仮面ライダーディケイド〜紅蓮の破壊者〜【オールライダー・バトルカーニバル】 |
十一話、切り札vs野獣
「さて…ここがスタンバイ場所か。」
翔太朗はリングの前の控え室にいた…。
(落ち着け俺…。ここで敗退つったら話にならねえ…)
そう心の中で呟きながら懐から写真を取りだし眺める…。
「スバル…祈っててくれよ…。」
そこには翔太朗自身と青い髪の少女のような女性が写っていた。彼女は『スバル・ナカジマ』…。翔太朗の恋人である…。
「よし…」
そして勢いよく立ち上がった時…
「隙ヤリ!」
「うおう!?」
突然、翔太朗は何者かに目隠しされる。
「だ〜れだ?」
「だ、誰だおい…!?」
「ホント…坊や釣れないわね…。」
その目隠しをしていた人物は翔太朗が見分けられないことが分かると残念そうに手を放す…。そして、目隠ししていた人物はまたもクイントであった…。
「あ、アンタか…」
「ウフフ…♪」
いたずらっぽい笑みを浮かべるクイント…。
『クイント!あなた…』
「京水…おだまりんす。」
ドカッ
天井の換気扇から巨漢のオカマが顔を出したがクイントは容赦なく叩き沈めた。
「アンタもこの大会に出るのか?」
「クイント…!」
「あ?」
「私の名前。ちゃんと人様のことはちゃんと名前で呼びなさい!」
「…はい…。」
何故か説教を受け戸惑う翔太朗。その様子を見てクイントは彼に可愛らしさを覚える。
ビーッ!ビーッ!
「あら、そろそろ試合が始まるかしら?それじゃあ…」
「待て。」
「?」
試合開始の時刻が近づく笛音を聞き、駆け出そうするクイントだが翔太朗が呼び止める。
「俺の名前は翔太朗。坊やじゃねえ!左 翔太朗だ!!」
彼は右手を向けクイントに宣言した。
「ウフフ…面白いし中々可愛いわねアナタ。」
「なっ!?」
「世界が違うからまたあれなんだけど…
娘の惚れる気持ちが分かるわ…。」
「え?」
「じゃあね、翔太朗ちゃん。」
一瞬、翔太朗はクイントのことが写真の女性、『スバル・ナカジマ』とダブって見えた…。
そして、彼女は観客の歓声が響きスポットライトと芝生の輝くリングへ消えていった…。
コロシアムリング…
観客の歓声が響く中、昴は全面にスポットライトを浴びていた…。大和は野球で言うベンチの場所に腰掛けアドバイザーとして立っている。
「あっ…!」
しばらくして彼女の反対側から煙を掻き分け1人の女性が出てくる…。クイントであった…。
(あの人が…今回の相手…)
思わず緊張が走る昴…。それと対称的にクイントは軽そうな態度だ…。
「ハアーイ!お嬢ちゃん、そんなに緊張しなくても良いわよ♪」
本当に軽い…
『皆様…配置には着かれましたか?』
すると審判らしき者の声が響く…。
『それでは変身ツールを装着してください。』
「はい。」
「了解♪」
審判の指示とともに昴はフォーゼドライバーを…
クイントはバイクのハンドルのような変身ツール、アクセルドライバーを装着し『A』と表記された赤いガイアメモリ、アクセルメモリを懐から取り出す。
『スタンバイ、レディ?』
『アクセル!!』
審判の声と共に昴はフォーゼドライバーのスイッチを押すとフォーゼドライバーはカウントを初め、クイントはアクセルメモリのスイッチを押す。
3…2…1…
「変…「変身!!」…身!」
『〜♪〜♪』
『アクセル!!』
昴はドライバーのレバー引き眩い光と状況に包まれると仮面ライダーフォーゼへ…
クイントにはグレーに近い黒い鎧が精製されていき背中と足首にバイクのタイヤらしき物が装着。顔には銀の『A』のラインが入ったバイザーが装着されるがすぐにシャッターが降り防護される…。
「なっ!?あれは!!」
翔太朗もほぼ同時に観客席に出る。そして、彼はクイントの変身した姿を仲間のライダー、仮面ライダーアクセルにあまりにも酷似していることに驚く。
そして、彼は電子掲示板を見る。
「クイント…ナカジマ!やっぱり!!」
そんなことなど知らぬ2人はお互いに構えをとる。
「宇宙、/(__)\キターーーー\(>_<)/ーーー!!仮面ライダーフォーゼ、タイマン張らせてもらうわよ!」
「仮面ライダーダークアクセル。あの世まで、振りきりなさい…!」
2人がそれぞれ決めセリフを言い終わると拳がぶつかりあう…。
観客席…
「おお!フォーゼだ!フォーゼ!フォーゼキター!」
「うるさいぞ弦太朗。」
テンションが異常に高い弦太朗をアルトが注意していた…。
コロシアムリング…
「「ハアァァァ…!!」」
両者の肉弾戦は互角であり共に一歩も譲らなかった…。
(このままじゃ、埒が開かない!!)
「昴!ガトリングとチェンソーを使うんだ!」
焦るフォーゼに指示を出す大和。その指示に従いフォーゼはドライバーのスイッチを入れ替えてオンにする。
『チェンソー・オン♪』
『ガトリング・オン♪』
すると右足にチェンソーモジュール、左足にガトリングが装備される。
「えい!」
ズダダダダダダ!!
「っ!」
ガトリングモジュールから弾丸を発射するフォーゼ…。ダークアクセルもかわしながら距離を徐々に摘めていく…。
「そこっ!」
そして、懐に飛び込み拳を叩き込もうとしたダークアクセルだがフォーゼのチェンソーモジュール装備の蹴りが邪魔で上手く立ち回れない。
「よし、シールドで動きを止めてファイヤーでトドメをさせ!」
「わかった!」
大和の指示でスイッチを更に入れ替えるフォーゼ。
『ファイヤー・オン♪』
『シールド・オン♪』
するとフォーゼは炎に包まれその姿を白から赤色に…複眼も赤から緑に変化し胸部に小さな装甲の追加パーツが装着される。
仮面ライダーフォーゼ・ファイヤーステイツ…
火炎と水…どちらも操る姿…。
「いくよ!」
フォーゼFSは専用、バズーカ型の武器『ヒーハックガン』を構える。
一方、ダークアクセルは
(話の内容筒抜けなんだけどね…)
苦戦こそは強いられているものの大和のフォーゼへ対する指示は普通に聞こえるので対策を考えたいところだが何せ戦いながら考えてる暇など距離をとった僅かな間しか無いのでは対策が立てようが無い…。
観客席…
「これは昴の勝ちだな…」
百代はフォーゼの勝利を確信していた…。
「あら、そうとも限らないわよ?」
「!」
すると彼女の隣に先程、クイントにぶちのめされた巨漢のオカマ、京水が現れる。
「だってあの娘、明らかにカウンター狙いじゃない。あれじゃクイントには勝てないわよ。」
コロシアムリング…
『ユニコーン!!マキシマムドライブ!!』
ダークアクセルはアクセルドライバーからアクセルメモリを抜き取り緑の『U』のメモリをスロットしハンドルを回し拳を構える。
(よし、突っ込んでくる!)
フォーゼはカウンターの準備に入るべく左腕のシールドを構える。
しかし…
「昴!それは罠だ!!」
「え?」
観客席から百代が響く…。しかし、時は既に遅かった…。
「!!」
拳のあたる一歩手前でアクセルはドライバーを外し宙返りすると自らをバイクにした姿、バイクフォームへと一瞬に変わる。そして、メモリにより強化され一瞬で凄まじいスピードになりフォーゼを弾き飛ばす。
ズカッ!!
「がはあ!?」
流石のこれにはガードが間に合わず弾き飛ばされたフォーゼは地面にバウンドするように着地するとその衝撃でスイッチが外れ元の白い姿、ベースステイツに戻ってしまう。
「お嬢ちゃん、よく頑張ったわね。なら私も本気を見せてあげるわ…」
そして、ダークアクセルはストップウォッチタイプのメモリ『トライアルメモリ』を取り出す。
『トライアル!!』
「超…変…身!!」
『トライアル!!』
メモリ部分を変形させ露出させスイッチを押しユニコーンメモリを引き抜きそのままスロットする。
すると電子音声と共に肩パーツが丸くなり更に背中のタイヤも吹き飛び身体の随所に青いフレームが追加される。そして、頭はバイクのヘルメットのように先端が尖る。
仮面ライダーダークアクセル・トライアル
黒い加速の戦士の更なる『挑戦』する姿…
「昴!気を付け…」
大和を急いで指示を出そうとしたが遅かった…。
ズダダダダダダ!!
「うっ!?」
ダークアクセルTは一瞬で距離を摘め何発もの拳を瞬く間に叩き込む。
「これで終わりよ。ウィングロード!」
「!」
するとダークアクセルTからフォーゼに向かい淡い紫色の道が現れ空に向かい伸びる。
「カウントスタート!」
『ユニコーンマキシマムドライブ!!』
ハンドルを捻るとトライアルメモリをストップウォッチ形態に戻し高く放り投げると再度、ユニコーンメモリをスロット。フォーゼに突撃し弾き飛ばしさらにとんでいった先にウィングロードで先回りし弾き飛ばしまたそれを繰り返すダークアクセルT。
ズダ!!ドガッ!!ダダ!!ドゴッダ!!ダダダダダ…!!
「…!…!!」
声にならない悲鳴をあげるフォーゼだが容赦なくラッシュは続く。
「昴!」
そして、大和も声をあげると同時にラッシュが止みダークアクセルが地上に立ちトライアルメモリをキャッチする。
「8,6秒…お嬢ちゃん、それがアナタの絶望までへのタイムよ。」
ズガァァァァァァン!!
「うわあァァァァァァ!!」
トライアルメモリがカウントを停止しダークアクセルの決めセリフが言い終わるのと一瞬、間を置いて空中で大爆発を起こすフォーゼ…。すると、変身が強制解除された昴が落ちてくる。
「おおっと。」
危うく地面にまっ逆さまのところだったが素早くダークアクセルTが回り込みキャッチする。
「昴!」
「大丈夫。急所は全部外してるわ。」
あわてて駆け寄ってくる大和に昴を託し変身解除するクイント…。
「坊や、お嬢ちゃんをしっかり守ってあげなさい。」
彼女はそう言い残すとその場を後にしようとしたが…
「待っ…て…」
大和に肩車された状態のボロボロになった昴がクイントを呼び止める…。
「僕が…今よりもっと…強くなったら…また戦ってくれますか…?」
クイントはしばらく悩むような素振りをしちょっとそっぽを向く…。
「どうしよっかな〜?」
そして、チラッと片目で昴を見ると彼女が真剣な眼差しをしていることに気づくと笑みを浮かべて向き直る。
「冗談よ。お嬢ちゃん、名前は?」
「昴です!松永 昴!」
「それじゃ、昴…。次合う時まで精進しなさい!」
「え…てことは…」
「喜んで…!楽しみにしてるわよ!」
「はい!」
そして、昴とクイントは拳を付き合わせる。それと同時に観客席から凄まじい歓声が沸き起こった…。
その頃…
別の競技場…
ここには観客はいない。トーナメントでコロシアムで戦うことが認められなかった組み合わせが戦う場所だ…。
「はあ…はあ…」
そこで蜘蛛の意匠の緑と金色のライダー、仮面ライダーレンゲルが追い詰められていた…。
「うぜえな…とっとと沈め。」
相手はサメの意匠の水色のライダー、仮面ライダーアビス。フォーゼとダークアクセルが激戦を繰り広げている中、目のつかないこの場所で一方的に戦闘を進めていたのである…。
そして、とうとうトドメを刺そうとしたその時…
『時間切れです。攻撃のポイントから仮面ライダーアビス、二宮鋭介の勝利とします。』
「何だ…時間切れかよ。」
タイムアウトをしらせるアナウンスが流れアビスの勝利を告げる。しかし、当のアビスはそこまで嬉しくなさそうだ…。
レンゲルは倒れたまま銀色のオーロラに飲まれその場から姿を消しアビスのみが取り残される。
「ふぅ…やれやれ。バレバレだぜ出てこいよ!!」
1人取り残されたアビスが声を張り上げる。すると物陰から黒いフードの男が現れた…。
『二宮鋭介様ですね?』
「だったら何だ?」
『貴方に良きお金儲けの話をお持ちしました…。どうです?一つ話を聞いてみませんか?』
つづく・・
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十河さんとこの昴vsクイントです。 | ||
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