IS-W<インフィニット・ストラトス> 死を告げる天使は何を望む |
「ではこれよりISの基本的な飛行操縦を実践してもらう。織斑、オルコット、ユイ。試しに飛んでみせろ」
クラス代表が決まった数日がたった。今、一夏やヒイロたち一組はグランドでISの実習授業をしている。まずは専用機持ちがすぐにできるので千冬はそう言った。
「わかりましたわ」
セシリアはそう言って左耳のイヤーカスフになっている『ブルーティアーズ』を起動させ、瞬時に展開させた。
「任務了解…ウイングゼロ起動」
ヒイロもウイングゼロをセシリアと同じぐらいの速さで展開した。
「早くしろ。熟練したIS操縦者は展開までに1秒とかからないぞ」
しかし一夏だけ千冬にげきを飛ばされていた。一夏はまだ慣れていないらしく展開がうまくいかないからだ。
「集中しろ」
そう言われ一夏は初めて『白式』を纏った時の自分の姿を思い出す。そして
「来い!!白式!!」
と言う気合が入った掛け声とともに白式は展開された。
千冬は内心ほっとしながらそれを見届けると次の指示を出す。
「よし、飛べ」
その声を受けてヒイロ、セシリア、一夏の順番で上昇する。
一夏もそれを追い掛ける形で上昇するが二人ほどのスピードは出せない。
「何をやっている。スペック上の出力では『白式』は『ガンダム』と同じで『ブルーティアーズ』より上だぞ」
だが一夏は飛ぶイメージがうまく出来ないらしく最後尾にいる。
「ヒイロもセシリアも早いな」
一夏の感想に対して一夏の近くによってきたセシリアは一夏に優しく言う。
「一夏さんイメージは所詮イメージでしてよ。自分がやりやすい方法を模索する方が建設的ですわ」
「そうなんだけどさ、空を飛ぶ感覚自体あやふやなんだよなぁ。何で浮いてんだこれ」
「教えても構いませんがかなり難しいですわよ…反重力力翼と流動波干渉の話になりますので…」
「わかった。説明しなくていい。俺の頭ではさっぱりだ」
と一夏はあきらめた顔をした。ヒイロはいまだ無言で翼を羽ばたかせている。
「一夏さん、よろしければまた放課後に指導して差し上げますわ。そのときはふたりきりで――――――」
『一夏っ!!いつまでそんなところにいる!早く降りてこい!!』
セシリアが一夏にアピールをしようとしたときに通信回線から怒鳴り声が響く。地上を見ると真耶のインカムを箒が奪い取っていた。一夏はいきなりだったのでかなり驚いていた。そして真耶に至っては泣きそうな顔をしている。
彼女は本当に成人なのだろうか?
『織斑、オルコット、ユイ、急降下と完全停止をやってみろ。目標は地表から10センチだ』
「了解です。ではお先に」
千冬の指示の後すぐセシリアの姿がぐんぐんと小さくなっていくのを一夏は感心しながら見ていた。そして見事に急降下と完全停止をやってのけた。ヒイロも一夏のそばでその様子を見届ける。
「上手いもんだなぁ」
「……奴は代表候補だ。あれ位は造作もないだろう」
ヒイロは普段と同じようにそう言った。
しかし、ヒイロの頭の中ではあることを考えていた。
それはISの存在。セシリアの動きと言い、もはや彼女は“兵士”と呼んでもいいレベルである。そんな争いの道具となるものを何故生み出したのか。
『篠之乃 束』
同じクラスの箒の実姉であり今から十年前にISを開発した彼女は一体何を考え、そして何の目的でISを生み出したのか…ヒイロはその答えを見つけられなかった。
そして…『ゼロ』もそのことには答えてくれなかった。
「ヒイロ、先に行くぞ」
「…ああ」
一夏がそう言ってきたのでヒイロは考えるの辞め、一夏が急降下をしているのを見つめる。だが、通常よりはるかに速いスピードで急降下をしたため…
「馬鹿者。誰が地上に激突しろといった。グランドに穴をあけてどうする」
「……すいません」
案の定、とてつもない音が響き地面に墜落したのだった。その際、グラウンドにクレーターを作ったのは言うまでもない。
それを受けて箒が一夏に近づき、文句を言う。
「情けないぞ、一夏。昨日私が教えてやっただろう」
ヒイロはその後セシリアが参加して三人で漫才をしている一夏を見ながら地上に急降下、完全停止をウイングスラスターで行った。
ちなみに以前、一夏が箒に教えてもらった時は、効果音だけで全然わからないのだった。
「織斑、武装を展開しろそのくらいは自在にできるようになっただろう」
「は、はあ」
「返事は『はい』だ」
「は、はい!」
「よし、はじめろ」
それとともに一夏が『雪片弐型』を展開する。
その速度は1秒ぐらいだった。通常、これら武装もIS展開同様に0.5秒でできるのが望ましい。しかし初心者としてはよい方だった。
「どうやら、大分慣れてきたようだな。次はオルコット。武装を展開してみろ」
「はい」
次にセシリアが一瞬でっていた六十七口径特殊レーザーライフル『スターライトmkV』を展開する。その速さは0.5秒と上出来だった。
「さすがだな、代表候補生。―――ただし、そのポーズはやめろ。横に向かって銃身を展開させて誰を撃つ気だ。正面に展開できるようにしろ」
「で、ですがこれはわたくしのイメージをまとめるために必要な―――」
「直せ。いいな」
「―――、……はい」
セシリアの弁解は認められなかった。
「次はユイ…と言いたいがお前の機体は量子変換がIS展開時のみだったな。ならいい。オルコット。近接用武装を展開しろ」
「えっ、あ、はいっ」
心の中で文句を言っていたみたいでセシリアの反応が遅かった。
セシリアはレーザーライフルを収納してショートブレードを展開しようとするが上手く形にならない。それは本人があまり使わないからである。
「まだか?」
「すぐです…。ああもう!インターセプター!」
ヤケクソ気味に叫んで武装を形成する。セシリアはかなり悔しそうな顔をしていた。
ヒイロと戦った時も使うかなり前から用意していたからショートブレードを呼び出すのは苦手なのだろう。
「…どれだけかかっている。実戦で相手に待ってもらうつもりか?」
「……以後気をつけます」
ヒイロとの戦いでプライドの一部を捨てている彼女は自然とそう答えた。
「練習あるのみだ。……時間だ。今日の授業はここまでだ。織斑、グラウンドを片付けておけよ」
ヒイロは解散と言われたのでふと一夏の方を見た。
一夏はグランドの穴を塞ぐのを手伝ってほしいような目でヒイロを見つめる。まるで雨の中捨てられた子犬のように。
セシリアと箒は既にいなかったのでヒイロは無言のまま一夏に近づき、
「……さっさと終わらせるぞ、一夏」
「…ゴメン、ヒイロ」
手伝うのだった。
「ふうん、ここがそうなんだ…」
その日の夜、学園の正面ゲート前に一人の少女がいた。
小柄な体に不釣り合いなボストンバッグを持ち、長い黒髪を高い位置でツインテールで纏めた少女はゲートを通り敷地内をずんずんと進んでいく。
「えーと、受付は…本校舎一階総合事務受付……どこよそれ」
上着から出したメモをポケットに突っ込み案内出来そうな人を探す。
一瞬ISを展開して探そうかと考えたが日本が誇るあらゆる法律を乗せ、時には某北海道のどこかにあるレストラン、○グナイアでバイトをしている小っちゃいの大好き主人公の姉の武器にもなる○○全書を上回る厚さの学園内重要規約書を思い出してやめた。
転入が済んでいないのに外国でISを展開したら外交問題に発展する恐れがある。それだけはやめてくれと情けない顔をして少女に懇願していた政府高官や軍関係者 (叔父)が少しも不憫だと思わないのがこの少女だった。
(…元気かな、あいつ)
力や年齢で偉そうにする男や大人が嫌いな彼女。と言っても、この少女は女尊男卑も好きではない。なので好きな男ぐらいいる。今回のIS学園への入学はぶっちゃけそれが目的であった。
「だから…でだな」
ふと聞こえてきた声に、『案内役発見!!ラッキー!!』と言わんばかりに反応し声のした方へ向かっていく。
「だからそのイメージがわからないんだよ。何だそのクイッて感じは」
「…クイッて感じだ」
「だぁもうそれがわからないんだって。ヒイロも『体で覚えろ』しか言わねぇし…って待てって箒!!」
向かった先にいたのは――再開を待ち望んだ少年。
その姿を視界に捕えた時少女の鼓動はギアを上げたようにペースを速めたが、彼の隣にいる女の子、そして彼がその女の子の名前を呼び親しそうにしているのを知って彼女の感情は氷点下まで下がった。そして目からは光が消えている。
外から見ると頭が逝った人にも見えた。
それからすぐ受付は見つかった。
彼を目撃した場所のすぐ近くが本校舎だったからだ。
「では、これで転入手続きは終わりです。IS学園へようこそ、((凰|ファン)) ((鈴音|リンイン))さん」
愛想のいい事務員の言葉が届かないほど鈴音…以後愛称の鈴と呼ぶが、鈴は不機嫌だった。
「織斑 一夏って何組ですか?」
「織斑くんは一組ね。凰さんは二組だからお隣よ。そうそう、あの子一組のクラス代表になったんですって。織斑先生の弟さんなだけあるわね〜。あと一組と言えばもう一人男子がいるのよ」
鈴はそれについて聞かされていた。
日本の倉持技研の新プロジェクトのテストパイロットの一人が男でそのISがとてつもない力を秘めていると軍部から…
しかし、今の鈴にそんな話は関係ない。
「二組のクラス代表ってもう決まってますか?」
「決まっているわよ」
「誰ですか?」
「え、ええと…聞いてどうするの?」
事務員は鈴音の様子に疑問を感じて戸惑うように聞いた。
「クラス代表を譲ってもらおうかと思って」
そのにっこりとした笑顔のこめかみには血管がばっちりと浮いていた。
それを見た受付の事務員は涙目になっていたのだった。
「というわけでっ!織斑くんクラス代表決定おめでとう!」
「「「おめでと〜!!」」」
ものスゴイ勢いと量で乱射されるクラッカーと三十人を超す女子達の洗礼を受ける一夏。
クラスメイトとの唱和と共に、食堂で行われる織斑一夏クラス代表就任記念パーティーが始まったのだ。
無論、一組の人数は現在31人(一夏、ヒイロ入れて)なのだが…それを超える女子がいるってことは他のクラスまたは先輩たちが紛れ込んでいる。
「……………はぁ」
周囲の女子が各々盛り上がってる横で、当の一夏は深いため息をついていた。
「……随分深いため息だな」
その声を聴いて振り返るとヒイロがコップ二つを持ったまま一夏を見ていた。ヒイロは参加するつもりはなかったが、本音に捕まり、連れてこられたのだった。
「ん?あぁ…もらっていいか?」
「好きにしろ、これは本音に押し付けられたものだ」
2人で座ってジュースを飲む。
ヒイロもこういうのはあまりしなかったので自身でも不思議な感覚に襲われていた。
(……悪くはないがな…)
と内心思っているのでいいのだが、一夏の様子をみてヒイロはつぶやいた。
「…クラス代表、気に入らないのか…」
「気に入らない……というのはちょっと違うんだよな。まあ元々やりたいかやりたくなかったかと言えば、やりたくはなかったけど…納得がいかないが正しいかもな」
「…負けたのに、結果、クラス代表だけは自分の方に転んだのが納得いかないのか?」
「あぁ、そんな感じだな」
「……この立場を利用して、強くなれ一夏。お前は戦いのときが一番集中している。……戦っている時が一番成長している。だから利用しろ、お前が求めるもののためにもな…」
ヒイロがそう言うと一夏は
そうだな…そうだよな…とつぶやき、やる気を出した。二人が沈黙を保ちながら目の前のポテトを食っていると鏡をかけた女子がやってきた。リボンから察するに彼女は二年生であった。
「はいはーい、新聞部でーす。話題の新入生、織斑 一夏君とヒイロ・ユイ君に特別インタビューをしに来ました〜!」
オーと盛り上がる女子一同。食堂にいる全員の注目をいまや集めている一夏。
気づいたらそわそわした様子のセシリアや、ぶすっとした顔でお茶を飲んでいる箒が一夏の近くに陣取っている。ヒイロは箒がその時ものすごい形相をしていたので変わってやったのだった。
「あ、私は二年の((黛|まゆずみ)) ((薫子|かおるこ))。よろしくね。新聞部副部長やってまーす。はいこれ名刺」
ずいっと差し出された名刺を受取る一夏とヒイロ。そして名刺を受取るとずずいと今度はボイスレコーダーが迫って来た。一夏からしてみればこの学園に来てもインタビューされるとは思ってもみなかった。
「ではではずばり織斑くん!クラス代表になった感想を、どうぞ!!」
「え〜っと…皆の期待に応えて頑張ろうと思います」
「え〜。もっと良いコメントちょうだいよ〜。『俺に触るとヤケドするぜ!』とか!」
随分ネタが古く、今時漫画でもそんな台詞使う奴いないのに使う薫子。
それに対して一夏は…
「自分、不器用ですから」
と高○ 健の有名なセリフで対抗した。
「うわ、前時代的!!…じゃあまあ、適当に捏造しておくからいいとして」
捏造…っておい!!と言う反応を示すこの場全員をスルーする薫子…かなりやり手だ。
「ユイくん、同じ男子としての一言!!」
ヒイロはそう言われてもインタビューはされたことはない。
元々、今ではまだ協調性があるが、昔は皆無だったので、そう言うのにも無視していた。
なので、戸惑いを感じていたが、とりあえず…
「…俺は…俺のやるべきことをやるだけだ」
と言った。
「ふ〜ん…。じゃあっ適当に捏造しておこう♪」
「……………」
ヒイロは無言で薫子を見つめ…いや、にらんだ。
「あははは!冗談だって。そんなに驚かなくてもいいじゃない。そんじゃ、セシリアちゃんもコメントちょうだい」
「あまりこういったのは得意ではないのですが仕方ないですわね。――コホン、では何故今回私がクラス代表を辞退したかとm「長くなりそうだからいいや。こちらで捏造しておくから」さ、最後まで聞きなさい!!」
マスメディアの鏡にも置けないような発言をしまくる彼女はどうしたものか…
一夏とヒイロは呆れていると
「じゃあ最後に専用機持ちで写真撮っちゃおう。セシリアちゃんと織斑くんとユイくんそこに並んで」
黛に言われたので三人で並ぶ。
(あ、あの後で一夏さんとのツーショットいただけませんか?)
(ふむ…。今度織斑くんの情報くれるなら)
(交渉成立ですわ!!)
(毎度あり〜)
…セシリアが黛と何やら話していたがヒイロは無視することにした。興味もないし、何より…………邪推な気がするからであった。
「じゃあ撮るよ〜。35×51÷24は〜?」
「74.375だ」
「ヒイロ…なんで一瞬で答えられるんだ?」
と一夏が聞いている時に写真のシャッターが切られた。ちなみに写真にはここに居る全員が入っていたもちろん一夏の隣は箒だった。
「あ、あなたたちねえっ!」
セシリアが騒いでいたけど周りの女子は
「いいじゃんいいじゃん」
「セシリアだけ抜け駆けはないでしょー」
「クラスの思い出としてさ」
と言った。
その後、パーティーは十時過ぎまで続いた。ちなみにセシリアが一夏とツーショットを撮ろうとして他の女子と騒ぎになったのは言うまでもない。
ヒイロは初めて、戦闘以外で疲れた。女子のテンションが異常で体力はあそこまであるのか…と信じられなかったからだ。そして普段とは考えられないこと…たとえばポテトをもった女子30人がヒイロに『あ〜ん』をしようとしたりなどがありヒイロの体力は限界に来ていた。その日は研究室に戻ってそばに簪が作業をしていたがそのまま通り過ぎでベットにダイブ。すぐに眠りについた。
簪はヒイロに近づき布団をかけてやった。ヒイロは本来訓練で自分に近づくものがいると目が覚めるのだが、最近は殺気を感じたときだけになったので簪は簡単に近づくことができた。そして…
「――――ちゃん」
と言ったのだった。
翌日、何とかパーティーの疲労から回復したヒイロたちは、席に着くなりクラスメイトに話し掛けられた。
「織斑くん、ユイくん、おはよー。ねぇ、転校生の噂聞いた?」
「転校生?今の時期に?」
「そう、中国の代表候補生だって」
このIS学園の転入はかなり厳しく、試験だけでなく国からの推薦も必要なのであるのだが…中国の代表候補ならあり得る。
ヒイロとしてはその情報源がどこかは気になるところだった。一方、一夏は
(中国か…。あいつ、どうしてるかな…)
とかつてのセカンド幼馴染を思い出していた。
「あら、私の存在を今更ながら危ぶんでの転入かしら」
今日も腰に手を当て髪をもう片方の手で流すセシリアがヒイロたちの後ろから登場した。
イギリスの女性…いや、ヨーロッパの女性はこの動作は癖なのだろうか?とヒイロはかつて、同じような仕草をしていたドロシーを思いだしていた。
「このクラスに来るわけではあるまい。騒ぐ必要は無い」
いつの間にか箒も近くに来ていた。一夏、ヒイロの席から箒の席まで4mはあるはずだがテレポートでも使ったのだろうか?
「それよりも、来月はクラス対抗戦だろう」
「そうですわ、一夏さん!是非一夏さんには勝ってもらわないと。ですからより実戦的な訓練をするために、この私、セシリア・オルコットが相手を努めさせていただきますわ」
普通の生徒が訓練機を借りるのには申請、許可、整備に一日費やしてしまうから専用機を持っているセシリアや明らかにこの中では一番強いヒイロにやってもらった方がいいだろう。
「男たるものなら勝ってみせろ一夏」
「一夏くんが勝つとクラス皆が幸せだよ!」
「フリーパスのためにも!」
「今年から2対2だからヒイロンもおやつのために〜〜〜」
優勝クラスには学食デザート半年フリーパスが配られる。そして今年からより実践的にするために各クラスの代表とその補佐役が出場する。
一組は一夏と補佐役のヒイロなので本音はヒイロの後ろから抱きついてお願いした。
ヒイロはそれをゆっくり引きはがす
「専用機持っているのはあと四組に一人と二組の早瀬さんぐらいだから楽勝だよ!」
「おう」
「……了解した」
と一夏とヒイロは答える。しかし………
「その情報、古いよ」
「「「……!?」」」
急に声が聞こえた。ヒイロは気配から気づいていたが他は気が付いていなかった。
そして、一夏にとってはどこか懐かしい声が聞こえたような気がした。
「二組も専用機持ちがクラス代表になったの。そう簡単には優勝出来ないから」
声の主…、教室の入り口で腕を組み片膝を立ててドアにもたれている女子を一夏や周りは見る。
「鈴……?おまえ、鈴か?」
そこにいたのは一夏にとって中学の時別れたっきりの…。
「そう、二組代表になった中国代表候補生 ((凰|ファン)) ((鈴音|リンイン))!!。今日は宣戦布告に来たってわけ。久しぶり、一夏!!」
小さな笑みを浮かべ、トレードマークのツインテールを揺らす一夏のセカンド幼なじみこと鈴がそこにいた。
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第08話 転校生はセカンド幼馴染 | ||
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