仮面ライダークロス 第十七話 Mの狂気/天空城に殴り込め!
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ロボット達は再び攻撃を始めた。クロス達仮面ライダーや抵抗できるだけの力を持つ者は反撃を始めているが、いかんせん数が多すぎるため、対処しきれていない。

「このままじゃキリがない!どうすれば…」

圧倒的な物量で襲い来る敵を前に弱気になるブレイド。Wは対処法を告げる。

「決まってんだろ!こっちから乗り込んでぶっ倒す!」

『それしかこの戦いを終わらせる方法はない。』

「…よし!」

クロスは決意し、言う。

「行こう。みんなで奴らの計画を止めるんだ!」

その時、

 

「みんな〜!」

 

なのはの声が聞こえた。

見ると、なのはだけでなく、はやて、シグナム、ヴィータまでもがやって来ている。

「なのは!」

フェイトが反応した。

「フェイトちゃん、光輝くん。あそこに…ラピュタに行くんでしょ?私達も行く!」

「敵にどれだけの戦力が保有されてるかわからん以上、こっちもできるだけ大人数で行った方がええからな。」

「足手まといにはならんから安心しろ。」

「あのマッドサイエンティスト、一回ぶん殴ってやろうと思ってたからな!」

「みんな…」

と、

「照井さ〜ん!」

スバル、ギンガ、ティアナ、ノーヴェ、ウェンディも来た。

「ランスター…それにナカジマか。」

「照井さん達、あの城に行くんですよね?」

「あたしらも連れてってくれ!」

スバルとノーヴェは同行を申し出る。

「しかし…」

アクセルは渋ったが、ノーヴェとウェンディは続ける。

「ドクターがあそこにいる以上、ウーノ姉達だっている。あたしらに説得させてほしいんだ!」

「お願いするッス!あたしらにチャンスを…!」

「…わかった。」

アクセルは了承した。

「俺も行くぜ!」

「俺もだ!手伝いをさせてくれ!」

照山とベオウルフも現れて、協力を申し出た。

「わかった。一緒に行こう!」

了承したのはクロス。それを聞いた照山とベオウルフはお礼を言った。

「いいねぇ、いかにも決戦って感じがするぜ!なぁバージル!」

「気を引き締めろダンテ。俺もラピュタについて知っているのは名前と、超科学を使うということだけだから、何が起こるかわからん。」

バージルはダンテの軽はずみな言動を諫めた。

「あそこに、スカリエッティ先生達がいるかもしれないんだよね…」

スバルはラピュタを見て呟く。ギンガとティアナは、そんなスバルに残酷な現実を告げた。

「スバル。私達は先生達を説得するつもりだけど、正直に言って成功は絶望的よ。」

「自分からこれだけの行動を起こしたわけだしね。だから、戦うことが前提になると考えた方がいいわ。」

「…」

スバルは黙った。確かに、あのマッドサイエンティストで有名なスカリエッティが、そう簡単にこちらの話を聞くとは思えない。戦うことになるのは、まず間違いないだろう。

いかに犯罪者とはいえ、かつての教師。できることなら戦いたくない、スバルがそう思っていると、

「先に行くぜ。」

いつの間にかハードタービュラーに乗っていたWが、アクセルと閃光装具ベオウルフを装備した照山を乗せ、マシンを発進させていた。

 

〈FUSION JACK〉

 

「光輝、俺達も行こう!」

「うん!」

ジャックフォームに強化変身したブレイド、レイブンクロークを展開したクロスも、ラピュタに向かって飛んで行く。

「「デビルトリガー!!」」

デビルトリガーを発動して悪魔の姿と化したダンテとバージルもまた、翼をはためかせてラピュタを目指す。

なのは達も行ってしまった。

「スバル、何ボサッとしてんだこのバカ!」

「えっ…」

ノーヴェの言葉で我に返るスバル。

「あたしらも行くぞ!」

ノーヴェはエアライナーで光の道を作り、スバル達を置いて行ってしまう。

ギンガはスバルに声を掛ける。

「戦いたくない気持ちはわかるわ。私だってスカリエッティ先生に手を上げたくない。でも、やれるだけのことはやってみましょ?」

「…うん!」

スバルは力強く返事をし、ギンガとともにウィングロードを使ってラピュタまでの光の道を作り、その上を走る。

(そうだ。諦めたら終わりなんだ)

例えこちらの説得を聞いてもらえなくても、呼び掛けること自体に意味がある。

もしかしたら聞いてもらえるかもしれない。その可能性を捨てちゃいけない。そう思ったスバルは、決意も新たにラピュタへの突入を開始した。

「ティアナ、乗るッス!」

「わかったわ!」

ウェンディは自分が乗るライディングボードにティアナを乗せ、全速力で発進した。

 

 

 

 

 

「ふふふ…」

ムスカはモニターから、ライダー達がやって来るのを見ていた。

「やはり来たな…楽しい宴になりそうだが、その前に前哨戦といこうじゃないか。」

ムスカは右手の中指に飛行石のペンダントを掛け、手をかざす。

 

 

 

 

 

ラピュタを目指すライダー達は、ロボット達から集中攻撃を受けていた。ムスカの差し金である。

「上等だ!突破するぜバージル!!」

「無論だっ!!」

ダンテとバージルは先行し、ロボットの群れを蹴散らしていく。

「…光輝」

「なんですか、翔太郎さん?」

「…お前の友達って強ぇなぁ…」

「あはは…」

翔太郎の感想に、クロスは苦笑いするしかなかった。

 

とはいえ、最強クラスの悪魔の力を受け継いだ二人だけあって、ロボット達は瞬く間に数を減らし、彼らに突入口を作った。

「っしゃあ!乗り込むぜ!!」

ヴィータが号令を出し、ライダー達はラピュタに突入していった。

 

 

 

 

 

「はっはっはっ!!足止めすらかなわなかったか!!」

ムスカは状況を見て、高笑いをあげる。

「いいぞ、そうでなくては面白くない。だが、もう手遅れだよ。」

ムスカは部屋を出て、歩き出した。

「…歌姫は、すでに勝利の歌を歌っているんだからね。」

 

 

 

 

 

ライダー達はラピュタの内部で、これからの行動を決める。(ちなみに、ダンテとバージルはラピュタ到着と同時にデビルトリガーを解除している)

「ここからは、別れて動こうぜ。」

『その方が首謀者、ムスカ大佐を捜すうえで、いろいろ都合がいいからね。』

Wの提案により、別れてムスカ達を追い詰めることになったライダー達。

そして、クロスとフェイト。W、ダンテ、バージル。なのはとヴィータ。アクセル、スバル、ティアナ、ギンガ、ノーヴェ、ウェンディ。はやて、シグナム、照山。ブレイドというチーム分けになった。

照山は尋ねる。

「オイ一真、お前本当に一人でいいのか?」

「俺は大丈夫。その分、他の方の戦力を充実させて。」

ブレイドは仮面の下で微笑む。

「よし、では行くぞ!」

アクセルの号令で、ライダー達は別れてラピュタ攻略に乗り出した。

 

 

 

 

 

彼らが別れてからしばらくして、ギンガはノーヴェが何かに反応したのに気付いた。

「どうしたの、ノーヴェ?」

「…実は、ここに乗り込む前から、あたしのレーダーに変なエネルギー反応が引っ掛かっててな…」

「変なエネルギー反応だと?」

アクセルも尋ねる。どうやらその変なエネルギー反応とやらは、ウェンディも感知しているようだ。

「あたしも気付いてるッス。まず引っ掛かったこの馬鹿でかいエネルギーは、たぶん動力炉ッスね。でもそれとは別に、もう一つエネルギーがあるッス。それもこのエネルギー、さっき出現したんスよ。」

ノーヴェも続く。

「しかも、だんだん反応が大きくなってる。これは普通じゃねぇ」

「…確かにね。」

ティアナが肯定した。

 

次の瞬間、

 

「来たか、仮面ライダーに愚妹ども。」

 

「「トーレ姉!!」」

トーレが姿を現し、ノーヴェとウェンディが驚く。

「このような形で会うのは二度目だな。貴様らを大規模騒乱罪で逮捕する!!」

アクセルは冷静にかつ熱く、トーレに逮捕を言い渡す。

「それに素直に従う我々だと思うか?」

だがトーレは抵抗の意を見せ、従おうとしない。

「トーレ姉、もうやめてくれ!!」

「こんなことしたって、何にもならないッスよ!!」

早速説得にかかるノーヴェとウェンディ。

「みんな、あなた達が戻ってくるのを待ってるわ!だから、こんな馬鹿なことやめて!!」

「今なら、まだ間に合うから!!」

「世界征服なんて…そんなの駄目だよ!!」

ギンガ、ティアナ、スバルも加わる。

「…」

トーレは答えない。アクセルが言う。

「大人しく投降すれば、お前達にも弁明の機会はある。俺も、お前達を倒したくはない。」

「我々を倒すだと?貴様らには無理だ!!」

トーレは、そこでようやく口を開いた。

「弁明も必要ない!!私はそれだけの力を得たのだからな!!」

トーレはアクセル達に手をかざす。

次の瞬間、

 

トーレの手から巨大なエネルギー波が放たれ、アクセル達は吹き飛ばされた。

 

 

 

 

 

なのはとヴィータは、クアットロに遭遇していた。

「あら、私の相手はあなた方ですのね?」

「クアットロちゃんね?こんなことはやめて、今すぐ「うおおお!!」ヴィータちゃん!?」

なのははクアットロを説得しようとするが、ヴィータはそれを待たずしてグラーフアイゼンを振るい、クアットロに飛び掛かった。

「説得なんか必要ねぇぜ!!ぶん殴って反省させてから、連れて帰りゃあいいだけだ!!」

クアットロはそれをかわす。

「あらあら、乱暴ですのね。」

「うるせぇ!!」

ヴィータはクアットロの反論をねじ伏せつつ、グラーフアイゼンをラケーテンフォルムに変形。

「ラケーテン…ハンマァァァァ!!!」

回転しながらクアットロのこめかみに向けて、一撃を叩きむ。

 

グシャッ!!

 

鈍い音がして、『グラーフアイゼンが』ひしゃげた。

「何!?」

驚くヴィータ。クアットロはそんなヴィータを殴り飛ばす。

「うわぁっ!!」

「ヴィータちゃん!!」

なのはは慌ててヴィータを受け止めた。

「でも、『今は』そういうのも、嫌いじゃありませんわ。」

クアットロの目には、サディストの光が宿っていた。

 

 

 

 

 

はやて、シグナム、照山は、ウーノに遭遇していた。

「待っていたわ。でも、ここから先に通すわけにはいかない。ここで死になさい」

「へっ!出会って第一声がそれかよ。」

「ならば、こちらも相応の処置を取らせてもらう。」

「手加減せぇへんで?」

三人は臨戦態勢を取る。

「手加減?『今の』私に手加減なんてして、勝てると思っているの?」

「ほざくな!!」

シグナムは飛び掛かり、レヴァンティンを振り下ろした。

しかし、ウーノはそれを指で挟んで止めてしまう。

「!?」

「どうしたの?相応の処置と言っていたけど、早くやって見せてもらいたいものね。」

ウーノは驚くシグナムを挑発した。

「リトルボーイ!!」

そこへ照山が飛び込み、リトルボーイを放つ。

ウーノはレヴァンティンを放してリトルボーイをかわし、二人をまとめて蹴り飛ばす。

「そこまでや!!」

はやてが言った瞬間、ウーノがバインド魔法によって捕縛された。

「そのバインドは簡単には破れへんで?」

「どうかしら?」

「っ!?」

ウーノはバインドを砕いた。まるで紙きれでも破るかのように。

「そんな!?」

これにははやても驚いた。実は、はやて達はノーヴェ達からウーノは戦闘タイプではないと聞かされていたのだが、今目の前にいる彼女は、明らかにノーヴェ達より強い。

シグナムと照山が戻ってきた。

「これは一体!?」

「こいつは戦闘タイプじゃねぇんだろ!?なのに、何でこんなに強ぇんだ!?」

ウーノは三人のやり取りを見て、いやらしく微笑んでいた。

 

 

 

 

ブレイドは、セッテに遭遇していた。

「私はドクターから、侵入者を排除するよう命を受けています。お覚悟を」

言って二本のブーメランブレードを構えるセッテ。

「話し合いの余地はなし、か…なら、倒すしかない!!」

ブレイドはブレイラウザーを振りかざし、セッテに挑んだ。

セッテは片方のブーメランブレードでブレイラウザーを受け止め、もう片方のブーメランブレードでブレイドを斬りつける。

あまりの破壊力に転がるブレイド。

「くっ…!」

しかしブレイドはすぐ起きあがり、再びセッテに斬りかかる。だがセッテはまた同じように片方のブーメランブレードでブレイラウザーを受け止め、もう片方のブーメランブレードでブレイドを斬りつけた。

「強い…ジャックフォームでも、まるで敵わない…!!」

「あなたも強化されているようですが、その程度の強化では私には勝てません。あしからず」

ブレイドは今のセッテの発言に奇妙な点を見つけた。

「あなた『も』?」

 

 

 

 

 

クロスとフェイトが遭遇した相手は、スカリエッティだった。

「やあ、よく来たね。歓迎するよ」

「必要ありません。」

「僕達は、あなたを止めに来ましたから。」

それぞれ歓迎を拒否するフェイトとクロス。

「それは残念だ。だが、私は止まるつもりはない。」

「なら、力ずくでも止める!!」

クロスは構えを取った。フェイトもバルディッシュを構える。

「できると思うかね?」

「「やってみせる!!」」

二人はスカリエッティに突撃をかけた。

まず殴りかかったのはクロス。だが片手で受け止められて殴り返される。

「はぁっ!!」

フェイトもバルディッシュを振り下ろしたが、スカリエッティはそれを掴み取って、バルディッシュの魔力刃を握り潰す。

「なっ!?」

フェイトは驚くが、スカリエッティはそれに構わず、手から衝撃波を放ってフェイトを吹き飛ばす。

「フェイトさん!!」

クロスは飛んできたフェイトを受け止め、降ろしてから再びスカリエッティに挑む。しかし、スカリエッティはクロスが繰り出す拳や蹴りをことごとくかわし、クロスにエネルギー波をぶち込んで吹き飛ばした。

「素晴らしい…やはり素晴らしい…!!」

スカリエッティは何事か陶酔している。

「スカリエッティ先生…こんなに強かったのか…!!」

スカリエッティの予想外な強さに驚くクロス。しかし、フェイトは冷静に判断していた。

「おかしい…あの人はそんなに強くなかったはずなのに、ここまでの強さを発揮するなんて…」

「知りたいかね?ならば教えてあげよう。このラピュタに搭載された究極の兵器、『ラピュタの歌声』についてね…」

「何!?」

「ラピュタの歌声!?」

スカリエッティは驚く二人に、ゆっくりと語り出した。

 

 

 

 

 

W、ダンテ、バージルは、開けた場所にたどり着いていた。

バージルは閻魔刀に手をかける。

「…どうやらここが終点らしいな…」

次の瞬間、

 

「はっはっはっはっ!!ご名答!!」

 

ムスカが現れた。

「玉座の間にようこそ、風都の守護者諸君。」

「てめえ…何でこんなことしやがる!?」

Wは単刀直入に訊く。

「私は世界を手に入れるためならどんなことでもする主義でね…前にT-ウィルスをM-ウィルスに品種改良してこの街にばらまいたのも、世界を私色で染め上げるための布石だったのだよ。」

『やはり君達の仕業だったか…』

「許さねぇ!!」

怒りのWはムスカに突撃を仕掛けた。

「ふんっ!!」

「ぐあっ!!」

しかしムスカはWを殴り飛ばし、さらに手から衝撃波を放って吹き飛ばす。

ダンテもバージルも、その光景に驚いた。

「おい、今の…」

「馬鹿な!ただの人間がこれほどの力を!?」

ムスカは笑う。

「まあそういきり立たないでくれたまえ。目先のことにばかり気を取られていると、周りに気付けないものだよ?」

「何!?」

『どういうことだ?』

ムスカの言葉の意味を計りかねるW。

「よく耳をすましてごらん。そうすれば、聴こえるはずだ。」

言われた通りに耳をすます一同。

すると、ダンテとバージルが、聴こえてきたものに顔色を変えた。

「こいつは…」

「まさか!?」

さらに笑うムスカ。

 

「ほら、聴こえてきたろう?歌声が!!」

 

 

 

 

 

トーレからエネルギー波攻撃を受けたアクセル達は、どうにか体勢を立て直す。

「どういうことだ!?トーレ姉に、あんな力はなかったはずなのに!!」

「わかんないッス!!何かやったんスかトーレ姉!?」

戸惑うノーヴェとウェンディ。トーレは教える。

「そう、私は…我々は変わったのだ。ラピュタの歌声の力によって!!」

 

 

 

 

 

「人類、超人化システム!?」

「ラピュタの歌声、だと!?」

耳を疑うなのはとヴィータに、クアットロは語る。

「その通り。ラピュタの歌声は、装置に接続した人間の歌エネルギーをパワーに変換し、設定した対象をパワーアップさせるためのもの。そして、今装置に接続されているのは…」

クアットロはそこで一度言葉を切り、心底楽しそうな笑みを浮かべてから、告げた。

 

「ランカ・リーと、シェリル・ノーム。」

 

 

 

 

 

「何やて!?」

「リーとノームが!?」

「てめえら正気かよ!?」

驚くはやて、シグナム、照山の三人。ウーノは言う。

「もちろん正気よ。そして、ラピュタの歌声は接続された人間が歌う限り、私達を無限にパワーアップさせていくわ。今二人は催眠状態にある。よって、彼女達が歌をやめることはない。休むことも眠ることもなく、永遠にね…」

ウーノの口元がつり上がった。

 

 

 

 

 

スカリエッティは両手を広げ、演説でもするかのように言い放つ。

「彼女達は死ぬまで、我々のための、勝利の挽歌を歌い続けるのだよ!!まあ、死んでも新しいファクターを捜して接続すればいいだけのことだしね。はははは!!」

ムスカ達の外道ぶりに、クロスとフェイトは怒りを爆発させる。

「許せない…よくもそんなことを!!」

「ランカとシェリルの…二人の…歌が好きだって気持ちを利用して!!」

「利用できるものは何でも利用する。常識だろう?」

「「貴様ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」」

クロスはレクイエムサーベルを、フェイトはバルディッシュに魔力刃を再構築させて、それぞれ構えてスカリエッティに突撃した。

 

 

 

 

 

「それが君の強さの秘密か…」

「はい。おわかりいただけましたか?」

ブレイドはセッテと対峙する。

「ああ、よくわかったよ…一刻も早く君を倒して、二人を助けなくちゃいけないってことが!!」

 

〈EVOLUTION KING〉

 

ブレイドはキングフォームに強化変身した。

「そのためなら、手加減はしない。全力で君を倒す!!」

ブレイドはキングラウザーを向け、対するセッテは無言でブーメランブレードを構えるのだった。

 

 

 

 

 

一通りの説明を終えたムスカは言う。

「これでわかっただろう?君達が我々に勝てる可能性は、ないに等しいのだよ。」

『いや、まだそう判断するには早い。』

「そうだ。こっちはまだ奥の手がある!!」

Wの元へエクストリームメモリが飛来。

 

〈XTREAM!〉

 

Wはサイクロンジョーカーエクストリームに強化変身した。さらにプリズムビッカーを召喚し、

 

〈PRISM!〉

 

プリズムソードを抜く。

「その剣で、私と勝負するかね?いいだろう。ならば…」

次の瞬間、どこからともなく黒い両刃の剣が飛んできて、ムスカの手に収まった。

「私も剣でいかせてもらおう。」

その時、ダンテがアイボリーでムスカを銃撃し、ムスカはそれを剣で防ぐ。

「てめえらだけで話を進めてんじゃねぇぞ。」

「相手は三人だ。勝ち目がないのは貴様の方だろう」

ダンテとバージルは各々の得物を構えて、ムスカに殺気を向けた。

「はっは!!私と戦うつもりか!!ならば見せてあげよう。私の力を!!」

ムスカは剣を構えて突撃した。

 

 

 

 

 

「全て…振り切るぜ!!」

 

〈TRIAL!〉

 

アクセルはアクセルトライアルに強化変身。そのスピードでトーレを翻弄しようとするが、

「ライドインパルス!!」

トーレも高速移動能力を持っており、ラピュタの歌声の力も相まって、アクセルは逆に翻弄されてしまう。

「ぐっ!!」

「「照井さん!!」」

膝をつくアクセルに駆け寄るスバルとティアナ。スバルは声をかける。

「大丈夫ですか!?」

「ああ、大丈夫だ…負けるわけには…!!」

しかし、アクセルはすでに満身創痍である。アクセルトライアルはスピードの向上を図るために装甲を軽量化しているので、その分受けるダメージも大きいのだ。

「何か手を考えないと…!!」

ギンガは逆転の秘策を打つべく、思案に入った。

 

 

 

 

 

「「ぐああああ!!」」

エクストリームを上回る力でWを圧倒するムスカ。

バージルはムスカの剣撃をかわして閻魔刀で斬り込んでいく。

剣の腕なら、バージルの方が圧倒的に強い。だが、ムスカはその肉体をラピュタの歌声の力によって強化しているので、驚くほどの耐久力を見せている。ダイヤモンドすら一撃で両断できる閻魔刀でさえ、皮一枚のダメージしか与えられない。しかも、ムスカは時間とともに強くなっていくので、バージルは徐々に追い詰められていた。

と、その時、

突然ダンテが指を鳴らした。同時に、

 

ムスカの動きが止まる。

 

これはダンテが昔、ある悪魔との戦いで手に入れた能力、『クイックシルバー』だ。

本来は周囲に流れる時間を遅延させ、自分だけが高速化するという能力なのだが、使う対象を限定することで、相手の時間を止めることができるのだ。

時間を止められ、動きを止められたムスカを、ダンテはリベリオンでめった斬りにする。

「そして時は動き出す、ってやつだ。」

ダンテはクイックシルバーを解除した。これによりムスカは、時が止まっている間に食らった攻撃分のダメージを一度に受けるのだが…。

「…何をしたのかわからないが、今のはそれなりに痛かったよ。」

なんとムスカはほとんどダメージを受けていなかった。

「何だと!?」

驚くダンテ。リベリオンは切れ味の面で閻魔刀に劣る、それだけムスカの肉体が強化されていた、など、要因はいくつもある。しかし、ほとんどダメージを受けていないというのは、その場の三人にとって大きな痛手だった。

バージルは思案に入る。

(奴を倒す方法があるとするなら、デビルトリガーだな…)

だが、デビルトリガーは魔力の消耗が大きい。ここに乗り込む前にもデビルトリガーを使ったし、ダンテにおいては同じく魔力消耗の大きいクイックシルバーを使ってしまった。これで倒せなければ、彼らの敗北は決まったようなものだ。バージルとしても、そんな一か八かの勝負には出たくない。

(ならば方法は一つ、だな…)

しかし、デビルトリガーなしでもムスカを倒す方法はある。

「ダンテ、来い!!あれをやるぞ!!」

突然のバージルの言動に反応するW。

「あれ?」

「何をするつもりだ?」

バージルが言ったことの意味に気付いたのは、ダンテだけだ。

「ああ!?あれをやるのか!?」

「それ以外に奴を倒す方法はない!!」

「…チッ!わかったよ…」

ダンテは渋々といった感じでバージルの『左』に並び立つ。

「面白い。何ができるのか見せてくれたまえ!!」

ムスカは余裕だ。二人はそんなムスカを無視し、あるものを取り出し、腰に装着する。

「あれは…ドライバーだと!?」

「だが、あんなドライバーは見たことがない。新型か?」

驚くWを尻目に、バージルは青いガイアメモリを、ダンテは赤いガイアメモリ、それぞれ出して起動。

 

〈SLASH!〉

〈BLAST!〉

 

「「変身」」

バージルはドクロの形状をしたドライバー、ソウガドライバーの右目部分にスラッシュメモリを装填し、ダンテは左目部分にブラストメモリを装填した。そして、バージルが左手を振り上げ、同時にダンテが右手を振り上げ、空中で交差するように、互いの腕を重ねる。

次の瞬間、

 

巨大な闇が二人を覆いつくし、誰からも見えなくなった。

 

 

〈SLASH/BLAST!〉

 

 

そして闇が晴れた時、二人の姿はなく、代わりに一人の戦士が立っていた。

 

 

立ち上る魔力を模した口元の黒く、頭部の後ろが銀の仮面を付け、両肩はドクロをあしらったようなショルダーアーマー。身体の右を青、左を赤に分ける黒のセントラルパーテーションをもち、腰に膝ほどもある紫の布を巻き、両手に右が青、左手に銀のアクセサリーを付けた赤い手袋を着け、背中に二枚の翼を持つ、悪魔とも呼べる容姿の戦士。ソウガドライバーのドクロの両目からは、それぞれのメモリのイニシャルが見えている。

「何だありゃあ!?」

「わからない。だが、凄まじい力を感じる…」

突如出現した戦士に、少なくない混乱を覚えるW。

しかし、一番混乱していたのは、ムスカだった。

「何だ、これは…何だこの姿は!?お前達は一体、何者なんだ!?」

問われて、戦士は答える。

 

「仮面ライダーソウガ」

 

バージルの声で。

 

「俺達は、二人で一人の…」

 

ダンテの声で。

 

 

 

そして、

 

 

 

「「悪魔の仮面ライダーだ!!」」

 

 

 

二人の声で。

 

 

 

 

 

 

 

 

************************************************

次回、

仮面ライダークロス!!

 

ソウガ「「さぁ、泣き叫べ!!」」

スカリエッティ「君は、今自分の隣にいるのが何者か、わかっているのかい?」

クロス「きぃぃぃぃさぁぁぁぁまぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

?「さあ、お前の罪を数えろ!!」

 

第十八話

Mの狂気/天空城の死闘

 

これが裁きだ!!

説明
これまでの、
仮面ライダークロス。

ついにやってきたテメンニグル学園文化祭。
各々がそれぞれ楽しい時間をすごしていたが、そこへ超古代の天空帝国、ラピュタを復活させたムスカとスカリエッティが現れる。
風都を制圧するためにロボット兵を繰り出し、破壊の限りを尽くすムスカ達。仮面ライダー達はこの強敵から風都を、世界を守ることができるのか?そして、ラピュタの歌声とは?

今回は観察者さんがアイディアを下さったオリジナルライダーが登場します。ですが、本格的な活躍は次回になりますので、あしからず。
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