死にたがりの第五十話 汚らわしい大人めが!! |
「はい、ここが艦長が居る部屋だよ〜」
「さて、帰ろうっと」
俺は後ろを振り向き、逃走する形を取る。
ガシッ!
「何処に行くのかな〜?」
「あはは、嫌ですねお姉さん。別に逃げ様だ何て考えてませんよ。ただ家に帰って風呂に入って趣味の盆栽の手入れをして寝たいなと」
「趣味渋っ!?おじいさん臭いよ君!」
「う・そ♪」
「だ、だよねー」
ナゾナゾ博士みたいになっちゃった。
あのおっさんおもろいから好きやわ。
「はい、入って入って」
「ちょっ!?」
俺は強引に手を引かれ、中に入れられる。
腕痛いから離せコノヤロー!
「艦長ー!連れてきましたー!」
「あ、アニス君!目が覚めたんだ!」
「あ、なのはちゃん。おいっす!」
中は何か和風の部屋だった……何これ怖い。
獅子脅しとかどっから入手したし……。
「あの、少し良いかしら?」
「あ、はい……」
「私はこの艦の艦長をしている、リンディ・ハラオウンと言います。君が気を失っている間に、そこのなのはさんと話したんだけど。さっきまで話していた事を少しだけ掻い摘んで説明しても良いかしら?」
「あ、はい……それと、そこの少年……」
「……何だ……」
明らかに怒ってますよー的な空気醸し出してる黒助が居た。
……うむ、やはりあれだ。
「すまなかった、だが反省も後悔もしていない。故に俺は心から謝らない!(キリッ」
「おい!君は人を舐めているのか!」
「うーわー……ガキ相手に本気でキレちゃってるよこの人……全く、最近の若い者わ……」
「すぐキレればいいと思っているの」
「「ね〜」」
何かなのはに振ったら乗ってくれた。
愛してんぜなのは。
「き、君達は〜!」
「ま、まぁまぁクロノ君!それよりも、君の名前を聞かせてもらっても良いかな?」
「あ、すいません。まだ自己紹介がまだでしたね。俺はアニス・クロイツベルと申します、よろしくです」
その瞬間、この空間の空気が固まる。
……あれ?何か俺、ヤバい事言ったかな?
「クロイツベル……って事は……クロイツベル一族の……」
「えぇ、クロイツベル一族の者ですけど……どうかしました?」
「……これは、とんでもない事になっちゃったわね〜……」
「???」
俺、分かんないんだけど……。
え?何でエイミィさん、ちょっと引き気味?それと黒助、顔引きつってんぞ……。
そしてユーノ、何泣きそうな顔してんだ……。
「ユーノ君どうしたの?今にも泣きそうな顔になってるけど……」
「ク、クク……クロイツベル一族って言ったら……次元世界中に名を轟かせた有名の血筋何だよ……。裏社会のトップとも言われている、最強の一族……」
「まさか……この目で見る日が来るとは……明日死んだかな、僕……」
「ちょっと私、遺書書いてきます……」
えっ……何すかその言いよう。
ちょっ、俺泣きますよ?わんわん泣きますよ?嘘ですけども。
「えっと……取り敢えず、俺家の事全く知らないんで、それも含めて話してくれると嬉しいんですけど……」
「あら、そうなの?」
「えぇ……」
「……分かったわ。それじゃあ、先ずはそっちの事から教えてあげましょう……」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
クロイツベル一族。
ベルカ時代よりも前から栄えていた武装一族。
特殊な魔法、クロイツ式を築き上げた事として、文献とかに記されているが。
今の時代のクロイツベル一族は、各家庭により、業種が異なる。
中には表で働いてる者もいるが、裏で働いてるのが大半。
殺し屋や売買、情報改変、隠編、ハッキング、暗殺……などなど。
管理局がここまで知っていて、手を出せないのは……クロイツベル一族とは、管理局創設の際に、多大な恩などを売り込み、非干渉条約を結び、管理局はクロイツベル一族に手を出せない状況になっている。
その条約は永久的に守られ、無くなる事は決してない最悪の条約。
それともう一つ、クロイツベル一族を捕まえられない理由がある。
それが、圧倒的強さ。
クロイツベル一族一人が、管理局員1000人分に相当する力を持ち。
中でも、卍解を習得してる者と戦おうものならば、管理局が三日ももたずに壊滅させられてしまうほどの力があるからだ。
それほどの力を持っている一族とまともにやり合う事が出来ないので、そのリスクを捨てて、今までクロイツベル一族の闇の部分には一切触れずに、ここまで来た……。
「……パネェな(笑)」
「アニス君ってそんなに凄い人だったんだ……」
「と、ところで……さっきからこの子の事君付で呼んでるけど……もしかして男の子……?」
「あ、はい。男ですけど……何か?」
………………。
「「「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」」」
案の定、三人は驚くのであった。
「ユーノ君は驚かないんだね」
「一応フェレットになってる時に聞いていたからね……」
あら、この淫獣めが。
取りあえず……落ち着くまで待ちますか。
〜男の娘待機中〜
「落ち着きました?」
「あ、はい……ごめんなさね」
「いえいえ、俺の性別を聞いたら驚く人しかいないので気にしてないですよ」
「だから上半身裸でも恥ずかしくなかったんだ……」
「いや、近くに着るものなかったんでそのまま出てきただけです……」
恥ずかしいものは恥ずかしいのだよ君。
取りあえず、こいつは後でヌッコロス。
「残念だったな少年、俺が女じゃなくて」
「何を言ってるんだ君は?」
「だって俺が上半身裸で木の化け物と戦ってた時俺の前に来たから見えてたじゃん。だから、残念だったねって」
「僕は変態か!仮に君が女の子だったとしても、君みたいな小さい子には欲情したりなんかしない!」
「クロノ……」
「クロノ君……」
「何で二人して僕の事をそんな目で見るんだ!おかしいじゃないか!」
「まぁ、こんな色ガキはほっといて。それで、何処まで話したんです?」
「あぁ、そうだったわね。まず最初に、ジュエルシードの事の説明、そしてなのはさんのこれからについて」
ジュエルシードの事については、原作を知ってる俺が聞いても、特になんら改編とかはなかったので、興味はなかったけど。
次の、なのはのこれからについての話は……うむ、こいつ舐めてんのかと。
「それで、この事件については私達管理局が全権を持ち、なのはさん達には普通の生活を送ってもらおうと考えています。でも、急に言われても納得はしないと思うので、これから親御さんとよく話し合ってからでも遅くないと思うわ。それに、アニス君もね」
「……はぁ、良く分かりましたっす……。んじゃ、もうこの人達に全部まかせちゃおっか?」
「えっ……でも……」
「それは……」
「う〜ん、なのはちゃんやそこのユーノはさ、ジュエルシードがどれ程危険か分かってるっしょ。それに、なのはちゃんはどんなに魔力があっても、まだまだ素人の域は抜けてない。ユーノだって、デバイス無じゃこの先キツイ。どうせならここは素直に引いた方が良いと思うのよ。この人達だってそう言ってるし、何も親に話す必要もないと思うのよね〜」
「……でも……」
「あーもう!」
俺はなのはの近くまで行き、なのはを抱きしめる。
「にゃっ!?ア、アニス君!?」
「俺は心配なんだよ、なのはちゃん……(俺に合わせて……ここはうんってうなずいて、後、ユーノも)」
」
耳元で小さな声で話す。
(え……うん、分かったの……!)
(急にどうしたの?)
(少しね、大丈夫。俺を信じなって)
俺はなのはから離れ、もう一度なのはとユーノに問う。
「なのはちゃん、ここは管理局に任せよう?ユーノも……それで良いんじゃないかな?」
「………うん……そうだね……」
「……なのは……分かったよ……僕もそれで良いと思います」
「うん、それでよし!それじゃあリンディさん、俺達はもうジュエルシード集めはやめて、普通に暮らします。それじゃあ、帰ろうか」
俺となのはとユーノは、そろってこの部屋から出ようとする。
なんか、めんどくさいしね。
「ま、待って!今すぐに答えを出さなくても、一度親御さんと話をしてからでも……」
「いえいえ、その必要はありませんよ、ペテン師さん?やはり大人達は汚いですね、マジ汚い」
「君は!館長を侮辱する気か!艦長は君達の為を思って、君たちの親御さんと話して決めるチャンスを!」
「じゃあ、どうしてこの全権を持つって言って、君たちは普通の生活に戻りなさいとか言っといて……どうして親と話し合わなきゃならないの?おかしいよね?そこん所どうなんです、リンディさん?」
「そ……それは……」
「大方、なのはちゃんの善意に付け込んで、手伝わせようとか考えていたんでしょ?あぁ、何て汚らしい大人なんでしょう。俺はこんな大人達に、なのはちゃんを、親友を食い物にされるなんて絶対嫌だね。さっ、帰りましょうか二人とも。こんな所に居たらこんな大人みたいになっちゃいます」
「う……うん……」
「……………」
なのはは少しどんな状況?みたいな顔をして、ユーノはその矛盾に気づいたような顔をしていた。
やれやれ、こんなのが管理局とか……いやだいやだ。
「子供と思って舐めてんじゃねえですコノヤロー。それじゃ、失礼しまーす」
俺となのはとユーノは部屋を出ようとする。
さて、どうする?リンディ・ハラオウンさんよぉ。
「待って!」
「……何です?汚らしい大人さん?」
「……ごめんなさい……貴方達を騙そうとして……」
「か、艦長!?」
「へぇ……それで?素直に謝って、許されると思ってるんですか?」
「いえ……そうは思ってないわ……。でも、この事件に、なのはさんの協力は不可欠なの!だからお願いします!力を貸してください!」
そう言って、リンディは頭を下げる。
……うむ、世の中そんな事の一つで曲がりとおるなら苦労しねえって話ですよ全く。
「アニス君……」
「……あんまし、この人達に協力するのは反対ですが……まぁ、それはなのはちゃんが決める事ですしねぇ。俺は口出ししませんよ」
「ありがとう……アニス君……。リンディさん!私、手伝います!」
「僕も!」
「……二人とも……ありがとう!」
うむ、これで良いのです。
本編では気に食いませんでしたしね、これはこれでありだと思いますです。
「さっ、んじゃ地球に戻りましょうかね」
「うん!」
「……アニス君は、協力してくれないのかしら?」
……このおばはん何言うてんねん?
どうして俺が手伝わなきゃあきまへんの?俺は俺でやりたいのでむしむし。
「調子に乗るなです。俺は手伝いませんよ」
「でも、手伝ってくれなきゃ、デバイスを返せないんだけど?」
……はぁ、ホント、つくづくこのババアはめんどくせぇな……。
俺が、その程度で屈するとでも?
「あのですね、貴女はさっきの事忘れたんですか?俺が盛大に血をまき散らしたのを」
「えぇ……そう言えば、あの事について聞いていなかったわね」
「ついでかよおい……まぁ、良いですけど。……俺は魔法を使えない体なんです。魔法を使うとたちまち出血を起こし、吐血する。いわば呪いですね。俺の体を、今も蝕みやがっています」
「……そう……それは、治るものなのかしら?」
「さぁ、俺もつい最近知ったので、知りませんよそんな事。それよりも、やはり貴女は汚い人ですね?懲りてませんね、ホント。今この場で八つ裂きにしますよ?生憎と、俺はデバイスを使わなくても魔法が使える体質故、今すぐこの場で出来ますよ?それでも良いって言うのなら……身の保障は出来ませんので」
「……ふぅ……ホントに君は九歳なのかしら?ここまで食えない子は初めてよ」
「むしろ子供にそんな汚い手口で勧誘しようとすんな」
何なんだこの人は。
マジで頭逝かれっちまってるぞおい。
「それよりも、サッサとデバイス返してくださいよ。めんどくさい」
「クロノ」
「しかし……良いんですか?」
「彼が言ってる事に嘘は無いわ。さっきの映像を見る限り、彼は本当にデバイス無しで魔法を行使できる。ここは言うとおりにしましょう」
「……分かりました。ホラ、受け取れ」
クロノはポケットから俺のデバイスを出すと、俺に投げ渡す。
俺はそれを見て……何故か……。
「そいっ!」
バシン!
叩き落としてみた。
「「「「「えぇ〜!?」」」」」
《ギャァァァァ!割れた!絶対割れた!致命傷ですよマスター!?中身破損したってこれ!?いやマジで》
「いやいや、これ位じゃ壊れないって事知ってるよクイーン」
《何で叩き落としたしwww》
「ノリ」
《ここは感動の再会ですよマスター!》
「いや、ぶっちゃけ協力しないとお前が返ってこないって言われたら、別に良いかなって思ったんだけど」
《酷い!貴方は酷過ぎる!良いですよもう、貴方がさっきジュエルシードの暴走体にやられた映像、全国放送してやるんだから!》
グシッ!
俺は思わずクイーンを踏みつけてしまった。
まぁ、仕方ないよね。
「今すぐに消せ……分かったか……」
《イ、イエスマム……》
ったく、何時の間に撮ってたし。
はぁ、疲れる。
「そ、それって……インテリジェントデバイスだったのね……」
「えぇ、そうですけど」
「一言も喋らなかったから、てっきりストレーズがアームドデバイスだとばかり……」
《私はマスター以外の人の前ではあまり喋りません。だってシャイなんだもん♪》
「少し黙れボケ」
グシッ!
《あぁ!もっとぉ!》
……ピキッ……!
《イヤァァァ!じょ、冗談ですマスター!だからもうやめてください!割れちゃいます!いやマジで!》
……取り敢えず、締まらないね……いやマジで……。
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まさか一つ飛ばして上げるとか……ディアボロたんてへぺろ☆ |
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