死にたがりの第九十四話 闇の微睡 |
あらすじ
何と言うリィン無双……
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〜なのはサイド〜
「……当たった、のかな?」
「分からへん……」
狙いを定めて放った魔法。
その場所には煙が立ち込めていて、状況が分からないようになっている……。
そして、徐々に煙が晴れて行く……。
……嘘……。
「む……無傷……」
煙が晴れて見えた物は、障壁で攻撃を防ぎ切った闇の書さんの姿があった……。
しかも、微動だにしていない……。
「アカン……なのはちゃん、来るで!!」
「えっ……」
その時だった……。
シュンッ!!
電気お帯びた何かが、真っ直ぐとこちらに向かってきて、軌道がそれ、ビルに当たってその部分が槓子する……。
「な、何……あの出鱈目な破壊力……」
「たぶん、アニス君の魔法やと思う……」
ア、アニス君……規格外だと思ってたけど……まさかこれほどとは……。
何て事を考えてる時間も無くて、すぐに新しい攻撃が私達を襲う。
「と、とにかく!あっちに行ったアンクさん達と合流や!」
「うん!」
急いでこの場からはやてちゃんと一緒に離れる。
……あんなの食らったら、一溜りもないの……。
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〜アンクサイド〜
「ハァッハァッ……くっ……やっぱりあの二人の攻撃も通じないのか……」
ったく、どんだけ規格外になりゃ気が済むんだ……。
あんなの手が負えないぞ……。
「どうします……今の私達には打つ手が……」
「いや、足止めさえできればそれで良いんだ。アイツだったら絶対に説得するだろう、何がなんでもな」
だが……流石に四人だけだとキツイな……。
せめて後二人欲しい所だが……。
どうする……。
足止めと言っても、俺達がやられたら世話ないし……。
「「アンクさん!」」
その時、俺達が隠れている場所に、八神と高町がやってくる。
何とかこいつらも無事か……。
「無事だったか」
「はい、何とか」
「それより、どうします?正直言って、ウチらには打つ手ゼロですけど……」
「ああ、俺も今どうしようか考え中だ……。あいつは弱点が無い。近接戦闘も得意だし、長距離魔法も使える。さらには斬魄刀まで使えると来た……」
「やっぱりあれ、斬魄刀やったんですか……」
俺と八神は話が通じているので、こうやって話せるが。
高町とテスタロッサは何が何だかわかっていない。
「え、えっと……斬魄刀ってなんですか?」
「さっき私も聞きましたけど……ホントに何なんですか?」
そう言えば、さっきは急いでて説明をしてなかったな……。
今もしてる場合じゃないんだがな……。
「簡単に言うとだな。アニスの一族しか使えない魔法の事だ。以上」
「た、短縮し過ぎとちゃいますか?」
仕方がないだろう。
今はホントにそんな時間が無いんだ。
「あーもう!後で管理局の連中にでも聞け!」
何でこんなイライラしなきゃならないんだよ……。
はぁっ……駄目だ、落ち着こう……。
「それよりも、今はどうやって時間を稼ぐかだ。長距離攻撃はああやって防がれる、かと言って近接戦闘を挑むと、魔法と刀で返り討ち……どうする事も出来ないな……」
「じゃ、じゃあ……どうするんですか?」
「せめて、補助魔法が使える奴が一人でも居てくれたら良かったんだがな……」
だが、無い物ねだりは無駄だな……。
そう思っていた矢先に……。
「皆!ここだったのか!」
「やっと見つけたよ!」
「あ、ユーノ君!」
「それに、アルフも……」
スクライアとアルフが現れる。
好都合だな、これで戦力が増えた……。
そして、スクライアは補助系統の魔法が得意だ……。
「丁度いいところに来た。スクライア、お前補助魔法が使えるな?」
「えっ?あ、うん。使えるけど」
「あいつの動きを止めたい。バインドを使って、一瞬だけで良いんだ、動きを止めてほしい。そこに高町の全力をぶつけさせる」
「わ、私ですか?」
「ああ、ゼロ距離とは言わないが、ある程度近い距離でお前の全力を叩き込めば、障壁位は敗れるだろう……やれるか?」
「……はい、やります!アニス君が救えるなら、何だって!」
「そうか……じゃあ、俺とテスタロッサ、そして今度はアルフを加えて攻めるぞ。八神はもう一度遠距離から頼む。そして、スクライアは隙をついてバインドを掛けてくれ」
「分かった」
「それじゃあ、行くぞ!」
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〜アニスサイド〜
眠い……体が動かない……。
まるで、起きるのを拒否するように、俺の瞼は上がらない……。
だけど、俺は無理やり目をこじ開ける……。
そして、目を開けた先には……。
闇の書の管理人格の姿が……。
「……そのままお休みを……我が主。貴方の望みは、すべて私が叶えます。目を閉じて、心静かに夢を見てください……」
……何だったっけ……。
俺が、見たい夢って……願った、夢って……。
俺の瞼は自然と閉じかける……。
俺の……夢……。
……何だったっけ……。
俺の望みって……。
「……俺って……何を……望んだんだっけ……」
「夢を見る事……悲しい現実は、すべて夢となる。安らかな眠りを……」
「そう……だったっけ……」
意識が覚束ない……。
辿り辿りで思考を回しても、何も思いつかない……。
何だったっけ……俺が、願ってた事……。
……思い出せないや……。
そう思いながら……俺はもう一度、目を瞑る……。
……俺って……何だったっけ……。
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