IP?インフィニット・ストラトス・パラドックス? 第十話
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結局、放課後は訓練ということになり、今現在、俺達は第3アリーナにいる。

 

 

「・・・・で、何で箒が打鉄を展開してここに居るんだ?」

 

「な、なんだ?おかしいか?」

 

「いや、似合ってるが・・・・セシリアに教わりに来たのか?」

 

「違うっ!お前に教えに来たんだっ!!」

 

 

・・・・・・いやいやいや。箒から何を教わればいいのさ?

 

 

「箒から教わることはなかったと思うが・・・」

 

「ゆ、雪片での近接戦闘があるだろうがっ!!」

 

「いや、あれについては織斑先生にすでに教わってる。それに俺は近接武器は主流じゃない」

 

「うっ・・・・うぅ・・・」

 

 

すると、箒がうめき声をあげて沈黙。・・・・何故?

 

 

「まあ、実戦相手になってくれるのは大歓迎だ。さすがにセシリアばかりだと、動きが決まってしまうからな」

 

 

セシリアは遠距離射撃型。違ったタイプのやつと戦うのはいいことに違いない。

 

 

「そ、そうかっ!ならば私が相手をしようっ!!」

 

 

何故か上機嫌になる箒。そしていつもの俺、理解不能。

 

 

「じゃあ・・行くぞ」

 

「ああっ!」

 

「お待ちなさいっ!!このわたくしをお忘れではなくてっ!?」

 

 

・・・・・ごめん。すっかり忘れてた。

 

 

「一夏に頼まれたのは私だっ!」

 

「いいえっ!元々約束していたのはわたくしですわっ!!」

 

 

すると、何故か急に箒とセシリアが戦闘を始めた。

 

・・・・・なんでこうなる?俺のせいじゃないよね?

 

 

「一夏っ!」

 

「一夏さんっ!」

 

「ん?」

 

 

俺がボ?と見てると二人が急に俺に向かって怒鳴ってきた。・・・・・顔が怖いから落ち着かない?・・無理?ですよね?。

 

 

「どうして何もしないっ!?」

 

「何故、黙って見ているんですのっ!?」

 

「・・俺にどうしろと・・・・」

 

「私に加勢しろっ!!」

 

「わたくしに味方して下さいませっ!!」

 

 

・・・・・・・・どないせいっちゅうねん。

 

俺はどうすればいいのか分からなかったので、だんまりを通した。

 

 

 

 

 

数分後、そのだんまりを通したのがいけなかったのか、二人同時に襲いかかられた。

 

が、なんとか二人を撃墜して今日の訓練を終わりにした。

 

まったくもって理解できないぜよ。何で俺がこんな目に・・・・・

 

俺は箒とセシリアとは別のピットに入り、ISの展開を解く。そしてクールダウンのためのストレッチを始める。

 

 

「一夏っ!」

 

 

すると突然スライドドアが開いた。

 

そこに現れたのは鈴だった。

 

 

「おつかれ。はい、タオル。飲み物はスポーツドリンクでいいよね」

 

「ああ、助かる」

 

 

鈴が持ってきてくれたタオルを使って汗を拭き、スポーツドリンクを一気に飲み干す。

 

ああ?うまい。コーヒー以外でここまでおいしいって思った飲み物は久々かもしんない。

 

 

「一夏さぁ、やっぱあたしがいないと寂しかった?」

 

「それはそうだ。パートナーがいないのはやはり寂しいものだ」

 

「そうじゃなくてさぁ。久しぶりに会ったんだから色々言うことあるでしょうが」

 

 

ん?なんかあるかな??

 

 

「・・・説教か?」

 

「もういいからそれはっ!!」

 

 

ん??他に思い当たるものがないぞ??

 

すると、再びスライドドアが開いた。そこにいたのは箒だった。

 

 

「一夏、先にシャワーを浴びてるぞ」

 

「ああ、分かった」

 

「ではまた後でな」

 

 

そう言って箒は部屋に戻っていった。

 

 

「・・・・一夏、今のどういうこと?」

 

 

すると、鈴が急に不機嫌になった顔を隠そうとして引きつった笑みで訊いてきた。

 

 

「ああ、言ってなかったか。俺と箒は同じ部屋なんだ」

 

「は?」

 

「本当は一週間は自宅通学だったはずだったんだが、政府が無理矢理部屋割りに捻り込んだわけだ。それで、箒と当たって同室になったって訳だ」

 

「そ、それってあの子と寝食共にしてるってことっ!?」

 

「まあ、そうなるな」

 

「アンタ・・・アンタはそれでいいのっ!?」

 

「いいも悪いも、国が決めたことだからとやかく言えないだろう。俺としても問題だと思うけどな。まあ、見ず知らずの相手よりは良かったな。幼馴染の箒で助かったな」

 

「・・・・・・・」

 

 

何を思っているのか鈴は俯いている。それに何かぶつぶつ呟いている。

 

 

「・・・・ったら、・・いわけね・・・」

 

 

うん?何か言った?

 

 

「幼なじみなら、いい訳ねっ!」

 

 ガバッ!!

 

 

いきなり顔を上げてきた。その勢いと突然のことにに俺は驚いた。

 

一体何事っ!?

 

 

「わかった、わかったわ。ええ、よくわかりましたとも」

 

 

何かの納得をしている鈴が何度も頷いていた。

 

・・・何か変なものでも食べた?

 

 

「一夏っ!」

 

「あ、ああ」

 

「幼なじみは二人いるってこと、それとあたしがパートナーってこと覚えておきなさいよ!」

 

「何をあたりまえなことを言って??」

 

「じゃあ、後でねっ!」

 

 

そう言い残し、鈴もピットからサイクロントリガーの弾丸真っ青の勢いで出ていった。

 

・・・・・・何がなんだかもう訳がわかんない。・・・だれか助けて・・・・・・最近これ口癖になってきたな?。

 

 

 

 

 

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「という訳だから、部屋代わって」

 

 

どういう訳?

 

 

「ふ、ふざけるなっ! 何故私がそのようなことをしなくてはならないっ!?」

 

 

夕食を食べ終えて箒と自室でのんびりしてる所に鈴がやってきた。

 

 

「いやあ、篠ノ之さんも男と同室なんて嫌でしょ? 色々と気遣うし。その辺、あたしは平気だから代わってあげようかなって思ってさ」

 

「べ、別に嫌とは言っていない。それにだっ! これは私と一夏の問題だ。部外者に首を突っ込んで欲しくないっ!」

 

「大丈夫、あたしも幼なじみだから」

 

「だから、それが何の理由になるというのだっ!」

 

 

話が一向に進まない。それ以前、話が噛み合ってない。

 

鈴は我が道をひたすらに行くな性格をしてるし、箒は箒でもの凄く頑固だ。到底この二人は話し合いで解決するような性格をしていない。断言してもいいぐらいに。

 

二人から目を離して周りを見てみると、鈴の足下に一つのボストンバックが目に入った。

 

・・・・もう荷物持ってきてるのかい・・・

 

昔、鈴は『ボストンバック一つでどこにでも行ける』と自負していた。

 

中学の修学旅行のとき他の女子よりも荷物が半分くらいだったしね?。

 

いつでも家出が出来るようにかと思っていたときがあった。ちなみにそれを口に出した俺の友達は滅茶苦茶に怒鳴られていた。

 

 

「とにかく、今日からあたしもここで暮らすから」

 

「ふざけるなっ! 出て行け! ここは私の部屋だっ!」

 

「『一夏の部屋』でもあるでしょ? なら問題ないじゃん」

 

 

俺からの意見を求めるように今度は俺に視線を向けてきた。箒もおなじく俺の意見を求める視線を向けてくる。

 

 

「・・・・・・俺としては箒より鈴の方が落ち着くが・・・・」

 

「一夏っ!?」

 

「ふふふ?そうでしょ?」

 

「だが、学校に許可は取ったのか?」

 

「・・・・・え?」

 

 

俺の言葉に鈴は呆然とする。

 

 

「こういう話はまず学校側に通すのが筋だ。で、話したのか?」

 

「は、話して、ないけどさ・・・・・・じゃあ、ここの寮長って誰よ?」

 

「織斑先生だ」

 

「そんなの、絶対無理じゃないっ!!」

 

 

確かに正当かつ納得の出来る理由でなければ通るはずはないもんね?。

 

 

「学校側の許可はないし上に、箒もお前の申し出を断ってるんだ。俺としては反対する余地はないんだが、この話は無理だな」

 

「むぅ?」

 

 

鈴が唸って、箒が勝ち誇った顔をする。・・・・・そんなにこの部屋気に入ったのかな??

 

 

「それにそれは無意味だ。俺は5月で別の部屋に移動になるからな」

 

「ええぇっ!?」

 

「そ、そうなのかっ!?」

 

 

・・・・・何で箒まで驚くのさ?最初からそういう話だったじゃん。

 

 

「だから、今部屋替えしても意味がない」

 

「うぅ?・・・・」

 

「・・・・・・今度一緒にどこか出かけるか。久々にターミナルに行くのもいいだろう」

 

「・・・・ん、分かったっ!」

 

 

すると、いままで不機嫌だったのが急に上機嫌になった。

 

前からどこかでかけようって言うと途端に機嫌が直るんだもんな?。

 

 

「・・・・ねえ、一夏」

 

「ん?」

 

「約束覚えてる?」

 

「約束?」

 

「そう、約束」

 

 

・・・・・・何かあったかな?たくさんした覚えがあるんだけど・・・・

 

 

「・・たくさんあってどれか分からないな・・・・」

 

「その中でも一番大切だったものがあったよね?」

 

「・・・・・死んでも帰って来い。だったか?」

 

「違うわよ。それにそれはもう守ってくれたし」

 

 

・・・・・・どれ?

 

 

「・・・・・どの時期の約束だ?」

 

「え、えと・・・・・あたしが帰国する前の一番最後の約束・・」

 

 

ああっ!分かった分かったっ!!

 

 

「料理が上手くなったら、毎日酢豚を作ってあげる、っと言うやつか?」

 

「なっ!?」

 

「そうそうっ!!それそれっ!!」

 

 

箒が絶望した表情になって、鈴が目を輝かせる。

 

 

「だが、俺は毎日酢豚だと飽きるからいいと、断ったはずだが?」

 

「え・・・・?そうだっけ?」

 

「ああ」

 

 

さすがに毎日はね?。俺は少なくても無理。・・・あれ?言ってなかったけ?

 

 

「・・・・・言ってなかったか?」

 

「聞いてないわよ・・・・・じゃあ何?あんたはずっとそう思ってたってわけ?」

 

「そうだな。今でも思ってるが」

 

 

俺がそう言うと鈴が急に怒りのオーラを纏った。

 

 

「・・・・違う意味だったのか?ならそれを言ってくれればいいのだが」

 

「そ、そんなこと言えるわけないでしょっ!!」

 

 

・・・・一体どんな意味で言ったのさ・・・

 

 

「・・・・・・そうね、じゃあこうしましょう」

 

 

するといきなり鈴は何かを提示してきた。

 

 

「クラス対抗戦、そこで勝った方が負けた方に何でも一つ言うこと聞かせられるってことでいいわねっ!?」

 

「・・・・なんでそうなる」

 

「うっさいわね。別にいいでしょ?・・絶対だからねっ!分かったわねっ!!」

 

 

鈴は俺が乗るかどうかも言わないうちに、荷物を持って出て行った。

 

・・・・・な?んでそんな話になるのかね??

 

 

「一夏」

 

「ん?」

 

「馬に蹴られて死ね」

 

 

はい。箒から罵声を頂きました?。・・・・・・・なんで?

 

・・・・・疲れた。もう寝よう。

 

 

 

 

 

 

 

翌日の朝、生徒玄関前の廊下に大きく張り出されている紙があった。

 

その表題は『クラス対抗戦日程表』

 

俺の初戦の相手は??

 

??鈴だった。

 

 

説明

ドアミラーぶっ壊しちゃった・・・ああ、もう最悪。明日初バイトなのに気分がダダ下がり・・・
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性格改変 仮面ライダー インフィニット・ストラトス 

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