恋姫外史終章・いつまでも一刀第5話
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「はぁ?いきなり出てきて何言ってんのよ?何でちぃ達があんたと勝負しなきゃいけないのよ・・・・・・」

 

一刀の発言に心底呆れた様子の地和。

 

「逃げんのか?」

 

「はあ!?あんた何様のつもり!?だいたいあんたみたいな無名の歌手と勝負しても、ちぃ達には良いことなんて何一つ無いでしょうが!!」

 

「そうだそうだ〜〜!」

 

「そんなの受ける事ねえぞ〜〜!」

 

黄巾兵たちからブーイングの嵐が起こる。

 

一刀はアゴに手をやって、

 

「そうだな・・・なら、こういうのはどうだ?お前達が勝ったら、俺は一生お前達の下働きをやる。俺が勝ったら、一つだけ俺の頼みを聞いてもらうってのは?」

 

そう提案した。

 

「あんたの頼みって何よ?」

 

「それは後のお楽しみだ」

 

「まさか、い・・・」

 

「いやらしい事じゃねえから心配すんな」

 

「むぐ・・・・・・」

 

先に言われて口を紡ぐ地和。

 

「いいんじゃないかな?やろうよ、ちぃちゃん」

 

「天和姉さん!?」

 

天和の賛成意見に、耳を疑う地和。

 

「ちぃちゃんは私達が負けるって思ってるの?」

 

「そんな訳ないじゃない!」

 

「だったら問題ないよね?」

 

「う・・・っていうか、何で姉さんそんなに乗り気なの?」

 

地和の疑問に対し、天和の答えは、

 

「ん〜〜・・・あの人がどんな歌を歌うのか興味あるし、それに・・・・・・」

 

ちらっと一刀の方に目をやり、

 

「初対面なのに、何か懐かしい感じがするんだよね、あの人・・・・・・」

 

そう続けた。

 

「えっと・・・」

 

どうにも返答に困る地和。

 

「れ、人和は反対だよね?私達に対してほとんど利益が無いし・・・・・・」

 

「天和姉さんに賛成」

 

「だよね・・・・・・って、ええっ!?」

 

またもや驚きの声をあげる地和。

 

「ちょうど運営や事務を手伝ってくれる人が欲しいと思っていたところだから・・・・・・」

 

「そ、そう・・・・・・はぁ・・・・・・」

 

ため息をつく地和。

 

 

 

結局二対一で

 

 

 

一刀との勝負は

 

 

 

 

決定したのだった・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

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先手は一刀。

 

「どの程度か見せてもらおうじゃないの」

 

舞台袖で腕を組みながら一刀を見る地和。

 

天和は興味深げに一刀を見ていて、人和は目を閉じていた。

 

ブー!ブーー!!

 

黄巾兵たちによるブーイングの嵐が起こる。

 

しかし、それに構わず一刀はマイクを手に、

 

「・・・お前ら!俺の歌を聞けーーー!!」

 

歌い始めた。

 

「たった〜一曲〜の〜ロックンロール・・・明日〜へ響〜い〜てく〜〜・・・朝焼〜けの〜彼方へ〜、お前をさ〜えぎ〜るもの〜は〜・・・・・・何も〜な〜い〜〜!」

 

 

 

 

 

 

 

「戦〜い続け〜る〜そ〜らに〜・・・オーロラ〜は降〜りて〜くる〜〜、打ちひ〜しが〜れた〜夜!お前〜は一人ぼ〜っちじゃな〜〜い、いつだって〜〜・・・」

 

一刀の歌が始まると、ブーイングが段々小さくなってきた。

 

真面目に聞く者がちらほら出始めたようだ。

 

そして三姉妹たちは・・・・・・

 

「・・・やるじゃないの」

 

「うん、上手いね」

 

「・・・・・・」

 

それぞれに一刀を褒めていた。

 

人和は相変わらず目を閉じて、無言で一刀の歌を聞いていたが・・・・・・

 

「ねえ、ちぃちゃん」

 

「何?天和姉さん」

 

「あの人の歌、聞いた事ないかな?」

 

「無い・・・筈だけど」

 

そう言いながら、地和は首を傾げた。

 

(確かに初めて聞く筈なんだけど・・・ちぃも聞いた事ある気がするんだよね・・・)

 

 

 

 

 

 

 

 

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「たった〜ひと〜つの〜言葉で〜〜、未来はき〜まる〜のさ〜〜・・・俺達の〜ビートは〜!かがや〜くダイアモンド!本当のそ〜ら〜へ〜・・・ほ〜んとうのそ〜ら〜へ〜・・・い〜の〜ち〜か〜が〜や〜く〜そ〜らへ〜〜・・・」

 

「FLYAWAY!FLYAWAY!のぼ〜ってゆ〜こ〜う〜・・・TRYAGAIN!TRYAGAIN!昨日〜に手〜を〜振って〜・・・FLYAWAY!FLYAWAY!信じ〜る限り〜〜・・・TRYAGAIN!TRYAGAIN!明日〜を愛せるさ〜〜・・・・・・」

 

一刀の歌は続いている。

 

そんな中、

 

「・・・天和姉さん、ちぃ姉さん」

 

今まで目を閉じて歌を聞いていた人和が目を開き、二人に話しかけてきた。

 

「何?」

 

「人和ちゃん?」

 

二人は人和に注目する。

 

「・・・歌が」

 

「「?」」

 

「あの人の歌を聞いていると、今まで知らなかった歌が、どんどん頭に浮かんでくるの」

 

「人和ちゃんも?」

 

「人和も?」

 

・・・・・・

 

「ええと・・・つまり、姉さんたちも?」

 

「うん」

 

「はっきり浮かんできたのは一桁くらいだけどね」

 

人和の質問に首を縦に振る天和と地和。

 

「私、いつもの歌じゃなくて、この頭に浮かんできた歌を歌いたいと思うのだけれど・・・・・・」

 

「今さっき思い浮かんだ歌を、ぶっつけ本番で?」

 

「・・・駄目・・・かしら?」

 

不安そうな人和。

 

「面白そうだからいいよ〜〜」

 

「人和がそんな事言い出すなんて珍しいし、乗ってあげる」

 

しかし、二人はこころよく快諾した。

 

「・・・ありがとう」

 

二人に礼を言う人和。

 

「お礼なんていいよ〜。それよりみんな一緒に歌える歌、あるかな?」

 

「思い浮かんだ歌って、三人とも同じなの?」

 

「ちょっと、情報交換しましょうか?」

 

「「賛成〜〜」」

 

 

 

 

こうして

 

 

 

 

一刀の歌が流れる中

 

 

 

 

三姉妹の話し合いは行われたのであった・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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「たった〜一曲〜の〜ロックンロール・・・明日〜へ響〜い〜てく〜〜・・・朝焼け〜の〜彼方へ〜、お前をさ〜えぎ〜るもの〜は〜・・・何も〜な〜い・・・オオオ〜〜〜・・・」

 

一刀の歌が終わった。

 

パチパチ・・・・・・

 

控えめな拍手が各所から聞こえてきて、

 

パチパチパチパチパチ・・・・・・

 

最後には観客の半分からの拍手となっていた。

 

(このまま判定でも微妙・・・まずったかなあ?)

 

心の中で少し弱気になる一刀。

 

続いて、三姉妹の出番である。

 

舞台を降りる一刀は、三人とすれ違う。

 

「上手かったのは認めるわ。でも、ちぃたちの方が上だって、今から証明してあげる」

 

「そうかい。んじゃ、聞かせてもらおうか?」

 

「うん、いってきま〜〜す」

 

「・・・おう」

 

「行って来ます」

 

「おう」

 

そして三姉妹は舞台の上へ。

 

「それじゃあ改めて・・・」

 

「みんな〜〜!」

 

「・・・聞いてください」

 

「「「「ほああああああああ!!!!」」」」

 

三姉妹の歌が始まった。

 

「広がるおも〜い、彼方へつづ〜く、今思い出〜す〜そら〜の〜果て」

 

「選び生まれ落ちたこの地で、出会いと別れ束の間に」

 

「過ぎる・・・夢〜〜・・・」

 

 

 

 

 

 

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「「「明日の自分を好きになりたいから今日の自分をギュッと抱きしめる!」」」

 

「「「自分が主役のドラマぐらいは、楽しまなくちゃも〜ったいないわ!」」」     

 

「「「ハッピーエンドだけじゃ物足りない!時には涙もエッセンスなの!」」」

 

「「「泣いて傷ついてそして立ち直って演じて見せるわフィナーレま〜で〜〜・・・・・・」」」

 

    パキィン・・・

 

「「「「ほあ!ほああああああああ!!」」」」

 

三姉妹の歌に、黄巾兵たちはとてつもない盛り上がりを見せていた。

 

(・・・こりゃ負けたわ)

 

一刀は三姉妹の歌を聞いて、そう思った。

 

(しかし、この歌が出るって事は記憶が戻ってるのか?いや、そんなそぶりはなかった。歌だけ思い出したのか?・・・だとしたらやばい。説得できないぞ・・・・・・)

 

三姉妹の歌に感心しながらも、自分の短絡さに苦悩する一刀であった・・・・・・

 

 

 

 

 

歌が終わり、三姉妹は一度舞台を降りて一刀と向き合った。

 

「どう?ちぃたちの歌は?」

 

「・・・上手かった」

 

「それじゃ、みんなに判定してもらいましょうか?」

 

「・・・その必要はない。俺の負けだ」

 

一刀ははっきりとそう口にした。

 

「これで一勝一敗だね〜〜」

 

「あのころのちぃたちとは違うのよ」

 

「そうだな・・・・・・ん?」

 

・・・・・・

 

「あのころって、お前ら・・・・・・」

 

「何よ?」

 

「もしかして、記憶・・・・・・」

 

「うん、全部思い出したよ〜?」

 

「・・・何で?」

 

「・・・さっきの歌、一刀さんに教えてもらったんですよね?あの歌を歌っている時に・・・・・・」

 

「・・・・・・」

 

三人の発言に呆気に取られる一刀。

 

「さっきまでどう事態を収拾しようか、本気で悩んでいたというのに・・・・・・」

 

一刀は深くため息をついた。

 

「それで、これからどうすればいいんでしょう?前と同じように黄巾党を解散すればいいんでしょうか?」

 

「・・・いや」

 

人和の問いに、一刀は首を横に振る。

 

「もうここは諸侯たちの軍に包囲されてる。解散してばらばらになったところで、討ち取られるのがオチだ」

 

「じゃあどうすんのよ?」

 

「麗羽の記憶が戻ってる。あいつの軍に投降してくれ。悪いようにはしねえよ」

 

「・・・分かりました」

 

「んじゃ、あいつらの説得は頼むぜ」

 

「仕方ないわね」

 

「は〜い」

 

「・・・ふう」

 

三人の了承をとりつけ、一刀は胸を撫で下ろした。

 

 

 

 

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「みんな〜〜!私達はもう、この大陸に生きる人達に迷惑をかけながら活動するのを辞めようと思うの〜〜」

 

「黄巾党のみんなだけじゃなくて、大陸に居る全ての人に歌を届けたいから!」

 

「・・・私達は、黄巾党とは別の形で活動をしていこうと思います」

 

ざわ・・・ざわ・・・

 

「私達は袁紹軍に投降します」

 

「みんな、ついてきてくれる?」

 

人和の言葉の後、天和はそう言って下を向き、上目遣いになった。

 

ドキューン!!

 

その仕草にハートを射抜かれる黄巾兵たち。

 

「おれたちは地の果てまでもついていくぜ〜〜〜!!」

 

「天和ちゃ〜〜ん!!」

 

「地和ちゃ〜〜ん!!」

 

「人和ちゃ〜〜ん!!」

 

「「「「ほあああああああ!!!」」」」

 

こうして、三姉妹の説得により黄巾党は袁紹軍へ全面降伏した。

 

黄巾兵たちの中には、罪に問われたくない為途中で逃げ出した者もいたが、その者たちは待機していた別の軍に捕縛され、哀れな末路を辿った。

 

 

 

 

何はともあれ

 

 

 

 

黄巾の乱は

 

 

 

 

これにて終幕を迎えたのだった・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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どうも、アキナスです。

 

なかなか投稿できず、お待たせしてしまい申し訳ありません。

 

これからも不定期の投稿になりそうですが、お付き合いいただければ幸いです。

 

 

 

さて、一つの山場が終わりました。

 

まあ、すぐに次の山場が控えている訳ですが、今回はどうなっていくんでしょうね?

 

これ以上長く語ってもあれなので、次回に・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ラッキービーム!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
勝負の結末はいかに!?
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コメント
早めに歌詞を消すなりしないと著作権の問題で作品毎、もしくはアカウントも消されるよ。(hisuin)
ZERO&ファルサさん:骨折り損のくたびれもうけですな。(桃香辺りは気にしてなさそうですが)(アキナス)
きまおさん:あ〜〜・・・やっぱまずいですよね・・・しかし、もうここまでやっちゃってる訳ですし・・・う〜ん・・・・・・(アキナス)
きたさん:はてさて。どうなる事やら・・・・・・(アキナス)
cupholeさん:確かに思わず熱唱したくなる曲ですよね・・・・・・(アキナス)
魁薇さん:ありがとうございます(アキナス)
量産型第一次強化式骸骨さん:どんだけこき使われるんでしょうねえ(笑)(アキナス)
アンプレゼントさん:ファイアーボンバーの曲はどれも大好きで・・・・・・(アキナス)
yoshiyukiさん:確かに麗羽だけ得しちゃってる・・・どうなるんだろう?(アキナス)
siasiaさん:ようやく三姉妹合流。今後の活躍は?(アキナス)
劉邦柾棟さん:スーパースターマン「目立ちーーーーーーたい!」(アキナス)
集まった奴ら涙目w(ZERO&ファルサ)
えと、重箱の隅をつつくようですが、掲示板のようにログがすぐに流れて消える場所ならともかく、ここのように後後残る場所で実在の歌詞を掲示するのは著作権法上まずいのでは・・・?  ラッキー、クッキー、歯ぐきー!(Vジャンプに乗った第一話より(きまお)
ここの一刀は以前、麗羽や白蓮と一緒だったんですよね!また同じメンバーで外史統一を企てているんでしょうか?(きたさん)
try againか…深夜に熱唱しそうになったじゃねぇかwww(cuphole)
麗羽様一人勝ちww そして一刀は歌勝負に負けたので、これから張三姉妹に振りまわされて、麗羽様が嫉妬するんですね分かりますwww(量産型第一次強化式骸骨)
熱気バサラw 続きが楽しみですのぅ(^^)(アンプレゼント)
アレっ、麗羽様の独り勝ちに見えますけど?三姉妹も黄巾兵も手に入らなかった華琳様はどうする。猫耳軍師は、悔し涙をこぼすのか!(yoshiyuki)
ほぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ! 天和ーちゃーん。地和ちゃーん。人和ちゃーん。(siasia)
ラッキーマン「今日も元気だ! らっきょが美味ーーーーーーい!?」 努力マン「今日も元気だ! 習字が上手ーーーーーーい!?」(劉邦柾棟)
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