IS〜彷徨いし剣の担い手〜異形暗躍
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ORIVIE:SIDE

 

「勝者、織斑一夏。」

 

一夏さんの最後の一撃でSEがゼロになったのかセシリアさんが地面へと着地した瞬間、ブルー・ティアーズの実体化が解かれた。それでクラス代表決定戦は終わった―――けど、それがこれから起きる騒動の始まりの合図だとはこの時、誰も知らなかった。

 

「なんですかアレ?」

 

ソレを見てその言葉を口にしたのは山田先生だった筈だ。若干震えている声を聞いてこの場に居る全員が山田先生が見ているモニターを見て―――ソレを見た。

 

「着ぐるみ……じゃないですよね?」

 

そう言ったのは私だった。そう言っても仕方ないと思う。だってモニターには、見たことのない―――怪人と呼んでいい何かが映っていたのだから。

 

「一夏!?」

 

呆然とした私達に別のモニターを見ていた篠ノ之さんの叫び声が聞こえ、慌ててそちらに視線を向け―――オルコットさんを怪人の攻撃から庇ってアリーナの壁に叩きつけられて倒れた姿を見た。

 

「オルコット、その場から離れろ!!」

 

織斑先生の指示が届く前に怪人が振りかざした右腕がオルコットさん目掛けて振り落とされるその瞬間、オルコットさんを護る様に突然現れた全身黒1色で統一された服装をした、フードで顔を隠した何者かが怪人相手にとび蹴りを喰らわせた。

 

「あなたは?」

「何処から入って来たんだ?」

 

突然現れた何者かに助けられたオルコットさんは呆然とし、何者がどうやってアリーナに現れたのかを燻がる織斑先生の声が管制室に静かに響く中で何者かはポケットから何かを取り出していた。

 

「アレは……トランプか?」

「カードを機械に入れた?」

 

取り出した何かを見た篠ノ之さんがそう呟くと同時に、何者かはカードを入れた機械を腰に添えると共に機械の端から伸びるように赤い帯の様な物が飛び出し機械を腰に固定するように巻き付いた。それを確認したのか右手で機械の何かを操作したのかカードが見えていた部分が赤に黄色のスペードが描かれた部分が現れた。

 

 

【TURN UP】

 

 

そう聞こえたと同時に何者かの前方に現れた蒼い光の幕が現れた。

 

「あれは一体……」

 

誰がこの言葉を言ったのか気にする余裕はなかった。何故なら蒼い光の幕を潜る様に通過した瞬間、何者かの姿が変わったからだ。管制室に居る私と簪を除く全員が移された光景に驚く中で私はラジエルの個人間秘匿通信(プライベート・チャンネル)を使い簪に話しかける。

 

「(―――簪、あの姿ってさ……ひょっとして『アレ』なのかな?)」

 

ベルトに頭部を覆う仮面で私は1つの言葉を連想した。連想したのは、この世界の大部分の人間は実在などしていない都市伝説として扱われている存在を指す言葉。

 

「(―――オリヴィエもそう思う?)」

 

どうやら簪も私と同じことを考えていたらしい。

 

「(―――うん、あそこに居るのは一夏さんが変身する『オーズ』とは別の……『仮面ライダー』だ。)」

 

 

 

††††††††††††††††††††††††

 

 

 

ICHIKA:SIDE

 

「(―――よりにもよってこんな時に現れるなよ!!)」

 

ブレイドに変身した俺はブレイラウザーを構え、トリロバイトアンデットと対峙する。これでIS学園がアンデッドについて何らかの情報収集がされるとみていいなと思いながら視線を『ISを纏いアリーナの壁に叩きつけられている俺』へと向ける。

 

「(―――緑のコンボの力が使えて良かったな、これなら『ブレイド=織斑一夏』の図式は完全に否定出来るな。)」

 

俺の身体の中には800年前、コアメダルを造り出した錬金術師の1人が『当時のオーズ』に対抗するために造り上げた『反逆の王』となる為に使用するコアメダルがある。身体の中に存在はするが一般の検査には引っ掛からない為、コレの存在を知る者はほんの一握り、しかも身体の中に在るからなのかオーズドライバー無しでもほんの僅かだがその力を使う事が出来る。今回は『緑のコンボ』と呼ばれる力を使用した『分裂』を使った訳だが・・・・・・

 

「危ない。」

 

誰が叫んだのかは分からないが、その声に反応した俺は突撃してくるトリロバイトアンデットの攻撃を横にずれる事で避けて、すれ違いざまにブレイラウザーで斬り付けた。

 

「(―――やっぱり攻撃がそんなに効いてないか。)」

 

元々の防御力がそれなりにあるトリロバイトアンデットには今の一撃は効果が薄いのが見て取れた。

 

「(―――それなら使うしかないか!!)」

 

ブレイラウザーのオープントレイから取り出した2枚のプライムベスタをスラッシュ・リーダーにラウズする。

 

【TACKLE】

【BEAT】

 

ラウズしたのは突進力が強化され、突進攻撃「ボアタックル」を発動させる【TACKLE】と腕力が強化され、パンチ攻撃「ライオンビート」を発動させる【BEAT】の2枚。ラウズしたカードの効力が発動したのを確認し、【TACKLE】の突進力と【BEAT】で強化された腕力を合わせた右ストレートをトリロバイトアンデットの顔面に叩きつける。

 

「(―――この一撃はそれなりに効いたけど、バックルを開くまではいかなかったか。)」

 

殴られた顔面を両手で抑えて地面をのたうち回るトリロバイトアンデットの様子をみながら止めを刺そうと取り出したプライムベスタをラウズする。

 

【SLASH】

【BLIZZARD】

 

【FREEZING SLASH】

 

「(―――これで決める!!)」

 

冷気を纏ったブレイラウザーの一閃が立ち上がろうとしたトリロバイトアンデットを捕らえ再び地面に倒れたトリロバイトアンデットは爆発を起こし、腰のバックルが開いた状態で現れた。

 

「(―――よし。)」

 

取り出したプロ―バープランクを投げつけトリロバイトアンデットを封印、手元に戻って来たトリロバイトアンデットが封印されたスペードのカテゴリー7【METAL】のプライムベスタをブレイラウザーへと直し、別のプライムベスタを取り出す。

 

「(―――スペードのカテゴリー7、封印完了。APがギリギリで残っていて良かった。)」

 

このカードを使う分のAPが残っていた事に安堵しつつ、スラッシュ・リーダーにラウズした。

 

【TIME】

 

任意の範囲内の時間を停止させる「スカラベタイム」が発動しアリーナ全体の時間を停止させた俺は変身を解き、ブレイバックルとラウズカードを隠してから『分裂』を解いた。

 

 

 

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SECIRIA:SIDE

 

保健室のベットで眠る先程までの対戦相手が小さな呻き声をあげて目を覚ます。

 

「ここは?」

「目を覚ましたのですね。」

 

私の声に驚いたように此方をみた後、自身の身体に巻かれている包帯などを不思議そうに見て私に尋ねた。

 

「オルコットさん?なんで俺は此処に?」

 

どうやら、一夏さんはあの時のことを余り憶えていなかったので私の口からあの後何があったのかを説明した。

 

「そっか……ところでオルコットさんはどうして此処に?」

 

その顔は真剣で思わず見とれてしまったが、一夏さんに促されて此処に居た理由を告げる。

 

「一夏さん、あなたに謝りたい事が有ったので此処に……」

「謝りたい事?」

 

この言葉に心底驚いた顔をしている一夏さんを見て、以前の私の態度などが原因なのだろうと少し恥ずかしく思う。

 

「1週間前のことですわ。あの時、私は男であると言うだけの理由であなたがクラス代表になるのを反対しました。」

「いや、オルコットさんの言う事は正論だったぞ。」

 

実際、物珍しさで他薦したのが大半だっただろうしな。どこか馬鹿にしたような感じでそう言うが私がああ言ったのだって似たような物だと思う。

 

「違います、私は一夏さんの事を何も知らずにあの様な事を言ったのです、その時点で他の人達と変わりませんわ。」

 

他の人々が物珍しさで他薦したのなら、私は『男と言うだけで』あのような暴言を吐いてしまったのだ。

 

「それに一夏さんが仰った通り自撰をしてもいないのにあの様な態度で接してしまった事、本当に申し訳ありません。」

「それが分かったから俺は良いと思うぞ。」

 

一夏さんの言う通りだ、もし分からずにいればいずれ大きな失態を起こしたかもしれないのだ。

 

「そうですわね、ありがとうございます一夏さん。」

「どういたしまして、オルコットさん。」

「セシリアですわ。これからはそう呼んでください。そして一夏さん、あの時私を庇っていただき本当にありがとうございます。」

「それじゃあこれからよろしく頼む、セシリア。」

 

 

 

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??:SIDE

 

―夜―

 

 

 

それは太陽が沈んだ後の時間を示し、再び現れるまでの時間を示す言葉、人為らざる存在が動くに相応しい時の名だ。

 

「此処ですか……」

 

森の中に隠すように建てられた研究所らしき施設から、かなり離れた位置にある崖から睨み付ける様に見据える知的そうな雰囲気を持つ青年がそう呟いた。

 

「やっと見つけた。」

 

その言葉に籠められた感情の名は歓喜。そして青年は1枚のカード、左端にハートのAが描かれ中央には蟷螂が描かれたプライムベスタを見つめながら次の言葉を言い放った。

 

「暴れてきなさい。」

 

その言葉に従うかの様に青年の後ろに従う様に控えていた3つの異形が動き始めた。

 

 

 

 

††††††††††††††††††††††††

 

 

 

??:SIDE

 

その部屋に警報が鳴り響くと同時に施設の何処かが壊されたのか轟音が施設全体を揺らす。

 

「侵入者です!!」

「数はどれくらいなのかしら?」

 

部屋に駆け込んできた男性に部屋の中にいた2人の女性の片方である金髪の女性が問いかける。

 

「3体です。」

「たった3人でこの騒ぎなのか?」

 

もう1人の黒髪の女性が疑問の声をあげるが、それは男性の言葉でその疑問は解決する。

 

「侵入したのは人間ではなくアンデッドです。」

 

この言葉に女性達は納得したのか其々が動き始めた。具体的に言えば黒髪の女性がテーブルに置いてあったカードとバックルを手に取り入口に向かって歩き出していた。

 

「そう、オターム悪いけど……。」

「スコール、行ってくるぜ。」

 

オタームと呼ばれた女性は金髪の女性にそう返事を返して部屋を出た。

 

 

 

††††††††††††††††††††††††

 

 

 

??:SIDE

 

「さて、どう動く?」

 

自分の支配下に在る3体のアンデッド、モグラの祖であるモールアンデッド、クラゲの祖であるジェリーフィッシュアンデッド、烏賊の祖であるスキッドアンデッドが暴れる様を見ながら目的の物が現れるのを待っていた。

 

「この力は最高だな!」

【OPEN UP】

 

そう言って現れた女が変身したのは私が見た事のないライダーだった。おそらくアレがピーコックアンデッドが造ったと言うライダーシステム、レンゲルなのだろう。

 

「俺が相手をするまでもねえ!」

 

そう言ってレンゲルは数枚のカードを宙に投げ1枚のカードを使った。

 

【REMOTE】

 

そう響くと共に使ったカードから放たれた紫の光線が放たれ『封印されていたアンデッド』が解放されていくのが見えた。

 

「やっと見つけた……。」

 

目的の物を確認した瞬間、人間の姿からアンデッドとしての姿に戻り、急降下しレンゲルの手に握られた1枚のカードを奪い取り、顔面に右足を使った回し蹴りを叩き込み地表へとこの身を下ろす。

 

「なんだよ、お前は!?」

 

レンゲルが何かを喚いているが目的の物を手に入れた今となってはどうでもいい。それにあの様子では遠からず……

 

「目的の物は手に入った。もう、会うことは無いだろう。」

 

そして私は上空へと飛翔しこの場を後にする。

 

「これでカリス、あなたとの決着がつけられる。」

 

 

 

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現時点織斑一夏所有ラウズカード一覧

 

【SPADE】

A:CHANGE

2:SLASH

3:BEAT

4:TACKLE

7:METAL(NEW)

8:MAGNET

10:TIME

 

【HEART】

4:FLOAT

7:BIO×

 

【CLUB】

6:BLIZZARD

K:EVOLUTION

 

10話終了時点??所有ラウズカード一覧

 

【HEART】

A:CHANGE

 

【CLUB】

10: REMOTE

 

 

10話終了時点レンゲル所有ラウズカード一覧

 

【CLUB】

A:CHANGE

2: STAB

3: SCREW

7: GEL

8: POISON

9: SMOG

 

 

説明
今回は、一夏の隠された力が明かされる。
それと共に後半で裏で暗躍するものが登場。
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タグ
IS インフィニット・ストラトス オリキャラ有り 一夏がブレイド 仮面ライダー剣 仮面ライダーオーズ 

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