死にたがりの第九十六話 過去と現在 アイリスとアニス |
あらすじ
色々あったけれど、なんだかんだでもう少しで二期も終わりますなぁ……
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昔々ある所に、アイリスと言う天才が居ました。
アイリスはとても強く、最強の一角として、名をとどろかせていました。
聖王のオリヴィエ。
覇王のイングヴァルト。
冥王のイクスヴェリア。
その三人に並び立つもの……アイリス・クロイツベル。
実際は、アイリスは聖王・覇王・冥王とは違う時代に生まれているが。
それでも、その強さは伝承に記されていた……。
幾千の斬魄刀を持ち、相手の命を刈って行く。
その者、鬼神がごとし強さ……。
故に、この名前が付けられた……。
狂王、アイリスと……。
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夢を見た……。
皆と楽しそうに、話したり、笑ったりして、毎日が楽しい夢……。
……あれ……これが、俺の夢だったっけ……?
……どうだったっけ……。
(永遠の眠り……それが、貴方が望んだ夢です)
永遠の……眠り……。
…………違う……。
俺が……俺が望んでるのは……。
夢の世界が光ではじけ飛ぶ。
そして、意識がはっきりして、闇の書の管理人格の顔がはっきりと見えてくる……。
「……違う、俺が望んだのは、そんな物じゃない」
「……何を言うんです?眠れば、貴方は夢の中で生き続けられる。貴方が望んだ世界が、そこにはあるんです」
「違う。俺は、そんな世界を望んじゃいない……」
「何故です?」
「夢は夢じゃん。それは、現実逃避って言うんだ。現実は、自分が思うようにいかない……思うようにいく世界何で、破綻してるよ……俺はそんな世界、認めない……。それに、俺にはまだ、やる事がある……」
「……やる事、ですか……」
管理人格はきょとんとして、俺に尋ねてくる。
俺のしたい事……まだちょっと、頭の中にもやがかかってる感じで良く思い出せないけど……。
俺には、確かにそれが存在する……。
「そう。まだちょっと思い出せないけど……でも、俺には確かにあるんだ。やる事が。だから、ここで眠って何ていられない。それに、待ってくれてる人達が居るから」
「……やはり、貴方は最後の主として相応しい……」
「へっ……?」
そう言うや否や、管理人格はいきなり俺に傅く……。
そして……。
「初代夜天の書の主、アイリス・クロイツベルの生まれ変わりとされている……アニス・クロイツベル……」
「アイリス……クロイツベル……?」
アイリス……確か、鬼神と言われた、クロイツベル最強の男……。
そいつが、初代夜天の主……だって?
「私はずっと待っていました……この時を」
「ちょっと、待ってよ……。アイリスが、夜天の初代主だって?」
「はい、そうです」
そんな事、聞いた事なかったぞ……。
何の伝承にも乗ってなかった……。
「初代主は、夜天の書を極秘で作成していた。そして、まず最初に作られたのが、この私です。夜天の書の管理人格として。そして、初のユニゾンデバイスとして……」
「……だ、だけど……守護騎士たちが使ってる魔法は、全部古代ベルカじゃないか……年代が合わないよ……」
「……夜天の書が完成したのは……初代主が亡くなってから、何百年の月日が流れて、やっと完成したんです……。主が死ぬ間際に、自動で作成されるように魔法を使って……。それがちょうど、古代ベルカの時代。その時に守護騎士は目覚め、魔法を覚えた……」
「そうだったのか……」
うわぁ、何か、物凄く原作が崩壊してるね……。
どうした事か……。
「だけど……私は、暴走している自分を止められない。主を侵食して、飲み込んでしまうのも止められない……」
そう言って、管理人格は涙を流す……。
「……主の言う事は、ちゃんと聞かないと駄目だよ?ほら、泣かないの」
腕が動かない……。
やっぱり、キツイ……。
「絶対に、止めて見せる。だから、泣くのは止めようよ?ほら、笑って?ねっ?」
「……主……」
キィィィン……。
その瞬間、俺の足元に魔方陣が出始める。
それを見て、驚く管理人格……。
絶対に、止めて見せる……。
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「もう、大丈夫……」
何とか管理人格が放ったスターライトブレイカーを防ぎ切った四人。
フェイトは、抱き合っているアリサとすずかにそう声を掛ける。
「すぐ安全な場所に運んでもらうから、もう少しじっとしててね!」
「はよせんと、また攻撃が来るで!」
「あの……なのはちゃん、フェイトちゃん、はやてちゃん……」
「ねえ、ちょっと……」
アリサとすずかが何かを言いかけたその時。
二人の足元に魔方陣が浮かび上がる。
そして、二人は光りの中へと消えてしまった……。
「ばれちゃったね……」
なのはが静かに呟く。
「うん……」
「仕方ないやん……気にしてたら始まらへんで
(……ユーノ君ごめん……二人方を守ってあげてくれるかな……?)
(アルフもお願い)
(でも、フェイト……)
「行こう、アルフ」
「でもさ!」
アルフを説得しようと、ユーノがアルフを諭しかける。
「気がかりだと、四人が思い切り戦えないから」
「うっ……あーもうわかったよ!」
アルフはそう叫んで、、ユーノと一緒にアリサとすずかのもとに向かう……。
……視点をなのは達に戻そう。
なのは達に、エイミィから通信が入る。
その内容は、クロノからの連絡だった。
闇の書の主、アニスに投降と停止を呼びかけてほしいとのことだった。
四人は顔を見合わせて、大きくうなずく。
(はい!)
なのははエイミィにそう言って、意識を闇の書に傾ける。
(アニス君、それに闇の書さん、止まってください!アニス君は永遠の眠り何て願ってないんです!)
(アニスがそんな事を願うなんて、絶対にありえない!)
(お願いです!アニス君を返してください!)
「我が主は……大切な守護騎士を傷つけられたことが、悪い夢であってほしいと願った……。だから、それを叶えるのみ……主には、穏やかな夢の内で、永久の眠りを……」
闇の書は自分の胸近くに手をやり、目をつむる……。
「……そして、我が主の願いを邪魔する者は。永久の闇を……」
そして、その手を突出し、魔力をため始める。
それを見てなのはが叫ぶ。
「闇の書さん!!」
「お前もその名で……私を呼ぶのだな……」
闇の書の表情が暗くなる……。
その瞬間、闇の書の手から、刀身がデカイ刀が出る。
「……それでも良い……私は、主に願いを叶えるだけだ……」
そして、左手で右腕を掴み、その刀身がデカイ刀を突出し……。
「……卍……解……」
そう、静かに呟いた……。
それを聞いて、アンクが舌打ちをする。
「おい、腹括れお前ら……アイツ、卍解しやがった……」
「ばん……かい?」
「さっき刀を取り出して、何か言葉を発した瞬間に、刀が変化しただろ。卍解は、その変化した刀の最終到達地点と言っていいだろう……」
アンクが見据えている先には……。
黒い死覇装を身にまとっている、闇の書の姿が映し出される……。
「……安心しろ、殺しはしない……ただ、お前達も眠りにつくだけだ……」
「来るぞ!」
アンクの言葉が合図となり、一斉に四人が身構える。
だが、既に前には闇の書の姿がなかった。
刹那……。
ガスン!
「ガッ!?」
アンクがいきなり吹き飛ばされる。
それを見て、フェイトが鎌を振るう。
しかし、その攻撃は空振りに終わり、今度はフェイトが吹き飛ばされる。
「アンクさん、フェイトちゃん!?」
「な、何が起こってんねん……!?」
いきなりの事態に着いていけない二人。
「よそ見をしていていいのか?」
「なっ!?」
吹き飛ばされたアンクとフェイトを見ていたなのはの後ろに、闇の書が現れる。
それを見てはやてが攻撃を仕掛ける。
「ハァッ!」
単純な魔力弾を、五発放つ。
だが、それも全て外れ、今度はなのはでは無くはやてが吹き飛ぶ。
「カハッ……!?」
「はやてちゃん!」
はやて、アンクとフェイト同様に、簡単に立ち上がれないダメージを負わせられる。
「もう良いだろう……。何故そこまでして戦う?痛いだろう、辛いだろう……永遠の眠りに着けば、そんな苦痛から解放されるんだぞ?」
「違う!そんな事、絶対に間違ってるよ!」
声しか聞こえない闇の書に、なのはが食って掛かる。
「そんなの、ただ現実から逃げてるだけだよ!現実って言うのは、確かに痛い事もある、辛いこともある。だけど、その分だけ、楽しい事や嬉しい事……それに、幸せな事だっていっぱいあるはずだよ!だから、そんな事は絶対に間違ってる!」
「……そうか、あくまで私と戦うのだな……仕方がない……月牙……」
シュンっ!
突如、闇の書が姿を現す。
持っている刀には、黒い魔力が宿っている。
「……お前から先に、眠りにつかせてやろう……」
「クッ!」
なのはは急いでで障壁を張る。
「……天衝……」
ズバァァン!!
黒塗りの魔力の斬撃がなのはに向かって飛ばされる。
それはなのはのプロテクションにぶつかると、なのはを後ろに押しやる……。
それをなのはは、足に力を込めて、飛ばされまいとする。
「くっ……うっ……」
だが、徐々に後ろに押されている。
更にはプロテクションにもヒビが入っていく。
「うっ……あっ……」
なのはの顔が苦痛にゆがむ……。
それを見て、駄目押しとばかりに闇の書が刀を振り上げる。
だけど……。
「プラズマランサー、ファイヤ!」
「雷神の鉄槌!トール・ハンマー!」
「ハァッ!」
闇の書がなのはに集中してる時に、横から三人が一斉に攻撃を開始する。
フェイトの魔力弾が闇の書にまっすぐと向かう。
それを上に飛んで避けようとするが、上から物凄い重力が、闇の書ののしかかる。
その重力の強さは、少しずつ上がっていき、闇の書は身動きできなくなる。
そして、フェイトとアンクの攻撃をもろに食らう事になる……。
ズガァァァン!
二人に攻撃が当たった瞬間、なのはを襲っていた斬撃が消える。
「フェイトちゃん、はやてちゃん、アンクさん!」
「大丈夫、なのは!」
「すまんな、少し立ち上がるのに時間食ってもうた!」
「さて、倍にして返してやるぜ!」
三人はなのはの元に駆けつけ、身構える。
「……やはり、これだけでは無理か……」
煙に中から声が響く。
「さて……正直言って、あいつが何をしてくるか全く予想できない……」
「流石は、アニス君を吸収しただけありますな……」
アンクの言葉に、はやては苦笑して返す。
なのはも、フェイトも。それを聞いてはやてと同じ表情になる……。
「……何故……戦う……何故……邪魔をする……」
煙が晴れて、闇の書の姿があらわになる。
その眼には、涙が浮かんでいた……。
「アニス君を救うためだよ……」
「その為に、私達は戦う」
「アニス君には、いっぱい助けられた。せやから今度は、ウチが助ける番や」
「何だかんだ言っても、アニスとは長い付き合いだしな。そりゃ情も湧くっての」
「「「「……だから、眠りに着いてる暇なんてない(の)(んだよ)!!」」」」
四人の声がそろう。
それを見て、闇の書は涙を流しながら、目を丸くする。
「返してもらうよ、アニス君を!」
「……出来る物なら……やってみると良い……」
再び、四人が闇の書とぶつかりあう……。
果たして、終わりは来るのだろうか……。
それはまだ、誰にも分からない……。
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一言だけ付け加えるとあら不思議、矛盾がどっか飛んでった | ||
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