではないですか……」
か、かわっ……くぅっ!
何なんだ今日の主は……これでは……これでは!!
「シグナムの髪の毛……ピンク色で綺麗なのです……」
そう言って、主は私の髪の毛を触ってくる……。
あぁ主、主のその赤い髪の毛の方が何倍もお美しいです!
「シグナム〜……ギュッてして?」
「ええぇぇぇぇぇ!?」
「……そうですよね……男をギュッてするなんて嫌ですよね……そうですよね……」
「うわぁぁぁ!?あ、主!落ち込まないでください!誤解です!?誤解ですぅぅぅぅぅ!抱きしめます!抱きしめますから!」
ギュムッ!
あぁ!?つい強めに抱きしめてしまった!?
「ふわぁ……シ、シグナム……がっつき過ぎだよぉ……もう少し、優しく……」
「す、すみません……」
「……ふみゅ……」
あぁ、主……も、もう……この衝動を抑えきれません!!
「主ぃ!!」
「ふやぁ!?」
「あぁ、主!」
「きゃぁ〜!シグナムが暴走した〜!」
その後、つやつやしたシグナムと、ゲッソリしていたが、幸せそうな顔をしていたアニスの姿が目撃されたとかされていないとか……。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
……何これ?
いや、勿論俺が書いたのは書いたんだから、何これって聞くのもおかしいけども……。
……あ、た、例えばこんなアニス!
アニスはデレると半端ない!
〜コスプレ編〜
「|約束された勝利の剣《エクスカリバー》!って、背小さいから似合わねぇ!」
「大丈夫ですよ、十分に似合っています」
そう言って、仁紫園さんはシャッターを切る。
そして、ムッツリーニもパシャパシャと撮りまくる。
……何でお前仁紫園さんの家に居るんだよ……。
「私が呼びました、彼も服を作るのが大層上手ですので……」
「………(グッ)」
親指立ててサムズアップすんな、張っ倒すぞおい。
「それにしても、完成度高いですね。このセイバーの騎士甲冑。まるでアニメの騎士甲冑そのものですね。それにこの聖剣も」
「……じゃあ、次はこれ」
そう言って、ムッツリーニが出して来たのは初音ミクの衣装
だから、何でお前らは俺のサイズに見合った物を作って来るんだって……。
「ムッツリーニは良いけど、仁紫園さんは後ろ向いてて!」
「……普通、逆ではないでしょうか?私がアニス君の着替え姿を見て、土夜さんが後ろを向くのでは?」
「俺の性別の事、すっかり抜け落ちてますね貴女」
「いえ、そこは大丈夫です。ただ、絵的にそうかなと……」
「いや……まぁ……九歳の子供の着替えを見ても何も思もう事は無いと思いますから良いですけど……は、恥ずかしい物は恥ずかしいのですからね!」
あぁ……全くもう……。
せめて二人とも廊下で待ってると言う選択しは無かったんだろうか?
そう考えながら、俺は騎士甲冑を取り、髪を解く。
そして髪を今度はツインテールにし、ミクの衣装に着替えていく。
うわっ、こんな所まで再現してある……細かっ……。
あ……後は下だけ……か……。
「どうしたんです?早くスカートをはいてください」
「…………(コクッコクッ)」ツゥー……
……その前にそこの変態を止めてください。
何か鼻から出て来てますから。
「わ、分かりましたから……そんなにジッと見ないでください……」
俺はセイバーの衣装のロングスカートとゆっくりと脱いで、スパッツになる。
そ、それでも……恥ずかしいんだからな……。
そしてミクのスカートをはき、何かで作ったネギを持ち、完成。
チビミクだわこれ。
「こ、これで良い?」
パイャッパシャッパシャッ!
って、言うまでも無く撮ってますね……。
はぁ、どうしてこの人達は自重しないのでしょうか……。
「アニス君、少し良いですか?」
「はいっ?」
仁紫園さんは俺に一度断りを入れてから、何故か後ろに回り、俺を抱きしめる形でごそごそと何かやっている。
「ひゃっ!?な、何をするのさ!?」
「少し、胸パッドを入れようかと……あ、動かないでください」
「う、動くなって言われてもぉ……」
「大丈夫です、変な事はしませんから」
「で、でも……くすぐったくて……」
「……………(パシャパシャッ)!」
「と、撮ってんじゃねぇ!!」
「動かないでください」
クニュッ……。
「ひやぁぁぁぁ!?へ、変な事しないって言ってたじゃないですか!?」
「アニス君が動くから悪いのですよ?」
「だ、だからって……胸を直揉みしなくても……」
は、はやてにも直揉みされた事なのに!
「はいっ、これで完成です」
「おー……!」
「……凄い違和感あるんですけど……」
胸パッド、しか小さめのブラも着けてるから、実質B−位の物。
それでも男の俺からしていれば、違和感がありまくり……。
「……まぁた無言で撮りまくってるし……」
そんなに面白いのかね?
俺のコスプレを写真に収めるとか……。
その後、アニス写真集となる物が売り出されるが、アニスは知る由も無かった……。
〜ネコネコニャーニャー編〜
「ニャー、捨てられてしまったのですかー?」
「……ア、アニス?」
「あ、フェイトちゃんなのです。みぃー、こんにちはなのです〜!」
「う、うん……こんにちは……と、所で、ここで何をやってるのかな?」
今日もジュエルシードを探していたら、公園の近くで猫耳と尻尾を付けて猫と話をしているアニスを発見した……。
お持ち帰りをしてしまってもばれないかな?
「みぃー、捨て猫さんなのです。かわいそかわいそなのです、ショボーン」
「みゃー」
…………ハッ……少し意識が昇天していたようだ……。
今日のアニスは危険だ……こ、これだと、私が気を失いかねない……。
「そ、そうなんだ……所で、どうしてアニスは猫耳何て付けてるのかな?」
「ん〜、特に理由はありませんよ?あ、取った方が良いですか?」
「だ、駄目だよ!勿体ないよ!(うん、その方が良いと思うよ?人の目とかもあるし)」
あ、あれ?
言いたかったことと本音が逆に……。
「そうですか?えへへ〜、そうですか〜」
「にゃー」
あぁ……もうここで私が死んでも……たぶんみんな分かってくれるよ……。
こんなアニスを見ちゃったら、もうあれだよ……萌え死にしちゃうよ……。
「それよりも、その猫どうするの?」
「……飼いたいんですけど……たぶん無理です……おもに家の過保護な人が……みぃー、ごめんなさい、俺では君を飼ってあげられないよ……」
そう言って、アニスは猫を段ボールの中にそっと戻す。
猫はその中で横になり、悠長に昼寝を始める。
「は〜、やっぱり猫は可愛いな〜」
アニスの方が万倍も可愛いよ……。
あぁ、頭を撫でてみたい……。
「あのぉ〜、そんなにじっと見られちゃ恥ずかしいのですが……」
「あ、ごめん……」
「いえ、気にしないでください。それではフェイトちゃん、今日はこの辺で!」
「うん、そうだね(私の身の為にも……)」
こうして、私とアニスは別れた。
……そしてごめんね、アニス……バルディッシュでたくさん写真撮っちゃった……。
でも後悔はしてない!
〜人形マイスターアニス〜
「ケケケ」
「……えっと……何で出来たし……」
どうも、若干困ったことが起きたアニスです。
ノリと好奇心はあれだね、時として恐ろしい物を作りかねないね。
「御主人、ドウシタンダ?ソンナニ顔ヲ青クシテ」
「いや……人形作ったら何故か……お前が出来た……」
「ケケケ、ソリャ良カッタナ」
「……いや……うん……」
「ソレデ?俺ノ名前ハ?」
「……チャチャゼロ……」
「ケケケ、チャチャゼロカ。御主人ネーミングセンスネェナ。ケケケケ!」
「……壊すか」
「チョッ、待テ!作ラレテ数分デ壊サレルトカ勘弁ダゼ!」
「じゃあ、魔力カットな。普段は普通の人形として暮らしてください」
「ケケケ、手違イデコノ部屋入ッタ人間ノ一人ヤ二人、食イ千切ルカモナ」
怖い……別に意図して作ったわけじゃないんだけども……。
どうしてチャチャゼロになったし。
「所デ、御主人ノ名前、何テ言ウンダ?」
「あぁ、そう言えばまだ言ってなかったね。俺はアニスだ」
「ケケケ、可愛イ顔シテボーイッシュカ」
「いや、リアル男の娘なんだけど……」
「アァ、何ダ、男カ」
「驚かないんだね」
「世ノ中色ンナ奴ガイル。ソノ程度サ」
「……うむ、お前やっぱ可愛いな」
「御主人程デモネェヨ」
俺はチャチャゼロを抱き寄せる。
うむ、こう抱きかかえてみると、やっぱ人形だ。
「抱き心地最高」
「ケケケ、アンマシ力入レンナヨ。マダ腕トカ完璧ニ付イテネェカラナ」
「大丈夫だよ、直せるし」
「……マァ、良イカ………」
「……服どうしようか」
「人形ダカラ、別ニコレデモ良インダケドナ。ケケケケ」
「止めなさい。一応性別的に女の子で作ったんだから」
まぁ、たまたまなんだけどね。
もしかしたら俺、茶々丸とか作れるんじゃね?あ、でもあれって科学と魔法のを合わせて作ったものだから、きついか。
「それにしても、やっぱ可愛いな」
「アンマ褒メンナ」
「さて……ホントに服どうしようか?」
「欲情スンナヨ」
「しねーよ」
この人格破たん人形めが。
それより、こいつ、一応は個体で喋れる程度の魔力はあるのな……。
俺マジでどうやって作ったんだ?
まぁ良いや。
「チャチャゼロ〜」
「頬ズリスンナ、クスグッタイ」
「一応五感はあるんだね」
「魔力モ感知デキルカラ、詳シクハ六感モアル」
「さて、もう二体は人形作るかな」
「ケケケ、ソノ二体作ルナラ、俺ノ服ヲ作ッテクレヨ」
「俺は服を作るのは無理。だからこれで我慢しろ」
俺はチャチャゼロにワイシャツを投げ渡す。
バサッ!
「ウオッ!御主人!俺ハ今魔力カットサレテルカラ喋ル以外の事ハ何モデキネェ!」
「あー、そうだった。んじゃ着せるから騒ぐな」
やれやれと感じながらも、俺はチャチャゼロにワイシャツをかぶせる。
……やっぱ大きいか。俺ですら大きいからね。
「ブカブカダ……」
「贅沢言うな」
「それと御主人、ヤッパ小セェナ。ケッケッケ」
「お前とは25センチ差もあるから良いんだよ」
「ケケケケケケ」
うるさい奴だなぁ……。
さて、あと二体作っちゃおっと!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「……どうしてこうなった……」
「ケケケケ!!何ダソリャ!」
「ひぃー!喋ってるぅ〜!」
「なんでしゃべってるケロ?」
……何で、俺は完成形をかっこよく思い浮かべながら作ってたのに……。
出来たのがメソウサとオオサンショウウオ何だよぉぉぉぉぉぉぉぉ!
「あのー……自分はどうして作られたのでしょうか?」
「……暇つぶし……」
「ひまつぶしでつくるあたり、どうだとおもうケロ」
「ケケケッ!違イナイ!」
「ひぃー!この人形怖いー!」
「きみはすこしだまっていたほうがいいケロ」
「……何なんだこのカオス……」
取りあえず、こいつらに名前を付けて。
後は魔力をカットして、飾っときました。
それでも喋るので、あとはもう無視するしかないですはい……。
でもメソウサとオオサンショウウオ可愛いので許す。
後チャチャゼロも。
〜人形たちとお喋り〜
「メソウサ〜、可愛いよメソウサ〜」
「マスター、余り抱きしめないでください潰れます〜!」
「でもまんざらじゃないかおをしてるのがムカツクケロ」
「ケケケ、コッカラ見リャ。マルデ小サイ女ノ子が人形抱キシメテル位ニしか見エネェナ」
チャチャゼロうっさい。
それにしても、こいつふわふわして気持ち良いんだけど。
「て言うかお前らさ、俺が部屋に居ないときは喋んない方が良いよ?」
「なんでだケロ?」
「誰も居ないのに、俺の部屋から声が聞こえて来るって。少し怪談話になってるから」
「あ、でも誰かが部屋に入って来たら一応会話は止めますよ?」
「間違ッテ笑イソウニナッタガナ、ケケ」
「チャチャゼロさんのわらいかたはしゃれになってないケロ」
「ケケケ、細切レニスンゾ?」
「はいはい喧嘩は駄目だって。それに、動けないんだから出来ないだろうに」
「確カニナ」
て言うか、俺の部屋勝手に入ったんだ。
まぁ、声が聞こえてきたら仕方ないか。
「あ、そういえばその部屋をようすみにきたひと……」
「マスターの下着を物色してましたよ?」
「なん……だと……」
誰だ!?
そんな事した奴!
「髪ガ茶色デ車イス乗ッテタ奴ダゼ。ケケケ」
「はやてかぁぁぁぁぁぁ!!」
通りで俺の下着用のタンスの中に女物の下着が入っていたわけだ!
全く、危うく穿くところだったぞ。
寝起きの俺は物をあまり認識できないからね。
「御主人モ苦労シテンダナ」
「うっせ」
「あぁ!八つ当たりにボクの首を絞めるのは!?」
「あ、ごめんごめん」
ついやっちまった。
俺はメソウサの頭を軽く撫で謝る。
それにしても、マジメソウサ可愛い……何でこんな可愛い生き物が、ぱにぽにでは弄られ対象だったんだ?
主にネコ神様に……。
「それにしても……何か俺の部屋、カオスだな〜」
ダイオラマ魔法球に、人形三体。
ベッド、本棚、タンス……それからそこら辺に転がってる帽子やマント……。
あ……俺のスパッツ……何時からそこに置いてたっけ?
「すこはせいかつをかいぜんしたほうがいいケロ」
「ま、まぁ……オオサンショウウオの言うとおりだね……」
「ケケケ、ダラシナイナ御主人」
「汚れた部屋で生活してると鬱になる人もいるそうですし……」
マジか〜……。
う〜む、片づけるのも良いけど。何やかんやで今の状態の方が分かりやすいってのがあるからな〜。
場所とかね。
それに、服が散乱して埃塗れでぐちゃぐちゃとかじゃないしね。
ただマントと帽子があって、スパッツ落ちてるだけだし……。
もしかしてはやて……俺の部屋に入って来た時に、スパッツの匂いとか嗅いでないよね?
「あ、あのスパッツなら赤髪の女の子が匂い嗅いでましたよ?」
「ヴィータぁぁぁぁぁぁぁ!!」
今度は貴様か!?
変態しかおらんのか、この家には!!
結論、八神家には変人しか居ません(アンクとザフィーラはギリギリセーフ)
〜のほほん〜
「アニスくーん、起きとるかー?」
唐突に部屋のドアが開かれる。
ちょっ……まっ……。
「……………」
「あっ………」
「……せめてタイミングを考えようか」
「……失礼しましたー……」
バタン。
上半身裸なう。
お着替えタイムでした。今ワイシャツを脱いだところです。
それにしても、どうしてはやてが起こしに来たし。
何時もならシグナムやアンクが起こしに来るはずなのにな〜。
まぁ良いや。サッサと着替えちゃお。
「ケケケ、案外役得トカ思ッテタリシテナ」
「んな訳ねぇだろうよ」
「でもゆだんしないほうがいいケロ」
「……お前ら二人はどうしてそんなにそっち方面に考えるんだ?」
「「コノ家ニハ変態シカイナイカラ(ケロ)」」
……否定できない……。
「ふ、二人とも、そこまで言うのはどうかと……」
「でもじじつケロ」
「ケケケ、御主人ノ貞操ガ奪ワレルノモ時間ノ問題ダナ」
怖い事言うなこいつ……。
そして俺の貞操はやらん、絶対にだ。
さて、着替え終わったからリビングに行きますか。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「それで?何で俺の起こしに来たの?」
「アニス君とイチャつきたかったからや」
リビングなう。
そしてこの子はどうしたのでしょうか?
「はいはいワロス」
「あぁん、イケず!」
「それよりも……今日は静かだね」
「今日は皆出払っとるで」
あ、だからか……。
……あれ?さっきチャチャゼロが言ってたとおり、もしかして貞操の危機?
まっ、まさかねー
「そうなんだ……よし、寝なおそう」
「アホかー!」
「えー……」
何故怒られたし……。
そして、どうしてはやてはソファーに座って、自分の膝の上をポンポンしてるんです?
「……」
「………(ニコニコ)」
「…………これで良いんでしょ……」
有無を言わさぬその笑顔。
流石に反則だと思いますけどね、はやてよ……。
俺はムスッとしながらはやての膝の上に座る……毎度の事ながら、どうして俺を膝の上に乗っけたがるのだろうか?
「ひぅ!?は、はやてちゃん!?」
「んー?何やーアニス君?」
「む、胸は揉んだら駄目と……あれほど……」
「せやかて、アニス君最近うちに構ってくれないやん。だからアニス分を補給や」
何だその新しい栄養素はってだから胸を触るのは止めてくれませんかねこの胸揉み魔めが。
俺の胸は平坦だから意外と痛いんだよ?
「それにしても……やっぱりアニス君、痩せたなー」
「まぁ、最近はホントにご飯食べなくなったしね」
「……うち、心配やわ」
「まぁ、死ぬ事は無いから安心しなさいな」
「ホントやな?」
「武士に二言は無い」
「アニス君は武士ちゃう、男の娘や」
いいえ、死神です。
まぁ、卍解時にそうなるだけだから、死神とは言い切れないけどね。
「それにしても……静かだなー」
「アニス君が来てから、どんどんにぎやかになって来たなー」
「良い意味で?」
「うん、良い意味で」
「まぁ、そうだろね。これで悪い意味でって言われたら、俺出てく所だったよ」
「逃がさへんで?」
「捕食者か己は」
「そうやで〜?アニス君しか食べへん厄介な捕食者やでうちわ」
「きゃー、獣ー」
「もう掴まっとるから逃げれへんって」
なん……だと……。
俺は既に捕まっていたのか……って、そりゃはやての膝の上に座ってりゃ捕まったのも同義か。
……たまにはのほほんとした空気で終わるのも悪くないかな?
〜ある日の出来事〜
「……これってどうよ……」
「似合ッテンジャン」
いや、ゴスロリはどうかと……。
どうも、アニスたんです。
そろそろ本編行きたいな〜何て作者に最近愚痴られてますが、それはこっちの台詞です。
サッサと童貞こじらせて死ねや。
「チャチャゼロさぁ……適当に言ってない?」
「ケケケ、当タリ前ダロ」
こいつめが……。
まぁ、無理やりしま〇らまで連れて来た俺が悪いか。
現在チャチャゼロとお出かけ中。
と言っても、チャチャゼロを抱きしめながら来ただけ何だけどね。
今回はチャチャゼロ達の服の生地を買いに来ました。
それにしても、これは良いのう……買いだ。
「ケケケ、結局買ウノカヨ」
「まぁね」
だって黒地って俺好みやん。
それにしても……また何か売り出されてるなし〇むら。
「おっ、これは……常盤台中学の制服……に似てる服……」
まんま制服じゃね?
こんなの買う奴居るのか?
……あっ、何か茶髪で短髪の女の子が買ってった……。
……ん?何処かで見た事あるような気がしなくもないけども気のせいだと信じたい今日この頃。
「イタナ」
「あぁ……居たね……」
俺は声を小さめに出してチャチャゼロと話す。
マジで買う人居たよ……。
「今度は……アクセラさんのかよぉ……」
何かあったし……。
何で今回はとある押し?まぁ、買いだな。
黒と白、両方あるねこりゃ。まぁどっちも買うんですけどね。
「……チッ、サイズがねぇ」
「当タリ前ダロ御主人」
まぁ、大きくても寝間着にしちまえばどって事ない。
さて、これも買い物かごに入れて、っと。
「さて、生地見に行くか」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ん〜、これなんてどうかな?」
「……ヤッパコッチジャネ?」
意見が分かれるなぁ……。
えぇいめんどくさい!これも両方買いだ!
俺は二つを買い物かごにぶっこみ、会計の所に行こうとする。
その時。
トスッ……。
「はぅっ……」
「あン?」
誰かの足にぶつかった……。
しかも鼻打った……。
「ンだァ?このチビは……」
「はぅ……ひゅみまふぇん……ぜんふぉうふふゅういへひた……(前方不注意でした)」
う〜む、何だろう……この聞いたことのあるドスの効いた声は……。
どっかで聞いたことあるな。
「気にスンナよ。こっちも立ち止まってたンだからよォ。それよか、鼻ァ、大丈夫かよ?」
男の人はしゃがみこみ、俺の手を避け鼻を見る。
鼻血は出てないし、大丈夫だと思う。
「よし、何ともねェな」
「ありがとうございます」
「次からは気ィ付けれよ」
そう言って、白髪の青年は何処かに歩き出してしまった……。
……うむ、あの人も何処かで見た事ある人だった……。
そして、何故だろう……。
あの人になら抱かれtゲフンゲフン。
取り敢えず、会計を済ませて俺は帰路に着きました。
〜この前ぶつかった人に会ってしまったら〜
ウィーン。
イラッシャイマセー。
ただ今コンビニに来ています。
うむ、涼しいねこりゃ。さってー今週のジャンプでも読もうかしらね。
「おっ、あったあった。よいしょっ……」
俺は下に置いてあるジャンプを取り、ぱらぱらとページを捲る。
さてー、今週のブリーチはっと……。
ガコン……ガコン……ガコン。
ん?何だ?この缶飲料をたくさん入れてる音は?
そう思いながら、俺は横を向く。
そこには……。
「………………」
ガコン……ガココココココン!
缶コーヒーを大量にカゴに入れてる白髪の男が居た。
つか、あれこの前しま〇らでぶつかってしまった人ではないか……。
「……ンなもンかなァ」
「そんなにコーヒーばっかり飲んでたら、カフェイン中毒になっちゃいますよ?」
「あン?」
俺はジャンプを抱えながら、白髪の男に注意してみる。
うむ、やはり見覚えがある……。
「なーンなーンでーすかー?最近のガキは、そんな覚えたての言葉を使いたいンですかァ?」
「ううん、俺は貴方の事を思って言ってみただけだよ?」
「……忠告どうも」
「ぷー……やっぱり忘れちゃったんですか?」
「あン?お前、誰だっけ?俺にこンな可愛らしいお友達はいねェぞ?」
「ほら、この前しま〇らで貴方にぶつかっちゃった」
「……あーあー、思いだした思い出した。あン時のガキか」
「要約思い出しましたか」
「あぁ。それで?何で話かけて来たンだ?」
「何でって、この前親切に俺の鼻見てくれたじゃん。そのお礼!」
「……はーっ、お前、どうかしてンじゃねェか?俺を見てなンとも思わないのかよ?」
?何とも思わないのかって?
……特に思わないけども……強いてあげるなら。
「カッコいいですね」
「ぶっ!……いきなり何抜かしてンだこのガキ!」
「いや、何とも思わないのかって聞かれましたから……カッコいいなって……」
「こンな細い俺がカッコいいだって?お前やっぱ何処かおかしいンじゃねェの?」
「酷くないですか?俺は変じゃないですしノーマルですし」
「そォかよ……あーはいはい……」
「ぷー、何でそんなにめんどくさそうにするかなー」
「ガキに絡まれたら、誰だってそうなンだろ」
「ちぇっ……んじゃ、もう帰るね」
「あぁ、もう二度と会いたくねェよ」
「もぅ……んじゃねーって、うわぁ!?」
ズザー!
ってぇ……。
まさかこんな所が濡れてるとは思わなかった……。
清掃の不具合ですねこれ。
「あーらら、血が出てる……って〜」
「ったく、なァになってんだか……オラ、立てっか?」
そう言って、白髪の男は俺に手を差し伸べてくる。
……やっぱいい人だ、この人……。
「あの……ありがと……」
「ガキが何言ってンだ」
ポンポン。
「あう……」
「……少しそこで待ってろ」
「ふぇっ?」
白髪の男は俺の頭を数度ポンポンと軽く叩くと、俺にそう言うと、すぐに日用品売り場に行ってしまった。
そしてすぐに大量の袋と、もう片方の手には小さな袋を持って戻ってきた。
「外に出ろ」
「う、うん……」
俺は言われるがまま男に着いて行く。
そして、黙って着いて行ったら、そこはベンチだった。
「オラ、そこ座れ」
「あ、はい……」
俺はベンチに腰を掛ける。
……少し日が出ているけど、風が何とも気持ち良い。
「怪我した方の足出せ」
「………」
俺は右足を突き出して男に魅せる。
男は俺の足を軽くつかみ、そっちに引き寄せる。
「ひやぁ!?」
「何変な声出してンだよ」
「いや……くすぐったくて……」
「……はぁ。オラ、少し染みンぞ」
「へっ?」
プシュゥゥゥゥ!
「いった……!」
「だから言ったろ……染みンぞって」
「ううー……何で消毒液なんか……それに、いつの間にカットバン何て……」
「うるさいガキだ。少しは黙ってられねェのかよ?」
……ふふ……。
不器用なところも、ホント、あのキャラにそっくりだね。
「……何笑ってンだよ?」
「んーんー、何でもないですよ。ありがとう、お兄ちゃん!」
「お、おに……あ、あぁ、別に礼なンて要らねェよ」
「そうだ!メアド交換しよっ!」
「はっ?お前、ガキの癖に携帯なンて持ってンのかよ……」
「うん!」
「……はぁ、分かったから。そンな期待に満ちた様な目でこっち見ンな。…………ほらよ」
「ありがと!」
俺は早速、男の人とメアドを交換した。
……ふむふむ、|岡本一《おかもとはじめ》って言うんだ……。
「一お兄ちゃん?」
「あンましそう言う呼び方すンな……恥ずかしいだろォが」
「ごめんなさい……それじゃあ、もう俺は帰るよ」
「おぉ、気ィつけて帰れよ」
「うん!バイバーイ!」
こうして、また年上のお友達が俺にできたのでした。
「ッエーイ☆最っ高だね!」
って、最後に聞こえたのは気のせいだと思いたい。
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