Hearts
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小鳥の囀る声が聞こえる……きっと朝を迎え元気に鳴いているのだろう

 

「……ちさん………ゅういちさん!」

 

それとは別に女性の声が頭に響く、小鳥の声で更に睡魔に襲われ落ちて行くことを遮られる…

 

「あぁ、もう!!起きなさ〜〜〜〜〜い!!!!」

 

ゴォ〜ン!!

 

「ぐふぅ!ぐ……み、美雪ちゃん…朝から…これは…堪えるぅ〜ッ〜〜!!」

 

しびれを切らせたのか美雪ちゃんはあろうことかフライパンで腹に一撃……緩んだ腹筋にはキツイ攻撃だ

美雪ちゃんには僕が剣術を教えてるせいか、日に日に怖くなってる気がするよ……

 

「しゅ…修一さんがいつまでも起きてこないから悪いんです!」

 

少しは罪悪感があるのかプイッと顔を背ける

そしてそのまま部屋出ていってしまっ…………えっ?………

 

「……えっ?…」

 

寝起きだったせいか頭が良く回らなかった、僕を殴った凶器基調理器具のことを…

 

「ま…さか………ッ!!」

 

こうしちゃ居られない!すぐにでも起きて止めないと!僕の命が!!!

すぐさま着替え部屋を出てリビングに出た

 

「美雪ちゃん!!ちょっと待って!!人には得手不得手あってね?」

 

「どうしたんですか?修一さんそんなに慌てて、ご飯できましたよ〜」

 

「…………遅かったぁ〜〜」

 

膝をつき項垂れる修一さん、どうしたのでしょう?

…………もしかして…

 

「私が作った訳ではありませんよ?」

 

私はできるだけ笑顔で話しかけました。

そうです、まだそうと決まった訳ではないのですから……

 

「……へっ?…」

 

「ですから、私は何もしてませんよ?と…」

 

そう言うと、心から安心したのかいつもの笑顔に戻りやがりました

おっと、失言でした。いけないいけない…

 

「な……なんだ〜、吃驚した〜せっかく目が覚めたのに、また意識を失うかと冷や冷やしたよ〜あはははは」

 

「〜〜〜ッ!!料理が下手で悪かったですね!!!!」

 

「あ!!ちょ…美雪ちゃん!?待って、ごめんって!!」

 

「知りません!!!」

 

これが僕らのよくある日常のひとコマだったんだ、この日まではね。

 

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「さぁて、今日の依頼はっと……」

 

僕は朝食を済ませ、仕事部屋の椅子に座リ仕事を確認していた。

ここで、軽く自己紹介をしようか。僕の名前は三葉修一、王都の南町にある何でも屋の店主かな。

そしてここは僕の家兼店だ、二階が家で一階が仕事場、といった感じに分けて生活している。

といてっも依頼で店に居る時は限られてるしね、依頼で長期店を開けることも多々あるからね。

 

「今日は特にないみたいですね、久しぶりにゆっくりしてはどうですか?」

 

そう言ってお茶を出してくれるのは、何でも屋の花と言ってもいい美雪ちゃん

訳あって僕の助手兼教え子としてここで暮らしている。

美雪ちゃんは可愛いぞぉ〜南町の男共が良く言い寄りに来てるからね

スタイルは〜まぁ〜良くはないが、顔は抜群に可愛いね!!金髪のセミロングに翠の瞳ときたもんだ!

 

まぁ、とにもかくにもこうして二人で何でも屋を営んでいるわけだよ

 

「そうかい、依頼がないんじゃ仕方ないね、今日はゆっくり…」

 

ガチャン!!!

 

僕が最後まで言い切る前に店の扉をぶち破り一人の男が入ってきた

 

「わぁ!どうしたんですか?そんなに慌てて…」

 

「すまない!ここに腕の立つ何でも屋があると聞いてな」

 

「依頼の方ですか?でしたら、どうぞこちらへ」

 

「あ…あぁ、ありがとう」

 

美雪ちゃんは依頼人を僕の前に案内した後、お茶を煎れに台所へ行った

 

「どうも店主の三葉です、この度はどういった依頼で?」

 

早速仕事のスイッチをいれお客さんと接する、形って大事だよね!

 

「あぁ、私は北町の貴族街の使いの者でして…」

 

「ほぅ」

 

「三葉殿は《獣人》について、ご存知ですか?」

 

「ええ、ある程度は…」

 

「《獣人》ってなんですか?修一さん」

 

そう言って台所から戻って来てお客様に笑顔でお茶を出した。

 

「どうぞ」

 

「ありがとう」

 

「あぁ、美雪ちゃんは知らないんだっけ?《獣人》って言うのは簡単に言うと、

人間の約10倍の力をもった獣に似た姿をした人間だよ」

 

「えっ!!そんな人居るんですか!?」

 

見るからに驚く美雪ちゃん、それが普通だよね

僕も情報屋に聞くまで半信半疑だったからね

 

「まぁ、そのへんは後で説明するよ」

 

「えっ?あぁ、すいません!!お話の途中でしたね」

 

話がそれたので元に戻す

 

「それで《獣人》がどうかしましたか?」

 

「あぁ、どうもその《獣人》が私の雇い主を狙っているらしいんだ、

正確には狙っているのは雇い主が持っている『触媒』なんだが、何を思ったか雇い主が《獣人》を捕まえるとか言い出してね

腕の立つ貴方に《獣人》捕獲の手伝いを依頼しに来たんです」

 

「《獣人》を捕まえようなんて思い切った事を考えましたね〜

《獣人》が如何に危険かは貴族なら耳に入ってるでしょうに…」

 

「我々としてもできれば関わりたくないのですが…雇い主の御意向に背くのも……」

 

「難しいでしょうね……わかりました、お引き受けしましょう」

 

「本当ですか!!ありがとうございます!!では、急で申し訳ないが今日中に中央島の南西にある別荘までお越しください。では」

 

そう言い残し男は店を出ていった

ふぅ…と一息付いていると美雪ちゃんが苦笑いしながら話しかけてきた

 

「ゆっくり出来そうにないですね」

 

「そうだね〜、さて、出かける準備…しようか?」

 

「はい!」

 

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それから準備を終え、家にclauseと札をかけて店を後にする

南西の別荘か…そう遠くはなさそうだ

そうだ、街のことも少し説明しておこうか…………

 

……この星には5つの島がある。まずはここ、王都がある5つの島のなかで最大の大きさを持つ中央島、未開拓地である北島

リゾート地のようになっている南島、現在調査中兼騎士団の訓練用に使われている東島

そして技術力だけなら王都よりも高い技術の島である西島

と言っても技術者が作るものは、常人には理解が及ばず民衆にはなかなか受け入れてもらえていない様だが…

ここでは遠出するときなどは馬や馬車を使う、まぁ今回はそれほど遠くはないので歩きで行くんだけどね

 

「……あの…修一さん…」

 

おっと、長話もここまでにしようか

美雪ちゃんも気になることがあるみたいだし

 

「なんだい?美雪ちゃん」

 

「えっと、さっきの《獣人》の事なんですが…『触媒』とかなんの事ですか?」

 

「あぁ…そうか、約束だからね!ちゃんと話すよ」

 

「はい!」

 

「まず《獣人》っていうのは元は僕らと同じ人間なんだ」

 

「えぇ!!??」

 

そんなまさか!!とでも言いたげに驚く美雪ちゃん

 

「4年ほど前に王都で大事件があったのは知ってるかい?」

 

「4年………確か、西島出身の技術者が王都で殺された事件ですよね?」

 

「正解、その技術者は王都に来てすぐに殺された訳じゃないんだ」

 

「えっ?それって……」

 

「そう、その技術者は王都で秘密裏に研究をしていたんだ。その研究って言うのが薬品研究なんだよ

そして実験は薬品を人体投与の段階まで来ていた、気づかない王都も悪いんだけどね」

 

「まさか………《獣人》って」

 

「そう、その実験の被験者達だ。おそらくその技術者もそうなるとは考えてなかったんだろうね

人間より力をもっていて人間と同じ知能がある、これはとても危険だよね?

そこに加えて被験者達はその実験に気づけなかった王都を恨んでいる筈だ、だとしたら文字通り王都に牙を剥くかもしれない

そして彼らは力を手にした時、技術者を殺し逃げ出した。

その技術者の研究所が城のすぐ近くにあったせいか逃げ出した彼らを目撃する人もたくさんいた、

だが、彼らのなかにも心を憎しみに囚われずに居た者もいたんだ、彼らは城へ赴き人間に戻してくれと城の人間たちへ叫んだんだ。

投与実験を受けたのが7人、城へ行ったのが二人、その二人のおかげで《獣人》は人間へ戻る方法を知ることができたんだ。

一年間掛かったみたいだけどね」

 

「それじゃあ、お城へ行けば《獣人》は人に戻れるんですよね?」

 

「そうだね、そしてさっき言っていた『触媒』は人間に戻るために必要な材料の事なんだ。

城に行けば人に戻れるのに自分で手に入れようとするあたり、王都への信用はもはや無いと見て間違いないだろうね」

 

「そんな……」

 

「残り5人の《獣人》、これは噂なんだけど、《獣人》が王都を堕とそうと企てているって話も耳にしてね

目撃情報が全く無いあたり、北島に逃げたんじゃないかって言われてる

今回の依頼も、もし本当に《獣人》が現れるようなら戦いは避けたほうがいい。数にもよるけどね

幸い僕たちへの依頼は《獣人》の討伐ではなく捕獲の手伝い、だからね」

 

「……わかりました」

 

おっと、そうこう話している内に目的地まで付いてしまった

森を抜けた断崖絶壁のすぐそばに二階建ての大きな家が立っている

建てている場所が場所なだけに………不安だ…

 

「ぁ……あの、修一さん……」

 

おそらく同じことを考えているのだろう顔が青い

 

「あははは…言いたいことはわかるけどここは我慢だね」

 

「そ……そんな〜〜」

 

「……うっ!!」

 

そんな涙目になられてもどうしようもないってば!!

 

「ほ……ほら、行くよ!」

 

「っふぇぇぇん!!」

 

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門の前まで手を引いて連れていく

門のすぐそばで武装した男が二人立っていた

 

「依頼を受けた三葉です、依頼人はおられますか?」

 

「あぁ、これはご足労いただきありがとうございます。こちらです、案内します」

 

一人の男に案内され、二階の奥の部屋の前へくる

 

「キュリエード様、何でも屋の三葉様にお越しいただきました」

 

すると扉の中から、肥えた様な声が聞こえてきた

 

「うむ!ご苦労、中へ入れ」

 

「はい」

 

ガチャ!

 

扉を開け、中に入るとこの建物の主と思わしき肥えたおっさんが居た

……様な、は不要だったね…

 

「よく来てくれた、《獣人》の件、くれぐれも頼むよ?」

 

「えぇ、承知しております。」

 

僕がそう答えると不思議そうに美雪ちゃんがこそっと耳打ちしてきた

 

「えっと、どういうことですか?」

 

「つまり、捕まえたのはアチラさんって事にしたいんだよ、だから『手伝い』ね」

 

「……なるほど」

 

「そういえば、まだ名乗っていなかったな。私はドレイク・ジ・キュリエードだ

キュリエード家の当主だ」

 

「………そうでしたか、以後お見知りおきを…」

 

「うむ」

 

「キュリエード殿、少しお屋敷を見回ってもよろしいですか?《獣人》が来る前に見ておきたいので」

 

「構わん、好きにせよ」

 

「あはは……ありがとうございます」

 

一礼してから美雪ちゃんを連れて部屋を出た

居心地が悪かったのか、美雪ちゃんは少し気分が悪そうにしている

 

「あはは、美雪ちゃん……大丈夫?」

 

「え…えぇ、修一さん平気そうですね。私、あの部屋の臭いダメみたいで……」

 

「ん?まぁね……それじゃあ手分けしてお屋敷調べようか!僕が二階、美雪ちゃんは一階ね」

 

「……はい」

 

そこで僕らは別れて調べ始めた……

それから数時間…完全に外は闇に覆われた………その頃には僕らも合流してお互いの成果を話し合っていた

 

「話を総合すると……正面に三人、屋敷のホールに5人、厨房の近くの触媒が置いてある倉庫の前に二人、キュリエード殿の周りに7人と僕…

危険だね……《獣人》を相手にするにも人手不足すぎる、それに…屋敷の裏が無警戒すぎるね…」

 

「屋敷の裏って崖じゃないんですか?」

 

「《獣人》は人の10倍近くの力があるって言ったでしょ?崖なんか簡単に登って来れるよ」

 

そう、このままでは最悪全滅してしまう。

それに《獣人》は鼻が利くと云う、今回の触媒…山の高度に生えている薬草…彼らなら臭いで倉庫までたどり着いてしまう

 

「……美雪ちゃん」

 

「はい?」

 

「触媒の量はこれで間違いない?」

 

「えぇ…間違いないです。どうかしたんですか?」

 

「うん……どうやら《獣人》は今回、単独みたいだね……」

 

「一人だけって事ですか?」

 

「うん、この量だと一人分の材料にしかならないからね………あはは〜、いい事思いついた〜」

 

「へ?」

 

悪戯を思いついた子供のような表情で

心底楽しそうに美雪に話しかけた……

 

「いい?僕の言うとおりに動いてね…」

 

この方法で上手く行くかは分からないけど

今回は美雪ちゃんに頑張ってもらおう!

 

「………倉庫の中で待機していて欲しいんだ」

 

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「うぅ〜、修一さん……恨みますよ〜」

 

私は倉庫の中で待機していた。

修一さんの作戦で、おそらく《獣人》は単独で来るらしい、だから私は触媒をポケットに忍ばせて

《獣人》相手に時間を稼ぐのが私の役目………

 

「ぜったい無理ぃ〜〜!!」

 

扉の前に二人居るとはいえ、怖すぎますよぉ〜

力任せに襲ってきたらどうしよう……私のレイピアじゃ力押しじゃ勝てませんよぅ〜

 

「ッ!!!」

 

突然、物凄い殺気を感じました。

すごく近い……すぐそこにいるような…ッ!!

 

ドンッ!!!

 

突然扉に大きな剣の先端が突き抜けてきました

それに驚いていると二度目の衝撃と何かが潰れたような、嫌な音がしました

 

ドンッ!    グシャッ!

 

「ッ!!」

 

私は咄嗟にレイピアに手をかけました

扉の向こうで、また嫌な音が聞こえてくる

 

「な……この…ッ!!……や…止め…」

 

グシャッ!!!

 

「ッ!!」

 

扉の向こうにおそらく《獣人》が居るのに、怖くて目を瞑ってしまいました

その間に、扉に刺さった剣が抜かれ扉が開けられました

私も扉同様ゆっくり目を開けました

そこに居たのは全身を黒いマントで隠している男が立っていました

 

私は咄嗟にレイピアを抜き構えました。

てっきり《獣人》と呼ばれているのだから、巨大な狼の様な姿を想像していたのに

人と何ら変わらない姿で来たので、少し気が楽になりました

 

「《獣人》さん……ですか?……」

 

「…………………」

 

私の言葉に耳を傾けた様子もなく当たりを見渡しています

おそらく『触媒』を探しているのでしょう

ッ!!気がついたのか、こちらをじっと見ています……

 

「……『触媒』を渡せ……」

 

「…………へっ?……」

 

あ、あれ?話せたんだ、人の姿をしてるけどさっき私の言葉完全に無視してたからてっきり……

 

「『触媒』を渡せ」

 

今度ははっきり聞こえた…間違いない、この人が《獣人》なんだ……

私が持ってるってバレてるみたい……どうしよう…

 

「わ……渡せません!!」

 

いやぁ〜!!!何言ってるの私ぃ〜!!

時間を稼ぐならもっと話したほうがよかったのにぃ〜

 

「なら……殺して奪うだけだ…」

 

「ッ!!」

 

突如、目の前の男から殺気が膨れ上がった

咄嗟にレイピアを目の前に構えた

 

ガキンッ!!!

 

「きゃあぁ!!」

 

倉庫の端まで吹き飛ばされた……なんて力…

でも…あんな大きな剣じゃ室内での戦いは不利なはずです!!

修一さんに鍛えてもらってるのですから、簡単には負けません!!!

私は立ち上がり構え直す

 

「…ッチ!!……余計な手間を……」

 

あの大剣では縦に振り下ろすのは無理!!

なら…横薙ぎの攻撃をするはず!うまく懐に飛び込めれば!!

 

「…ふんっ!!」

 

きた!!

横薙ぎに振られた剣の下へ潜り、レイピアで鋭く突く

 

「…ッ!」

 

男は体を横にずらしレイピアを交わした

そのときにフードにレイピアが貫通し、男の顔がさらされた……

 

「………え?…」

 

男……いや、彼の顔は思っていたのとは全く違いました

歳は私と変わらないくらいで、幼さも少し残っているような顔

私たちと違う所といえば、黒髪の上に犬の様な耳が生えている事くらい

 

「…くッ!!…」

 

「ぇ?…きゃあ!!!」

 

私が見とれていると、その隙に首を掴まれ倉庫の壁に叩き付けられる

その衝撃でレイピアを落してしまった!

 

「う…ぐぅ…」

 

「………くんくん……」

 

すると彼は顔を近づけ匂いを嗅いで…って……ッ!!!

 

「いやッ!!……ちょっとッ!!…嗅がないでよ!!!!」

 

「……ッ!!暴れるな!!大人しくしてろ!」

 

すると今度は体をまさぐって……

 

「いやぁ〜〜!何処触ってるんですか!!エッチ!変態!!」

 

「〜〜〜〜〜ッ!!誰がお前みたいな粗末な体に欲情するか!!」

 

「なッ!!なんですって〜〜〜〜!!!!」

 

この犬男!!いっていい事と悪いことがあります!!許せません!!

 

「あはははは……心配して来てみれば、なかなか楽しそうだね〜」

 

「ッ!!」

 

私たちとは別の声が聞こえてきて、すぐさま男は飛びのいた

 

「修一さん!!」

 

「やは、美雪ちゃん…元気?」

 

「元気じゃありません!!今しがたセクハラされたところです!!!」

 

「元気そうだね……ところで触媒は?」

 

修一さんにそう言われ、慌ててポケットを探り………って、ない!!!???

ッハ!!っとした男を見ると

 

「…ッフ…」

 

ムカッ!!不敵な顔で、鼻で笑われました!!

悔しい!!いつの間に……

 

「《獣人》くん、思っていたより若いね〜。キミ……一人で来たんだろう?その触媒…一人分でやっとだからね

色々話を聞きたいけど……キミ…今囲まれてるよ?美雪ちゃんが時間を稼いで暮れている間に

屋敷の中を固めたからね」

 

「………」

 

「そこで……だ。僕と取引しないかい?」

 

そういって修一さんは男にゆっくり近づいた

 

「………」

 

「見たところ、フードを被っていれば人間と分からないし。僕らも危険なことはしたくはないんだ

何なら、キミの触媒探しも手伝ってもいいよ?」

 

「なッ!!何を言ってるのですか修一さん!!!」

 

「僕らは何でも屋……僕らの希望するものを支払ってくれるなら、たとえ《獣人》だろうが神様だろうがお客様…」

 

そんな無茶苦茶な…《獣人》が危険だといったのは修一さんではありませんか……

いったい何を考えて…

 

「………何が目的だ…」

 

「お!!乗ってきたね!僕らが要求するのは……そう!!キミに何でも屋の一員になって貰いたい!!」

 

「「……………………………は?」」

 

あろう事かこの男と同じく私の頭は理解が追いつきません

修一さんはなんと?一員?一緒に働くって事ですか?この《獣人》と?

 

「そうと決まれば即行動!!二人とも此方へ!」

 

「まだ決めてねぇよ!!!」

 

「そうです!!修一さん!こんなエッチな人と居たらいつ襲われるか気が気じゃないです!!」

 

「はぁ!?…興味ねぇつってんだろ!!!この、まな板女!!!」

 

「なッ!!なんですって!!この犬男!!」

 

「あははは、仲がいいのは結構だけど先に脱出しようか?」

 

「「よくないよっ!!!」」

 

そんな言い合いをしつつもすっかり修一さんのペースに乗せられ

私たちは厨房の中へ来たいた。

 

「いったい何をするんですか?修一さん……」

 

「あぁ……此処にね酒樽をいっぱい積んだから、これに火をつけます」

 

そういって修一さんは松明を酒樽の方へ投げ入れた………

そして樽に引火し…って!?ちょっとぉ!!修一さん!!

 

「さぁ、皆伏せて〜」

 

「いやぁ〜〜〜〜!!!!」

 

「ッ!!!」

 

ドガァァァアァァン!!!!!!!!

 

ものすごい衝撃と共に厨房の壁は吹き飛び、私たちは傷だらけ…

 

「な………何するんですか!!??」

 

「説明は後々〜〜、とりあえず《獣人》くん此処から出て、森の中で身を潜めておいて

後で迎えにいくから〜」

 

「……はぁ……」

 

呆気に取られているせいか素直に従う男

彼が穴から出て行き修一さんと二人になる

 

「どうするんですか?これから……依頼失敗ですよ?」

 

「報酬より大きなものを手に入れられそうだからいいでしょ?さ、報告報告〜〜」

 

とても楽しそうに依頼主の元まで行く修一さん

その後、依頼主には嘘八百を言って丸め込み、報酬もいらないからと言って別荘を後にした……

 

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あとがき!!

どうでしたか?今回はプロローグのようなものです

 

 

獣人の青年

18歳 ♂ 獣人 

今作の主人公、人間だったが王都の薬品研究所で薬の人体投与実験の被害者

人間に戻るために触媒を探す青年(微ツンデレ)

容姿は黒髪短髪で青色の瞳、178cm 黒いズボンに黒いインナー、黒のロングコートを来ており、身の丈ほどの大剣を持っている

 

三葉修一

25歳 ♂ 人間 何でも屋のリーダー

王都近衛騎士団員(元)おちゃらけた正確でいろいろ適当、掃除も面倒らしくいつも美雪にしてもらっている

美雪曰く「もう少しご自分でお掃除されてはいかがです?♯」とのこと

剣術の腕は速さにおいて右に出るのもが居ないと云われる

容姿は茶髪で後ろ髪をひとくくりにしていて腰の位置くらいの長さがある、赤色の瞳、185cm

下はジーパンで上はオレンジのTシャツ、その上に白のコートを着ている

 

美雪

17歳 ♀ 人間 何でも屋の家事担当(料理以外)

掃除や洗濯などは問題なくできるが、事料理に関しては恐ろしく不器用

修一曰く「見た目は平気なのに味は殺人的だね、知らずに食べればトラウマだよ〜あはははは〜」

容姿は金髪の肩より長いセミロング、翠色の瞳で身長が154と小柄、胸もB位しかないと本人も気にしている

下は白のニーソに膝より少し上の赤色のフリルの付いたスカート、白の肩から切れているジャケットに水色のインナー

そして二の腕から手首まで白色のアームウォーマーを着けている

説明
オリジナルファンタジー小説!!(*´∀`*)

キャラクター紹介はあとがきにて!!
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Hearts オリジナル 小説 ファンタジー 獣人 処女作 

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