鞘の娘と牙の王子 2-1:オーガの宴
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「紳士淑女の皆々様。週に一度のお楽しみ、『オーガの宴』にようこそいらっしゃいました。今宵も解体ショーで匠による見事な包丁さばきをご覧になった後、一流シェフが腕をふるった美味なる料理の数々に、舌鼓を打ってくださいませ」

 薄暗い照明の中、老紳士がミニホールの中央に立って挨拶をすると、回りの席から拍手がわき起こる。客は二十名ほどだろうか。銘々が正装をして、顔には仮面をかぶっていた。

「また、此度の宴には、遠く南西の辺境、山岳地帯のとある王国へと嫁ぎました、我が妹マリアの忘れ形見が、里帰りを兼ねて初参加しております。どうか暖かい拍手を持って向かえてやってくださいませ」

 すると一人の男が立ち上がる。やはり正装をして仮面をかぶっていたが、場になれていないようで、ぎこちなさが目に付いた。その様に何人かの女性が小さく笑ったが、それは嘲笑ではなく、好意的なものだった。

「じゃ、若輩者ですが、よろしくお願いいたします」

 席上から暖かい拍手がわき起こると、若者は照れくさそうに席に着いた。

「そこで趣向を凝らしまして、極めて珍しい食材をご用意いたしました。二度と手に入らぬやもしれぬ珍品中の珍品。その味は美味なのか珍味なのか。実はワタクシめもまだ味見はしておりませぬ。真偽の程は、皆様と共に味わって確かめたいと存じます。それではご紹介いたしましょう! ((『華麗なる鞘』|ゴージャス・スギャバード))なる二つ名を持つ女剣士、サーヤ嬢です!」

 老紳士のかけ声と共に、奥のドアからシーツをかぶせた大きな物が運ばれ、部屋の中央へと下ろされた。老紳士が覆い被せてあるシーツをとると、肌着一枚を着せられただけの姿で十字架に縛り付けられた、小柄な娘が現れる。青くて短い髪と赤い瞳。間違いなくサーヤだった。

「皆様ご存じでしょう。我らの同胞が次々と惨殺された一連の惨劇を。お客様の中には身内が犠牲になった方もおられる。その惨殺事件に、サーヤ嬢は深く関わっているのです。主犯と言っても過言ではありません」

 部屋にどよめきが起きる。憤る者も少なくない。

「まあまあみなさん落ち着いて。どうか、落ち着いてください。今宵の宴の目的は、復讐ではありません。高貴なるオーガが、復讐などという陳腐な行為に固執してはいけない。我らが目指すのは至高の食の探求。究極の人食い料理なのです」

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 オーガは、人の姿をした人食いの化け物だ。

 かつては異種族として独立していて、国家レベルの組織力を誇り、食物連鎖の頂点に君臨していた。人間の国に侵略をしては女子どもを捕らえ、喰らった。気に入られた娘は奴隷にされ、オーガの子を産まされた。

 人間達は力を合わせ、戦った。力ではオーガが圧倒していたが、長きにわたる戦いの末、多くの犠牲を払いながらもオーガの国を滅ぼした。しかし、全てのオーガを討ち滅ぼせたわけではなかった。生き延びたオーガは大陸中に逃げ延びた。

 

 人の力が及ばない深き森に逃げ延びたオーガは、強盗団を結成し、小規模ながらも悪事を繰り返した。近隣の村を襲い、金品を強奪し、女子供をさらい、毎晩のように宴を催した。しばらく続けていると、盗品は倉庫に入らなくなったので、不要な品は『闇の住人』達に売りさばいた。結果的に、それがオーガ強盗団の墓穴を掘ることとなる。

 悪党の吹きだまりである『闇の住民』だが、その多くは人間だった。金のためなら人さらいや人殺しだって平気でやるクズばかりだが、それでも、オーガの蛮行を許せない者は沢山いたのだ。だからオーガの強盗団の多くは、『闇の住人』によって居場所を密告され、警備隊や流浪の騎士、復讐に燃える村人達の手で葬り去られていった。こうして、化け物然とした本来のオーガは、徐々に数を減らしてゆく。

 

 しかし、人間社会に潜り込んだオーガは別だった。長い時間の経過と共に人間との混血が進み、見た目だけでは判別出来ないほど人間化が進んでいた。人食いの本性を隠しながら、時の権力者に取り入り、隙を見ては乗っ取りを画策した。長や、貴族や、王となり、村を、領地を、国を支配者した。

 人食いの宴もより巧妙になり、なかなかシッポを掴ませない。役所や奴隷商人を丸め込み、身寄りのない娘や、奴隷の子を計画的に確保しては、宴を執り行っていた。オーガの中には名君とうたわれる者もいたが、所詮は宴に必要な食材を安定的に供給するための手段として政をしているに過ぎない。奴らは人間の敵なのだ。

 

 サーヤはオーガに個人的な恨みがあるわけではない。しかし、女子供を文字通りに食い物にするオーガは、社会正義的にはもちろんのこと、何より生理的に許せなかった。だからオーガ退治には積極的に関わり、何人ものオーガを血祭りに上げてきた。今回の仕事もそのうちの一つになるはずだった。

 サーヤへの依頼は、週に一度、上流階級で密かに催される、『オーガの宴』の潜入捜査。宴が催される場所と、宴に訪れるオーガの証拠を掴む。若い娘でなければ出来ない上に、自ら囮になる危険な仕事だ。故にギルドはこの仕事に限りサーヤを名指しで指定していた。実際の所、剣士ギルドに登録している若い娘はサーヤ以外にいなかったし、正式な仕事要請であり、書類上どこにも不備はない。この時点でギルドの裏切りに気づかなかったとしても、サーヤの落ち度とは言えないだろう。

 

 ギルドの情報によると、オーガ(もしくはオーガの手先)は職を求める身寄りのない娘を選び、「良い仕事がある」と声をかけているのだという。しかし、その誘いに乗った娘達は、二度と戻ってくることはなかった。『オーガの宴』のスペシャルゲストにされたのだろう。しかしはっきりとした証拠がない上に、役人達は買収されていた。上流社会に警備隊を突入させるためには、決定的な証拠を掴まなければならなかったのだ。

 サーヤはボロのドレスに着替えると、身寄りのない娘を装い、職を探して町を回ってみた。すると情報通り「良い仕事がある」と、優しそうな男に声をかけられる。求人内容は下働きのメイドだが、主人の要望で、若い娘でなければダメとのことだった。

 明らかに怪しかった。男や求人内容がではない。正確すぎるギルドの情報がだ。サーヤはこの時気づくべきだったのだ。だけどサーヤは、オーガを始末することばかり考えて、大事なことを忘れていた。この世にサーヤの味方など一人もいないのだと。いや……それが判っていても、サーヤは信じられる誰かがほしかったのだ。裏切られることが判っていても、何かにすがらなければ、正気を保てなかったのだから。

 サーヤは男爵邸の裏口へと連れて行かれたが、サーヤが通された部屋は、呪術的に呪い対策を施された部屋だった。護身のために隠し持っていた呪いアイテムは、部屋に入った途端、全て使い物にならなくなった。オーガはサーヤの弱点を知り尽くした上で、罠を張っていたのだ。剣も無く、呪いも封じられれば、サーヤはか弱い娘と変わらない。何の抵抗も出来ないまま拘束されると、服を脱がされ、無理矢理体中を洗われ、清潔な白い肌着を一枚着せられた後、十字架に磔にされた。そして今、『オーガの宴』のメインディッシュとして、秘密の部屋の中央でさらし者にされている。

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「皆様、ご覧ください」

 老紳士は、サーヤの肌着に手をかけると、容赦なくはぎ取った。一糸まとわぬ姿は、ロウソクの明かりに灯され、客達のよこしまな視線が一斉に向けられる。隠そうにも、手足は十字架に縛り付けられ身動きが取れない。サーヤはにらみつける元気もなく、ただうつむき、涙をのむことしか出来なかった。もはや彼女に、((『華麗なる鞘』|ゴージャス・スギャバード))の面影はない。

 

「いかがですか、この柔肌。まるで生まれたばかりの赤子のように、傷一つありません。剣士ギルドから与えられる仕事は、ただでさえ生傷の絶えない底辺のものばかりですが、女だてらに剣を振り回しているのですから、戦いの末に何度も大けがを負っているはずです。にもかかわらず彼女は無傷です。一体何故なのでしょう? それはどんなに傷を負っても、たちまち治ってしまうから。彼女の肉体が不老不死だからなのです」

 客達がどよめいた。疑いを持つ者も少なくない。単に傷のない娘を磔にしているだけだと怒り出す客もいた。誰もが老紳士に、娘が不老不死である証拠を求めた。

「静粛に! 静粛にお願いいたします! 皆様のお疑いもごもっともです。主賓が言うのもなんですが、実は私も半信半疑でしてな。ですので、本当に不老不死なのか、皆さんで実験をしてみようではありませんか」

 老紳士は懐から短刀を取り出すと、サーヤの柔肌に刃を這わせる。白刃は氷のように冷たく、柔肌に触れる度に、サーヤからうめき声が漏れた。そして心が耐えきれなくなり、ついにサーヤは意識を失ってしまった。

「さて、不老不死とはいかなるものでしょう? 傷を負ってもたちどころに治ってしまうのでしょうか? 手足を切断しても、元通りくっついてしまうのでしょうか? それとも新たな手足が生えてくるのでしょうか? 解体され小さな肉片になっても、一つ一つが生き続けるのでしょうか? 興味は尽きませんな。それでは早速始めるといたしましょう!」

 

「叔父上! もうやめてください! これではあまりにもむごすぎます!」

 突然、男が立ち上がると、声を荒げて老紳士を制した。沈黙と共に、人々の視線が一斉に注がれる。それは『オーガの宴』に初めて参加した若者だった。

「……おやおや、娘の裸は、若者には少々刺激が強すぎましたかな」

 客達が一斉に爆笑する。

「何故このようなむごい真似をするのです! たしかに私たちの体には、オーガの血が強く濃く残っている。純粋なオーガなら、人食いに走るのも理解できます。食物連鎖の頂点に立っているのですから、むしろ正しい姿でしょう。だけど私たちには、人間の血だって入っています。私たちの肉体の半分は、いや、半分以上が人間なのです。長きにわたり、オーガと人間は混ざり合いました。もはや大陸には、純粋なオーガも純粋な人間も、ほとんどいないといっていい。貴方たちがやろうとしているのは人食いなんかじゃない。共食いです! 生物として、一番やってはいけない愚行です!」

「ご高説ありがとう、ゲオルク。たしかにお前の通りだよ」老紳士は答える。

「そうと知りながら何故、このようなむごいことをするのです。叔父上」ゲオルクと呼ばれた若者は再び問う。

「ふむ…。それは簡単な事だよ。私たちは誰もが、この息苦しい社会に耐えている。私たちは誰もが、それを少しでも忘れさせてくれる娯楽を求めている。背徳的な娯楽は刺激的で、辛い現実を忘れるにはうってつけだ。『オーガの宴』は、失われた祖国の伝統行事の再現であり、正にエンターテイメントッ! なのだよ。そうですよね、みなさん?」

 客達は拍手喝采で老紳士の口上に賛同した。明らかにゲオルクは孤立していた。

「だからゲオルク、君の問いにはこう答えよう。『愚行の何が悪いというのかね?』」

 するとゲオルクの側の席に座る老夫人が嬉しそうに語る。

「フフフ、面白い余興です。ここまで伝統行事の再現をしてくださるとは、さすがですね男爵殿」

「恐れ入ります、伯爵夫人」

 磔にされたサーヤが、十字架ごと奥へと下げられ、部屋の中央にスペースが設けられる。一瞬ゲオルクは、老婦人が助け船を出してくれたのかと思ったが、その期待はあっさり裏切られる。

「ならばゲオルク。伝統にしたがい、剣で奪ってみせるかね?」

「それは……どういうことですか? 叔父上」

「オーガの国が栄えていた頃、我々オーガは女子供をさらうために人間の国を攻め滅ぼして来ました。もちろん食べるためにです。しかし、中には捕らえた娘を食用ではなく、愛玩用として欲しがるオーガもおりました。そんな酔狂なオーガのために用意された儀式が……、『剣の掟』だ!」

 客から歓声がわき起こると、部屋の中央には二本の剣が置かれたテーブルが運ばれ、奧のドアから覆面をかぶった大男が現れた。

「娘を手に入れたければ、彼と一対一のデスマッチをして勝利せねばならない。何しろ宴を楽しみにしていたお客さんから、せっかくの食材を独占しようというのだ。自分の命をかけるくらいのことはしてもらわなければ割が合わないのだよ。さて、どうする? ゲオルク。『剣の掟』に挑むかね? 勝利すれば娘は君の者だ。妾にしようと解放しようと自由にしていい。しかし敗北すれば死が待っている。こんな発育不全な小娘に、はたして命を投げ出す価値があるのかね? なぁに、尻尾を巻いて逃げ出しても誰も責めやしない。嘲笑はされるが、死ぬよりはマシだろう?」

 同時に客から笑い声が漏れる。それは明らかにゲオルクを嘲笑していた。

「さあどうするゲオルク。選択権は君にある。選びなさい」

 老紳士はゲオルクに選択を促すが、ゲオルクに選択肢など最初から無かった。甥でありながら公然と『オーガの宴』を否定するゲオルクが、老紳士には許せなかった。伝統行事『剣の掟』の正体は、女子供の身請けをエサに、裏切り者のオーガをあぶり出し、かつ、合法的に処刑することを目的とした儀式。ゲオルクが『剣の掟』をやらぬなら、非合法に処刑するだけのことだった。

「あなた方は……みんな叔父の考えに賛同されるのですね。判りました。もう迷いません。『剣の掟』、やらせてください」

 客から大歓声がわき起こり、ゲオルクは部屋の中央へと歩み寄ると、剣を受け取り、覆面の大男と向き合う。老紳士もゲオルクの無謀な挑戦に微笑んだ。愛しい我が甥よ。命を賭して宴を盛り上げてくれたことを感謝するぞ…。

 不老不死の娘の肉が食べられるだけでなく、裏切り者の公開処刑すらも楽しめるとは、今宵は何と素晴らしい宴なのだろう。客の誰もが催しに酔いしれていた。間もなく自分たちの歓声が悲鳴に変わるなどとは、誰にも想像できないことだった。

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「しっかりするんだ、娘さん! ……よかった。無事だね」

 肩を揺り動かされ、意識を取り戻したサーヤが最初に目にしたのは、若者…ゲオルクの優しい微笑みだった。何があったのか、彼は全身に返り血を浴びて血まみれになっていた。服もボロボロ。しかし、体は無傷のようだった。

「今から縄を切る。転ばないよう意識を持って、しっかり立っているんだよ」

 短剣で縄が切られ、最初に右腕が解放されると、サーヤは慌てて自分の胸を覆い隠した。今更だったが、彼に未発達な裸を見られていることが、無性に恥ずかしかったのだ。続いて左腕が解放され、足を縛り付けていた縄も切られると、サーヤはその場にうずくまる。何とか下半身も隠すことが出来、サーヤは少しだけ落ち着いた。少なくとも周囲を見渡し、現状を把握する余裕は出来た。

 薄暗いまでも落ち着いた雰囲気のあったミニホールは、血なまぐさい臭いが充満した血の池地獄と化していた。先ほどまで、サーヤを見てよだれを垂らしていたオーガ達は、使用人も含めれば三十人近くいたはずなのに、みんな血を流して息絶えていた。中には人の形をとどめていないものもある。

 助っ人がいたとは考えにくい。若者が一人で皆殺しにしたとしか…。だけど、どうやって?

「君に着せられる服が見あたらなかった。今はこれでこらえておくれ」

 ゲオルクはサーヤの肩にシーツをかける。それは磔にされたサーヤを覆い隠すために使われたものだった。サーヤはシーツにくるまりながら、改めてゲオルクを見た。服の破れ方が不自然だった。戦闘中に相手の攻撃で敗れたのではなく、内側から引き裂いたような……。そうか。他に考えようがない。彼は『獣神化』したのだ。

 かつてのオーガなら誰にでも出来たという強化体。それが『獣神化』だ。肉体の…特に上半身の筋肉が増殖強化し、顔つきは野獣そのものとなり、人格も凶暴化、パワーもスピードも3倍以上となるという。つまり『獣神化』できるゲオルクは、オーガの血を濃く受け継いでいるということになる。だからこそサーヤには信じられなかった。

「どうして……あたしなんかを助けてくれたの? あんた、オーガなんでしょう? 仲間を皆殺しにしてまで、どうして……」

「僕はオーガではありません。少なくとも人食いなどではありません。たしかに母はオーガでしたが、父は人間ですし、僕は人間として育てられました。たとえ体の半分は忌まわしいオーガでも、残りの半分と魂は人間なのです。そして僕は、僕の信念を貫いただけです。身内であれば尚のこと、過ちは正さねばなりませんでした。それだけです。だから娘さん。あなたは僕に恩義を感じる必要なんてありません」

 サーヤはゲオルクを見つめながら震えた。だけどそれは恐怖からではない。感激に打ち震えたのだ。恩義を感じる必要など無いと言われても、体の半分がオーガだとしても、サーヤにはどうでもよかった。危険を顧みず、見返りすら求めず、自分を助けてくれた人が目の前にいる。重要なのはそれだけだった。

 サーヤは人助けをしたことはあっても、人に助けられたことは一度もない。自分に近づき、優しく接する者には、決まって裏があった。サーヤはいつも利用され、弄ばれ、騙され、そして捨てられてきた。『白馬の王子さま』など、いるはずがない……。それでもサーヤはなかなか未練を捨てられず、わかりきった結論を出すのに五十年以上もかかってしまった。

 それなのに、それなのに…。これまでにない絶体絶命の状況で、その結論は、あっさり覆されてしまった。自分を助けてくれた『白馬の王子さま』の正体は何者なのか。たとえこの身が果てようとも、サーヤは確かめずにはいられなかった。

「増援が来るとも限らない。話はここまでにして、今はとにかく屋敷から出ましょう」

「そ、その前にあんたの名前……あなたのお名前を教えて…いただけませんか」

「僕はゲオルク・ヴァン・ロマリヤ。辺境の山岳地帯にある、小さな国の……」

「……えっ」

「小さな国の…」に続く彼の言葉に、サーヤは驚き、息をのみ、そしてときめいた。こんなことがあり得るのだろうか。サーヤの窮地を救ったゲオルクは、比喩などではなく、本当の意味での…

 

 本物の王子さまだったのだ。

説明
おとぎ話モチーフのファンタジーノベルです。第2章は、人の姿をした人食いの怪物、オーガを題材に物語を組み立てました。サーヤに絶体絶命の危機が…。
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剣士 ファンタジー オーガ 中世 おとぎ話 鞘の娘と牙の王子 

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