真(チェンジ)!!仮面ライダーディケイド〜紅蓮の破壊者〜【第30話:狩人】
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病室…

 

「…?」

一護は小綺麗な病室で目を覚ました…。どうやら先程のあべこべの風景も白黒の自分も夢だったと悟る。

「よお…気がついたか?」

「!」

突然、声かけられ驚く一護。見ると彼のベッドの向かいに1人の青年…アキラであった。

「アンタは…」

「通りすがりだ。きにすんな。それより、うちの弟子に感謝しろよ。お前のケガを軽くなるまで処置してやったのアイツだからよ。」

 

アキラが指差した先…病室の隅ではティアナが寝ていた…。病院につくまでの間一護の傷を少しでも軽くするため治療していたため疲労していたためだ。

「そうだ!井上とルキアは!?」

「ああ、ナイスバディと刑事のお嬢ちゃんならお前より軽傷…ちょいと打撲したで誤魔化せたが…」

あの場に居合わせた2人の心配をする一護だがアキラは心配ないと言う。だがその表情はどこか難しい顔している。

「おでん親父と四季…あの紅いバーコード野郎は結構な傷を受けた…。」

「そう…か…」

「………」

「…………」

 

しばらく間が空く2人…

 

そしてその間を破ったのは一護だった。

「あの…赤い奴…」

彼はオーゼの事を聞くとアキラは驚いた顔をする。

「お前……覚えてねえのか? 本当に?」

「…?」

「『黒いクウガ』になったんだぞ…お前…」

「黒…?クウガに黒なんてねえぞ?」

(本当に…覚えてないのか。)

アキラは一護の記憶がとんでいることに少し驚いたが真剣な眼差しでディロストのことも含め一護がアルティメットフォームになったことを話した。

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後…

 

「マジ…かよ…」

 

一護は自分の意識がとんでいた時の出来事に驚いていた…。何故なら彼は今までクウガをそこまで強い力があるとも知らなかったからだ。そして彼にあることが頭をよぎる…。

 

 

 

(俺…このままだと誰かを傷つける…)

 

 

 

 

 

 

 

今回は止められたとらいえ暴走したことには変わらないという事実…。クウガでも間に合わず助けられなかった命は幾つもあった…。時には目の前で人がグロンギに殺されたこともあった…。そのたびに激情が込み上げ憎しみに呑まれるように戦った…。

 

 

だが…

 

 

次にそんなことがあったら?

次に憎しみに呑まれたら?

また知り合いが襲われたら?

 

 

 

また暴走して今度は人を傷つけるかもしれない。自分もグロンギ同様の存在として本当に恨まれるかもしれない。

 

 

 

 

怖い……

 

一護の心が純粋な感情が満たした…。

アキラもそれを瞬時に察した…。

「考えな…。このあとテメエがどうするかはテメエ次第だ。」

彼はそう言い放つと一護の病室をあとにした…。

 

 

 

 

 

 

 

 

一方…

 

 

四季の病室…

 

「いでででで!!!?何しやがるレヴィ!?」

 

 

「さっきのお返しだ!!それそれそれそれ!!」

「ギャアァァァァーー!!」

四季は包帯ぐるぐるミイラにされているのをいいことにレヴィに傷口を触られまくり悲鳴をあげていた…。

しかも運悪く歯止め役のシュテルはこの場におらず彼は録な抵抗も出来ない。

「い、いでで!?レヴィ、ロードはどうした!?」

「え?王様?何か用があるって出ていったよ。」

ここで我こそはと登場するはずのディアーチェについてたずねる四季だがレヴィは知らないようだ…。

「王様、どうしたんだろ?いつもこんなイベントなら真っ先に来るのに…」

「それも…そう、だな!!」

「ウェ?うわぁぁ!?」

油断したレヴィの隙をつきギプスをした左腕でレヴィを締め上げる四季。更に無事な右腕でぐりぐりを繰り出す。

「ほらどうだ?まいったか!!」

 

「うう!!ギブギブギブギブギブギブギブギブ!!!!」

 

 

 

そこへ…

 

 

「よお!アキラ・G・ダイソン様が見舞いに来て…」

 

 

 

 

 

 

 

ここでしばし間が流れた…

 

 

 

そしてアキラが最初に口を開いた。

「悪かったな。病院でお楽しみたあ、テメエはそんな趣味…」

「待て…!」

 

このあとアキラに事情を説明するのにしばらく時間を要した…。

 

 

 

 

 

 

 

 

病院屋上…

 

 

ディアーチェはドアの隙間から隠れそこの様子をうかがっていた…。

彼女の目に映っているのは白に青いラインの服を着た栗色の髪のシュテルに似た女性…。

(もしや…あれは…む?)

ここでロードは女性の周りに飛び交う物体に気づく。

(キルバット?あやつ何をしておるのじゃ?)

その物体の正体はキルバットであり女性と何か話しているようなのでディアーチェは耳を澄ませてみる…。

『いかん!とっととこの世界から出ていけ!!私と貴様はもう何も関係ない!!』

「でもキルバット…頼むから、一目だけでも…」

『ならん!それに『奴』がこの世界に来た!!さしずめ貴様を追ってきたんだろう!!おかげで四季は…』

「でもこのままだとあなたの『鎧』が…」

『黙れ!!それは私自身がどうにかする!!いいからこの世界を去れ!!』

「キルバット…」

『さあ、早く…『奴』に感づかれれんうちに…』

普段のキルバットとは違う形相に驚くロード。いつもなら女性とくればべろんべろんに鼻を伸ばす彼がこの栗色の髪の女性に対しては変態コウモリの面影は微塵も無い。

それにキルバットは何度か『奴』と口にしている。それがロードは気にかかる。

「解ったよ…でもキルバット…。そうするってことは覚悟、出来てるんだね。」

『…』

 

 

彼女の答えの代わりに睨み付けるキルバット…。

「わかった…じゃあ私はいくよ…」

女性はその反応を見ると背後に出現した銀色のオーロラに入っていこうと…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何処へいくんだい?」

 

 

 

 

 

 

 

 

「『!』」

 

スババババン!!

 

 

どこからか声と銃声が響きオーロラは何者かに破壊される。

「ククク…!」

そこに舞い降りたのは赤い瞳を輝かせた黒づくめの青年…。オーゼを撃退し四季と一護に大怪我を負わせたディロウガの男であった…。

「やあ…探したよ『白き不屈の乙女』…。いや、『高町 なのは』!」

青年は嬉しそうに女性の名を叫ぶとディロウガドライバーの銃口を向ける。それを見て小さく呟いた…。

「…くん…。」

「黙れ。君は僕の本当の…そしてかつての名を呼ぶ資格は無い。そして僕の今の名は死を司る者『ダイ』!!そして…」

 

『KAMEN RIDE…』

 

「君の魂を狩る!!変身!!」

 

『DE-LOUGA』

青年は女性を激しく嫌悪するとディエンドライバーと似た銃身の長い銃を取りだしカードを装填。仮面ライダーディロウガヘと変身する…。

 

「…!(やっぱり私を恨んで…)」

『なのは殿、ここは逃げるのだ!!』

キルバットは女性に逃げるように指示。しかし…

「いいのかい?彼女らを見捨てて?」

ディロウガは黒いオーロラを出現させそこから鎖で巻かれたレヴィに似た金髪の女性、ディアーチェに似た茶色い髪のボブの女性がボロボロになって出てくる。

「フェイトちゃん!?はやてちゃん!?」

『貴様、人質か!!』

女性は驚き2人の名を叫ぶ。

「人質?それは違うな。彼女らは『欠片』…僕の獲物だ。」

 

そう言いながらディロウガは笑みを浮かべ変身ツールの銃、ディロウガドライバーを構え標準を2人に向ける。

「さあ……ショウタイムだ!!」

 

「やめて!!!」

女性は叫んだ…しかし…

 

 

 

 

 

 

 

 

ズダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ…!!

 

 

「ハハハ…!!アーッハハハハー!!アハハハ!!」

 

次に響いてきたのは無慈悲な銃声と残酷な笑い声…。

目の前は銃弾に貫かれていく2人…。

 

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

「激しく揺らぐ不屈の心!今が狩り時だ!!!」

 

 

ディロウガは女性が取り乱すのを見るとディロウガドライバーを向け一気に距離を詰める。

「おやすみ…永遠に…」

 

そして引き金を引かれようとしたその時…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「そこまでよ。」

 

 

パァァァン!!

新たな人物の声と共に鳴り響く銃声…

 

同時にディロウガの手からディロウガドライバーが落ちる…。

 

「君は…」

 

彼の赤い瞳に映るのはディロウガドライバーと酷似した銃を構える1人の少女…。

髪は美しい銀色…

瞳は蒼く澄んでいる…

歳は恐らく背丈から見て二十歳前後であり金色の鷲が縫われた黒い帽子を被っている。

「行きなさい…。師匠と私の2人の相手をするのは面倒でしょ?」

「フン…」

少女の言葉にディロウガは鼻を不機嫌そうに鳴らすと変身を解除し青年、ダイの姿に戻る。

 

 

しかし…

 

 

 

バン!バン!

「!」

すぐさま、鎖で縛られた2人をで撃ち抜き息の根を止める。

 

「これで『金色の閃光』と『夜天の主』の欠片は僕の物。君らの欠片を奪うのは次の機会にするよ。」

青年、ダイはそう呟くと黒いオーロラを出現させその奥へ消えていった…。

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、何じゃあれは!?」

ディアーチェはそこに至るまでをただ呆然と見ているしか無かった。

(いったい…まずシュテルと話をせねば…)

そして彼女はあわてて階段を駆け降りていった…。

 

 

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