仮面ライダーIX(イクス) 後編
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シーン9:指令センター

 

SE:指令センター内の機械音

   ダンッ(机を叩く音)

 

猛「この大馬鹿野郎がーーーーーーーッ!」

小春「――始まっちゃったぁ…」

日和「恒例行事、開始ね」

猛「いったい、何度言ったら分かるんだ!あんな無茶しやがって!

  お前は学習せんのか?その頭の中は本物の豆腐でも入ってるのか、あ?」

愛「だーかーらー、悪かったわヨ〜〜〜!アタシも反省してますって…しつこいなぁ、もぉ」

猛「なんだ、その態度は?その態度の何処が反省してるって言うんだ !?

  いいか?お前は逃げられましたスミマセンで済むかもしれんがな、俺の後始末がどれほど大変か分かってるのか?

  逃亡の際、ヤツが破壊した工事現場の資材、お隣ご近所の人々へのフェイクの情報、関係各位への根回し!

  夜通し書類を書き上げて、やっとの事で隠蔽完了だ!しかも、しかもだぞ!当然残業代は無しだ!

  お前の毒がどうこうの前に俺が過労死するっていうんだ!

  ――――この際だから言わせて貰うが、大体お前は――――(以下、フェードアウト)」

小春「あの〜猛さん…もう愛ちゃん、居なくなってますけどぉ…」

日和「恒例行事、終了ね」

小春「愛ちゃん、やっぱりいつものトコかしらねぇ」

日和「メディカルセンターの志郎君の所ね」

猛「(フェードイン)―――でだなぁ!…ん?愛、何処行ったーーーーーーーーーっ !! 」

小春・日和『ホント、いつもの通りだわ…』

 

●シーン10:施設内、メディカルセンター

 

SE:センター内の放送、医師や看護士の喧騒

   ピッピッピッ(心電図のモニター音)

   ガーーッ(開く自動ドア)

 

看護士「あ、愛さん」

愛「どうも、いつも志郎がお世話になってます」

看護士「いえいえ。昨日も大変だったみたいね、お疲れ様」

愛「―――志郎の様子は…」

看護士「いつもと同じよ。心電図、脈拍、脳波、どれを取っても異常なし。

    ―――――ただ、目が醒めてくれないだけ…」

愛「そう…ですか…」

看護士「昨日のヤツの毒も、志郎君の物とは違ったんですってね…」

愛「――ええ…」

看護士「――――元気出して。きっといつか志郎君が目覚める日が来るわ」

愛「はい…有難うございます」

 

SE:ガーーーッ(開く自動ドア)

   コツコツコツ(廊下を歩く愛)

 

愛「――――志郎………―――――(はっ)あ…」

隼人「よう、聞いたぞ愛ちゃん。またヤラカシタらしいってな」

愛「隼人さん…」

隼人「天気いいぜ。―――屋上行こか?」

 

 

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●シーン11:屋上

 

SE:風の音

   コツコツコツ(二人の足音)

 

隼人「―――――しかし、相変わらず無茶するよなぁ、キミも。いくら志郎君の為とはいえ――――」

愛「だって、アタシはその為に…その為だけにイクスを受け入れてるんだから…」

隼人「…確かにな―――だが、イクスは強いが万能じゃない。それを忘れてもらっちゃ困る。

   ―――覚醒承認を取っているのも、ただの権限でやっている訳じゃない。

   キチンと手順を踏まないとイクスの本来の能力は発揮できないんだ、分かるな?」

愛「分かってるわよ…」

隼人「ホントに?昨日も無許可でイクスを『起こした』そうじゃないか」

愛「あれは…仕方なかったのよ!――――二言目には『承認、承認』って。

  アイツの…猛の言ってる事は、アタシに素手で熊と闘えって事とおんなじなの!」

隼人「まーまー、落ち着いて――――猛は心配なのさ、キミがイクスの力に飲み込まれてしまうのがね」

愛「アタシはそんなにヤワじゃないワ。コイツは手懐けてある」

隼人「どーかな?」

愛「何ですって?」

隼人「だから落ち着けって――――!

   志郎君の事で、キミがこの組織を憎んでいるのは分かる…でも、それは猛の親父さんたちの世代の事だ。

   ――――あれから十年、猛はよくやっているよ…勿論、俺たちも禊は済んだなんて思っちゃいない。

   全てが終われば改めて罪を認め、事実を公表して法の下に委ねるつもりだ。…だが、今はまだそれが出来ない…

   ―――――志郎君を目覚めさせ、全てを終わらせる為にも、キミにはイクスを抑え続けてもらわなけりゃならないんだ」

愛「そんな…勝手な事ばかり―――」

隼人「そんなものさ、世間ってのは…それにな」

愛「?」

隼人「俺もキミが心配で仕方ないのさ…個人的にね――――」

愛「 隼人さん―――― !? 」

 

SE:ピンポンパンポーン(呼び出し音と同時に被る張り手の音)

 

アナウンス「お呼び出しを申し上げます。

     ――――『仏神堂 愛』様、中央ロビーにてお客様が再度お待ちかねです。至急、お戻り下さいませ」

隼人「――残念…呼んでるぜ、愛ちゃん」

愛「分かってるわよ、このセクハラ親父!」

 

SE:タッタッタッ(駆け出す愛)

 

隼人「おー、痛ぇ…―――――奥歯、折れたんじゃないか…?

   ――――頑張れよ、愛ちゃん…」

 

●シーン12:駐車場

 

SE:バッ、キュルルルルルルル―――ブロオォォォンッ(バイクの始動音)

 

愛「―――中央ロビーに再来…と言う事は、昨日のアイツか―――――今度こそ、逃がさないっ!」

 

SE:キャアアアアアアァァッ、ブロロローーーーーーーッ(後輪をスリップさせて走り出すバイク)

 

●シーン13:国道

 

SE:走り続けるバイク

 

 

猛(通信)「愛、聞こえるか」

愛「猛?聞こえてる―――アイツは何処にっ !? 」

猛(通信)「昨日の工事現場だ、あの後逃げたフリをしていて隠れていたらしいが…もう…」

愛「意識を――――『喰われて』いるのね…?」

猛(通信)「すまん、愛…お前に頼むしかない―――ヤツの魂を…救ってやってくれ!」

愛「――――――十字架は一緒に背負ってよね、猛」

猛(通信)「愛…――――ああ!」

 

SE:ブロオオオォォォーーーーーーーッ(加速するバイク)

 

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●シーン14:工事現場

 

SE:ブロオオオオォーーーーーーッ、キキキーーーーーッ(停車するパイク)

   チャッ、ザッ(ヘルメットを脱ぎ、バイクを降りる愛)

 

愛「――――うっ、これは―――――」

 

SE:人々の呻き声

 

愛「工事現場の人たち…(はっ)昨日のオジサンっ !? 」

男A「お、お嬢さんか…」

愛「しっかりして!」

男A「どうなってんだ…あの兄ちゃんがいきなり現れたと思ったら、糸を吐き出してミンナをグルグル巻きにして――――」

愛「喋らないで、もう大丈夫!―――すぐにソコから降ろしてあげるから―――――」

 

SE:シュルルルルッ(愛に目掛けて吐き出される糸)

 

愛「―――っ !? 」

男A「危ねぇッ!」

怪物「ギギ…ギギギィッ」

愛「…出たわね…」

男A「に…兄ちゃん…何だぃ、その格好は…」

怪物「ギギ…これが…俺の本当の姿さ―――人間を捕まえて…食べて…俺は成長する…ギギギッ」

男A「な…何だって…」

愛「オジサン、彼はもう…オジサンの知ってる彼じゃないの―――あの化け物に、意識を喰われてしまっているのよ」

男A「意識を…喰われる?」

愛「ええ…この化け物はね、最初は宿主の中に密かに忍び込み、その時を待つの…

  コイツらの好物、人間の怒りや悲しみ、憎しみが宿主の体内でピークに達した時、

  その人間の意識を喰らって、コイツラはこの世に顕現するのよ――――こんな風にね」

怪物「ギギ…コイツは生まれた時から、ずっと親の敷いたレールの上を歩いてきた…

   いつも一番であること、親の後を継いで立派な経営者になる事、それがコイツの決められた運命だった…

   だが、受験に失敗してから、コイツの歯車は狂い始めた――――そしてその時から、俺が胎動したのさ…ギギギッ!」

男A「――――なんてこった…しっかりしろ、兄ちゃん!学歴だけが人生じゃねぇぞ、今からでもやり直しは効くんだ!」

愛「無駄よ。さっきも言ったように、彼はもう化け物なの」

怪物「化け物…?ギギキィッ、笑わせるな!お前もその化け物だろうがっ!」

男A「えぇっ !? 」

怪物「そう、所詮お前も同類よ。人間の意識を喰らって初めて、存在する事が出来る俺たちとな――――!」

男A「あ…アンタ、本当に…」

愛「―――ええ、本当よ…」

怪物「ギギギギキッ!認めたな、同胞よ!お前も早く、その女の意識を喰らってこの世に顕現するのだ!

   ――――その女の何を喰らう?悲しみか?憎しみか?恐怖も美味しそうだなぁーーーーーーーーーーーーーっ!」

愛「黙りなさいっ、この下衆野郎っ!」

怪物「ギギッ !? 」

 

 

愛「―――――確かにアタシの体の中にも、そんなのが棲み付いてるわ。

  でもね…コイツは申し訳ないけれど、ちょっと『偏食家』なのよ…」

怪物「ギギ…何だと…?」

愛「昨日会った時に気が付かなかったの…?

  ――――そっか、昨日はアンタも完全には目覚めて無かったものね…

  見せてあげるわ…アタシの中の、もう一人のアタシを…――――――猛っ!」

猛(通信)「聞こえてるぞ、愛っ!」

 

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●シーン15:指令センター

 

小春「該当地区の交通網の封鎖、完了しましたぁ!」

日和「関係、各省庁への連絡終了。これより愛さんの半径5キロ以内、情報統制エリアに入ります」

猛「こっちの準備は万端だ、いつでもいいぞっ!」

愛(通信)「オッケーッ!」

 

●シーン16:工事現場

 

愛「覚悟しなさい、蜘蛛野郎――――猛、『イクス』覚醒申請っ!」

 

●シーン17:指令センター

 

SE:計器類のレベル音

 

小春「愛ちゃんからの申請を確認しましたぁ!」

猛「よおし、申請受理!」

日和「了解。タイプ『X』、覚醒に移ります。――――愛さんの電磁リスト、始動」

 

●シーン18:工事現場

 

SE:ヴゥーーーーーーンッ(電磁を帯びる愛のリストバンド)

 

愛「くっ…――――さぁ、お目覚めの時間よォ…」

怪物「ギギギッ !? 」

 

●シーン19:指令センター

 

SE:更に上昇する計器音

 

小春「電磁リスト安定!制御ベルト『トリプラー』展開!

   ――――――サイクロン・ハリケーン・トルネード、臨界ぃっ!」

日和「『愛(I)』+(プラス)『X』、――――ミューティションタイプ『IX(イクス)』スタンディング・バイ」

猛「行けぇ、愛っ!―――――『覚醒承認』ーーーーーーーーーーーーッ !! 」

 

SE:パリーーーーーンッ(ガラスを叩き割って押される承認ボタン)

 

●シーン20:工事現場

 

SE:ゴゴゴゴゴ…(大地の唸り)

 

怪物「ギギ…ギギギィッ」

愛「――――行くわよォ…――――起きなさいっ、『イクス』ーーーーーーーーーーーーーッ !! 」

 

SE:ギュウウウゥゥーーーーーーーーンッ(回り始める愛のベルト)

 

愛「―――――『変・身ッ』―――― !! 」

 

SE:ギュルルルルーーーーーッ(体に巻き付く触手)

   ビキュウウゥーーーッ(愛を包む光)

 

怪物「ギギッ――――そ…その姿は――――

   『同族喰い』―――――――ッ !! 」

 

SE:バッ(構える愛:以下、イクス)

 

イクス「仮面ライダー、イクス!」

 

SE:ビキューーーーーンッ(決めの効果音)

 

 

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●シーン21:指令センター

 

猛「アイツ――――ッ!また名乗りなんか上げやがって――――!」

小春「でも、あれは志郎君との『約束』ですからねぇ」

日和「これまた恒例行事ですね」

猛「ぐぬぅ…」

隼人「そーゆー事だな、猛」

 

SE:コツコツコツ(指令センターに入ってくる隼人の足音)

 

猛「隼人!お前、今頃――――…どうしたんだ、その頬?」

隼人「ああ、ちょっと紅葉狩りにね――――」

猛「…また愛にちょっかい掛けたんだろーが…―――ったく」

隼人「何?気になる?」

猛「誰が――――…って、今はそれ所じゃないって!」

 

●シーン22:工事現場

 

SE:激突する2体

 

怪物「ギギギイイィーーーーーーッ」

 

SE:ヒュン、ヒュンッ(糸を使い、宙を自在に移動する怪物)

 

イクス「――――こんのぉ…昨日とはえらく違うじゃない!――――コイツ、素早いっ!」

怪物「ギギギーーーーッ」

 

SE:シュルルルルッ(糸を吐く怪物)

 

イクス「くうっ!」

猛(通信)「愛、そこはヤツの土俵の上だ!何とかヤツを平地に連れ出せ」

イクス「そうは言ってもコイツ、すばしっこくて――――(はっ)しまったあぁっ!」

 

SE:シュルルルルルルッ(絡めとられるイクス)

 

怪物「ギギギイイッ」

イクス「くっ、くうううーーーーーーーーっ!」

 

SE:ギリギリギリ(糸に締め付けられるイクス)

 

●シーン23:指令センター

 

猛「愛ーーーーーーーっ!」

小春「イクス、スパイダーの糸に絡め取られましたぁっ!」

日和「締め上げられている愛さんに掛かる負荷、後数十秒で2tに達します」

隼人「―――まずいぞ、猛。イクスの特殊鋼繊維外骨格も長時間の負荷には耐えられん」

猛「分かってる!―――愛、落ち着いてよく聞け―――」

 

 

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●シーン24:工事現場

 

SE:ギリギリギリ(尚も締め付けられるイクス)

 

猛(通信)「ヤツの糸は強靭だが、弱点はある―――――それは『熱』だ!」

イクス「熱?」

猛(通信)「そうだ!熱を使って、その糸を焼き切るんだ」

イクス「簡単に言うけど、そんな事どうやって―――――(はっ)そうか、電磁リスト!」

猛(通信)「(ニヤリ)ご名答だ――――お前の腕の電磁リストは、ただイクスを目覚めさせる為のものだけじゃない。

      覚醒時に帯電したエネルギーは、イクスの体に取り込まれている。

      トリプラーのシステムを逆転して、それを一気に放出するんだ!」

イクス「―――オッケェ…」

 

SE:ヴヴヴヴヴーーーーーーーーン(放電を始めるイクスの体)

 

怪物「ギ…ギギッ?」

イクス「行くわよぉ――――『イクス、逆タイフーン』ーーーーーーーーーーーーーッ !! 」

 

SE:ギュオオォォォォォォォーーーーーーーーッ(エネルギー放出音)

 

●シーン25:指令センター

 

猛「そんな名前の技は無いーーーーっ!」

小春「ああ、これも例の約束ですよぉ」

日和「はい、確か番組中で、そんな技があるらしいです」

隼人「(くっくっ)まったく、愛ちゃんらしいよ♪」

 

●シーン26:工事現場

 

SE:ギュウウゥゥゥーーーーーーーーーン(尚も続くエネルギー放出)

 

イクス「うあああぁぁぁーーーーーーーーーっ」

怪物「ギギギッ」

イクス「たあぁぁぁぁーーーーーっ !! 」

 

SE:ドオオオオオォォォォーーーンッ(爆音)

 

怪物「ギ…ギギギギッ」

 

SE:ボオオォォォーーーーーッ(燃え上がる炎)

   カツン、カツン(その中から歩いてくるイクス)

 

イクス「―――――燃えるシチュエーションだわ、本当…」

怪物「ギギギ―――――ギイイィィーーーーーーーーーーーッ」

 

SE:シャアアアァッ(糸を吐く怪物)

   ボオオオッ(イクスに触れて燃え上がる糸)

 

怪物「ギギギギッ !? 」

イクス「無駄無駄、今のアタシの体の表面温度、何℃だと思ってんの?

    アンタの糸なんか、触っただけで『ボッ』♪」

怪物「ギギギイイィッ!」

 

SE:シャアアァァッ(再度糸を吐く怪物)

   ヒュン、ヒュンッ、スパアァッ(事もなくそれを切り裂くイクスのツインテール)

 

男A「す、凄ぇ…髪の毛が、生きてるみてえに野郎の糸を切り裂いてる…」

イクス「―――ふふっ♪オジサン、ちょっと怖いけどすぐに済むからね☆」

男A「え?」

 

SE:ヒュンッ、スパアアッ(イクスの髪が囚われの男性の糸を切る)

 

男A「うわああぁぁっ!」

 

SE:ヒュウウゥゥゥゥーーーーーーッ

   ドサァッ(落下する男性)

 

イクス「はい、終了。砂の上だから痛くなかったでしょ?今アタシが触ると、みんな大火傷しちゃうのよ。

    ――――悪いけれど、残りの人はオジサンが助けてあげて」

男A「で、でもどうやって?」

イクス「ソコの溶接器具で糸は焼き切れるわ、お願い」

男A「分かった――――お嬢さん…アンタ、強いんだな…」

イクス「アタシじゃなくて、コイツ―――イクスがね☆」

男A「いや、強いのはアンタだよ――――俺なら気がどうにかなっちまう…アンタ、本当に凄ぇよ」

イクス「そう?ありがと♪以外に波長が合うのヨ、アタシとコイツ――――じゃ、宜しく」

 

SE:ヒュウウウッ(イクス、ジャンプ一閃)

 

怪物「ギギギーーーーーーッ」

 

SE:タッ(着地するイクス)

 

イクス「悔しそうね…初めてでしょ?今の感情は…―――――それが『恐怖』っていうのよ…

    その感情ごと、アンタの命を――――――喰らわせてもらうわっ!」

怪物「ギギギギイイイッ」

 

SE:バアアァァッ(飛び掛る怪物)

 

イクス「はああぁっ!」

 

SE:バキイィィッ(炸裂するパンチ)

   ズシャアアアァァーーーーッ(吹き飛ぶ怪物)

 

怪物「ギ…ギイィィエエェェェーーーーーーーーッ!」

 

SE:のたうつ怪物

   ザッザッザッ(近付くイクス)

 

イクス「イイ感じねぇ――――言うなら、イクス『バーニング・パンチ』ってトコかしら…」

怪物「ギギギ…ギギギキイイィッ」

 

SE:ダダダダダッ(走ってくる怪物)

 

イクス「まだ向かってくるのね――――――イイわ、相応しい最期を飾ってあげる!

    たあぁぁーーーーーーーーーーっ !! 」

 

SE:バッ、ヒュウウウウウゥゥーーーーーーーーーーッ(天高くジャンプするイクス)

 

怪物「ギギギギキイイィィーーーーーーーッ」

イクス「―――――イクス『バーニング・キイイィィーーーーーーーーーーーーーーークッ』 !! 」

 

 

SE:バッキイイィィィィーーーーーーーーーーーーーッ

   ドシャアアアァァァーーーーッ(イクスのキックで吹き飛ぶ怪物)

 

怪物「ギィエエエェェーーーーーーーッ !!!!!! 」

 

SE:ドオオオォォーーーーーーーーーーーーーンッ(爆発、四散する怪物)

   スタッ(着地するイクス)

   ヒュウウウゥゥーーーー(風の音)

 

猛(通信)「愛、撤収だ―――――よくやった…」

イクス「…了解…」

 

SE:シュウウゥゥゥ(変身を解く愛)

 

愛「―――――ゴメンなさい…助けられなくて…」

 

SE:ヴォンッ―――ドッドッドッ(バイクに跨る愛)

 

愛「……志郎、今回も違ってたわ…でも待ってて、いつかきっと『ヤツ』に―――――」

 

SE:キャアアアアアアァァッ、ブロロローーーーーーーッ(走り去るバイク)

 

●シーン27:指令センター

 

SE:指令センター内の機械音

   ダンッ(机を叩く音)

 

猛「この大馬鹿野郎がーーーーーーーッ!」

小春「――まぁた始まっちゃったぁ…」

日和「恒例行事、開始ね」

猛「いったい何だ、あの『バーニングなんとか』はっ!

  そんな名前の技なんか無いし、あってもいちいち叫ばんでもイイっ!」

愛「だーかーらー、その方がテンション上がるのヨ、アタシは☆…しつこいなぁ、もぉ」

猛「なんだ、その態度は?おーそうか、開き直りか?

  そんな事言ってる間も敵は待っててくれないんだよ!もし待っててくれたら漫画かアニメが特撮だってーの!

  ――――この際だから言わせて貰うが、大体お前は――――(以下、フェードアウト)」

小春「あの〜猛さん…またまた愛ちゃん、居なくなってますけどぉ…」

日和「恒例行事、終了ね」

猛「(フェードイン)―――でだなぁ!…ん?愛、何処行ったーーーーーーーーーっ !! 」

小春・日和『ホント、いつもの通りだわ…』

猛「ぐぬぬぬうぅぅーーーーーーーーっ…愛ーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ !!!!!!! (残響音)」

 

(第一話終了)

 

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●次回予告●

 

愛(M)「それは楽しい社会見学になる筈だった――――

  10年前のあの日、私と志郎たちを乗せたバスは幼馴染みの猛のお父さんの研究所に向かった。

  バイオテクノロジーとか、当時のアタシには訳分かんなかったけれど、それなりに面白かった。

  空が青くて、お弁当が美味しくって―――後は家に帰って、志郎の大好きなヒーロー番組を一緒に観るだけ…

  ただ、それだけの筈だった――――」

 

SE:ガシャアアアァーーーンッ(ガラスの割れる音)

 

志郎「お姉ちゃんッ!お姉ちゃあぁぁぁぁーーーーーーーーーーんっ !! 」

 

SE:ドオオオォォーーーーンッ(爆発音)

 

愛(M)「一変してしまったアタシと志郎の人生…

     そしてアタシは変わる。志郎の為に、アタシの運命の為に――――――

     次回、仮面ライダーイクス『イクス誕生』

     ―――――志郎、約束するわ…アタシがアナタの仮面ライダーになる!」

 

説明
取り逃がしたタイプ・スパイダー。
一方、復調した愛は、猛と口論となる。
その愛を嗜める隼人との会話の中、非常事態のアナウンスが響く。
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