劇場版仮面ライダーゲイザー?受け継がれし天使と悪魔の力?EPISODE4
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【天上学園・戦線本部】

 

「ゆりっぺさん、ギルドの最深部に多数の反応が確認出来ました。おそらくそこが敵の本拠地かと思われます」

 

竹山の報告を聞き、その場にいた戦線メンバーのほとんどがため息をついた。

 

「またギルドかよ。いったい何回あそこに行けば済むんだぁ?」

「音無君が来てからでも……爆破の時に、天使のハーモニクスの時だからこれで3回目だね」

 

日向はうなだれ、大山は指を折ってその問いに答える。

 

 

「竹山君、工藤君の容態はどうなの?」

「敵から受けたエネルギー弾に強力な毒のような成分が含まれているせいか体が非常に衰弱しています。生きているだけでも奇跡ですね。後、僕のことはクライ――」

「となると、あの黒い奴とまともに戦える人がいないわね。あのベルト、刹那以外は基本的に受け付けないみたいだし」

「そうなの!?」

 

いつも通り竹山の台詞を遮ったゆりが言ったことに大山は驚く。

 

 

「えぇ、どうも防犯システムの一種らしいわ。あれの元となったベルトでいろいろトラブルがあったのを反省したようね」

 

「で、どうするんだ、ゆりっぺ?」

 

刀を携えている藤巻が尋ねる。

 

「音無君、あなたが代わりにあのベルトを使いなさい」

「ちょっと待て!! 今あいつ以外には使えないって言ったばかりだろ!!」

「本人の承認か非常事態の下ではある程度融通がきくみたいよ。それに、これは刹那を看病している天使の推薦でもあるのよ」

「奏の!?」

 

音無は疑問に思った。来世はともかく今の自分はそんなに強くない。なのに何故……? その疑念が頭をよぎらずにはいられなかった。

「天使曰く刹那にとってあなたは母親よりもヒーローなんだってさ」

「なるほどな。だったら、息子の期待に答えなくちゃいけないよな、音無」

 

「僕も音無さんが1番適任だと思います」

「どうせ誰かがやらねばならんのだ。今回は、それがお前だっただけだ」

「日向……直井……椎名……」

 

周りを見渡すが、他の戦線も異論はないようだった。音無は皆の気持ちに推されるように決意を固めた。

 

「ミッション開始は1800よ。各自、それまでに準備をしておいて」

 

★★★★★

【ギルド最深部】

 

「作業はどうですか?」

 

ダークネスフォルスは端末を操作しているソルジャーの1人に尋ねた。

 

 

「はっ。前回はしくじりましたが、再生怪人及びロストソルジャー部隊の作成は順調に進んでいます。ただ属性攻撃……特に光や聖属性への耐性は低くなっております」

「う?ん、やはり強引に戦力を増やそうとしすぎましたかね? 量産よりもある程度質に重点を置いてください。あまり弱すぎても話になりませんから」

「分かりました」

 

ソルジャーはダークネスに返答すると、作業に戻った。

 

(しかし、参りましたねぇ。この世界の人間があれほど戦いに精通しているとは思いませんでした。仮面ライダーもいることですし、ここもいつまでバレずに済むやら)

 

ダークネスが顔に手を当てて考えていると、爆発音が聞こえた。突然の事態にアロガンスは困惑した。

 

 

「どうしました?」

「奇襲です!! 奴ら、我々の知らない通路を使って最深部まで侵入してきました!!」

「ただちに迎撃してください」

「間に合いません!!」

オペレーターを兼任していたソルジャーが告げると同時に壁が崩壊し、折れた剣の様な角が特徴的な黒銀のロボットが出てきた。だが、その腰に着けているベルトは間違いなくアロガンスに抵抗する仮面の戦士の物だった。

「仮面ライダーだと!?」

 

「馬鹿な!! 奴はダークネス隊長に倒されたはずだ!!」

「うおおぉぉぉぉぉぉ!!」

 

黒銀のロボット……デルフィングに変身した音無は叫びながら重長槍を構え、驚異的な脚力で突貫してソルジャーを1体貫く。

 

「なんてパワーだ……」

 

Gデルフィングに銃を向けようとしたソルジャーは頭を撃ち抜かれた。

 

「音無君、大丈夫?」

「助かったぜ、大山」

Gデルフィングは後方で狙撃ライフルを構えている大山に感謝しつつも重長槍でなぎ払った。

 

「足止めしつつ距離を取って包囲!!」

「そんなことさせないわ!!」

 

複数のソルジャーがG デルフィングに銃撃を加えようとするが、戦線メンバーの援護射撃によって蜂の巣になる。

 

 

(困りましたねぇ。こちらは普通の人間より強いとはいえ戦闘用に編成された部隊ではないので少し不利ですね。しかし、あのライダーの戦い方はどこかで見たことがあるような……)

 

「見つけた!!」

 

Gデルフィングは右腰のホルダーからネイルダーツという名のナイフを3つ取り出してダークネスに投げつける。

 

 

「ちっ」

 

ダークネスは弾丸のごとき速さで迫るそれを体を傾けてかわし、右手からエネルギー弾を撃ち出す。Gデルフィングはエネルギー弾を重長槍で受け流しながら突っ込んだ。

 

 

(無駄のない動きで勢いを殺さずに回避しながら突貫……だが)

 

ダークネスはGデルフィングの突撃を左に弾避けると左足で蹴り飛ばす。 その際、Gデルフィングは重長槍を手から離してしまう。

 

「ぐはっ!!」

「甘いですね」

「まだだ!!」

 

Gデルフィングは立ち上がると日本刀を両手で構えて斬りかかった。

 

「軌道が直線的すぎます」

 

ダークネスは軽々とかわし、部下の遺留品であるマシンガンブレードを2つ拾い、片方で再び襲いかかってきた斬撃を防ぐ。

 

「くっ……」

「隙だらけです」

 

ダークネスはもう片方のマシンガンブレードで素早くGデルフィングの腹部に連射する。

「くそっ!!」

「消えてください」

 

ダークネスは両手のマシンガンブレードから大量の銃弾をGデルフィングに浴びせ、最後にグレネードを放って変身を強制解除させる。

 

「音無君!!」

 

ソルジャー部隊と交戦しているゆりが振り向く。

 

「ゆりっぺ、敵の増援だ!!」

「なんですって!?」

 

別のスペースに通じている穴からロストソルジャーが次々と溢れ出す。中には、再生怪人も混じっている。

 

「退路が塞がれてしまったぞ!!」

 

「もうおしまいだ!!」

切り札が撃ち破られ、絶望的な状況の中て戦線メンバーには悲壮感が漂い始めていた。だが、そんな絶望的な状況でも音無はよろめきながらも立ち上がった。

 

 

「ほう、まだ立てますか」

「まだ諦めるのは速い!! 刹那はたった3人の仲間と現世で戦い続けてきたんだ!! だが、俺達にはこんなにたくさんの仲間がいるんだ!! 希望はまだある!!」

 

 

「その通りよ、結弦……」

 

 

突如、何もないはずの上空から奏が刹那を伴って舞い降りてきた。地面に降り立った刹那は音無に近づいた。

 

「後は俺がやる。父さんは下がってて」

「ああ、すまない」

 

音無は腰に装着していたゲイザードライバーを刹那に手渡した。

 

「何度やっても無駄ですよ。あなた達では私に勝つことは出来ない」

「確かにお前は強いし、この状況は絶望的だ」

 

刹那は喋りながらドライバーを腰に巻く。

 

「ここで勝てたとしても未来を守ることは出来ないかもしれない。だが、たとえどんな未来が待っていたとしても戦い続ける!! それが仮面ライダーだ!!」

 

刹那が喋り終えたと同時にドライバーから1枚のカードが飛び出す。刹那はそれを手に取り、ドライバーに装填した。

 

「変身!」

《FINAL KAMEN RIDE:GATHER》

 

説明
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