仮面ライダーディケイド〜紅蓮の破壊者〜【オールライダー・バトルカーニバル】
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第八話、『変・態・仮・面』そして、前夜…

「…」

 

古びた道場の前に立つ金髪の少年が1人…。空である。

翔子の地図を元に来てみたものの空はためらっていた…。

 

何故なら…

 

 

(な、何かこの道場…凄い血の匂いが…)

そう、何やらこの道場、血生臭いくてよくみるとあちらこちらに黒ずんだ血の染みらしき物がある。

流石にこれはためらうなというのが無理という話だ。

 

 

(だ、大丈夫かな…?)

インターホンがないので恐る恐る引き戸を叩いてみる空…。

「はーい!少し待ってて下さい!!」

しばらくして引き戸を開け中からオレンジ色の髪をした綺麗な蒼い目の少女がでてくる。見たところ二十歳に近い。

「あ、あの…昨日、翔子さんの紹介で…」

「あー、貴方が竜馬にしごいて貰いたいていうライダー…。竜馬なら中に居るからあがって!」

少女に言うがままに道場にあがる空…。中も何やら争った後のような痕跡が壁にある。

聞いてみようかと思った空だったが何だか恐ろしくて止めた…。

「竜馬〜!例の子よ!」

少女は空を道場の広い空間に案内する。そこには1人の大男がいた…。

黒いボサボサの髪。つり上がった目に細身にも見えるがしっかりとついた筋肉…。そして、何より人相の悪さが尋常じゃない。

この男こそ道場の主『流 竜馬』である。

ほう…てめえか…」

空はまるで目の前にいた虎がこちらに意識を向け起き上がったような気がした…。それだけ竜馬に威圧感を感じるのだ…。

「ガキ、まずは実力を見てやる…。表へ出ろ。」

こうして空の寿命をすり減らすような特訓がカーニバルが始まるまで一週間、続いたのである…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その3日後…

 

とある住宅…

 

 

どう見てもごく普通の家…

ここには1人の青年『キョウスケ・シキジョウ』が住んでいる。そして、現在彼の家には泊まり込みの客が数名…。しかも、異世界からのだ。

その客というのはディロウガに最初に遭遇した少年、登 オトヤとその相棒ダキバットとジャガーモードのハヤト。そして、その仲間であるアインハルト・ストラトスと剣立 ハジメと加藤 ヤマトである。

キョウスケ自身はハヤトとは以前から面識があったため一応、信頼できるとのことで彼らを泊めている。

(…何だか家族が増えた気分だな。)

 

キョウスケは好青年であり現在、大学生である。兄弟はいないためオトヤたちを可愛い弟分のように思っている。(因みにほぼ同年代のヤマトは善き友人と思っている)。

オトヤたちもまた寝床の恩を返すため家事の手伝いに勤しんでいる。オトヤは元々、家事経験がハジメはレストランでの手伝いの経験があり手際が良い。そして、ヤマトは掃除がメインである。一方、アインハルトは色々とは手伝いはしているものの決まった係は無いため暇をもてあますことが多く買い出し以外は基本ハヤト(ジャガーモード)をもふもふしていた…。

 

そんなある日の話である…。

 

アインはソファに座り雑誌を読んでいた。その雑誌にはこの世界のライダーとおぼしき特集がついていた…。オズマのブレイドは勿論、企業などには所属しないライダーなどの記事もある。

『にゃっ!にゃっ!』

「どうしたんですかティオ?」

突然、アインの肩に乗っていた子猫型デバイス『ティオ』がある記事に反応を示す…。

「ええと…『密着!ライダー以外のヒーロー』?」

その記事はライダー以外のヒーローについて書かれていた…。記事を見ると怪人などの事件があったときの火事場泥棒や凶悪な能力をもった犯罪者たちに立ち向かうのが主流なのだらしい…。『ワイルド・タイガー』『スカイハイ』などというヒーローが結構有名なようだ。

(怪人だけが悪さをするわけではないですからね…)

 

アインは悲しげにその記事に目を通す…。

「うわ…何ですかこれ!?」

そして、あるところで目を止めた。そこの記事には『変態仮面』と書かれていた…。

(な、何なんですかこの人!?体つきはいいですがほとんど裸じゃないですか!?)

その記事の写真にはパンツ一丁でメッシュをはいた男が走りさっていくものだった…。ヒーローと言えばダークキバなど仮面ライダーしか思いつかないアインにとっては変態仮面なんて想像もつかない…。

「変態仮面なんて人がヒーロー扱いされるんじゃ世も末ですね〜。」

『にゃ〜』

 

 

ズゴッ

 

ここで何故かキョウスケがずっこけた…。

「あら…キョウスケさんどうしたんですか?」

「ううん…ナンニモ…」

キョウスケはアインの見ている雑誌を見た。

「へえ〜アインハルトちゃんってこういうの興味あるんだ?」

「へ?ええ…この『ワイルド・タイガー』ってかっこいいですよね?変態仮面はどうかと思いますが…」

「!……そ、そうだよね〜。洗濯物とりこんでくるよ…。」

どこか落ち込んだような表情をすると洗濯機のある脱衣室へ去っていった…。

「?…キョウスケさんどうしたんですかかね、ティオ?」

『にゃ?』

「あ!そろそろ買い出しの時間です。キョウスケさんやお母様には衣服などもお世話になりましたからね。」

『にゃ!!』

実はアインハルトたちはこの世界に来たときは衣類などの替えをもってきていなかったためキョウスケの母、『マキ・シキジョウ』の計らいで衣類なども用意してもらった。なのでカーニバルで参加し賞金をとったあかつきにはその代金をちゃんと返すつもりであった…。

 

 

 

 

一方…

シキジョウ家二階…

 

ダキバットはもれなく探検中だった…。といっても面白いものは何一つなく残るはキョウスケの母、『マキ・シキジョウ』の部屋だけである…。

『この部屋は…やめておこうか…』

ダキバットは何故かそう感じた…。何故ならなんかドアからただならぬオーラを感じるからだ…。しかも、ちょっとだけドアが明いている。

(の、覗くだけなら…)

つい、好奇心にかられ中をそっとのぞくダキバット…。

 

そこには…

 

 

 

 

「フン♪フン♪フン♪」

 

とんがった仮面をつけたまるでSM嬢の姿の金髪の女性『マキ・シキジョウ』が蝋燭やら鞭やら拘束具やらを楽しげにいじっていた…。

「次はこれを使ってみようかしらね〜」

『ああ…ああ…』

ダキバットは見たことを後悔した。そして、急いでひきかえそうとした…その時…

「コウモリちゃん…盗み見は駄・目・よ♪」

 

シュビ!!

 

『!!ぬおおァァァァァァァァァァァァァァ!?』

 

ドアの隙間から鞭が巻き付きその向こうへダキバットは悲鳴をあげ消えた…。

 

 

 

その頃…

 

「はあああ…」

キョウスケはため息をつきながら洗濯物をとりこんでいた…。

(変態仮面はやっぱり駄目なのか…でもな…)

そんなことを思いながら近くにあった布切れで汗をふく…

(あれ…何かこれ肌触りが良いよう…!?)

しかし、それは何とアインのパンツであった…。更に…

(ま、不味い!?被りたくなってきた…!?)

何故かパンツに引き寄せられるキョウスケ…

「や、やめろ!アインちゃんはまだ中学生だぞ!しかもこんなとこ見られたらどうするんだ…!」

 

ゴチン!!

 

あと少しで被ってしまうというところで自らを止めるため床に激しく頭を打ち付ける。

 

 

しかし…

「あ…被っちゃった…。」

あろうことかその勢いでパンツを被ってしまった…。

(なっ…この感触は!?今までのパンティとは一味違う締め付け…ロリコンの気持ちが分かる気が…何を言ってるんだ…!でも…僕は…僕は…もう…)

 

 

 

 

 

 

「気分はエクスタシィィー!!クロス・アウ(脱衣)!!」

 

 

キョウスケは目を光らせると服を一瞬で脱ぎ捨てるとTパンツ一丁になり目がスパ○ダーマンのようにつり上がり瞳が消える。

 

「うおおおおお!!変態仮面見参!」

説明しよう…人は本来、潜在能力を30%しか発揮出来ないという。

キョウスケは通常は正義感バリバリの殉職した刑事『ハリー・シキジョウ』の親父の血で好青年だが、パンティを被ったことによる異常興奮によりSM嬢の母『マキ・シキジョウ』が覚醒。潜在能力が100%になりライダーとは違う正義の戦士『変態仮面』となるのだ…。

(むっ!悪の匂い…!)

いつの間にか革手袋とメッシュをつけた変態仮面は犯罪者の匂いを嗅ぎ付けた…。これは父、『ハリー・シキジョウ』譲りの勘である。

「いざっ!」

そして、変態仮面は凄まじい勢いで外へ出ていきアインがこのあとパンツを探していたのは別の話である…。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり夕刻…

 

とある公園…

 

ちょっと暗くなっている公園を2人の少女が歩いていた…。

 

「すいません、マミさん買い物に付き合ってもらって…」

「ううん、気にしなくて良いわよランカさん。」

 

買い物袋を引っ提げたランカとマミである。弦太朗らはオズマとランカの家に泊まることになったのだ。それにオズマも弦太朗のことが気に入り機嫌も良く、ランカも頼みこんだためマミをもまた泊めてくれるになった…。一応、世話になるだけでは申し訳ないのでマミは普段家で家事をするランカを手伝うことにしたのだ…。

 

「さあ、急ぎましょう。日が暮れないうちに…」

「はい、行きましょう!」

 

 

 

 

 

 

『ゲヘヘヘ…』

 

 

 

 

 

「「!」」

 

帰路を急ごうとした2人の前に大男が現れる。上半身は黒い骸骨を模したようなタイツで下半身はパンツのみ…そして、ショッカーの戦闘員のような鷲のマークが印刷された覆面をしている。

『ウヒヒ…まさかこんな上玉が2人も…ラッキーだなあ…!!』

「な、何ですかあなたは!?」

突如、現れた大男に驚くマミ。

『俺は最近ここらで有名な女子ハンターさ!さあ…お嬢ちゃんを味見してやるわい!!』

「ち、痴漢!?え、ちょ離しなさい!?」

大男はマミの腕を掴む。

「あ!マミさん今助け…」

ランカはガブリューを取りだそう…

 

 

 

(あれ…ない?あ!そういえば…)

 

 

 

 

 

 

約6時間前…

 

SMS食堂…

 

 

「うわ〜ん!返してよアルト君〜!」

「駄目だ!!いくらオズマ隊長でもやり過ぎだ!これは俺が預かる!!」

「そんな〜!」

ランカのオズマへのお仕置きの行き過ぎを見かねたアルトはガブリューやらザンバットソードやらを没収していた…。ランカも取り戻そうと必死に足掻くが長身のアルトが腕をあげれば小さいランカには到底届かない。そのため、お仕置き道具の数々は今、ランカの手元に無かった…。

現在…

(な、何か残ってないかな…あった!)

こうしてランカが取り出したのはか細い日本刀らしきもの…。それを手にランカは痴漢に突っ込むが…

『ふん!!』

 

ベキン!!

 

「折れた☆!!あふう!?」

刀は軽く折られチョップで気絶させられてしまった…。

「ランカさァァァァん!」

『安心しな嬢ちゃん、お前の後にゆっくりあの娘も可愛がってやるよ!』

 

とうとう痴漢がマミの服に手をかけようとした

 

その時…

 

 

 

 

 

 

 

 

「そこまでだ!!」

 

 

 

 

1人の仮面ライダー…

 

 

ではなく…

 

パンツをかぶったパンツ一丁のマッチョだった…。

 

『うわあァァァァ!?変態ィィィ!?』

「貴様に変態とは言われたくないがいかにも変態仮面だ。」

 

そう、キョウスケがアインのパンツを被り異常興奮し変身(正確には脱衣クロス・アウ)した変態仮面であった…。

「やい、痴漢魔!か弱き純情な乙女を無理矢理汚そうなど言語道断!変態仮面がお仕置きしてくれる!!」

『出来るかな?これでも!!』

そう言うとマミの首を腕で絞めあげる体勢をとる痴漢。マミは苦しそうに呻く…。

 

(くっ……どうしたら…はっ!)

その時、変態仮面に変態的ひらめきが起こった!

 

「ホオアァァタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッタッ!!」

パンツの両脇を掴むとまるでそれをヌンチャクのように振り回す…。

 

 

そして…

 

 

 

ぐん!

ぐん!

きゅっ!

 

 

ぱちん!

「ホワタァ!!」

 

パンツの両脇を肩に持っていき股関の布が締まる。するとV字を描くパンツ。この姿はレスリングのユニフォームに近いことからレスリングフォームと呼ばれる。

『ぎゃはははは!?何だそりゃ!?』

思わず笑い転げてしまった痴漢は腕が緩みその隙に脱出する。

(今だ!)

「アタッ!」

 

バキッ!!

 

そのタイミングを逃さず蹴りを叩きこむ変態仮面。

『ま、マズイここはひとまず退散だ!』

「逃がさん!」

逃走を謀る痴漢に変態仮面はパンツに手を突っ込むと鞭を取り出し、痴漢の首に巻き付ける。

『ぐへ…!?』

「さあ…お仕置きタイムだ。」

そのまま鞭を街灯の上まで持っていくと持ち手の部分を街灯に巻き付ける。

 

「喰らえ!地獄のタイトロープ(綱渡り)!!」

『ぎゃ!!』

そして鞭に股がりそのまま痴漢の顔面めがけ直行…。頭に変態仮面の股関が痴漢に直撃する。

「成敗!!」

このあと変態仮面は縄で痴漢を縛りあげ(亀甲縛り)、マミの元へ歩み寄る…。

「さあ、お嬢さん大丈夫ですか?」

しかし、

 

 

ボン!

 

マミは変態仮面の股関節の間のモッコリを見ると真っ赤になり失神した。

「あっ!?お嬢さん!?」

焦る変態仮面だがどうしようもなく、警察に連絡するとランカとマミをベンチに寝せた…。

 

「おい!お前なにしてる!」

 

「む?さらば!!」

 

そのとき人が通りかかり変態仮面はあわてて姿をけす。

 

「つ・・ありゃ変態仮面か?ヒーローやるならもうちょいマシな格好すりゃいいのに・・・こりゃバニーちゃんにも連絡しとくか・・・・・もしもしバニーちゃん?」

 

通りすがりのその人物は眠る二人にきづき端末を取り出し電話をはじめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その10分後…

 

とある廃工場…

「はあ…はあ…」

変態仮面を初めとする戦士が異形ライダー以外の戦士が異形の群れにに追い詰められていた…。

『さあ、ここで終わりだ。』

その異形の中から1人のローブの男が出てくると電王ベルトを巻きパスをかざす。

『Turn Ace Form』

電子音声が鳴ると男はその姿をライダーに変える。

「ら、ライダー!?貴様、裏切ったのか?」

『裏切ったも何もてめえらの味方になった覚えはない。』

ライダーが手をかざすと黒い稲妻が戦士たちを襲う。

「「「ぐわああああ!!」」」

そして、戦士たちはある者はメダルにある者はカードに、そして、スイッチに変えられてしまう。

『ふふ…これで邪魔者は大半片付いた。後はカーニバルでライダーども一網打尽にするだけだ。フハハハハ!!』

男は変身を解き、メダルやカードを回収すると黒いオーロラの中へ消えていった…。

 

 

 

 

 

 

数日後…

 

コロシアム…

 

欲望や陰謀が渦巻く中、とうとうカーニバルが開幕した…。

 

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