超次元ゲイムネプテューヌmk2+ BlackFateその4
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―――――――――。

 

 

声が、聞こえる。

とても聞きなれた声。

ねーさん達の声……。

 

『ほーら。いつまで寝てんのよネロ。』

『まーまー。固いこと言わないもんだよノワっちちゃん。』

『そうですよノワールさん。焦るといいことありませんよ。水着の着方間違えたり。』

『誰がノワっちよ!!!つかネプギア!あんた誰から聞いたそれ!』

『ユニちゃんからです。』

『ギクッ…』

『ゆーにー・・・?』

『ごめんなさい姉さん、私も命は惜しいからね!』

『くぉらああああ!!17分割してやろうかあああ!!』

『おゆはんまでには帰ってきてくださいねー。』

 

ノワールねーさんはいつもネプねーさんやユニねーさんに遊ばれて。

ネプギアねーさんとわたしはそれを見て微笑んでいた。

 

 

 

『感謝しなさいネロ。この私様が魔法の極意を教えてあげるわ!』

『ラムちゃんじゃ無理だと思う……。』

『ラムじゃ無理ね……。』

『ラムじゃ無理ですわね。』

『皆ひどくない!?』

『所詮ラムはラムということでしょ。』

『ちょっとユーリ!お姉ちゃんの身体使って勝手に話さない!』

 

 

ラムねーさんとロムねーさんはいつも一緒にいた。…ラムねーさんが勝っているのを見たことがないけど。

ブランねーさんとベールねーさんはネプねーさんとノワールねーさんのように仲が良かった。

教わった内容では各国の女神はシェア争いで対立しているらしいけど…少なくとも、わたしからはそうは見えなかった。

国の争いごとがない、寧ろモンスターとかの騒ぎでは進んでねーさんたちが協力していた。

……そんな、平和な時。の、夢………?

 

 

……もう、戻ってこないもんね…皆殺されちゃってさ…。

…あれ、何か、知らないのもいたような……。気のせいかな……。

 

 

 

 

―――――――――。

 

「…なんだこれ。」

 

目を覚ますと、視界は白と紫で埋め尽くされていた。

なんだか、妙にいいにおいがする。

…確か、私はネプねーさんの部屋の二段ベッド(確かネプねーさんはお姉さんぽいって理由)の上のほうに寝ていたような……。あれ、ネプねーさんこんな胸ないよね…。

 

「あ、起きた?ネロちゃん。」

 

・・・・・・・・・・・。

 

「ね、ネプギアねーさん!?」

「なぁにネロちゃん?」

 

顔をあげると、ネプギアねーさんの顔がドアップで映った。

……つまり、今私はネプギアねーさんに抱かれていると。

……えーっと。

 

 

「な、何故ネプギアねーさんがここに……!?」

「いーすんさんに今日は休んでくださいって言われて、部屋に戻ってきたら寝息が聞こえたから。それで見てみたらネロちゃんだったから。」

「どんな理由ですか…!?」

 

私が起きたとわかっていてもネプギアねーさんは離してはくれない。

部屋にかけられたカーテンで薄暗いけど、どうやらもう朝みたい。

……色々とおかしい気がするけどなぁ。

 

「…それで、ネプギアねーさん。いつまでこの状況でいるつもりでしょうか…?」

「……じゃあ、いーすんさんが起こしにくるまで。」

「何故!?」

 

どうやら本気みたく、私を抱きしめる力を強くしてネプギアねーさんは目を閉じ、寝息を立て始めた。

……どうしろというのか。

妙な夢を見たおかげでわたしは全然眠気がない。

…いいにおいに包まれていると眠くなるとはいうが、それは嘘みたい。

何か無性に恥ずかしくなってきた……。

 

 

十数分後、扉が開く音がした。イストワールかな…?

 

「ネロさん。ネプギアさん。会って初日で仲が良いのはよろしいですが起床時刻ですよ。」

「…!?」

 

イストワールが出てきた。

そこまではまだいい。問題は薄暗いなか懐中電灯か何かで自分の顔を照らしながら枕元に現れたところ。

……こわい。

 

「おや、ネロさんは起きていましたか。どうも。」

「…その顔は何、イストワール。」

「いえいえ。寝起きドッキリをやろうと思いまして。」

「思わないでよそんなもん…」

「では、ネプギアさんを起こし次第謁見の間に来てください。」

 

言うだけ言い残し、ふよふよとイストワールが部屋を去って行った。バタン、と音がしたけどあの図体でわざわざドア閉めたんだ…。

 

「うー……。」

 

ネプギアねーさんも寝ぼけてるし・・・。

……仕方ない、直接運ぼう…。着替えさせないとなぁ…。

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「おはようございます、ネロさん。」

「おはようですー。ギアちゃんまだ眠っちゃってるです?」

「……。」

 

ネプギアねーさんを背負い謁見の間に降りると、イストワール…に、アイエフとコンパが既にいた。

ネプギアねーさんはまだ寝ぼけている。寝不足なのかな…。

 

「さて、ネプギアさんはまだ寝てますがこれからの目的を説明します。」

 

とりあえずネプギアねーさんをアイエフに渡すと、イストワールが何か話し始めた。

……とりあえず、今がねーさん達に教わったマジェコンヌ事変かもしれない。

二言目にはユニちゃんまたはお姉ちゃん言ってるネプギアねーさんがユニねーさんの名前を出さない辺り、多分あってる…。

ネプねーさんがいないのも、マジェコンヌに捕まって触手プレイ(ネプねーさん談)されているのだろう。

……イストワール、飛ばすところを間違えたんじゃないかなぁ…。

 

 

「当面の目標は二つ。第一目標、ラステイション・ルウィー・リーンボックスのゲイムキャラの回収。第二目標、ラステイション及びルウィーの女神候補生三人協力要請。まぁ女神候補生の方は協力が難しい場合最悪拘束してもいいですよ。教祖の皆さんは女神候補生の皆さんと違って融通が利くので私から連絡しておきます。」

 

うわぁ。イストワールだ、いつものイストワールだ。教祖は相変わらずこんなんばっかりか。

……多分イストワールは【なんとしても女神候補生の協力を取り付けてください】と言いたいんだろう。

イストワールとケイの毒舌は聞き飽きてるし…。

 

「そういうわけで、まずはラステイションのゲイムキャラ回収、ついでラステイションの女神候補生ユニの回収を目的とします。朝早くから集まってもらったのはラステイションへの定期便が理由です。」

「では、これからラステイションに…?」

「はい。既に神宮寺ケイさんには【役立たずの女神候補生を回収しに行きます】と伝えてありますので、頑張ってくださいね。」

 

「「「……は?」」」

 

あれ、今何か言ったような………。

イストワールはさも当然のようにニヤニヤしているけど、今言ったことって……。

 

「ちょっと待て本!何で挑発した、何で挑発した!?」

「いえいえ。つい癖で。」

「癖でんなことしてるからあああ!!!」

 

小さい肩を掴み、ぶんぶんと勢いで揺らしてしまう私。

イストワールは変わらずニヤニヤしている。ネプねーさんとネプギアねーさんもよくコレに付き合う・・・・・。

 

「あーあ、またイストワール様の後始末かぁ……。」

「あいちゃん、胃薬ならあるですよ?」

「ああ、買いだめしといて……」

 

「まぁまぁネロさん。どちらにしろネプギアさん以外の女神候補生はさまざまな要因もあって戦力としては期待できないから仕方ありませんよ。」

「それのどこに仕方ない要素がある!つかユニねーさんを平然と役立たずいうな!」

「ネプギアさんに比べるとどうしても霞んでしまいますしー。」

「黙れ駄書ォ!」

 

ニヤニヤと言い放つイストワールを投げ捨て、軽く一息。

イストワールはいつまでたってもあの調子だった…信じた私が馬鹿だったみたい。

 

「はぁ…。アイエフ、コンパ。ラステイションに行くよ。」

「了解です!」

「まぁ、あの挑発の後始末もあるし……。イストワール様、あれさえなければ……」

「まぁ、ねぷねぷよりはまだ良心的です…。」

「ねぷ子はもう、苦労を超越した何かを強いるしね……。」

 

アイエフとコンパが何か愚痴っているけど知らない聞こえない。

とりあえずネプギアねーさんを背負い、教会を後にした。

向かうは、ラステイション。この時のユニねーさんってどんななんだろ…。ちょっと楽しみかな。

 

あれ、何だろう・・・昨日と違って前途多難な気がする。

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〜同日・同時刻 ギョウカイ墓場〜

「ジャッジ。」

 

四女神が捕えられているギョウカイ墓場の広場。

マジックが黒スーツに黒帽子の男に話しかけると、ジャッジと呼ばれた男は面倒くさそうに視線を女神からマジックに向けた。

 

「あぁ?んだよマジックか…。」

「身体の調子はどうだ?急造だが女神級の力はあるはずだ。」

「問題ねぇよ。ただ動きずれぇ。」

「慣れろ。お前の身体の調子次第でブレイヴとトリックの性能も決まり、果てはマジェコンヌの直接的な戦力の増加に関係する。」

「へーへー。んで、あの裏切り者様はどうなったんだよ。」

「奴か。奴ならば精神抽出が完了次第そのホワイトハートを使用して前線に使う予定だ。その際にはブレイブも完成しているだろう。」

 

つかつかと歩き、マジックがコードに繋がれた女神に視線を向ける。

ぶつぶつとつぶやくが、ジャッジの耳には入らなかったようだ。

 

「人間の悪意の器たる我ら、必ずや庇護女神を滅ぼし、世界をあるべき方向を進めようぞ。」

「別にあるべき方向とかどうでもいいけどな……。」

「水を差すなジャッジ。貴様の身体にこの女神を使ってやろうか?」

「…わーったわよ。悪かったよ。んな気持ちわりぃ体にされんのは勘弁だ。」

「わかればいい。だが、あまり失態を重ねるなよ。」

「そのためのこの身体だろ?余裕だっての。」

「ふん……。トリックかブレイヴが完成し次第後詰めを開始する。それまで見張りでもしておけ。」

「へいへい…。」

 

マジックが広場を去ると、ジャッジは恨めしそうに四女神を見つめた。

 

「こんな奴らが……。チッ、胸糞わりぃ。」

 

悪態を付きながら、近くの残骸に座り、ジャッジは再び見張りを始めた。

説明
あれ、序盤からクライマックスな気がする…
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