仮面ライダーディケイド〜紅蓮の破壊者〜【オールライダー・バトルカーニバル】 |
第十四話、3人乗り
コロシアム医務室…
四季は激情態を強制解除した影響のためか深い眠りについていた…。
その彼を駆け付けたフェイトと藤馬が見守っている…。一方、キバットは心配そうに周囲を飛び回りながら物思いにふける。
(やはりあの形態…『奴』の傷が原因か…)
ディケイド・ブラットが激情態に陥った原因…やはりディロウガにより受けた傷が原因と見て間違いないだろう。ディロウガトの技…あの人体を一瞬で切断するあれを喰らって無傷というのがそもそもおかしい…。やはりあの時細工されたとみて間違いない。
(だが…何のために?)
しかし、考えてみてもディロウガの利になる要素が見当たらない。
そのあともキバットはずっと考えていたが何も思い付かずその場の様子をしばらく見守ることにした…。
コロシアム近く…
ディロウガとメタルチック・ボーイが激闘を繰り広げていた。
ディロウガドライバーから銃弾を放つがメタルチック・ボーイの異常な防御力に弾かれてしまう。
『どうした若造?その程度で私に勝てるとでも?』
「フフ…言っただろう?僕は君を殺すのは二度目だと。攻撃が通らないというのなら…」
『FINAL ATACK RIDE DE-LOUGA』
「冥府に直に送り込むのみ!冥王剣!!」
ディロウガはディロウガドライバーにカードを装填、すると銃口に剣の柄が出現する。ディロウガはそれを引き抜くと血のように赤い刃が現れる。
「今、冥府への門が開く!」
それを地面に突き立てる。するとそこからメタルチック・ボーイの足元まで空間が裂ける。
『何!?』
「さあ…もがき…足掻き…苦しみ…堕ちてゆけ!!!!」
そして裂け目から無数のグロテスクな異形が現れメタルチック・ボーイを掴む。
「な、何よ…あれ…」
鈴音もあまりの現実離れした技と異形に驚きながら後退りする。
『うわァァァァァァァァァァァァァァァァ!?』
どんどん拡がる裂け目に自らの鋼鉄の重さと相まってひきづりこまれるメタルチック・ボーイ…。ディロウガは自らの勝利を確信し笑みを漏らし…
「させるか!」
「!」
だが何者かがワイヤーで彼を縛りあげ引っ張りだす。そして、引っ張ったワイヤーの主のもとへとんでいくメタルチック・ボーイ。
「大丈夫ですか?メタルチック・ボーイ殿!」
『む!騎士殿…かたじけない…。』
ワイヤーの主は黒づくめでフードを被り顔を隠している。だが声からするに女であるようだ…。
「ここは私におまかせを!」
『すまぬ!!』
メタルチック・ボーイはその場を黒いフードの女に任せ逃走していく…。
「やれやれ…なんだい君は?」
「ディロスト!貴様をを騎士、スイゲツの名にかけ斬る!」
呆れたような声をだすディロストに対し燐とした態度で向き合うフードの女。そして、彼女はポケットから金で縁取られた黒い円盤らしきものをとりだし腹部に装着する。円盤部分をスライドさせると中に丸い凹みが3つあり白いメダルをそこに入れる。
「変身!」
『ユニコーン!!サラマンダー!!クラーケン!!』
女性は円盤を元に戻し回転させると電子音声が鳴り響き白いメダルの幻影が3つ浮かびあがり幻影は1つになる。数秒後、女性は一角の白いライダーに変身していた。
「仮面ライダー…スイゲツ!!参る!!」
ユニコーンの角に琥珀色の複眼の頭部…
女性的なラインながらも騎士の甲冑のそれを思わせる胸部…
龍の意匠がありながらもスマートな腕…
後ろに四本のまるでスカートのように伸びる触手…
足はなだらかでタコやイカの足のような模様がある。
白きサーベル構えた騎士のライダー、『仮面ライダースイゲツ』が見参した。
「はっ!」
ガキン!!
「くっ!」
スイゲツの振るうサーベルを冥王剣で受け止めるディロウガ。
(面倒だ…あれを使うか)
ディロウガはスイゲツを蹴りとばすと空を冥王剣で斬る。
「いでよ!冥府からの使い!」
するとそこの空間が裂け…
「ようこそ…ミスまどか…貴方への生け贄です。」
ピンク色のツインテールの少女が現れる。
『ちょっとダイ?呼び出すのは構わないけど人をどっかのRPGの魔物みたいな呼び方やめてくれる?』
少女は不服そうな声を出しながら背中から天使の翼らしきものを広げる。
「まあ、良い…転神する!」
『はいはーい。』
ディロストはそんなことは気にせず少女を掴むと空へ舞い上がる。
「『ユニゾン・イン!!!!』」
すると少女とディロストは一体化し少女の翼がディロストから生える。ディロスト飛翔態である。
「真っ正面からくるというのなら!」
それに対しスイゲツはサーベルをバックル部分にあてがう。
『ユニコーン!!サラマンダー!!クラーケン!!ギガスキャン!!』
同時にサーベルから電子音声が鳴り響き光を帯びる。
「はァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!」
「うおォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!!」
ドカァァァァン!!
ディロウガは冥王剣を構え空から突っ込みスイゲツはサーベルを振るう。そして両者の大技がぶつかりあい大爆発が起きる。
「きゃあ!?」
「危ない!!」
「くっ!」
ヤマトは吹き飛ばされそうな鈴音を抑えハジメはその前に立ち手を交差させ盾となる体勢をとる。
数秒後…
「逃げられたか…」
変身を解除したダイの姿があった…。スイゲツの姿は無くどうやら逃げられたらしい…。
「ダイ!ちょっとアンタ!こっちまで死ぬとこだったじゃないのよ!!」
「フフ…なら君らもそこまでということだ。」
「何ですって!?」
鈴音は頭に血を昇らせ叫ぶがダイはそれをかるくあしらうと再びコロシアムに向け歩きだした…。
(ダイさん…アンタいったい何者なんだ?)
ヤマトもダイの力に驚愕しながらもハジメと共に彼についていくしかなかった…。
コロシアムロビー…
アインハルトは試合を先程終え、さらにディケイド・ブラット激情態を止めるのに貢献したオトヤをねぎらうため相棒、ティオと共にジュースを買いに自動販売機を探していた…。
「そう言えばティオ、ハヤトさん何処にいったんでしょう?」
『にゃ?』
それとついでにさっきまでいたはずのハヤト(ジャガー形態)を探しているのだが全く見つからない。
「もふもふやり過ぎましたか…」
『にゃ〜』
やはり観戦中ずっと抱いていたため嫌われてしまったのだろうか…
「あ!ありました…」
やっと自動販売機をみつけ硬貨を入れようとした時、ある異変に気づく…。
『イタダキマス!!』
真っ白な少女が自動販売機をかじっていることに…
コロシアムリング…
大智は相手が出てくるのを待っていた…。
(流 竜馬…どんな相手か…)
しばらくして、相手のコーナーから人影が1つ、その他の影2つが現れる…。
(ジャガーと…熊?)
人影のほうは流 竜馬その人であり、ジャガーのほうはハヤト…さらにもう1つの影は熊であった…。
「おい…1対1じゃないのか?それとも獣はカウントされないのか?」
個人的な疑問も含め軽い挑発をしてみる大智。
『んだと!?』
『おちつけムサシ。奴の安い挑発に乗るんじゃない。』
熊のほうが殴りかかろうとするがハヤトはそれを制止する。かわって竜馬が喋る。
「悪いな。コイツらは俺のユニゾンデバイスのハヤトとムサシだ。ユニゾンしてりゃ2人はカウントされねえ。審判に確認済みだ。」
「…なら良いんだが。」
大智は多少疑問に思いながらもBESTバックルを…
竜馬はイクサナックルを構える。
【セットアップレディ?】
「「変身!」」
〈BESTcard…change!〉
そしてカードをBESTバックルにスラッシュし仮面ライダージョーカーのように黒くスタイリッシュなデザインのライダー、仮面ライダーBESTに
「チェェンジ!!フォォォムワン!!!!」
竜馬はイクサナックルを右手にあてがうとハヤトとムサシが吸い込まれマントをなびかせた騎士のようなライダーに変わる。仮面ライダーゲットイクサフォーム1だ。
「BEST…つまり一番…」
「そこ動くなァァ!!ゲッタァァガトリングマシンガン!!!!」
ズダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!!
「っ!人の台詞邪魔すんな!!」
決め台詞を言おうとしたBESTだがそれを言い切るより早くゲットイクサはガトリングマシンガンを二丁引っ張りだすと盛大にぶっ放す。
間一髪でかわすBEST…。だがゲットイクサは容赦しない。
「トマホォォォォク!!!!」
ズカン!
さらにガトリングマシンガンを投げ捨てトマホークで斬りつける。これも何とかかわすがからぶった刃が大地を抉る。
(ありゃ一撃でも食らったらアウトだな…)
BESTは冷や汗をかきながらゲットイクサと距離をとった…。
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説明 | ||
・仮面ライダーゲットイクサ イクサをベースにした竜馬の変身するライダー。 白兵戦、空中戦向きのフォーム1、高速戦、地上戦向きのフォーム2、パワー戦、水中戦向きのフォーム3がある。竜馬単体での変身も可能だがユニゾンデバイスのハヤトとムサシがユニゾンし息があったとき真の力が発揮される。 |
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