IS〜深緑の狙撃姫〜「あたしの運命は嵐を呼ぶ・・!」 |
翌日
一夏たちはどうするか悩んでいた。
ミラーモンスターの駆除に加え、ロックオンの精神崩壊も加わり、どう行動するかを考えていた。
「さて、どうしよっか。」
「ミラーモンスターもそうだけど・・。」
「ロックオンさんを放っておけませんわ。」
上からティアナ、鈴、セシリアである。
ミラーモンスターを駆除しなければいけない、かといってロックオンを放っておくわけにはいかない。
(もしかしたら・・。)
そんな中で一夏はある事を考えていた。
校庭
校庭に出たラウラは真耶と会っていた。
「まさかストラトスさんを再起不能にするとは思いませんでしたよ。」
「ふん、ロックオン・ストラトスはもう戦えん。私は織斑一夏をやる。あとは好きにしろ。」
真耶とラウラはこの会話を交わしていた。
ラビットハッチ
一夏はロックオンをここへ運び、提案する。
それを聞き、全員が驚きの声を上げる。
「あんた、本気で言ってるの!?」
「ああ、クアンタのクアンタムバーストでロックオンの意識に入り込んで意識をこっちに引き戻す。」
「そんなこと出来るの?」
簪の問いに一夏は顔を伏せる。
「・・正直これは賭けだ。上手くいく保証はない・・。」
「だけどそれしかないんでしょ?なら僕はそれに賭けるよ。」
意外にもシャルはこれに賛同。
ロックオンの事が大好きだからこそ反対すると思っていたが現時点で方法がないのが事実。
これを皮切りに全員が賛同。
一夏以外は全員捜索に当たらせる。
これは他の誰かの意志に入り込まない為の処置だ。
一夏はクアンタを纏い、ロックオンの手を握る。
「ロックオン、必ず助ける・・!クアンタムバースト!」
ラビットハッチは緑の粒子でいっぱいになる。
一方、シャルたちはシアゴースト四匹に襲われていた。
「出たね・・!」
シャルはドライバーを装着してトランスイッチをオンにする。
(3・・2・・1・・)
「変身!」
シャルが煙に包まれ、フォーゼに変身。
「仮面ライダーフォーゼ!最初からフルブーストで行くよ!」
フォーゼはシアゴーストに立ち向かい、ティアナはアストロスイッチカバンを開け、戦いを見守る。
ロックオンの意識
バーストの共有レベルを下げた事で意識に入り込む事に成功。
三人のチビセリスが三角座りで座っている。
上を見ると頭を抱えるロックオンの姿が写っていた。
「小さいロックオンと今のロックオン・・?とりあえず話しかけるか。」
一夏は近くのチビセリスに話しかける。
『あたしは両親の顔を知らない・・。あたしが知ったのは軍隊格闘と銃の扱い。あたしが拾われ、育てたのは火薬や死体が焼ける匂いが蔓延する戦場・・。』
一夏はロックオンが戦場を駆け抜けていく姿を見た。
他にも様々な銃を駆使して構え、炎の中を歩く。
その姿はまさに死神だった・・。
「ロックオンは両親の顔を知らないって言っていた。・・戦場があいつの技術を作り、死んでいくのを多く見てきたから、誰かの死に対して敏感なんだな・・。」
少しロックオンの過去の事を知った一夏。
そして自分が何をするべきかを悟る。
「少しずつロックオンの過去を見ていけばあいつを取り戻す糸口が見つかるかもしれないな。」
一夏は別のチビセリスに話しかける。
『あたしは名無しとして生きてきた。だけどお父さんとお母さんに会って変わっていく。初めて心が満たされた・・。本当に嬉しかった。戦争しか知らない、空っぽのあたしでも感情があったことに・・。』
ラグナに肩車をしてもらうロックオン、ロックオンの頭を撫でるミーナなど心が暖まる場面を見た。
馴れない環境の中で国が全面的にバックアップしてくれた。
シャルやティアナと友達になり、ティアナの兄で兄的存在のディーン・ストライサンド、姉的存在のレベッカ・リターナーとも出会った。
二人からの教えで体を鍛え、狙撃のセンスが開花。
バスケットボールに興味を持ちスポーツチームに入団。
小六には主将として優勝もした。
幸せに暮らせたのも束の間、中二の冬・・二人は何者かに襲われ、血を流していた。
『セリス・・。お前に大きすぎる物を・・託してすまないな・・。』
『お父さん!お母さん!』
『私たちは・・あなたを愛してた・・。これで・・メテオは・・あなたの・・も・・の・・。』
ミーナは血に塗れた手でロックオンの頬に触れ、メテオスイッチにロックオンの生体認証を登録。
そして、力なくミーナの手が下ろされる・・。
「ロックオンはラグナさんとミーナさんに引き取られた。そこからセリス・スカーレットが始まり・・笑顔と家族と友達というかけがえのない物を手に入れたんだ・・。」
最後のチビセリスに話しかける。
『中二の三学期、あたしはロックオン・ストラトスを名乗った。全ては敵討ちのために・・。だけど一夏たちと出会って楽しい思い出もできた。』
ロックオンはシャルにフォーゼを託した。
一夏と鈴、弾と蘭と友達になった。
一夏の誘拐事件。
レベッカから情報を得たロックオンは救助に向かう。
そして一夏はエターナルとダブルオーに運命を感じた。
「そして俺たちは仮面ライダー部を作った。みんなでバカをやったり、戦ったりしたな。そして俺から告白して恋人になった。」
すると映像のロックオンが具現化。
ゆっくりと立ち上がり、一夏を見る。
「・・・。」
「ロックオン、お前を迎えに来た。」
「・・見たんでしょ。普段はクールに振る舞っているけど、未だに過去を女々しく引きずっている女・・。それがあたしよ・・。」
一夏はロックオンの肩を掴み、真っ直ぐに見据える。
「ロックオン、無理に過去を振り切れなくていい。人は支えあって変わっていくんだ。」
「・・いいの?あたしのつまらなくて惨めな思いを背負わせても・・。」
「ああ、お前には俺以外にも鈴たち仮面ライダー部がいる。だからもう一人で抱え込むな。」
それを聞いてロックオンの目から涙が溢れる。
「ありがとう・・!一夏・・!」
「ロックオン・・お前をもう一度俺の女にする!」
「うん・・!」
そこまで言った所で二人の意識は戻る。
ロックオンはメテオスイッチを手に取りティアナから現在の状況を聞く。
一方フォーゼはシアゴーストを全て倒した所でキャンサーとスコーピオンが襲ってきた。
スコーピオンは傍観している。
(ロケット・ドリル・リミットブレイク)
「このぉー!」
キャンサーにライダーロケットドリルキックを叩き込む。
しかし・・。
「そんな攻撃が効くか!」
「うわぁ!」
キャンサーはフォーゼを弾き飛ばし、フォーゼの頭を掴む。
そして強烈なパンチを繰り出す。
「くうぅ・・。まだだよ!」
(ランチャー・ガトリング・オン)
フォーゼは立ち上がりランチャーとガトリングを装備して放つがキャンサーは弾き飛ばす。
「無駄だと言っている!」
キャンサーはさらに光弾を放つ。
光弾はフォーゼにヒット。
「うわぁ!くうぅ・・!」
過剰ダメージでフォーゼの変身が解けてしまう。
「ほう、まさか貴様がフォーゼとはな!」
キャンサーはシャルに襲い掛かるが鴻上ファウンデーションが開発したライドベンダーに乗ったエターナルがキャンサーを弾き飛ばす。
「・・!エターナル!」
さらにメテオが降臨。
「むぅ、まさか復活するとは。」
「貴様か。命令も無しに戦えるのか?」
メテオはキャンサーとスコーピオンを力強く見据える。
「あたしは負けない・・!過去にも・・そしてこれからも・・!あたしは自分の意志で戦う!男も女も関係なく、みんなが笑い会う世界を作るために!」
メテオは風車のついた大きなスイッチ・メテオストームスイッチを手に取り、メテオスイッチと交換。
(メテオストーム!)
そしてスイッチをオンにする。
(メテオ・オン・レディ?)
ストームトッパーを弾いて回すと、メテオの体が青と金の風に包まれる。
風が止むとそこにいたのは黒い部分が青、頭部・胸のパーツと関節部分が金色に変わり、形状も左右対称になっている。
「青と金色のメテオ・・。」
「ストりゃんカッコいい〜。」
これがメテオの超攻撃形態・メテオストーム。
「仮面ライダーメテオストーム・・!あたしの運命は嵐を呼ぶ・・!」
「私が相手をしよう。行け。」
スコーピオンはダスタードを召喚。
「今日は久しぶりに熱く激しく行かせてもらうわ・・!」
メテオストームは専用武器・メテオストームシャフトを手に取り鮮やかな棒術を見せる。
「ザコであたしを倒せない!」
「ならば、超新星・・!」
スコーピオンはスコーピオンノヴァへと変化。
「ふふ、いいテンションだわ!幹部相手でも負ける気がしない!」
メテオストームは足元へ移動、胴体に飛びうつりシャフトの連撃を加え、飛び降りる。
「ぐおぉ!貴様も道連れだ!」
スコーピオンノヴァはエネルギーを蓄積。
「悪いけど、自爆逃げは許さないわ!」
それを見てメテオストームはスイッチをシャフトにセット。
(リミットブレイク!)
ストームワインダーを手に取る。
それを見てシャルが慌てて声を上げる。
「ちょっと!ここで倒したら・・!」
「心配はいらないわ。」
ストームワインダーを差し込み、トッパーを高速回転。
メテオストームは舞うように動き、トッパーを射出。
(OK!)
「行きなさい!メテオストームパニッシャー!」
「そんなもので王の力をもらった私を倒せるか!」
トッパーがスコーピオンノヴァの脚、尻尾を切断しつつエネルギーを吸収して威力を高める。
相手を切り刻む必殺技・メテオストームパニッシャーを発動。
「バカな・・!二度もこの私が・・やられるなんて・・!」
「・・よしっ!」
トッパーがシャフトと合体すると同時に爆発。
クルッと回ってポーズを決める。
爆発した場所を見たがスコーピオンのスイッチャーは消えていた。
エターナルもキャンサーと戦い、固さに苦戦しながらも立ち回っていた。
「やるな!だが私には勝てん!」
「ならば俺も切り札を切らせてもらう・・!」
エターナルは指を鳴らし、Jのメモリを生成、腰のスロットにセット。
(ジョーカー・マキシマムドライブ!)
すると25のメモリが現れその中のゾーンを手に取り、腰のスロットにセット。
全てのメモリが一斉に各スロットに治まる。
(アクセル・バード・サイクロン・ダミー・ファング・ジーン・ヒート・アイスエイジ・ジョーカー・キー・ルナ・メタル・ナスカ・オーシャン・パペティアー・クイーン・ロケット・スカル・トリガー・ユニコーン・バイオレンス・ウェザー・イエスタデイ・ゾーン・マキシマムドライブ!)
エターナルの複眼が点滅。
エターナルオーラを纏い、ローブを脱ぎ捨てる。
「バカな、26個のマキシマムだと・・。」
「さあ、決着を着けるぞ!お前の全てをぶつけてこい!」
「いいだろう、ここで貴様を倒す!」
エターナルはメモリをエッジのスロットにセット、キャンサーは右手にエネルギーを溜める。
(エターナル・マキシマムドライブ!)
「「はあぁ!」」
キャンサーのエネルギー弾とエターナルのネバーエンディングヘルがぶつかり合う。
「ぐぅぅ・・!」
「ぬぅぅ・・!」
しばらく拮抗する。
その余波はティアナたちがいる場所にまで及んだ。
「すごいエネルギー・・。」
「ここまで来るなんて・・。」
「おりむ〜・・。」
少しずつエターナルが押してきた。
「これでぇ!」
「うわぁぁ!」
ついにエターナルのネバーエンディングヘルがキャンサーにヒット。
爆発が起こりラウラに戻る。
エターナルはラウラの元へと向かい、目の前で変身を解く。
「織斑・・一夏・・!」
「・・すまない。俺が弱かったから・・。」
一夏は頭を下げた。
それは自身が弱かったからラウラをここまで歪めた事。
だからこそ一夏が決着を着けると言ったのだ。
「許せとは言わない。俺を恨んでくれてもいい。だけどこれだけは言わせてくれ・・。お前はあいつになれない、だけどあいつはお前になれない。ここにいるのはラウラ・ボーデヴィッヒだ。」
「・・!?」
ラウラは目を見開いた。
こんなことは初めて言われた。
「うぁぁ!」
そして泣き出す。
力を求めるだけの自分への決別するかの様に・・。
感想待ってます!
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ロックオンを引き戻す。 そしてメテオストーム。 |
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コメント | ||
次は誰かが死にかけます。(十河) セリスを助けたこと自体がちょっとご都合入っていた気がするのですがw 治っても他のメンバー死なないとwww(しぐまっちょ) 一夏は歪んだ事に対して責任を感じてますので強く言えません。(十河) えっ?あっさり赦しちゃうの?さんざん嫌がらせをしたのに?(西湘カモメ) |
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