仮面ライダーディケイド〜紅蓮の破壊者〜【オールライダー・バトルカーニバル】
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第四話、襲撃者

 

 

鳴海探偵事務所…

 

「へえ〜…フォーゼねえ…」

翔子はオーロラを渡ってきた空を事務所に招き入れ話を聴いていた…。

事務所と言っても無機質な空間では無く緑を基調としたフロアで妙にフカフカそうなソファーがありどちらかというと一般家庭のリビングを思わせる…。

「はい、それで今回は良い経験になると思いましてカーニバルに参加しようと……」

空もソファーに腰掛けて話している。

「でも正直、私はカーニバルに出るのはオススメしないわ…」

「え?」

突然の翔子の言葉に戸惑う空…。

「このカーニバルっていうのは確かにお祭りのように聞こえるかも知れないけどこの大会…かなりキナ臭いわよ…。調べてみたら主催者なんての名前なんてでたらめ…明らかに裏で糸を引いている奴がいるのは確かよ。」

「それなら止めないと…!」

「馬鹿ね…別の世界の貴方たちのようなライダーにまで収集をかけているような奴らよ。真っ正面からいったら間違いなく潰される…」

 

翔子はため息をつきながら言った…。彼女もどうにかできるものならともどかしく思っているのが伺える…。

「アンタが言ってた『ゾディアーツ』だっけ?あの類いの連中も最近でてきた奴らでね…今回の話で間違いなく別の世界の産物であることはわかったわ…。ありがと…」

「い、いえ…あ!」

突然、何かを思いだしたような声をあげる空…。

「ぼ、僕………今日の宿が…無いです…」

 

 

そう、これは彼にとっては切実な問題を思い出したのだった…。

「あ、ならうちに泊まる?」

「え?」

 

「ウチには今、フィリップしかいないし私の旦那も今日は帰ってこないし晩飯代1人分ぐらい余裕はあるわ。」

慌てる空を見かねて提案をだす翔子。空も遠慮しようとはしたが断われば寝床が無いため翔子の言葉に甘えることにした…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一方…

 

カフェ『スプリング』…

 

 

「放せ!放せ!俺はコイツをムッコロス!!」

「落ち着け!ガキ相手にそこまでキレるな!!」

「そ、そうだよ!雄司君だってわざとやった訳じゃないし!」

 

四季をなだめる1人の青年と少女の姿があった…。

翔太朗と昴である。

「ヒイイイ…!」

雄司は鬼の形相の四季に怯えている…。

そこへ…

 

 

 

 

ヒュルル…ズゴーン!

 

 

「「「「!」」」」

 

 

またもや空から落下してくる者が…

 

 

「ゲホ、ゲホ!おっ昴…追い付いたぞ…!」

「大和!」

「くっ…まさか落下とは…」

スプリングを破壊しやって来たのは1人の少年と女性…。

少年の名は『直江 大和』。女性のほうは『川神 百代』。どちらも昴のもといた世界の善き仲間である。

「皆、無事あえて良かっ…」

 

再会を喜ぼうとした昴はここで異様な空気に気づく…。

 

ギギギギ…

 

恐る恐る後ろを見る昴、大和、百代…。その瞳に移ったのは…

 

 

 

 

 

 

 

「卵とじに…してやろうか?」

 

 

両手をあわせ謎のオーラを発する黒いエネルギー体を形成している四季の姿があった…。

それを見た雄司は

「あ、あれは『ダークマター』!?暗黒面の闇物質が何故ここに!?」

訳の解らないことを言い出した…。

「お前が元凶だろうが!!」

ここで翔太朗のツッコミが炸裂する。

 

 

 

 

 

「さあ…地獄を楽しみ…」

「ぬああああああ!?」

「!?」

ズゴーン!

 

そのダークマターを四季が放とうとした瞬間…再び、スプリングに落下する者が1人…。しかも、これでスプリングの大半が崩れてしまった…。

「いってえ…あのクソ神…。」

立ち上がったのは少年…見たところ高校生のようでそこそこ美形…右手に何やら包帯をしているようだ…。

「さて…コウモリも探さなきゃならんし……ウェ?」

ここで少年は周りの異様な空気に気づいた…。何故なら周囲の人物が『ああ…やっちまった…』という視線を向けてきたからだ…。

「あ、俺何かした?」

「「「うん。」」」

「マジで…?」

 

少年の疑問に昴、大和、百代は同時に頷いて答える…。

「まあまあ、落ち着けよ四季……四季…?」

四季をなだめようとした翔太朗だがそこに彼の姿はなかった…。どこにいったかと辺りを見回すと…

 

 

 

 

 

 

「オーナー…今、そっち逝くよ…。」

 

 

もれなく首吊り自殺を謀ろうとしていた…。

 

 

 

 

 

「うおおおお!?よせえぇぇぇ!!」

 

翔太朗は急いで羽交い締めにそれを阻止に入った…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

世界は代わり

とあるダークキバの世界…

 

少年、『登 オトヤ』は相棒の黒いコウモリ『ダキバット』を連れ公園に来ていた…。

ここで彼は異様な気配を感じとったからである…。

『おかしい…気配はあるのに何もないだと…』

「確かにおかしいね…『ネオ』にしては妙だし…」

 

この世界には『ネオファンガイア』と呼ばれる怪人がおりファンガイアのように人のライフエナジーを喰らうという特徴と倒すとカードになるというアンデットの特徴を掛け合わせたような怪人であり、オトヤはダークキバに変身しそれらを倒してきた…。

『たが気配があるからには放置する訳もいかんしな…』

「そうだよね…でも何かネオとは違うような…」

 

 

 

 

ピキキキ…

 

「『!』」

 

この時…

ガラスにヒビが入るような音がした…。

反射的に空を見上げるオトヤ…。見ると空に文字通りヒビが入っていた…。

「ダキバット…」

『ああ…あれは間違いなくヤバいな。』

 

ガシャ…!!

 

オトヤたちの予想が的中するかのように空が砕け『何か』が落ちてきた…。

それが人だと認識するのに数秒かかった…。

「ここは…過去…か?」

落ちてきた人はオトヤの目の前に舞い降りた…。

その人は美しい黒髪で紅い瞳…端正な顔立ちはまさに美男と呼ぶに相応しい。

「そのキバット…君は…『偽りの帝王』か?」

「!」

男はオトヤのことを『偽りの帝王』と呼んだ。思わず距離をとり警戒するオトヤ。

「アンタ…一体何者だ!!」

「僕かい?僕は…」

喋りながらディエンドライバーと酷似した黒い銃を取り出す男…

「通りすがり…いや、放浪する破壊者さ。君の魂もらいうける!!」

『KAMEN RIDE』

そしてカードをどこからかとりだし装填する。

「狩れ…ディロウガ…!変身!」

『DE-LOUGA』

 

そして引き金を引くと彼に幾つもの影が重なっていく…。それは鎧となるとディエンドに酷似した漆黒のライダー『仮面ライダーディロウガ』となる…。ディエンドとの違いは余りにも刺々しくベルトにケータッチらしき物がついているということだ…。

「やる気は満々のようだな…。仕方ないダキバット!」

『ガブリ!』

オトヤも応戦すべくダキバットに手を噛ませる…。すると彼の顔にステンドグラスのような模様が現れ彼の腹部に鎖が巻き付きベルトへと変わる。

「変身!」

そして彼はコウモリを思わせる紅い鎧に緑色の複眼、そして黒いマントをなびかせたライダー、『仮面ライダーダークキバ』に変身する。

『光栄に思え!絶滅タイムだ!』

「フフ…終わるのは君かな?」

「っ!」

一瞬…ディロストの言葉に畏縮してしまったダークキバだがすぐにザンバットソードで斬りかかる…

 

だが…

 

「甘いね…」

「!」

切っ先を紙一重でかわしディロストは空振った斬バットソードを足で踏みつけ地面へ深く突き刺し変身ツールに使った銃『ディロウガドライバー』を突き付ける。

「どうしたんだい?これで終わりかい?」

「くっ!」

ひとまず距離をとるダークキバ…。

 

「ならこれでどうだ!」

『ガルル・ソニック!』

 

左腕のタツロットに似た機械『ネオロット』にカードをラウズするダークキバ…。

すると、マントが弾き飛び胸部に毛皮が纏われさらに左側が野獣の爪のように刺々しく、複眼も青く変化する。

仮面ライダーダークキバ・ソニックタイプ…

原典のダークキバには無い力…

速さを活かした戦闘を得意とする形態である…。

「速さなら速さだ。」

それを見たディロストはベルトのケータッチらしき物『ロストタッチ』に触れる…。

 

『DARK KABUTO…KAMEN RIDE HAIPEER』

 

するとロストタッチから電子音声が響きオオヒヒイロカネの装甲がディロストを包む…。

 

そして、その姿は一瞬、ダークカブトに変身するとその特徴的な黒い角は延長され胸部の赤い基盤のような模様の入った鎧にさらに赤い追加装甲が形成され、それが腕や足、背中にも同様に追加され『仮面ライダーディロスト・ダークハイパーカブト』へと姿を変える。

「なっ!?」

一瞬、驚きを見せたダークキバ。その隙をDLHダークカブトが見逃す筈もなく…

「君の…敗けだよ…」

「!」

気づいた時にはダークキバの後ろに回りこみディロストドライバーを突き付けディロストの姿に戻る。

「残念だよ…今の君じゃ狩る価値も無い…。この世界の『白い魔王』と『不屈の白』との息子と聞いていたのに…やはり君は僕の求める『欠片』ではない…。」

そう言うとディロストは黒いオーロラを出現させその中へ去っていった…。

 

 

 

 

 

「何なんだアイツ…」

 

一難さったことにより変身を解除するオトヤ…。ダキバットも不安そうに周りを飛び回る…。

『解らん…いずれにしても…』

 

シュタッ

 

「『!』」

 

そこへ、あろことかまた1人招かねざる客が…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「オトヤ君大丈夫ですか!?」

「え?アイン?」

 

ではなくアインハルトであった…。髪が何故か青いし何故かここに来たスピードが尋常じゃなかった…。

『おい、アインハルト。ユニゾンを解くぞ。』

「あ、はい!!」

『よし、オープン・ゲット!』

突如、アインハルトから謎の声が響くと彼女の中からジャガー形態のハヤトが飛び出す。するとアインハルトの髪が薄い緑色に戻る。

「紹介しますね。ハヤトさんです。」

 

オトヤにハヤトを紹介するアインハルト…。しかし、ハヤトはそんなことは気にせず余りの速さに酔ってしまったティオを弄んである…。

「ええと…アイン?来る速さが尋常じゃなかったんだけど…」

ふと思った疑問を聞くオトヤ。

「それは、ハヤトさんのおかげです。ハヤトさんとユニゾンすると移動速度が速くなるらしいんですよ…。」

『まあ、鍛え足りん奴は筋肉が弾けとぶか内臓潰れてお陀仏だがな…』

さらっと恐ろしいことを付け加えるハヤト…。

『この嬢ちゃんは大したもんだ。お前も少し見習ったらどうだダークキバ?』

「はは…考えときます。」

 

ハヤトの提案に曖昧に答えるオトヤ。

そこへ…

 

「登!!」

1人の少年と青年がやってきた…。1人は仮面ライダーカリスの少年『剣立 ハジメ』。もうひとりは仮面ライダーバスターの青年『加藤 ヤマト』である。

「ハジメ…ヤマトさん…」

 

「登…さっきの…」

「ああ…それは運良く退いてくれた…かな…でもネオじゃなかった。」

 

「!」

ハジメの質問に答えたオトヤ…。その顔は微かな恐怖と悔しさに歪んでいる。このことからハジメは敵は今まで相手をした奴とは異次元…そしてダークキバが全く歯がたたなかったを察する事ができた…。

「ええと…そちらのお方は?」

この重くなりつつある空気の中、ハヤトの事がきになるヤマト…。

『俺はハヤト。よろしく…仮面ライダーバスター。』

「え?俺のこと知ってるの?」

『勿論…。お前ら3人は招待状をもらったライダーだからな。』

「「「?」」」

ハヤトがそう言うと銀色のオーロラが現れその場にいた全員を飲み込んだ…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃…

 

ゴールドライナー…

 

『はい、どうぞ。』

「ああ…すまない…。」

唯はタキシードを着こなした金色の骸骨のイマジンからコーヒーをもらっていた…。彼の名は『ゴルゾ』。ゴールドライナーの従業員のイマジンである。

「皆さん…もうそろそろ着きますよ…。」

商の声が同時に響き同時にゴールドライナーが減速する揺れがはしる…。

 

そして、ゴトンと大きく揺れるとゴールドライナーが停車する。

「さて…皆様、ゴールドライナーのまたの利用……んん?」

乗客を降ろそうとした商だったが突然、何かを感じ取ったかのように動きを止める。

「どうした?」

翔夜が商に訪ねる…

 

「いえ………『招かねざる客』が来たようです…。」

 

 

 

 

 

 

 

ズドーン!!

 

「「「!?」」」

 

商が答えたのと間を置いて激しく揺れるゴールドライナー。

 

同時に外へ飛び出す商とゴルゾ。そこは広場だった…。そして、その上空に人影があった…。

 

 

 

 

 

 

 

「『資格者』、君とその乗客の魂…もらい受ける…。」

 

 

 

その影の正体はオトヤを襲ったディロウガの青年であった…。

 

 

 

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