TOKYO WAR
説明
南雲「貴方方はそれでも警察官かッ」 会議室に響いた南雲隊長の叱責の声に、後藤警部補は現実に引き戻された。「レイバー隊をここまで育て上げてきた功労者の一人と思えばこそ大目に見てきたが、その暴言は最早許せん」警視総監の声が心なしか上ずっているのは、むしろ滑稽としか言えない状況だった。会議室に集めた幹部全員でつるし上げるハズだったスケープゴートに、逆に噛み付かれたのだから。「南雲警部。特車二課課長代理及び第一小隊隊長の任を解き、別名あるまでその身柄を拘束する」「私に手を触れるなッ」拘束しようと肩に手を伸ばした警備課員に向かって南雲警部の鋭い声が響いた。その声に気圧されたように、課員は動けなくなってしまった。「後藤君、君はどう思うかね。」次はお前だ、と言わんばかりに矛先が向けられた。 後藤「戦線から遠退くと楽観主義が現実に取って代る。そして、最高意志決定の段階では、現実なるものはしばしば存在しない。戦争に負けている時は特にそうだ」 「何の話だ。少なくともまだ戦争など始まってはおらん」 嘲笑するように総監は言う。 後藤「始まってますよ、とっくに。気付くのが遅すぎた。柘植がこの国へ帰ってくる前、いやその遥か以前から、戦争は始まっていたんだ」ここまで言うと、後藤隊長は突然立ち上がった。 後藤「突然ですが、貴方方には愛想が尽き果てました。自分も、南雲警部と行動を共に致します」 ちょっと驚いた風な表情を作ったが、すぐに総監は冷めたような視線を寄越した。 「後藤君。君はもう少し利口な男だと思っていたがね」 総監の隣に座っている警備部長が勝ち誇ったように言った。 「二人とも連れて行け」 会議室のドアが勢いよく開けられ、若い警備課員が血相を変えて飛び込んできた。「どうした」面倒くさそうに聞く。「大変です!たった今自衛隊ヘリの爆撃により、東京湾横断橋が・・・ッ!」 一気に会議室はざわめきに包まれた。右往左往する会議室に叱責の声が響く。 後藤「だからッ遅すぎたと言っているんだッ!!」怒りをあらわにした犬の形相であった。
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パトレイバー ヘルハウンド AH-88 

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