第十二話:期末テスト大作戦・後編
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〜side ???〜

 

暗く、何処までも暗く・・・。

 

何処までも冷たい世界でわたしは生まれ、日の光を自由に見る事も許されず生きてきた。

 

それをわたしは普通だと思っていたし、皆もまた当然だと思っていただろう。

 

唯、牢獄のような世界で生き続け、利用され、死ぬまで自由など許されない。

 

だがわたしに生まれた価値がそれしか無いのならば、それで良いと思った。

 

誰に知られる事も無く、人の心に残る事無く、わたしと言う存在は消えていくのだと・・・。

 

しかし・・・ある日、わたしはある人に助け出された。

 

その人はわたしに自由をくれた、己の足で進む事を教えてくれた。

 

その人はわたしに『愛』と言う感情を教え、暖かく眩い光をくれた。

 

そしてからっぽなわたしに誇りを、夢を、信じる事を教え・・・わたしに失う事の悲しみを教えた。

 

わたしがわたしである事の大切さを教えて・・・わたしの前から逝ってしまった・・・。

 

貴方がもう一度、わたしの前に来てくれるなら・・・わたしはもう、何も要らない。

 

だから神よ・・・存在するのなら教えてください。

 

なぜわたしからあの人を奪ってしまわれたのですか・・・・・。

 

〜side out〜

 

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夢、現・・・人は必ず夢を見る。

 

夢の中で人は蝶となり、大空を己が羽で舞い続ける。

 

だが、果たしてそれは夢なのか、それとも現なのか―――

 

己が夢の中で蝶となったか、それとも蝶が人となる夢を見ているのか?

 

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「う、うーん・・・あれ、ここ・・・どこ?」

 

「やっと起きたか・・・全く、いつまでもグースカ寝てんじゃねぇよアホが」

 

明日菜が目を覚ますと、目の前にはサイが胡坐で座っている。

周囲はまるでどこぞの地底世界のように木々が生え、その間から光が降り注ぐ。

滝や小川のように清らかな水が流れ落ち、到る所に本が入った棚が置いてあった―――

 

「って、此処はどこなのよ〜〜〜〜〜〜!?」

 

「俺が知るか、そこのちみっ子が説明したそうな表情してるから知ってんだろ」

 

「・・・誰がちみっ子ですか、誰が。

そもそも貴方もさほど身長に違いは無いではありませんか。

コホンッ、此処は恐らく幻の『地底図書室』と呼ばれる場所でしょう」

 

ちみっ子扱いされた夕映はサイの悪態に律儀に返すとこの場所の説明を始める。

彼女の話によると、地底でありながら暖かい光に満ち、数々の貴重品に溢れた本好きにはまさに楽園という幻の図書館らしい。

 

・・・ただし、この図書館を見て生きて帰った者は一人も居ないらしいが。

まあとにかく、脱出困難だと言う事は理解出来ただろう。

 

「え、ちょ、ど・・・どうするアルか!?

それでは明後日の期末テストまでに帰れないアルよ!!」

 

「それどころか、私達このままじゃおうちかえれないんじゃ!?

あの石像みたいのもまた出るかもだし!!」

 

「あ、あううう・・・。

み、皆さん、落ち着いてくださいぃぃぃぃ!!」

 

状況を理解してパニックになるバカレンジャー&ネギ。

その姿を見てサイは溜息を一つ吐くと面倒臭そうに呟く。

 

「あ〜、ピイピイ五月蝿ぇな。

こう言う状況になっちまったんだ、今更慌てた所で何も変わらねぇだろうが。

これに懲りたら次からは眉唾事には手を出さねぇ事と、安易な楽はしねぇ方が身の為だって事は覚えとけバカ共」

 

そうするとサイはネギの耳元で呟く。

 

「おいネギ、こんな状況でテメェまで慌ててどうすんだ。

テメェはまがりなりにも担任だろ、だったら此処に居る奴等を勇気付けるなり何なりしてやれや」

 

サイの言葉にハッとしたネギ。

そうだ、このような状況こそ引率である自分が落ち込んでいて何になるのか。

ネギはサイに小さな声で『ありがとう、お兄ちゃん』と伝えると未だ慌てているバカレンジャー達に声をかけた。

 

「み、皆さん元気を出してください!!

お兄ちゃ・・・い、いえ、サイさんが言う通り慌ててても状況は変わりません!!

それに根拠は無いですけどきっと直ぐに帰れますよ!! 諦めないで期末に向けて勉強しておきましょう!!」

 

ネギの楽観的な言葉は皆を元気付けたようだ。

今まで困った表情をしていたバカレンジャー達の表情にも笑顔が出る。

・・・幸いな事に教科書やテキストには困らないようだ。 この用意の良さにどこか意図を感じるが。

 

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と・・・そこでサイは何処かに勝手に行こうとしていた。

 

「あ、ちょっとアンタ、何処行くのよ?」

 

「五月蝿ぇな、テメェ等にゃ関係ねぇだろうが。

あぁそうだ便所だ便所、それに俺はキティ(エヴァの事)と茶々丸から借りたアンチョコ帳があるから勝手にやらせてもらう。

元々此処に来なけりゃテメェ一人で覚えてた所だしな・・・そもそも俺は群れるのは好きじゃねぇ」

 

そう勝手な事を言うとさっさと何処かに行ってしまうサイ。

そんな彼の態度に、明日菜とまき絵と夕映は口々に文句を言い始めた。

 

「な、何よアイツは!? 普通こう言う時は皆で協力するものじゃないの!?」

 

「そ〜だよ!! 折角ネギ君が皆を勇気付けてくれたのに!! 格好付けてるだけじゃん!!」

 

「・・・団体行動を乱す人物とは必ず居ますが、彼の場合は特にダメですね」

 

だが、そんな三人に対して楓、古、木乃香は文句を一つも言わない。

寧ろ木乃香など、どこか心配そうな表情でサイの向かった方を見ている・・・いくら木乃香が天然でポヤッとしているにしてもこれ程に心配そうな表情をするだろうか。

 

「ふむ、少し行って来るでござるよ、皆の衆」

 

そう言うと楓はサイの向かった方向へと向かう。

「あんな奴放って置きなさいよ」などと明日菜が言うが、それに対して古が呟く。

 

「アスナ、ダメアルね。

ワタシ、知っているアル・・・明日菜達よりもかなり前に気が付いてたから。

サイは・・・アスナ達が目を覚ますずっと前から少しも寝ないで危なくないか見張ってたアル」

 

「えっ・・・古ちゃん、それどう言う事!?」

 

明日菜の問いかけに今度は木乃香が答える。

・・・彼女は天然だがとても優しい、そして“人の嘘”を見抜く事も少なくはない。

彼女もまた、古やら楓よりは起きるのは遅かったが、サイが休む事無く動いていた事を知っている。

 

「アスナ、サイくんは食料探しとか、出口探す為に休まなかったんやえ。

その証拠にほら、向こうにキッチンとか食材がある事を見つけといてくれたんや。

サイくん、口は悪いけど・・・気を失ってたウチらの事を心配しててくれたんやと思う」

 

そう・・・サイは実は下に落ちてから一睡もしていない。

この場所に危険がないか、脱出口はないか、食糧などはあるかという事を彼女達が気絶している間に調べていてくれたのだ。

元々魂獣解放をほんの少しの間だけしか使っていないとは言え、あれを使った時点で体力や法力の殆どは奪われてしまうのだから。

 

「アスナさん・・・おに、いやサイさんは確かにいつも口が悪いです。 冗談言ったりもしますし。

でも、冗談抜きで言う時は何時でもボクらを発破掛けたり、道理が通らない事をした時にしか言ってません。

あれは本気でボク達を心配してるんだと思います」

 

ネギにもそう言われ、文句を言っていた三人は静かになる。

思えば確かに、サイは口が悪く冗談交じりに言っているが・・・時より年齢不相応な表情になって辛辣な事を言う時は、いつも誰かの為になる事だけだ。

それに彼は余計な事は言わず、やるべき事を実行している―――賞賛やら見返りやらなど求める事もなく。

 

『ガサガサッ』・・・。

そんな草木を掻き分けるような音がする方を向くと、楓が戻って来ていた。

 

「長瀬さ・・・『し〜、静かにしてあげるでござるよ、サイ殿は向こうで絶賛居眠り中でござるから♪』・・・うん」

 

どうやらサイは皆が起きた事によりやっと安心出来たようだ。

皆から見えない裏の方へと向かい、何十時間ぶりにゆっくりと休めたのだろう。

それを聞いた先程サイに文句を言っていた三人は、心の中でサイに謝っていた―――

 

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――― 一方その頃、地上では。

 

「何ですって!? 2−Aが最下位を脱出しないとネギ先生と光明司さんがクビに!?

どうしてそのような大切な事を言わなかったんですの、桜子さん!?」

 

同じクラスの出席番号17番の椎名桜子(しいなさくらこ)から覗いて見てしまったネギの課題の内容を語られた委員長ことあやかは大声を上げる。

 

「あぶぶっ!? だ、だって先生に口止めされてたし、サイくんにも『余計な事は言うな』って言われてたし!!」

 

その言葉に委員長は手を離す。

このままでは熱烈LOVEのネギと、何処となく“昔の自分”と同じような目をしていた為か気を掛けていたサイがクビとなってしまう。

外見に似合わず友人やら気を掛けた人物、つまり友達想いなあやかは皆に発破を掛ける。

 

「とにかく皆さん、テストまでしっかり勉強して最下位脱出ですわよ。

その辺の普段真面目にやっていない方々も、良いですわね!?」

 

だがその時、のどか&友人の早乙女ハルナ(通称:パル)によってバカレンジャー+αが行方不明になったという凶報が齎された。

 

「みんな、大変だよ!!!!

ネギ先生とサイくんとバカレンジャーが行方不明に!!」

 

「「「「「・・・え゛っ(やっぱりダメかも・・・)」」」」」

 

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ネギ達の行方不明と言う知らせに大騒ぎになる2−A。

しかし相も変わらずエヴァンジェリンは落ち着いて騒ぐ者達を傍観していた。

 

「やれやれ・・・あのバカは本当に面倒事に巻き込まれるのが好きだな」

 

「・・・皆さんは大丈夫でしょうか、マスター」

 

心配そうに安否の知れない者達を思い、呟く茶々丸。

まあ・・・正確に言えば、その中でもある人物に対して無意識に一番心配していたが。

 

「まあ、心配要らんだろう。

あそこはジジイがいつも目を光らせている場所だ・・・大方今回の事もジジイの思惑か何かだろう。

それに茶々丸、お前は忘れている。 奴は私の心の壁を悉くぶち破り、全力の私をぶっ飛ばした男だぞ?

この程度の状況など『関係ないね』などと言いながらいつものアホ面を見せるさ。

私の認めた男なのだ、心配はない・・・問題はそれより、作り過ぎた弁当をどうするか、だ」

 

エヴァの目線の先には、明らかに二人で食べるには多すぎる量の弁当箱が見える。

・・・それを見ながら自然とエヴァは笑い、茶々丸は表情には出さなかったが嬉しげだった。

 

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―――翌日、日曜日となり試験まであと一日と迫ったその頃。

他のバカレンジャー達がネギと共に勉強に勤しみ続ける間、サイは爆睡し続けた。

・・・後々に解った事だが、魂獣解放(スピリッツバースト)は今のサイにとっては心身ともにかなりの疲労を与えるらしい。

更に疲弊した状態を回復する為に一種の短い『冬眠状態』に陥るらしく、その状態の時はどんなに起こそうとしても起きないのだ。

 

「・・・ん〜? ファァァァ、良く寝た」

 

起きた時にサイの耳に響く少女達がはしゃぐ声。

丸一日以上寝ていて鈍った体を動かしながらサイの足は自然と声のする方向へと向く。

 

「あん? 何やってんだテメェ等?」

 

その声が響き、其処に居る者達の姿がサイの目に入った瞬間―――

 

一瞬で少女達の時が止まった。

 

「「「き・・・ききききき・・・・」」」

 

「んだよ、木なんぞ周りに腐る程あるだろうが」

 

サイは興味も無くそう返す。

本来、今の状況は普通の男子なら落ち着ける訳など無い筈なのだが。

何故なら、サイの目に入ったのは・・・裸のまき絵&古&楓だったのだから。

まあどうやら楓は強いてあまり気にしては居ないように見えるのだが? (表情が表に出ていないだけか?)

 

「「「きゃあああああっ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!」」」

 

「五月蝿ぇなあ・・・あぁ、何だ湯浴みの最中かよ。

悪かった、悪かった、こちとら今起きたばっかでボーっとしてたモンでよ。

まあ、犬に噛まれたとでも思って諦めてくれ」

 

・・・慌てて水の中に体を沈める三人。

それは当然だ、原作の場合は男とは言え10歳(満9歳)の少年に見られただけなのだから冗談で済む。

しかしサイは外見はネギと同じ位でもれっきとした同級生だ、恥ずかしさの度合が違う。

顔を真っ赤にしてサイの顔を見ている三人に罪はあるまい。

 

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「・・・見た、でござるな?(ボソッ)」

 

「あぁ? なんか言ったか、細目女?」

 

良く見れば、細目に少々涙を滲ませている様に見える楓。

プルプルと小刻みに、まるで子犬のように震えながらサイの方を見て返す。

 

「乙女の柔肌を家族以外の男(おのこ)に見られるなど・・・。

ええいっ、サイ殿!! かくなる上は責任を取ってもらうでござるよ!!!!」

 

「・・・は? 何物騒な事言ってんだテメェは?」

 

・・・どうやら楓、昔の忍びのような喋りかたしているだけあり考え方が古風のようだ。

まっ、責任などと言われても当の加害者であるサイには全く理解出来ないのだが。

すると、ややこしい事にもう一人暴走する小娘が居た―――

 

「サ〜〜〜〜イ〜〜〜〜〜!!

ワタシの裸見るなんて良い度胸アルね〜〜!? 未来の婿殿にしか見せる心算無かったアルよ!!」

 

「・・・いや、だから不可抗力だと言ってるだろが。

そもそも見られたくなけりゃ俺が寝ている付近で湯浴みなんぞしなきゃ良いだろう?」

 

そんな言葉で婦女子の心が収まる訳など無い。

特にこの二人のように古風なタイプの者達になど通じる訳などあるまい。

・・・微妙に虎の尾を踏んでしまったような気がするが。

 

「許さんアル!! こうなったら責任とってワタシの婿になれアルよサイ!!」

 

「いや、だから何でそうなる?」

 

サイにとってはどうでも良い事。

そもそも良く考えてみれば、少し前(二日前?)にサイ自身も半裸を見られているのだが。

まあ、男と女とでは見られるという事の度合は違うだろう。

 

「ちょ、ちょっと待つでござるよ、古!!

拙者が責任を取ってもらうでござるぞ!? お主は下がっておれ!!」

 

「何言ってるアルか楓!!

そもそもサイを最初に目をつけたのはワタシアル!! 楓こそ引っ込んでるアルよ!!」

 

仕舞いにゃ言い争いを始めるバカブルーとバカイエロー。

尚、古の『目を付けていた』と言うのは最初は本気で楽しめそうな相手と言う意味で目を付けただけだ。

しかしそれはどうやら、楓も同じく『別の感情も孕んでいた』ようだ・・・ぶっちゃけ二人は気付いていないが、最初のクラスでの洗礼の時の華麗な姿に『一目会ったその日から、恋の花咲く事も在る』状態なのである。

 

「はぁ・・・バカに付き合ってても面倒臭ぇ。

おいバカピンク、此処から出たら詫びに何か奢ってやるからそれで許せ。

あそこのバカ二人にも気付いたらそう伝えておいてくれや・・・はぁ、本当に疲れるぜ」

 

「んも〜、しょうがないな〜。

じゃあ、此処から出たらスイーツ奢ってねサイくん♪

あとさ、まき絵だよ私の名前は・・・バカピンクは止してね♪」

 

『スイーツって何だ?』

などと言う初歩的な疑問を浮かべながらサイは後ろを向くと手を振りながら去って行った。

ちなみにその間、バカブルー&バカイエローは言い争っていて気付かなかったとさ♪

 

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「はぁ・・・冗談じゃねぇよ全く」

 

命からがら(でもないか?)乙女(ヲトメ)の修羅場を乗り越えてきたサイ。

だが悲しいかな、修羅場というのは意外と続くものである。

 

「って・・・アンタ、こんな所で何やってんのよ!?」

 

いきなり後ろから声を掛けられるサイ。

そこで止せば良いのに、学習していないのか気にもせずに後ろを向いた。

・・・その瞬間、サイは顔に思いっきり水を叩き付けられたのだ。

 

「あぁ? 誰だ・・・ブハッ!?」

 

「見るなぁぁぁ、このバカァァァァ!!!!!」

 

水の所為ですっ転ぶと、その原因が誰なのか理解出来た。

其処にはバスタオルを体に巻いた明日菜が仁王立ちのように立っていたのだから。

 

「オイオイ・・・厄日って奴は続くのかよ。

てか、俺は何か悪霊にでも取り付かれてるんじゃねぇだろうな・・・」

 

「うっさい、このバカ!!

起こしてもいつまでも起きないし、起きたと思ったら人の事覗くし・・・喧嘩売ってんのアンタは!?

そもそも二日も眠り続けてるんじゃないわよ!!」

 

「知るかアホが、それに人が何してようがテメェにゃ関係ねぇだろ?

ピーチクパーチクヒヨコみてぇに騒いでんじゃねぇよ、耳障りで仕方ねぇわ全く・・・」

 

怒気を放つ明日菜と冷静に文句を返すサイ。

だが・・・そこでふと、明日菜が小さな声で何かを呟く。

 

「・・・・・・ったわよ」

 

小さな声だった為聞えなかったのか、サイは「あぁ?」と聞き返す。

うむ、この男・・・確実に誰に対しても喧嘩を売れる人物だろうと思われる。

大方文句でも言ったのだろうと聞き返すが、返って来た言葉は意外なものだった。

 

「悪かったわよ・・・。

アンタ、アタシ達が目を覚ますまでずっと危なくないか見張ってたんでしょ?

そんなアンタに二日前、何も知らないで文句言ってたから」

 

彼女は自分が間違っていたと思えば謝れる人物なのである。

 

「・・・はっ、何の事だか知らねぇよ。

それに謝られる必要なんてこれっぽっちもねぇ・・・俺はテメェで勝手に捜索してただけだ。

自分で好きな事やってんだ、感謝も謝罪も俺には必要ねぇ」

 

相も変わらず悪ぶるサイ。

そんな天邪鬼な彼に明日菜は溜息を吐きながら・・・と、次の瞬間。

 

「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」

 

少女の悲鳴が周囲に鳴り響いた―――

 

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「大変やアスナ〜〜〜!! あっ、サイくんも居たねんな!! 大変やねん!!」

 

響き渡る悲鳴に走り込んで来る木乃香。

彼女の表情を見れば、緊急事態だというのは直ぐに解る。

呼ばれて一緒に向かうと其処には・・・二日前に此処に落とされる事になった原因のゴーレムが、まき絵を手で握っていたのだ。

更にサイをムカつかせた口調でゴーレムは言う。

 

「フォフォフォ、此処からは出られんぞ・・・もう観念するのじゃ!!

迷宮を歩いて帰ると三日はかかるしの・・・『オイ、デカブツ』・・・フォ? 何じゃ小童?」

 

三日もかかってしまえば試験は受けられない。

絶望的な言葉に皆がうなだれる、しかし台詞を言おうとした所をサイに邪魔されるゴーレム。

そこでサイが語ったのは皆の絶望を払拭する言葉だった。

 

「出口ならもう既に見つけてるぞ。

まあ・・・それを言う前に俺が寝ちまったから説明してなかったがな。

オイテメェ等、さっさとその先の滝の裏まで全速力で走れ」

 

「「「「「・・・えっ?」」」」」

 

そんな惚けた表情で聞き返すバカレンジャー達。

サイはゴーレムが自分の言った言葉に驚いている間にまき絵を掴んでいる方の腕を蹴り上げて助け出し、楓に投げ渡してから怒鳴って言い返す。

 

「えっ? じゃねぇ!! さっさと走れこのアホ共!!」

 

怒鳴り声にビクッっとした明日菜達は言われた通り滝に向かって走り出す。

しかもちゃっかりとしていると言うか何と言うか、ゴーレムと共に落ちてきた魔道書『メルキセデクの書』をいつの間にか手にしながら。

 

「フォ、フォォォォ!? ま、待つのじゃ〜〜!!」

 

此処から始まるはゴーレムと人間(一人、半人間)の追いかけっこ。

滝の裏側にあった非常口と書いてあったドアには問題が付いていたが、何故か簡単に解けてしまう。

そのまま螺旋階段を進むと所々に数学やら歴史やら現文やらの問題があったが、バカレンジャーの名を払拭するかのようにすらすらと問題が解けていく。

 

しかし・・・何事も油断とは命取りだ。

偶々螺旋階段に生えていた木の根っこのようなものに足を取られ、夕映がこけてしまった。

 

「こ、こんな所に木の根が・・・あ、足を挫きました。

み、皆さん先に行ってください・・・ネギ先生、この本があれば最下位脱出が・・・」

 

夕映は自分が足手纏いにならないように魔道書を託そうとする。

しかし・・・。

 

「チッ、鈍臭ぇ女だな・・・ほれ、ちっと掴まってろ」

 

「わ、わわっ!? あ、あの・・・」

 

サイが倒れた夕映をお姫様抱っこすると走り出す。

身長は殆ど変わらないので、どう考えても重い筈なのだが・・・サイは顔色一つ変えない。

其処まで体が鍛えられていると言う事だ。

 

「あ、ありがとう、です・・・サイさん・・・」

 

「口開くんじゃねぇ、舌噛んでも知らねぇぞ?」

 

恥ずかしいのか顔を紅くしながら礼を言う夕映を抱いて全速力で階段を登るサイ。

尚、そんなサイを後ろから(全速力故に先頭に居る)羨ましそうに見ている視線が二つあった。

勿論それは、サイに裸を見られて責任云々などと言っていた楓と古だ。

 

「こら〜サイ!! イチャイチャするなアル〜〜〜〜!!」

「サイ殿〜〜〜!! 拙者と言う者がいながら!! は、破廉恥でござるぅぅぅ!!」

 

「・・・何なのですかアレは?」

「・・・俺に聞くな」

 

そんなこんなで数々の問題を解き、螺旋階段の終わりまで登り切った一行。

まだ地上は遥かに上のようだが、其処には地上への直通の高速エレベーターがあった。

 

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「み、みんな、早く乗って乗って〜〜〜!!!」

 

「フォォォォ!? ま、待て、魔道書を返すのじゃぁぁぁ!!!」

 

横の壁を破壊しながら迫るゴーレム。

急いでエレベーターに乗り込む一行、しかし現実とは“楽”が許される程甘くはない。

 

『ブブーーーーーー!! ―――重量OVERデス』

「「「い、いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」」」

 

悲しいかな、重量過多により無常にもエレベーターは動かない。

どうやらほんのちょっとのオーバーの為、服を脱いで軽くする明日菜たち。

・・・てか、お前等。 少しは恥らい持てよ。

 

しかしパンティ一丁になるまで服を脱ぐも、ブザーは鳴りっぱなしだ。

そんなバカな行為をしてる間に遂にはゴーレムに追いつかれ、逃げ場を無くしてしまった・・・。

 

「フォフォフォ、追い詰めたぞよ〜〜〜!! さあ、覚悟するのじゃぁぁぁぁ!!」

「キャアアアアアアアアアア!!!」

 

まさに絶体絶命―――最早もう終わりかと思った、次の瞬間。

咄嗟にエレベーターから降りる人物が居た―――それはなんと、まだ魔法が封印されたまんまのネギだ。

 

「ボクが降ります!!

皆さんは先に行って明日の期末を受けてください!!」

 

その姿は実に凛々しい。

ネギは解っているのだ・・・例え魔法が使えなくても、傷だらけになっても、護るべき『誇り』があると。

其処に居たのは頼りない子供先生ではない・・・一人の戦士の目をした人物だ。

 

「動く石像(ゴーレム)めっ!! ボクが相手だ!!」

「フォフォフォ、良い度胸じゃ・・・くらえ〜〜〜〜い!!」

 

ゴーレムの腕がネギに迫る。

今の状態は10歳の子供と全く変わらないネギにとって、こんな一撃を喰らえば下手すれば致命傷だ。

だが、ネギは逃げずに明日菜達を逃がす為に一歩も退かない!!

 

しかし無慈悲にゴーレムの拳がネギに迫る・・・絶体絶命の状況に、ネギは目を瞑った。

 

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―――その時だった。

誰かが優しくネギの頭に手を置いたのだ・・・。

 

「中々良い啖呵だったぜ。

お前、根性あるじゃねぇかネギ・・・全く、一瞬出る機会を失っちまった」

 

「・・・えっ・・・?」

 

ネギの横にはサイが笑いながら立っている。

そしてそのまま、襟首を掴むと・・・エレベーターの中にネギを投げ込んだ!!

 

「あ、あう!? お、お兄ちゃん何を!?」

 

明日菜にキャッチされるネギ。

エレベーターの外には、いつもの不機嫌面からは想像出来ない誇らしげな笑顔のサイが居た。

 

「だがな、ガキが格好付けるなんざ十年早ぇよ。

お前が教師になれるかどうか瀬戸際の期末試験だろ、だったらお前が居なきゃ意味ねぇだろうが。

ほら行け、しっかりやって来い・・・あぁ、後ついでにこれ貰っとくぞ」

 

一瞬の動きでサイはエレベーター内に在った『メルキセデクの書』を持ち出す。

その際に外に投げ出された明日菜達の制服を投げ込みながら。

 

「「「あっ・・・そ、それは!!」」」

 

声を上げるバカレンジャー達に対し、サイはこれまた珍しい悪戯好きっぽい笑い顔を見せる。

 

「こんなモン一冊で頭良くなったら誰も苦労しねぇよバカ共が。

つまらねぇ小細工しねぇでさっきのネギ見習って裸一貫でやってみろ。

・・・大丈夫だ、本気でやった努力ってのは嘘なんぞ付かねぇ」

 

そのまま外のエレベーターのボタンに蹴りを叩き込む。

『重量オーバー』と言う紅い文字が出ていたコンソールは『OK』に変わり、ドアが閉まっていく。

最後に閉まる瞬間、サイは背を向けたまま軽く手を振った―――

 

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「・・・さてジジイ、これで良かったんだろ? ホレ」

 

ゴーレムに『メルキセデクの書』を投げ渡すサイ。

飛んで来た世界で希少、最高の魔法書を起用に大きな掌で受け取るゴーレム。

 

「フォフォフォ・・・何時から気付いっとったんじゃ?」

 

「そうだな、疑問を感じたのがテメェが俺らを落とした時だ。

んでその疑問が確信に変わったのはあの『地底図書室』とか言う所に落とされてから少し後だな。

辺り調べてみりゃご丁寧に全教科のテキストだの、大量の食材の置かれたキッチンだの、トイレだのなんてモンが目立つように用意されてたからよ。

・・・一回の偶然は“唯の偶然”だが、二回以上も偶然が続くってのは、それは“必然”だろ?」

 

答えを聞いてゴーレム、いや学園長は感心した。

彼は学園長の大切な孫娘の木乃香や本当の孫のように可愛がる生徒達の事を護るだけではなく・・・見回りしている間にそれだけ情報を得て、それを思慮し結果を導いたのだから。

初めてシスターシャークティに紹介された時から只者ではないと思っていたが、予想を遥かに上回っているようだ。

まあただし、女生徒の裸を見ても何も気にならないなどと一般常識に欠ける所も在るようだが。

 

「フォッフォッフォ・・・意外とお主も教師でもやれば良いかも知れんな」

 

「・・・勘弁してくれ、俺ぁ人様に物事教えれる様な奇特な人間じゃねぇよ」

 

そこでサイは遥か上に見える空を見つめた。

どうやら此処からでもあと30〜50程の階層が在るようだが―――

 

「どうするかね、ワシが上まで連れて行ってやろうかの?

エレベーターは一方通行じゃから、戻って来るまでに大分時間が掛かってしまうしのぅ。

じゃが済まんが、下手せんでも試験には間に合わんぞい?」

 

エレベーターから先には道がない。

此処から先を行くのであればそれこそ、魔法でも使わない限りは無理だろう。

だが・・・その学園長の申し出に首を横に振るサイ。

見ればその表情は不敵に笑っていた。

 

「はっ、関係ねぇよ。

それにあれだけの事言った手前、試験受けられなくて0点でしたじゃお話にもならねぇしな。

だがちっと遅れるかもしれねぇからジジイ、テメェの部屋(学園長室)で試験受けさせて貰うぜ?

まあ文句はねぇよな? 元々こんな大掛かりな事に俺を巻き込みやがったんだからよ?」

 

「いや、そりゃ別に構わぬが・・・。

お主、此処から一体どうやって上に戻る心算じゃね?」

 

するとサイは何を思ったか、掴む所も何も無い真っ平らな壁に向かって跳躍する。

驚く学園長を尻目に、彼は思いっきりその真っ平らな壁に蹴りを打ち込んだ!!

 

「オラァァァァ!!!!」

 

その一撃に陥没する壁。

更に逆の足で思いっきり壁を蹴ると其処も陥没してめり込んだ―――

 

読者の皆さんは解った人も解ってない人も居ると思うので一応説明しておこう。

要はサイ、真っ平らな壁に蹴りを入れて陥没させて足場を作り、それを利用して上に登っているのだ。

だがこんな非常識な方法、直ぐに疲れて・・・。

 

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラァァァァァァァ!!!!」

 

―――あぁ、考えてみればサイの存在自体非常識であった。

目にも留まらぬ速さで蹴りを放ち、しかも絶妙に壁の孔を崩さないように力加減をしながら登っていく。

これには今まで長きに渡って魔法使いとして、そして関東魔法教会の理事長としてやってきた学園長も開いた口が塞がらなくなっていた・・・本っ当に非常識な小僧である。

 

「・・・お主、本当に人間か?」

 

こんな学園長の一言が漏れたのも、仕方ないと言えば仕方ない事なのだろう・・・。

 

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こうして図書館島の冒険・第一幕の幕は下りる。

図書館島から帰ったバカレンジャー+ネギ&木乃香は残ってしまったサイの事を心配しつつも残り5時間で出来る事をやり、期末試験に遅刻したものの期末試験を受け終わる。

尚、時間の量が原作と違うのは、サイの爆睡が原因だという事は言うまでもない。

 

その後、採点の際に学園長のミスにより混乱もしたが。

結果、皆の努力の成果により2−Aは見事学年トップの成績を勝ち取る。

それによってネギの教師としての採用が決まり、物凄い疲労感を出しながらもサイが戻って来た事によってめでたく期末テスト大作戦は大団円を迎えたのであった。

 

ちなみに余談だが、この期末テストにおけるサイの点数は全教科100点満点であった。

これは別に学園長が何かをしたのでも、サイが天才と言う訳ではない―――他にれっきとした理由がある。

 

実はサイ、勉強は死ぬほど嫌いであり苦手だが、ある取柄が在る。

それは莫大なまでの記憶力だ・・・しかも分厚い国語辞典を高々1日程度で記憶してしまう程に。

その記憶力の良さに気付いたエヴァが、アンチョコ帳と銘打って茶々丸や自分が十五年も中学生をやって来たのを利用して大体出そうな場所を調べ、公式やら英文やら説明やらを書いておいたのである。

・・・しかも、念の為テスト用紙の問題の出る順序も確認した上で、だ。

 

それによりサイは英語の問題は英単語、国語の問題は文章、数学の問題は公式と、記憶にあるものを片っ端から書いていっただけである。

・・・つまり、問題の内容は理解出来て居なかったが、覚えていたものが全てテストの答えだった為に全問正解して全教科満点だったという事だ。

 

-15ページ-

 

そしてもう一つ、これも余談ではあるが・・・。

 

「待つアルよ、サイ〜〜〜!!!

ワタシの婿殿になる以上、ワタシより強くなければダメアル!!

だから本気でワタシと戦うアルね〜〜〜〜!!」

 

「むっ!! 違うでござる古!!

サイ殿は拙者の旦那様になるでござるよ・・・と言う訳で、里の者達を納得させるには拙者より強くあらねばならぬ!!

さあ、サイ殿、拙者と本気で戦って拙者に勝つでござるよ、ニンニン♪」

 

「サイ、貴様・・・私と言うものがありながらぁぁぁぁ!!!」

 

「・・・不潔です、サイさん」

 

「何勝手な事言ってんだテメェ等は!?

それに待て、何だ木乃香!? 何その後ろから出てるブラックな気配!? 怖いってば、オイ!?」

 

「うふふふ・・・ダメやえ、サイくん。

それにウチ、別にぜ〜んぜん怒ってなんてあらへんよ〜(怒)」

 

「お、お嬢様・・・サイさん・・・」

 

「・・・やれやれ」

 

「あ、あわわわわわ、さ・・・サイさん―――・・・」

 

「放っておくですよ、のどか・・・全く、バカばっかりです」

 

「ら、ラブ臭が!! 私のセンサーが振り切れる程のラブ臭がぁぁぁぁ!!!」

 

「わ、私は止めとこっと・・・。

(・・・この状況をシスターとココネに知られたら・・・ブルブル、寒気がするっすよ)」

 

「あんのバカ!! 少しでも格好良いなんて思った私の純情を返しなさいよぉぉぉ!!」

 

「ア、アスナさん落ち着いてください!! に、逃げてぇぇお兄ちゃぁぁぁん!!」

 

・・・その日から昼の穏やかな昼食はがらりと変わる。

当の本人には基本的に色恋沙汰には全く興味がなく、その意志は無くも周りの者達が暴走していく。

 

どうやら此処から、サイの己自身が予想だにもしなかった女性関係の受難は始まるようだ。

勿論、それぞれが想いに気付いている気付いていないに関係なくである・・・普通の男ならば大喜びだろうが。

 

「チッ、冗談じゃねぇぜ。

あ〜、何でこんな事になったんだかな・・・っと、んな事言ってる場合じゃねぇか。

あばよテメェら、追えるモンなら追って来て見やがれってんだ!!」

 

そのまま屋上を飛び降りて逃げ出すサイと追いかける少女達。

此処から彼と彼女達の関係がどうなっていくのか、それは解らない。

 

だが・・・一つだけ、解る事がある。

少なくともサイにとっては実に不本意だが、退屈しないで済みそうだという事だ。

 

そしてもう一つ、彼女達は知らない事がある。

それは彼がどのような人生を生き、そして今のような人格を形成されたかと言う事だ。

 

それを知ったその時―――

果たして、淡い(大分物騒なのも居るが)初めての想いを抱いた彼女達がどのような答えを出すか。

答えを知る者など何処にも存在しない・・・。

 

-16ページ-

 

第十二話の再投稿完了。

これにて学生衆の戦とも言える期末テスト編は終わりです。

 

しかし難儀な惚れられ方しましたな、サイ君は。

まあでもああ言った状況で原作の場合は10歳児のラッキースケベ(冗談)で済みますが、流石に同年代(実年齢は別として)の男子に見られては冗談では済まないでしょう。

此処では原作を読んでいて比較的古風な二人に犠牲(笑)になって頂きました。

 

まあアレです。

この二人(古と楓)の場合、この位の事がないとフラグは立たんでしょう。

バトらせて恋愛感情を抱かせるのが普通かと思いますが、サイは喧嘩好きですが戦闘狂ではありませんので。

 

そして語られたサイの特技、考え方。

状況を垣間見て想定して答えを出すその姿はどう考えてもバカとは思えませんが・・・サイは自分自身が馬鹿だと考えてる節があります。

それは多分、勉強が出来ない類の馬鹿ではないのかもしれませんね。

 

では、次の話へと続きます。

ちなみに最後に、この物語は時間帯の流れが前後する事が多々あると思いますがお気になさらず。

元々作者も理解していて時間の流れを変えてますので。

(例:最初の方に第三巻の内容(vsエヴァ)が描かれ、その後に一巻の内容が描かれるなど)

 

説明
冒険の傍ら、サイの不器用な優しさを知った少女達
その不器用で、漢の生き様に惹かれる者がまた二人・・・
此処より騒がしき日々は加速する
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