アイルランド・ミストナック

ここはロックオンの実家の会社。

規模は大きくないが男女間の仲は良好で家庭的な職場だ。

一夏とティアナは中に入る。

「あ、一夏くん。お帰りなさい。」

「ティアナちゃんもお帰りなさい。」

受付の女性が家族を迎えるように声をかける。

「どうも、ご無沙汰してます。リティアさんはいますか?」

「ええ、社長室にいるわ。」

「あとディーンくんたちも呼んでおくわね。」

「助かります。」

一夏とティアナはリティアの待つ社長室へと向かう。

社長室

一夏が中を開けて入ると青のストレートロングの女性と千冬に似た黒髪の少女、紺色の髪をした青年と黒に近い茶髪の女性がいた。

「おかえり、一夏くん。」

「ご無沙汰してます。リティアさん。それにディーン兄さんとレベッカ姉さん、マドカも久しぶりだな。」

「また背が伸びたな。」

「本当、ちゃんと鍛えてるみたいだしよかった。ティアナも元気そうね。」

「兄さん、久しぶり。」

ディーン・ストライサンド、優れた身体能力を持っている自称・ただの技術屋。

レベッカ・リターナー、元アイルランド代表、専用機・デュナメスで世界と戦った。

成層圏を狙い打つ女という二つ名を持ち、千冬と何度か激戦を繰り広げた。

千冬と同時期に代表を引退、現在はディーンと共に技術屋として働いている。

専用機はデュナメスをチューニングしたデュナメスリペアを使用してる。

マドカ・スカーレット、元々は亡霊企業にいたがディーンとレベッカによって保護、ロックオンの妹としてここにいる。

千冬によく似た見た目を持つ。

ディーンたちの更正により、今は年頃の少女として過ごしている。

専用機はドライブを搭載した砲撃戦仕様のセラヴィー。

一夏たちは入学してからの出来事の報告と二次移行を果たした事を報告するために会議室へ移動。

会議室

一夏はダブルオーが二次移行を果たし、ダブルオークアンタに変わった事と入学してからの出来事を説明。

「なるほどね。ダブルオークアンタはISコアや人の意志との対話ができる・・か。」

「これもツインドライブの力か・・。」

「サバーニャもとんでもないわ。まるでセリスのために移行したISね。」

「あとは襲撃事件と福音の暴走事件・・。話を聞く限りでは裏で篠ノ乃束が絡んでるのは間違いないでしょう。」

「妹の篠ノ乃箒が第四世代の専用機を手に入れた事で篠ノ乃束の元にはISコアがある事実の裏付けにもなる・・。」

こうして話し合いが進み、情報統制の強化と共にラグナたちとは別系統での開発を目指しているディーンたちが初めて設計図を書き、『ドライブ無しでもあらゆる戦局に対応でき、第四世代を凌ぐ性能を追求』を目指して製作したIS・ランスロットが完成。

しかしランドスピナーによる地上滑走、バク宙や月面宙返りといった三次元機動、ヴァリスを始めとしたビーム以外の高火力武装・・これらを使いこなす人物がいないと思われたがティアナの後輩が使いこなしているとのこと。

するとドアが開き、秘書に連れられた少女が中に入ってくる。

「失礼します、クラリッサ・バーンサイドを連れて来ました。」

「御苦労様。あとお茶を用意しておいて。」

「かしこまりました。では失礼します・・。」

秘書は部屋から退出。

少女は一歩前に立ち、頭を下げる。

「一夏さん、お久し振りです。」

「クレア、久しぶりだな。」

クラリッサ・バーンサイド、愛称はクレア。

シャギーの入ったピンクに近い赤い髪のショートカットで片側の髪をリボンで結んだ髪型をしている。

スタイルは胸は少し控え目だが年相応の身長と、可愛らしい外見と控えめな言動とは裏腹に身体能力がかなり高く、空の上ではまるで別人のように負けず嫌いで攻撃的な戦士へと変貌。

一夏を兄のように、ロックオンを姉のように慕っている。

「クレア、今話に上がったがランスロットの操者になったらしいな。」

「はい、こんな私でも専用機を貰えるのは嬉しいです。」

「謙虚にならなくてもいいわよ。あなたは素質と心構えができてるから大丈夫。」

クレアの後ろからシャルを連れたロックオンが現れる。

「セリスさん、お久し振りです。シャルさんもお元気そうで何よりです。」

「クレア、久しぶり。あと今の私はロックオン・ストラトスよ。」

「あ、すいません。久しぶりに会えて嬉しくてつい・・。」

ロックオンの指摘に顔を赤くするクレア。

ディーンにサバーニャのデータ、AIを搭載してもらうためにサバーニャを渡す。

作業は明日中に終わるとのこと。

この夜の食事会は楽しい物となった。

翌日

ロックオンはラグナとミーナが眠っている墓地へと来ていた。

お墓を綺麗に清掃後花を供え、手を合わせる。

（父さん、母さん。また帰ってきたよ。福音の時は導いてくれてありがとう。あたしは一人じゃない。みんながいるから寂しくない。だから見守っていてね。）

お参りを済ませ、ロックオンがお墓から離れると優しい風が吹いた。

ミストナック・訓練所

クレアはランスロットの新装備のテストを行っていた。

『クレア、そのユニットはコンクエスターといってブラスターとエアキャヴァルリーが統合したもので砲撃も可能になってブレイズルミナスも増設したから防御力もアップ。ただ、砲撃の反動の姿勢制御系を弄ったから機動力は低下、エネルギーをより食うようになったから気を付けろ。』

「了解、テストを開始します。」

ランスロットのテストは滞りなく行われ、サバーニャにはケルディムのAIを搭載した事でロックオンの脳にかかる負担を軽減。

そして帰国の時を迎える。

「また来てね。」

「はい。みなさんもお元気で。」

一夏たちは日本へ帰国。

夏休みも残り少なくなってきた。

次はどんな思い出を作るのだろうか・・。