仮面ライダーディケイド〜紅蓮の破壊者〜【オールライダー・バトルカーニバル】
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第十八話、混・戦・乱・戦 前編

「変身…。」

黒く刺々しい衣装のアインハルトは二階の手すりから飛び降りると右腕に機械仕掛けの蜂『ザビーゼクター』が飛来。彼女の右手首のブレスレットに尻部分を手のひら側に向け装着される。

 

『Henshin』

『chenge WASP』

そして彼女はスズメバチの意匠をしたヒヒイロカネの鎧を纏うライダー『仮面ライダーザビー・ライダーフォーム』へと一階に着地するまでに変身を遂げていた…。

「見せてあげますよ…『真の覇王流カイザーアーツ』を…。」

ザビーは構えると素早くライアルとの距離を詰める。

「はっ!」

 

ドッ!!ガッ!!ダダダ!!

「うはあ!!」

直後、ライアルに鋭く荒々しい拳と連続の蹴りが襲い彼を弾きとばす。

「うい…ああ…そうではなく…翡翠にこが固い固い固いカタイカタイカタイカタイカタイカタイカタイカタイカタイカタイカタイカタイカタイカタイカタイふるるるあぉああがぁるああ!!!!」

「うお…どうしたアイツ?」

攻撃を受けた影響なのかしゃべり方がおかしくなるライアル…。ディケイドBは思わず退いていた…。

「ぐるがあああああああああああああああ!!!」

 

『ライア!!マキシマムドライブ!!』

そのままライアルは気が狂ったような叫び声をだすと電子音声が鳴り響き彼の身体から無数の刺が生える。

「ふっ!」

それでもザビーは容赦はしない。軽やかに宙を舞い鋭い蹴りをライアルの喉にねじ込む。

それだけでは終わらずよろめく彼に追い討ちをかける。

「え?…ええ!?」

その様子をアインハルトは唖然として見ていた。そこへこっそりとディケイドBとダークキバが話かける。

「お宅の姉ちゃん…ちょっと荒れてるけど強いなオイ…」

「アインにここまで強い姉さんいるなんて知らなかったよ。」

「わ、私、一人っ子です!」

「「ウェ?」」

驚く2人だったがザビーはそんなことは気にせずライアルに攻撃を仕掛ける。

「ぐゆからああああああ…このままではよろしくない…手札を切りましょう。」

流石にこの状況の不利さを感じたライアルは黒いメモリを取りだし首筋に差す。

『インベーダー!!』

「行け!飢えた破壊魔たちよ!!かああああああ!!」

同時にライアルの口にあたる部分が割れ禍々しい目玉が大量についた黒いスライム状の異形が勢いよく吐き出されザビーに向かう。

ザビーはそれを紙一重でかわすと異形は弦太朗の変身したフォーゼに食らいつき天井に穴をあけ何処かへいってしまう。

「待て!」

昴の変身したフォーゼもそれを追いかけようとしたが…

『貴様の相手は私だ。』

「!」

それを遮るようにメタルチック・ボーイが現れる。

それに気づいたバスターも援護に向かおうとするが…

 

『ユニコーン!!サラマンダー!!クラーケン!!』

「貴殿の相手は私が務める。」

「なっ!」

彼の前には仮面ライダースイゲツが立ちはだかる。

 

 

「ヤバイぜこりゃ…」

「そうだね…。」

背中合わせに立つディケイドBとダイ。数と実力的にも一時は勝ると思ったものの気づけばかなり拮抗してる状況。ディケイドBも内心かなり焦る。

 

「流石に僕もこの状態は芳しくない…。どうする?」

「どうするって?全力で戦うだけだろ?」

ダイの問に仮面の下で不敵な笑みを浮かべる四季。それを見たダイも笑みを浮かべディロウガドライバーを構える。

『『KAMEN RIDE…』』

「「変身!」」

 

『DARK KABUTO』

『DE-ROUGA』

 

そして2人はそれぞれカードを装填。

ディケイドBは赤い機械的な模様が入った黒いヒヒイロカネの装甲に包まれ頭部はバーコードのような意匠からカブトムシのそれに近い意匠のそれになり複眼は黄色に変わる。仮面ライダーダークカブトの姿と力を借りた姿、DBダークカブトである。

ダイの真の力…そして真の姿、仮面ライダーディロウガへと変身する…。

『『ATACK RIDE BLAST』』

DBダークカブトとディロウガはまた同時にカードを装填、ライドブッカーとディロウガドライバーから威力のある弾が放たれスイゲツとメタルチック・ボーイの目を眩ませる。

「はあっ!」

「ククッ!」

DBダークカブトはメタルチック・ボーイに、ディロウガはスイゲツに向かう。

一方…

「ええっと…」

ダークキバは1人取り残されていた…。

援護を向かおうにも1人で戦っているのは…

「覇王…断空拳!!」

「ぐへらあ!!」

一方的に戦いを進めるザビーだけだった…。

「しょうがないよね…うん。」

正直、気が退けるがザンバットソードを構えザビーのもとへ向かった…。

 

 

 

 

 

 

 

一方…

 

コロシアム外れの広場でフォーゼ(弦太朗)はライアルの放った異形『インベーダー』と戦っていた。今、インベーダーはトカゲなど爬虫類に近い姿をとっており目玉が身体中についていることもあり…

「うえ〜気持ち悪っ!」

 

という外見だ。

『フシャァァァァ!!』

「おっと!」

インベーダーは鉤爪のような触手を放ちフォーゼはそれを紙一重でかわしドライバーのスイッチに手をかける。

 

『ガトリング・オン♪』

「くらえ!」

 

ズダダダダダダダ!!!

『グルオォォ!!』

 

フォーゼの左足にガトリングモジュールが装備され弾丸をぶっ放す。それは全てインベーダーに直撃し血飛沫があがる。

「へへっ!どうだ!?」

しかし、インベーダーはズルズルとグロテスクな音を立ててスライム状になると直ぐ様、元の爬虫類の姿に戻り傷を再生する。

「!野郎…これならどうだ!!」

 

『ロケット・オン♪』

『ドリル・オン♪』

ガトリングモジュールを解除し右腕にロケットモジュール、左足にドリルモジュールを装備すると空高く舞い上がるフォーゼ。

『ロケット・ドリル♪』

『リミット・ブレイク』

 

「ライダァァロケットドリルキィィック!!」

 

 

必殺技のライダーキックが繰り出されインベーダーの身体にドリルモジュールが突き刺さる…

 

 

が…

 

『ギュオォォォォ!!』

「なっ!」

インベーダーは沸騰するようにブクブクと膨らんでいき、さらに徐々にモジュールの出力も落ちていく…。フォーゼのエネルギーであるコズミックエナジーを吸収し活性化しているのだ。

 

「や、やべえ!?」

 

これには焦るフォーゼ。

 

その時…

 

 

 

 

 

 

 

 

『タカ!!クジャク!!コンドル!!ギン!!ギン!!ギン!!ギン!!ギガスキャン!!』

「セイヤァァァァァァ!!!」

不死鳥を模した炎がインベーダーに突っ込み弾きとばす。この勢いでフォーゼも脱出に成功する。

「何とか間に合ったか…」

やがて炎から赤い不死鳥の意匠の戦士、仮面ライダーオーズ・タジャドルコンボが現れフォーゼの近くに舞い降りる。

「お?アンタ俺を助けてくれたのか?」

「まあな。」

オーズはフォーゼの問に答えるとベルトを一直線上に戻し変身を解除。ディロストと戦った少年、織斑 唯へと戻った。

 

 

 

 

 

 

 

 

一方…

 

コロシアムロビー…

 

「ライダーロケットドリルキィィック!!」

『ふはは!!効かんわ!!!』

「あう!!」

弦太朗ではなく昴の変身したフォーゼはメタルチック・ボーイに必殺技を放つが彼の圧倒的な防御力の前に歯が立たなかった…。

 

『ふん!!』

「がっ!!」

メタルチック・ボーイは体勢を崩したフォーゼを容赦なく踏みつける。

(これはヤバいかも…)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ジョーカー!!マキシマムドライブ!!』

「ライダーパンチ!」

 

一瞬、危機に陥ったフォーゼだったが黒いライダーが現れメタルチック・ボーイをのけぞらせ救助する。

「翔太朗さん!」

「ああ…待たせたな。」

その黒いライダーの正体は左 翔太朗の変身したライダー、仮面ライダージョーカーであった。

「にしても…野郎、固すぎだろ。」

ジョーカーは先程、ライダーパンチを繰り出した右手をヒラヒラさせる。彼もまたメタルチック・ボーイの固さに驚いていた。

『フフ…』

当のメタルチック・ボーイもかなり余裕そうでジョーカーに殴られ焦げた胸部を手で払っている。

『貴様らの力は私の命には届かない…大人しく…!?』

2人に降伏するようにつげようとしたメタルチック・ボーイだがその瞬間、彼の身体に火花が散る。

 

『FINAL ATACK RIDE DA DA DARK KABUTO』

 

電子音声が鳴り響くと同時にDBダークカブトがよろけるメタルチック・ボーイの前に背を向け前屈みの体勢で現れる。

「チェスト!!」

 

 

ガァァン!!

『ぐわあ!?』

数秒後、電撃を纏ったカウンターライダーキックが決まりメタルチック・ボーイは吹き飛ぶ。

「つー…いってえな…」

「四季さん!」

DBダークカブトは必殺技を決めると右足を擦りながらディケイドBの姿に戻りフォーゼは安堵の声をあげる。

『これはマズイ。一旦退かせて貰おう…。』

「まだ生きてたのかよ…。」

しかし、いまだメタルチック・ボーイは息がありあまりのしぶとさにジョーカーはあきれた声をだす…。

「逃がすかよ!」

ディケイドBは逃走を阻止すべく2枚のカードをライドブッカーから取り出しバックルに装填する。

この時、フォーゼは悪寒が走ったという。

 

『FINAL FORM RIDE JOKER FOUZE』

「2人ともこっち来い。細かいことは気にするな。」

「「?」」

ジョーカーとフォーゼは何事かと近づくとディケイドBは2人に背に触れる。

 

すると…

「ぐほ!?」

「うっ!?」

ジョーカーとフォーゼの身体が変形を始める。

ジョーカーは頭や引っ込み折り畳まれると右手の巨大な黒い拳、『ジョーカーグローブ』に…

フォーゼは両肩にオレンジ色の追加パーツが現れ手足が折り畳まれパーツが合体し中に収納される。フォーゼのロケットモジュールを模した『フォーゼロケット』に変形する。

 

 

「これで仕留める!」

 

『FINAL ATACK RIDE C C CROSS』

 

そして、ディケイドBはジョーカーとフォーゼのエンブレムが描かれた必殺技ファイナルアタックライドカードを装填。ジョーカーグローブはディケイドBの右手に…

フォーゼロケットは左腕に装着される。

 

「叩き潰せ!壱発逆転いっぱつぎゃくてんライダァァロケット切り札パンチ!!!」

「「名前ぇぇぇぇ!!」」

変形ファイナルフォームライドされた2人に必殺技名を突っ込まれながらディケイドBはフォーゼロケットを吹かし拳を振り上げる。

『ぬうう!あれはいくら私でもマズイ!!』

メタルチック・ボーイも大技を避けるべく必死に走るが防御力以外はほぼスキルはそこらの怪人と変わらないため所詮、速度など人のそれと同じ。あっという間に距離を詰められ…

「ソイヤァァ!」

 

ズドォォォォォォォォン!!

 

『ぐわあァァァァ!!』

 

巨大な拳が無情にも彼を叩き潰した…。

 

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