死にたがりの第七十三話 予期せぬ再会 |
あらすじ
シグナムがフェイトを認めました
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朝……。
『弾幕はパワーだぜ!弾幕はパワーだぜ!だんm』ピッ。
携帯の着信音で目が覚める俺。
……二度ある事は三度ある……ってか……。
「ふぁい……もひもひ……アニスです……好きな物は……ワイシャツ……です……三歳でしゅ……」
『この前よりも二歳退化してるよアニス君!?』
「……また……なのですね……」
何でこの子はいつもいつも俺が寝てる時に電話してくるんだろうか……。
もしかして狙ってます?
て言うか、罪悪感半端ないんですけど……。
『その前に何でこんな時間まで寝てるのアニス君!?』
「……まだ九時ちょっと過ぎ……後……三時間は……余裕です……」
『寝すぎだよ!?そ、それとも、昨日夜更かししちゃったとか?』
「……昨日は……九時に……寝ました……」
『既に十二時間も寝てる!?』
「……お休みなさい……」
『まだ要件言ってないのぉ!?』
何か、もうこれがパターン化してるね。
……一体何なんだ……。
『あのね!フェイトちゃんがこっちに引っ越してきたんだよ!だから、久しぶりにみんなで家に来てお菓子でも食べながらお話ししようかなって話してたんだ』
……あぁ、そうか。
そう言えば、クロノ達、一時的に海鳴市に住むんだったね。
それでマンション借りたんだっけ……。
て言うか、この場合、プレシアさんは?
「へぇ、そうなんだ。ところで、プレシアさんとアリシアちゃんは?」
『二人も一緒に住むんだって!』
「そうなんだ……良かったぁ……それじゃもう切るね?」
『うん!……って、まだ切っちゃ駄目なの!?まだ返事聞いてないよ!?』
うるさいなぁ……。
て言うか、一応敵同士だから会いたくないんだよね……。
その前に、今日は病院だし……。
「ごめん、今日は用事があって行けないんだ……」
『あ、そうなんだ……じ、じゃあ!フェイトちゃんに代わるから、少しだけお話ししてあげてくれないかな?』
「まぁ……それ位だったら大丈夫ですけど……」
『ありがとう。それじゃあ、代わるね』
なのははそう言ってから、一旦電話から声はしなくなった。
そして数秒してから……。
『も、もしもし……?』
「久しぶりだね、フェイトちゃん。どう?プレシアさんとは仲良くしてる?」
『うん!もう一人の母さんとは、まだちょっとあれだけど。本当のお母さんとは仲良くしてるよ』
「そっか、それは良かったです。それにしても、ここに引っ越して来たって事は、裁判とかは終わったんですね」
『あ……う、うん!そ、そうなんだ』
何か誤魔化された感があるね。
まぁ、そうか。曲がりなりにも俺は一般人、事件とか教えるのはあれって感じか。
「それにしても、元気そうでよかったです」
『ありがとう。アニスも元気そうで何よりだよ』
あはは、今足動かないんですけどね……。
それにしても、どうしたものかな……。
「今日はごめんね?用事があって顔は見せれないんだ」
『ううん!わ、私全然気にしてないよ!だって、突然引っ越してきた私が悪いんだし……』
いいえ、俺のせいです。
でも事件起こさなかったらフェイト、こっちに引っ越せられなかったかもね……。
「まぁ、仕方のない事なんだし、フェイトちゃんのせいじゃないんじゃないかな?」
『そう……かな……』
「そうだよ……。それじゃ、俺はこれからしたくがあるから、これで」
『あ、うん。それじゃあまたね』
「はい、それではノシ」
ピッ、パタン。
「……起きるか」
病院行くしたくもしないとね。
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「あれ、アンク何でいるの?」
何かリビングに行ったら悠長に新聞読んでたよ……。
お前仕事はどうしたし。
「今日は昼過ぎから出るって士郎に言ってある」
「そうなんだ。何で?」
「お前を病院に連れてくからに決まってんだろう」
「シグナムとかじゃダメなの?」
「昨日の戦闘は俺見てただけだしな。これくらいはするさ」
「別に気にしてねーのに」
「そうだ、あれは我らがそうしたかっただけ。別にアンクが行かなくても良いのではないか?仕事もいつもしてくれているし」
「……シグナムが俺を労っただと……明日は嵐だな」
「……ほぉ……そんなにも貴様は私を怒らせたいのか……」
「冗談だ。だが、管理局が出て来たんだ。今まで以上にやり難くなるだろう。だから、それまでお前達は休んどけ。それ以外の事は、俺がやったとくさ」
「アンクがデレたよ、やったねシグナム」
「誰がデレたって?」
「アンク」
《アンク》
「……よし、歯、食いしばれ」
「暴力反対!流石にこの状態で殴られたら死ぬ!」
「ちっ……だがクイーン、てめぇは駄目だ」
《よっしゃバッチこーい!》
「……止めとこ」
アンクはクイーンを持ってこうとしたが、仕置きにならないと分かり、すぐに下がる。
だろうね、だってもうこいつ、M設定固定だからね。
「おら、サッサと飯食え。十時くらいには出るぞ」
「ほーい」
俺は車いすを動かして、食卓に行く。
あぁ、それにしても、まだ車いすは慣れないな……。
「おはようさんアニス君」
「おはー」
「今日はどのくらい食べる?」
「茶碗一杯で」
「了解や」
はやてが茶碗にご飯をよそい、それと同時におかずも用意して、テーブルに並べていく。
この時点ではやてが動けてるのも、こう考えてると凄い事だよね……。
「いただきまーす」
「沢山食べてな〜」
沢山って言われてもね、毎日無理やり詰め込んでるみたいなもんだからね。
……まぁ、食べるんだけども。
「もぐもぐ……」
……何だろうね……味が無いって、結構きついんだね……。
何を食べてるのか分からないや……うん、食感しか分からないや……。
へっ?お前は何を言ってるんだって?
いや、味がわかりませんって言ってるんだよ……。
あ、初耳?だって、この事誰にも言ってないもん。
「もぐ……もぐ……ケプッ……」
お腹いっぱいになって来た……。
どうしよう……完食できそうなんだけど……キツイなぁ……。
「アニス君、無理せんと少し位なら残してもえぇんよ?」
「いや、食べる……」
あぁ、変なところで意地にならんくても良いのにね。
まぁ、全部食わなあかんやん……勿体ないし。
「うぅ……ご、ご馳走様……でした」
「お粗末様でした。今日もよう頑張って食べたなアニス君、偉いで」
「だからと言って……頭を撫でないで……」
そしてこれもパターン化しつつあるな……。
まぁ良いか。
「それじゃ、着替えてくる……」
「はいな」
さて、今日は病院だし、普通の格好した方が良いな。
「ヴィータかシグナム〜、着替え手伝って〜」
「「私が行く(行きます)!!」」
「……いや、やっぱアンクで良いわ……」
「「orz」」
「まぁ、そうなるわな」
何か二人の目が血走ってたから止めた。
貞操は守るもの。
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「それじゃ、行くか」
「あいよ〜。出発進行!」
「って、勝手に動くな!」
ガシッ!
「おうっ!?」
ドタッ!
動き出した車いすを思いきり掴んで止めたので、その反動で俺が車いすから落ちる。
……いてぇ……。
「つつ〜……ま、まさか車いすから落ちるとは……」
「大丈夫かよ……」
「いや、自業自得だから……」
「よっいしょっと、ほら、じっとしてろ」
「何時もすまんねぇ……」
「年よりかお前は……」
アンクは俺を持ち、そのまま車いすに乗せる。
いやぁ、マジビビった。
「それじゃ、行くぞ」
「うーい」
こうして、病院向かう事になった。
車いすって楽だね……。
「それにしても、寒くなったね」
「もう冬だしな」
「いやぁ、暑いのも嫌だけど、寒いのも嫌だね」
「お前の場合、夏も冬も寝間着はスパッツにワイシャツだがな」
「それが俺のジャスティス」
「……はぁっ……どうしてこんな奴に育ったんだか……」
「え〜、何か酷くない?」
「これが普通の反応だ馬鹿」
「ひっでぇ……所でさ……今まで気になってたんだけど」
「何だ?」
「なのはってさ、お前の事魔導師ってもう知ってる?」
「当たり前だ。もう何か月前の話だと思ってんだお前は。お前が魔導師だってばれた次の日から、あいつはもう気づいてたよ。ていうか、俺からばらした」
「おう……勇ましい……」
「誰のせいだと思ってんだ……
「俺?」
「当たり前だ」
うむぅ……まぁ、しょうがないよね……。
アレは酷い事件だった……。
「でも、魔力隠してるから、温泉の時の事はばれてないんでしょ?」
「そこは大丈夫だ。それに、昨日もばれてない」
「ふぅん……へぇ……そう……」
「何だ?」
「いや、別にぃ〜」
こいつは罪悪感とは無縁だしね。
良いねぇ……羨ましいねぇ……。
「それにしても、動けないって辛いねぇ……」
「すぐに動けるようにしてやるから、安心しろ」
「頼もしいねぇ」
「当たり前だ」
「うわぁ……自画自賛……」
「……殴られたいか?」
「やはは……流石に暴力は反対デスよ?」
「じゃあ余計な事言うな」
ちぇ〜。
とかそんな事を思いながら、病院に向かってた。
だけど……そこで……ね、予期せぬ事が起きたんだよ……。
「アニス……君……?」
「ふぇっ?」
アンクが車いすを止めるよ同時に、俺は後ろを向く。
そこには……なのはとフェイト、そしてアリサにすずかが居た……。
あれ……どうして……こんな所に……。
そんな事を考えながら……俺は、余人を見つめていたんだ……。
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予期せぬ再会って結構あるよね、現実にも | ||
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