IS 世界を守る者 EP7 魔戒騎士 |
夜、それは夜の蝶が舞う以外にも古から戦う物が存在する。
森羅万象、あらゆる物に存在する闇…陰我。
その匂いを嗅ぎつけ、扉(ゲート)として開き、魔界からこの世に出現する魔物、魔獣ホラー。
そして、そのホラーを討ち祓う者、魔戒騎士。
幾千幾万年…未来永劫続けられる魔戒騎士とホラーの戦い。
だがここ数年、魔獣ホラーの数が増えた。
ある事件をきっかけに…
IS学園、現在午後8:00。
校舎の裏側にセシリアが居た。
ジンヤが急に居なくなったので探しに来たのだ。
「ジンヤさん…こんな夜中に何の用で外に?」
すると、何かが吹き飛ばされる音がしたのでセシリアは物陰に隠れた。
そして、音のする方を見ると、そこには黒いコートを身に纏ったジンヤが居た。
またジンヤの視線の先には女性が居た。
その女性は高価な服を着ていて、指には指輪がたくさん付けられていた。
「貴方、この私にどうする気なの!警察呼ぶわよ、警察!!」
女性はヒステリックに言うが、ジンヤは笑いながら言った。
「ハ、笑えないね。ホラーに人権が通用するか、ボケ」
すると、ジンヤの手にある魔導炎ロンが言った。
『そういう事だ、正体を現したらどうだ?魔獣ホラー!』
ロンがカッコ良く言うと、女性は一瞬ハッとした表情になるが、すぐさま笑い始めた。
「ハハハハハハッハハ、まさか貴様が魔戒騎士とはな…ちょうど良い。世界の為に、女の前にひざまつきなさい!!」
そう言うと、女性の姿が瞬時に変わった。
両手に鋭い爪を悪魔のような姿をしていた。
「ロン、あのホラーは何だ?」
『アイツは上級ホラーのクロム。見て分かるように素体ホラーに似ているが実力は桁違いだ』
「クロム…骸(ムクロ)のアナグラムか…それにしてもまた女尊男卑の何かをゲートにして出て来るのか…偶には別の理由で来いよ…」
ジンヤの言った言葉にセシリアは驚愕した。
(女尊男卑の何かをゲート?!まさか、あのホラーとういうのはわたくし達が原因で?!)
「ま、しょうがないんじゃない?今のこのご時世だしさ」
声が聞こえた方を見ると、背中にドリームキャッチャーと双剣を象った刺繍が施されている黒いコートを着た美青年、涼邑零が居た。
「零さん、スイマセン。わざわざココまで来てくれて…」
「ま、いいじゃん。可愛い後輩の実力の拝見しに来たし」
『お手並み拝見ね』
そう言ったのは、零の左腕に付けている魔導具のシルヴァ。
すると、クロムが分裂して2体になった。
「これで2対2になりましたね」
「それじゃあ、サクッとやるか」
そう言うと、零は2本の魔戒剣を取り出し、ジンヤは音叉を取り出した。
その音叉を指で叩くと、日本刀の形をした魔戒剣になった。
ジンヤと零は魔戒剣で頭の上に魔戒剣で丸を描くように宙を切った。
そして、ジンヤと零は鎧を身に纏った。
零は白銀の鎧を身に纏い、魔戒剣は2本の銀狼剣となり、銀牙騎士・絶狼(ゼロ)になった。
ジンヤはまるで異なる鎧を身に纏っていた。
音撃戦士の歌舞鬼という鬼の姿をモチーフに右肩には狼の飾りに頭の左側には黄金の角が生えていた。
あれは鬼の力と魔戒騎士の古から伝わる力を1つにした戦士、音撃騎士・狼鬼(ロキ)である。
(アレがジンヤさん…カッコ良い///)
セシリアはジンヤが狼鬼の姿に見ほれていた。
そして、戦いが始まった。
絶狼はクロムから繰り出される両爪の攻撃を銀狼剣で防いでいて、カウンターに銀狼剣でクロムの爪を切り裂いた。
すると、クロムは勝機は無いと思ったのか、翼で空中に舞った。
しかし、絶狼は2本の銀狼剣を1つに繋げて銀牙銀狼剣にすると、それを空中に逃げたクロムに向かって投げ、クロムは斬られて消滅した。
一方、狼鬼は魔戒剣でクロムの両手から放たれる爪を防いでいた。
『ハァアア!』
すると、狼鬼はその場で高速回転し始めてクロムに接近した。
そして、クロムをすれ違い様に斬った。
『ごがあぁぁぁぁぁ!!』
クロムがそう奇声を上げると、爆散すると、魂らしきものが出てきてその中にさっきの女が映っていた。
『あ、貴方!助けなさい!!この私を!!』
しかし、狼鬼は冷たく言った。
『無駄だ、ホラーに魂を食われた時点ですでに貴様の魂は死んだんだ!』
そう言うと、狼鬼は魔戒剣でその魂を斬った。
『ごるふぁ?!』
斬られた魂は短剣になった。
ジンヤは鎧を解除すると、短剣を拾うと同じく鎧を解除した零に渡した。
「零さん、すいませんね。わざわざ短剣の後始末してくれて…」
「大丈夫だ、これくれいは…しかし、遂にココにも来たか…何故、奴は今回に限って来たんだ?」
「それについては僕が調べておきます」
「それじゃあ、頼んだぜ。後輩」
そう言うと、零は去っていった。
一方、セシリアは考えてた。
(ホラー、女尊男卑が原因にIS学園に来た?何がなんだがわかりませんわ…)
すると、ジンヤは言った。
「ねえ、隠れていないで出てきたらどうだ?セシリア」
「!」
どうやら、ジンヤにはセシリアが見ていた事を知っていたようだ。
そして、セシリアが出てきた。
「セシリア、最初に質問だ。君はあのホラーの返り血は浴びていないか?」
「え、あ、浴びてませんわ」
「そうか…」
ジンヤはホッとしていると、ジャンボットが喋った。
『ジンヤ、ゾディアーツ反応だ!』
「あ、ISが喋った?」
「ジャンボット…セシリアの前で喋らないでよ。それに一夏に任せてある」
ジンヤはジャンボットにあきれていると、真剣な表情でセシリアに言った。
「セシリア、君は真実を知るか?それはウソかも知れないと思えるがそれが真実なんだ。知る?」
「はい、貴方が何者なのかわたくしに教えください!」
「分かったよ…」
そう言うと、ジンヤはセシリアの頭に手を置いた。
説明 | ||
夜。 それは夜の蝶が舞うだけではなく、夜に現れる陰我。 その陰我を狩る騎士が居る。 |
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