仮面ライダークロス 第十八話 Mの狂気/天空城の死闘 |
「レインレーザー!!」
アルゴサクスが上空に向けて光を放つと、光はの光線の雨となって、ロボット兵達に降り注いだ。
「セェェイッ!!」
ムンドゥス(人化は解いているが人間サイズ)は翼から大量の光線を放ってロボット兵達を殲滅していく。
「消え失せろ、木偶人形どもが!!」
スパーダはナイトメアΩから乱反射する光線を放ち、ロボット兵達を撃ち抜く。
「!!」
そこでスパーダは一瞬、電撃を受けたかのような衝撃を覚えた。しかし、その原因はわかっている。
スパーダはニヤリと笑った。
「どうかされましたかな理事長?」
アルゴサクスはスパーダに声をかける。スパーダは、
「いや、気にするな。」
と言った。
「…ついに使ってくれたか…」
スパーダはラピュタを見て呟く。
「ところで理事長。我らが学園の生徒達は、想像以上に優秀ですな…」
ムンドゥスは、圧倒的な力でロボット兵達を殲滅していく生徒達を見ながら言った。
「これなら理事長一人抜けても、何の問題もありますまい。」
「…校長。何が言いたい?」
「行きたいのではないですか?あの城に。」
ムンドゥスは全てわかっているようだ。
「…ここは任せるが、構わんか?」
「ええ。」
「こちらも問題はありません。」
「ですから行って下さい。自分自身にけじめをつけたいのでしょう?」
「…すまん」
ムンドゥスとアルゴサクスに後押しされ、スパーダはラピュタへ向かった。
全てに決着をつけるために……。
仮面ライダーソウガ。現れた戦士は、そう名乗った。
「貴様も、仮面ライダーだと!?」
ムスカは動揺している。こんなデータはなかったからだ。
ソウガはムスカを無視して、自分の身体を見る。
「…野郎同士でくっついちまうって聞いたから今まで変身したくなかったんだが…悪くねぇな。この感覚、嫌いじゃねぇぜ。」
言ったのはダンテの声。と、ソウガはベルトの右腰のホルスターに収めてあったハンドガン型の銃、ドレッドマグナムを左手で抜き、
〈DREAD!〉
ドレッドのギジメモリをマガジン部に装填。
「楽しすぎて狂っちまいそうだ!!」
そのまま、ムスカに向けてエネルギー弾を乱射する。
「ぐあああああ!!!」
ムスカはダメージを受けて地を転がった。
「へぇ、なかなかいいな、この銃。」
「おいダンテ。」
ソウガのダンテサイドがドレッドマグナムを見て感想を言っていると、バージルサイドが声をかけた。
「何だよバージル?」
「さっきもお前が言った通り、俺達は今回が初の変身だ。まず、このソウガの戦闘力を試すぞ。」
バージルの言う通り、二人は今回初めてソウガに変身する。その理由についてだが、先程もダンテが自分で語った通り、ソウガは二人の肉体と精神が同化するので、その状況をダンテが気持ち悪く思い、変身を拒否していたためだった。
「こいつの扱いについては親父から聞いたろ?わざわざ試さなくても、普通に戦えば充分さ。」
「馬鹿が。誰のせいでこんなぶっつけ本番をやるはめになったと思っている?こんな戦い方は初めてだというのに、うまくいくと思っているのか?」
「ハイハイ俺のせいですよ。つーか、お前は真面目だよな。」
「お前が不真面目すぎるんだ。大体…」
「おーいお前ら、喧嘩してる場合じゃないだろ。」
「初めて変身したのはわかるが、今は戦闘中だ。相手を見たまえ」
「「何?」」
Wに言われて、ソウガはムスカを見る。
ムスカは怒りが頂点に達していた。
「この私にダメージを与えただけでなく、あまつさえ口論まで始めるとは…どこまで私をコケにすれば気が済むのかね……!!?」
全身から炎のようなオーラまで出ている。
「…怒らせちまったな、バージル?」
「…。」
「いや、怒らせちまったなじゃねぇだろ!!」
「どうやら本気になったらしい。さらに攻撃が激しくなるよ…!!」
Wは危機感から、プリズムビッカーを構える。しかし、対照的にソウガの方は、
「どうすんだよバージル?お前が話しかけてくるから、あいつ、キレちまったろうが。」
「ほう、俺のせいか?自分の非を棚に上げて、なにもかもを俺のせいにするつもりか?」
こんな感じで、まだ悠長に口論ができる余裕があった。
「君達…いい加減にしたまえ!!」
ついにしびれを切らしたムスカは、剣を構えてソウガに飛びかかる。
ソウガは慌てずさわがず、右手でベルトの左腰に差してある刀、超刀群雲(むらくも)を抜き、ムスカの剣を上に斬り払ってその脇腹を斬りつけた。
「ぐあっ!!」
ムスカはダメージを受けて下がる。
「ほう、なかなかの切れ味だな。」
バージルは群雲の刀身についたムスカの血を見ながら言った。
よく見ると、今まで皮一枚程度しかダメージを与えられなかったのに、ムスカの脇腹からは鮮血がにじみ出して、服を赤く染めていっている。このことからも群雲には、閻魔刀以上の切れ味があるのがうかがえた。
「おのれ…」
ムスカはラピュタの歌声の力を集めて傷を修復した後、
「許さん!!」
再びソウガに飛びかかる。
「さて、始めようぜ!」
「ああ。」
「「さぁ、泣き叫べ!!」」
ソウガはドレッドマグナムをムスカに向けながら言い、ムスカに戦いを挑んだ。
ここに、スパーダのラピュタ突入を見届けた一人の戦士がいた。
「殺っちゃうよ♪」
彼もまた、スパーダを追ってラピュタへ突入するのだった…。
「オーバードライブ、真・ソニックフォーム。」
〈REQUIEM!ALLEGRO〉
フェイトは自分が最速で動ける形態、真・ソニックフォームに変身し、クロスはレクイエムサーベルにレクイエムメモリを装填してアレグロを発動。二人で攻撃を仕掛ける。
だが、スカリエッティは二人の攻撃を防ぎ、かわし、弾きなどして、余裕で立ち回る。
フェイトはバルディッシュが二刀流になっているのだが、それでもスカリエッティに有効なダメージを与えられずにいた。
「速いだけでは私には勝てないよ。」
「あうっ!!」
フェイトは掌底を打ち込まれて吹き飛ばされる。
「フェイトさん!!」
「他人を気にかけてる暇があるのかね?」
「くっ…」
スカリエッティはエネルギー弾を投げつけ、クロスはレイブンクロークでそれを防ぐ。それでも大きく吹き飛ばされたが、どうにか態勢を崩さずに着地できた。
「大丈夫、フェイトさん?」
「う、うん。私は平気だけど光輝は?」
「僕も大丈夫。」
互いを気遣うクロスとフェイト。スカリエッティはそんな様子を見て肩をすくめ、やれやれと首を振る。
「白宮光輝。君はどうしてそんなに頑張るんだい?」
「頑張りますよ。あなたを止めるためなら」
「ああ、ごめんごめん。私が訊いているのはそういうことじゃないんだ。何で彼女と一緒にいるのにまともなままなのか、私はそう訊いているんだよ。」
「?何を言って…?」
スカリエッティの言っていることの意味がわからないクロス。スカリエッティは尋ねる。
「君は、今自分の隣にいるのが何者なのか、わかっているのかい?」
「だから意味がわかりませんよ!」
スカリエッティはクロスの発言にため息をつく。
「気付いていなかったのか。いいかね?彼女は「待って!!」…」
フェイトがスカリエッティの言葉を遮った。
「フェイトさん?」
クロスはフェイトを見る。
「…言わないで…お願いだから…」
彼女は目で、表情で、声色で、必死懇願していた。
スカリエッティはそれを楽しそうに眺め、彼女の秘密を語った。
「彼女は…」
「やめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」
彼女の拒絶の叫びも聞かず、その様子を楽しむかのように。
「人造生命なんだよ。」
「………えっ?」
クロスは耳を疑った。
「ああ…あああ…」
フェイトは、この世の終わりのような顔をして震えている。
「人造…生命…?…フェイトさんが!?」
「その通り!彼女は人造魔導師計画『プロジェクトF.A.T.E.』によって誕生した人造生命だ。」
クロスはスカリエッティの言葉を聞いて、あることに気付く。
「プロジェクトF.A.T.E?まさか…」
「気付いたようだね。彼女の名前はこの計画、プロジェクトFから取られたものだ。そして、彼女の真の親は、プレシア・テスタロッサ。自分の娘、アリシア・テスタロッサの代わりに自分を慰めるための人形として彼女、フェイト・テスタロッサを生み出した女だよ。」
「私は…私は人形じゃない!!」
震える身体で、心で懸命な反論を試みるフェイト。しかし、
「いや、人形だよ君は。まともな名前さえ付けてもらえず、産みの親の言われるがままに動き、あげくは捨てられた。君のような存在を人形と呼ばずしてなんと呼ぶ?」
「あ…う…」
スカリエッティにバッサリ切り捨てられ、反論を封じられてしまう。
「だが…」
スカリエッティはさらに続ける。
「私は君を見捨てない。今ある生活を捨て、私の元に来れば、君の望む全てをあげよう。白宮光輝。君も彼女の幸せを願うなら、これ以上戦うのをやめたまえ。」
「…」
クロスは答えない。黙ったままだ。
「さぁ、返答は?」
催促するスカリエッティ。それに対するクロスの答えは……
「ふんっ!!」
左手から放つ衝撃波だった。
「ぐおっ!!」
スカリエッティは吹き飛ばされた。
その間にクロスはフェイトに歩み寄る。
「フェイトさん、あんなやつの言うことなんて聞いちゃ駄目だ。」
「光輝…」
フェイトは目尻に涙を浮かべてクロスを見上げる。
「奴の言う通り、フェイトさんは人造生命かもしれない。でもフェイトさんはフェイトさんだ。僕は知ってる。なのはさん達と部活に励むのも、誰かを守るために無茶しようとするのも、くだらないことで大笑いするのも、恥ずかしがりなのも、歌が好きなのも、全部まとめて本物のフェイトさんなんだ。人形なんかじゃない」
「光輝…ありがとう」
フェイトは頬を伝う涙を拭って、クロスに心からのお礼を言った。
「なぜだ…なぜなんだ…!」
スカリエッティはようやく立ち上がる。
「なぜ君はそこまで彼女を庇おうとする!?守ろうとする!?アリシア・テスタロッサのクローン…作り物の紛い物だというのに!!」
「決まっている!僕は…僕は…!」
クロスは、ずっと言いたいと思っていたことを言う。今、言う。
「僕はフェイトさんが好きなんだ!!!」
……………。
あまりの言葉に、フェイトもスカリエッティも思考が一瞬停止した。しかしクロスは構わず言う。
「僕じゃフェイトさんに釣り合わないことくらいわかってる!!でも好きなんだ!!好きな人を守るのに、理由なんかいらない!!!人造生命!?知ったことか!!!好きなものは好きなんだ!!!!!」
凄まじいまでのクロスの、いや、光輝の激白。フェイトは思わず顔を朱に染めた。
「…そうかい、私には理解できない感情だな。だが、そんなことはどうだっていいんだよ!!私は彼女を手に入れる!!君には、死んでもらおう!!!」
言ってクロスにエネルギー弾を飛ばすスカリエッティ。
「光輝、危ない!!」
フェイトは我に返り、クロスを突き飛ばす。来るべき衝撃に備えてガード態勢に入るフェイト。
しかし、フェイトがダメージを受けることは、なかった。
エネルギー弾が光の縄となってフェイトに絡みつき、拘束してしまったからだ。その態勢は、まるで十字架に縛りつけられた罪人のよう…。
「なっ、これは!?」
フェイトはもがくが、光の縄はびくともしない。スカリエッティは笑う。
「かかったね。私が彼を狙えば、君は確実に庇いに入ると思ったのだが、予想通りの結果で嬉しいよ。」
つまり、スカリエッティはフェイトの優しさを利用したのだ。
「フェイトさん!貴様…!!」
スカリエッティに挑もうとするクロス。だが、
「君に用はない!!」
「ぐああっ!!」
スカリエッティが放った衝撃波により、吹き飛ばされてしまった。
ソウガは群雲でムスカの剣を受け止め、ドレッドマグナムで反撃する。
「ぐおっ!!」
「ハッ!こんなもんか?ずいぶん弱くなっちまったなぁ。」
「くそぉっ!!」
ムスカは距離を取ってエネルギー弾を連射した。ソウガもそれに合わせてドレッドマグナムを連射し、次々と撃ち落としていく。
「だっ!!」
全てを撃ち落としたソウガは群雲に魔力を込め、黒い魔力の斬撃を放ってムスカにダメージを与えた。
「…うおお…」
「すごい…」
Wは両者の戦いに割り込めず、ただ見ていた。
戦いの流れは、完全にソウガに傾いている。ただでさえ強い剣技に加え、剣技にばかり気を取られていると銃が襲う、ありがちな戦法ながらも一切の隙がない。要するに、圧倒的だ。
翔太郎もフィリップも、ここまで激しい戦いは見たことがない。もはや、見事とまで言えるレベルの強さだった。
ソウガが強いのは当然のことだ。何せ変身せずとも上級ドーパントに勝てる二人が、その力と魔力を完全に融合させているのだから、強くない方がおかしい。今やダンテとバージルは、父、スパーダにすら迫る力を得ているのだ。
「まだまだ行くぜ!!」
「ぐあああああ!!!」
激闘は、続く。
くっ…痛いな…でもこれくらい…僕はエターナルメモリとインフィニティーメモリを取り出す。アンリミテッドはパワーが強すぎてスカリエッティ先生を殺しかねないから使いたくなかったけど、言ってる場合じゃないね。
〈ETERNAL!〉
〈INFINITY!〉
〈CROSS/ETERNAL/INFINITY!〉
〈UNLIMITED!〉
僕はクロスアンリミテッドに強化変身した。
「よし、これで…」
僕はすぐにでも突撃をかけようと思ったんだけど、僕は偶然聞いてしまったんだ。スカリエッティ先生が、フェイトさんに向かって言ってることを。
「ところで…ハラオウン家との家族ごっこは楽しかったかね?」
僕の頭から、理性が飛んだ。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!」
突如響いたクロスの絶叫に、驚くフェイトとスカリエッティ。
次の瞬間、スカリエッティが吹き飛んだ。フェイトを縛る光の縄も消滅し、フェイトはその場にへたり込む。
「ぐっ…一体何…が………。」
スカリエッティはクロスの姿を見て言葉を失った。クロスの全身からにじみ出る、炎のような光の奔流に。
フェイトは見た瞬間にわかった。あの光はアンリミテッドフォースなのだと。
しかし、いつものような暖かさや優しさは一切存在していない。全身を焦がすような、言ってみれば痛さや苦しさ。フェイトが感じたのはそれだ。
「きぃぃぃぃさぁぁぁぁまぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
クロスは怒っていた。アンリミテッドフォースも彼の怒りに呼応するかのように、真っ赤に染まっている。
(そ、そうか!アンリミテッドフォースのリミッターを外す鍵は激情。なら、怒りがその鍵になることも充分考えられる!)
フェイトが悟ったように、今のクロスは怒りという激情によって、リミッターを解除していた。誰かを守りたい、救いたい。そのような激情によってリミッターを解除した場合には、暖かさや優しさがあった。
だが、クロスは怒りによってリミッターを解除している。人間にも感情があるように、アンリミテッドフォースも無限の使徒の感情によって、その本質を変化させるのだ。
「貴様は…殺す!!」
「っ!!」
クロスの圧倒的なアンリミテッドフォースのエネルギー量、そして鬼気迫る威圧感に、スカリエッティは思わず息を飲む。
そして、
「殺してやるぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!」
怒りを爆発させたクロスは、そのままスカリエッティに突撃した。
「オオオオオオオオオオオオオオオ!!!」
憤怒の一歩を確実に踏みしめながら駆け抜けるその姿は、スカリエッティにさえ恐怖を与えている。
「アァッ!!!」
拳を繰り出すクロス。
しかし、その拳がスカリエッティに届くことは、なかった。
スパーダが間に立ち、クロスの拳を片手で止めていたからだ。
「り…理事長…」
クロスの身体からアンリミテッドフォースの光が消え、スパーダはクロスに言う。
「落ち着け、白宮光輝。お前の拳は、このような愚か者を殴るためにあるのではない。」
「あ…あ…」
クロスは半ば放心状態となり、拳から力を抜いた。スパーダも手を放す。
(助かった…)
そう思ったスカリエッティだが、
次の瞬間、
彼はスパーダに殴り飛ばされていた。
「ぐはっ!!」
大きく吹き飛んだスカリエッティに向け、スパーダは言い放つ。
「それは私の役目だ。」
その目は、深い悲しみに沈んだ目だった。
フェイトはようやく我に返り、クロスに駆け寄る。
「光輝!」
「フェイトさん、大丈夫?」
「平気。それより、どうして理事長が?」
「突入する余裕ができたから来た、それだけの話だ。」
まさかスパーダが来るとは、二人からしてみれば思わぬ援軍だ。
「今のは、なかなか痛かったですよ。」
スカリエッティは立ち上がる。
「お前達、私は全ての事情を知っている。この場は私に任せ、ランカ・リーとシェリル・ノームを救出するのだ。」
「は、はい!」
「わかりました!」
なぜスパーダがそのことを知っているのか二人は気になったが、事は一刻を争うため、スパーダの指示に従い、その場をあとにした。
「余計なことを…まぁいいでしょう。彼女の次はあなたを手に入れるつもりでしたから」
「…まさかここまで愚かな男だとは思わなかった。悲しいぞ、スカリエッティ。」
スパーダは、まるで憐れむかのような瞳でスカリエッティを見つめる。
「何を偉そうに!あなたに私の何がわかる!?」
「この私が気付かんとでも思ったか?お前もまたフェイト・テスタロッサ・ハラオウン同様、人造生命であるということに…」
そう、スカリエッティもまた、とある計画によって誕生した人造生命だった。
「私はお前を、その無限の欲望から救うために、我が学園の教師として採用した。だが、どうやら理解してはもらえなかったようだな。」
「余計なお世話というものですよ。私は、この欲望を満たしたいだけ…救うなど、検討違いも甚だしい!!」
スカリエッティはスパーダの話に取り合おうとしない。
「スカリエッティよ、これが最後だ。戻ってこい。今ならまだ間に合う」
「必要ありません。私は私の欲望を満たし、夢を叶えるだけ。」
スパーダの通告を一蹴したスカリエッティの手に、現在ムスカが使っているものと同じ、黒い剣が現れる。
「そうか…ならば…」
スパーダはデビルトリガーを発動し、本来の姿に戻って、魔剣スパーダを構えた。
「もはや言は労すまい。」
「私とあなたの間に、始めから言葉など必要ありませんよ。」
スカリエッティも剣を構え、二人は睨み合う。
クロスとフェイトはラピュタの内部を進む。
「そういえば光輝。私達、ラピュタの歌声のありかなんて知らないよね?」
「大丈夫。それっぽいエネルギーを感じてるから、それをたどれば…」
「そっか、光輝は無限の使徒だから…」
フェイトはそれっきり、口をつぐんでしまう。クロスの言葉が、耳に残って離れない。
(光輝…私も…光輝のことが…)
一人考えながら走るフェイト。
と、
「ここは!?」
開けた場所に到着し、クロスは立ち止まった。フェイトも慌てて止まる。
その空間は歌劇場のようになっており、そのステージらしき場所の上で、頭に何かの機械を付けられたランカとシェリルが歌い続けていた。
「ランカさん!シェリルさん!」
「ということは、あのステージがラピュタの歌声?」
「多分そうだ。よし、二人を助けよう!」
「うん!」
クロスとフェイトは、ランカとシェリルを救出しにかかった。
クアットロはなのはを蹴り飛ばす。
「あっ!!」
「なのは!!」
ヴィータはそれを受け止める。
「なぁ〜んだ、お二人ともずいぶんと弱っちいんですのね?」
「何だと!?」
「このまま圧勝するのもつまんないですしぃ〜…そうだ、二十秒待ちますわぁ〜。その間に好きになさって構いませんわよぉ〜?」
余裕のクアットロ。
「てめえ…!!」
「ヴィータちゃん、ここは私に任せて。」
「なのは!?」
なのははクアットロに向かっていく。そして、
「エクセリオンバスター!!!」
零距離からディバインバスターを上回る砲撃魔法、エクセリオンバスターを放った。二十秒ではスターライトブレイカーを撃つには短いので、当然の措置だ。
「やった!」
ヴィータはなのはの勝利を確信する。
だがクアットロは無傷だった。
「なっ!?」
我が目を疑うヴィータ。クアットロは間違いなく、桜色の閃光に呑まれた。しかし、クアットロは無傷だったのだ。
「何かなさいました?」
「あ…ああ……」
予想外の結果に怯えるなのは。
「というのはウ・ソ♪今ので眼鏡が壊れてしまいましたわ。」
要するに、クアットロ自身にダメージはない。
「さて、二十秒経ったことですし、眼鏡の代金はあなたの命で払っていただきましょう。」
言って片手をなのはに向けるクアットロ。
「なのはぁぁぁぁ!!」
ヴィータはなのはの元に駆けつけようとするが、もう間に合わない。
しかし次の瞬間、
「ハンバーガーが四個分くらいかな?」
「へぶぁぁっ!!」
材質不明のハンバーガーが四個飛んできて、クアットロを吹き飛ばした。これをやったのはもちろん…
「やあ、こんにちは!」
「「ドナルド(くん)!!」
だ。
「ま、まさかあなたが来るとは…」
クアットロはよろめきながらも立ち上がる。
「ドナルドは誰にも傷付いてほしくないんだ。みんなを守るためなら、ドナルドはどこにでも行くよ!」
「ふふふ…でもできるかしら?今の私はラピュタの歌声の力で超人に……!?」
クアットロは力の増大が止まったのに気付いた。
「そんな馬鹿な…まさか、ラピュタの歌声が!?」
「ドナルドはわかったよ。光輝君達がやったんだね」
ドナルドが言った瞬間、ラピュタの内部にいる者全員の脳内に、クロスの声が響く。
『みんな!ラピュタの歌声は、僕とフェイトさんが壊した!ランカさんとシェリルさんも無事だ!奴らはもう、これ以上パワーアップできない!』
「ほらね?」
「くっ…そうであったとしても!お前達を塵に変えるぐらい、わけはない!!」
クアットロは本性を現し、ドナルドに襲いかかった。
しかし、ドナルドは
「アクティーブ!!」
とクアットロのみぞおちに拳を叩き込んだ。
「二人は休むといいよ。あとはドナルドにおまかせ!」
「う、うん…」
「お、おう…」
ドナルドはなのはとヴィータを下がらせ、クアットロと一対一の勝負を始める。
「こぉのぉぉっ!!!」
クアットロは距離を取って手からエネルギー波を出す。
「ドナルドマジック!!」
対するドナルドは、人差し指からそれより巨大で強力な光線を放って反撃。クアットロのエネルギー波をいとも容易く打ち破って、クアットロを吹き飛ばす。
「こ、こんなことが…」
「ランランルー!!」
「ぎゃああああああああああああ!!!」
ドカァァァァン!!
ドナルド得意の原因不明の大爆発。クアットロは戦闘不能に陥り、
「そんな…ドクターの…世界が…」
倒れた。
「ドナルドは嬉しくなると、つい殺っちゃうんだ♪」
なのはやヴィータが苦戦したクアットロ。ドナルドはそれに容易く勝利してしまった。
「…とりあえず、脱出しよっか。」
「…そうだな。」
なのはとヴィータは倒れたクアットロを抱え、ドナルドを連れてラピュタを脱出した。
「照井さん、今から私が言うことを、よく聞いて下さい。」
ティアナはトーレを倒すための作戦を伝える。
「まずどうにかして、彼女の動きを止めます。動きが止まったら、私とウェンディで照井さんにブーストをかけますから、マキシマムで一気に決めて下さい。」
ブーストとは魔力による強化。この魔法はティアナもウェンディもあまり得意ではないが、今は言っている場合ではない。
「作戦はわかった。だが、どうやって奴を止める?」
トーレは高速移動の使い手。バインド魔法すら、かわしてしまうだろう。
「私がやります。」
挙手したのはギンガだ。
「頑丈さなら自信がありますから、なんとかなるはず…」
「そうかもしれんが危険すぎる!」
「大丈夫です。ギン姉がやるなら、あたしもやりますから。」
「二人より三人だ。あたしもやる」
進み出るスバルとノーヴェ。
「お前達…俺が不甲斐ないばかりに…すまん。」
アクセルは自分の無力さを詫びる。だが、
「気にしないで下さい。これは元々、あたし達の問題ですから」
スバルは笑って許した。
「遺言は終わりか?ならば、これで始末してやる!!」
「そんなこと、させない!!」
「あたし達が相手だよ!!」
「トーレ姉、あんたを止める!!」
ギンガ、スバル、ノーヴェはそれぞれ言い、トーレに挑みかかった。
「うまくかかればいいけど…」
「やるしかないッス!」
ティアナとウェンディは、その間にアクセルにブーストをかける。
「はあっ!!」
「でやぁっ!!」
「うおらっ!!」
「遅い!ライドインパルス!!」
「「「あああああああああああ!!!」」」
三人はトーレの高速移動に翻弄され、彼女の両腕から伸びる魔力の刃、インパルスブレードに切り刻まれていく。
しかし、
「やあああ!!」
トーレが攻撃後に見せた一瞬の隙を突き、ギンガがトーレを羽交い締めにした。
スバルもトーレの右腕を、ノーヴェはトーレの左腕を、それぞれに組み付いて封じていく。
「照井さん!!」
「今です!!」
「やれーっ!!」
三人はアクセルにトーレを倒すよう言う。
「ブースト、完了、です…!」
「あたしらの、全、魔力を、込めたッス、から、ね…これで、勝てなきゃ、あたしらの、負けッスよ…!」
「勝つ。必ず…勝ってみせる!!」
アクセルはトライアルメモリを抜いてタイマーをスタート。スピードを上げて、トーレにマシンガンスパイクを食らわせ、トライアルメモリのタイマーを止める。
〈TRIAL・MAXIMUM
DRIVE!〉
「9,9秒…それがお前の絶望までのタイムだ!!」
「ぐあああああああああああ!!!!」
トーレは倒れた。いくらラピュタの歌声の力で強化されているとはいえ、彼らの結束には敵わなかったのだ。
「どうにか勝てたッスね、ノーヴェ。」
「ああ。こんなこと、本当はしたくなかったのに…」
気絶したトーレを見て、ウェンディとノーヴェは悲しそうに言った。
「…行くぞ。」
アクセルは彼女達を連れてラピュタを脱出した。
「まさかラピュタの歌声を破壊されるとは…」
ウーノは焦っていた。彼女達がラピュタの歌声の力で超人になっていられるのは装置が作動している間だけで、作動していないと超人から元に戻ってしまうのだ。
「その前に、カタを着ける!!」
ウーノはエネルギー波を放ってはやてを攻撃した。シグナムも照山もボロボロにしてある。はやての魔法は大がかりなので、すぐには使えない。
「っ!!」
はやては来るべき激痛に備えて目を瞑り、身体を強ばらせる。
しかし、いつまで経っても痛みは来ない。はやてが恐る恐る目を開けてみると…
血まみれになった照山が、両手を広げて仁王立ちしていた。
「照山くん!!」
「照山!!」
その惨状に驚くはやてとシグナム。
「ぐっ…おおおおおおおおおおおお…!!!」
照山は膝をつきそうになるが、根性で立ち上がる。
「私の邪魔を…最下級ニードレスの分際で!!」
「うるせぇ!!!」
照山はウーノを黙らせた。
「そんなもんはな、関係ねぇんだよ!!守りてぇから守る!!そのためには絶対に退いちゃならねぇ!!それが漢だ!!!」
ここぞとばかりに漢を見せる照山。
「照山くん…」
「照山…」
はやてもシグナムも、一種の感動を覚えていた。
照山はベオウルフに尋ねる。
「ベオウルフ、まだいけるか?」
「俺は平気だ。だがその怪我では…」
「構やしねぇよ、こんなもん。それより、俺も限界が近ぇ。この一発で決めるから、お前も手ぇ貸せ!!」
「…わかった。」
「よし、行くぜ…!!」
照山は自分が出せる最大の炎を右腕に纏わせ、
「ヴァルカンショックリトルボーイ!!!」
ウーノに突撃した。
「おのれ…!!」
ウーノはエネルギー波で迎え討とうとするが、
「させるか!!」
シグナムがレヴァンティンを弓の形状、ボーゲンフォルムに変形させ、
「駆けよ隼!!」
魔力の矢で敵を射抜く魔法、シュツルムファルケンを使ってウーノを牽制。
「ブラッディダガー!!」
さらにはやてが攻撃し、ウーノの動きが止まっている間に照山が接近。
「+!!ビーストアッパァァァーッ!!!」
ウーノを打ち上げ、さらに纏っていた炎が爆発。
「がはぁっ…!!」
ウーノは肺の中の空気を全て吐き切り、天井にめり込んでから落ちてきた。
「…ぐっ!!」
ついに膝をつく照山。
「照山くん!!」
「照山!!大丈夫か!?こんなことなら、シャマルを連れて来ていれば…」
「俺はいい。それより、さっさとここから消えようぜ。こんな薄気味悪いとこ、もう一秒だっていたくねぇ。」
三人はウーノを連れてラピュタを脱出した。
「終わったな。ラピュタの歌声の力がない以上、もはやお前に勝ち目はない。」
スパーダはスカリエッティに向けて言い放つ。しかし、
「いえ、まだ手はありますよ。」
そう言ってスカリエッティは、あるものを取り出した。
それは、ダンテ達に幾度となく破壊された赤いエネルギー結晶体、レリックだった。
「ぬんっ!!」
スカリエッティはレリックを自分の胸の中心に当て、そのまま埋め込んでいく。
そして、完全に埋まった時、スカリエッティの全身から、凄まじい量のエネルギーが吹き出した。
「ラピュタの歌声がなくとも、このレリックがあります。そして、ラピュタの歌声のデータはすでに取ってありますから、再現すればいいだけの話です。」
「そうか…しかし、それでも私を倒せる要因にはならん。」
「やってみなければわかりませんよ!!」
スカリエッティは剣を構えてスパーダに挑む。
その時、灰色のオーロラ、世界の架け橋が現れ、中から一人の青年が出てきた。
「何だお前は?すまんが今は取り込んでいる。用があるならあとにしろ」
「いえ、僕もその人に用があるんです。」
「何?」
青年はスカリエッティを見る。
「私に何の用かね?」
「僕は風上光。実はこことは別の世界から来た者で、ずっと見てたんですけど…」
光と名乗った青年はそこで一旦言葉を切り、
「フェイトに向かって言ってはいけないことを言いましたよね?確か人形とか。」
殺気を飛ばした。それはもう、スカリエッティが身震いするほどの殺気を。
「そ、それがどうかしたかね?君には関係ないことのはずだが…」
「関係大ありなんですよ。僕のいる世界にもフェイトがいまして、僕はフェイトと結婚してるんです。だから、」
光は再び言葉を切り、
「ボコりますね♪」
再び殺気を飛ばした。超笑顔で。
「変身!!」
〈KAMEN RIDE・DECADE!〉
光は仮面ライダーディケイドに変身した。しかし、ただのディケイドではない。カードなしでも様々な仮面ライダーやウルトラマン、あらゆる作品の技、能力等を全てグリッター化(ウルトラマンティガ参照)して使用できる複眼の色が白でシグナルポインターが銀色が特徴のディケイド超絶態だ。
「さぁ、お前の罪を数えろ!!」
なぜかWと同じセリフを言ったディケイドは、スカリエッティに挑みかかる。
「ちょっ…待っ…」
「待つか!!」
スカリエッティはあまりにも突然のことに対処できず、ディケイドはそれに構わずスカリエッティを殴る、蹴る。光線や衝撃波等いろいろな技をお見舞いしたりともうスカリエッティは完全にサンドバッグ状態だ。
そして数分後、
〈FINAL ATTACK RIDE・DE DE DE DECADE!〉
「はあーっ!!!」
「ぎゃあああああああああああああ!!!!!」
ディケイドは必殺技のディメンションキックをグリッター化した技、グリッターディメンションキックを放ってスカリエッティを倒した。
「あー、スッキリした♪じゃ!」
「あ、ああ…」
再び世界の架け橋が出現し、ディケイドは帰っていった。
スパーダは立ち尽くすしかなかった。
スパーダは気絶したスカリエッティを拘束した。
ブレイドはキングラウザーとブレイラウザーの二刀流を操ってセッテと戦っていたが、戦況はブレイドに不利だった。
(まさかキングフォームでもここまで苦戦するなんて…)
その時、世界の架け橋が現れ、中から一人の少年が出てきた。
「あなたが剣崎一真さんですね?」
「あ、ああ。君は?」
「俺は李ツバサ。こことは別の世界から、あなたを助けに来ました。」
「俺を?」
戸惑うブレイド。しかし、セッテは構うことなくブーメランブレードを構える。
「逃げるんだ!ここはなんとかするから…」
「大丈夫ですよ。俺も…仮面ライダーですから。変身!!」
〈CHANGE〉
ツバサと名乗った少年は、カリスラウザーにチェンジマンティスのカードをラウズし、仮面ライダーカリスに変身した。
「カリス!?そんな馬鹿な…君は一体!?」
「ここは俺に任せて下さい!」
ブレイドの問いに答えず、カリスはセッテに挑む。
セッテはブーメランブレードを投げつけてくるが、カリスは弓の形状をした武器、カリスアローでそれを弾き、セッテを斬る。
「ぐっ!!」
ラピュタの歌声の効果が徐々に切れ始めているので、セッテはカリスに押される。
次々と連撃を食らわせていくカリス。スピードならブレイドより分があるため、ブーメランブレードが戻ってきてもその度に弾き、素手同然のセッテを攻撃できるのだ。
「これで決める!」
カリスはカリスアローにカリスラウザーをセットし、カードを三枚出して、ラウズする。
〈TORNADO,DRILL,FLOAT〉
〈SPINNING DANCE〉
すると、カリスの身体が竜巻に包まれ、浮かび上がっていく。
そして、
「はあああーっ!!!」
「ぐうっ!!」
相手にきりもみキックを放つ技、スピニングダンスを食らわせ、セッテにダメージを与えた。
「よし、俺も!」
〈PERFECT JOKER〉
ブレイドは手元にパーフェクトジョーカーのカードを出現させ、ラウズアブゾーバーにラウズ。ブレイドはジョーカーフォームに強化変身した。
ブレイドはそのまま五枚のカードを出現させ、ジョーカーソードにラウズ。
〈SPADE TWO,THREE,FOUR,FIVE,JOKER〉
〈JOKER STRAIGHT FLASH〉
カードの力がジョーカーソードとキングラウザーに宿る。
そして、
「らあっ!!」
ブレイドはジョーカーソードとキングラウザーで斬りつける技、ジョーカーストレートフラッシュを放った。
セッテもブーメランブレードでガードするが、簡単に粉砕され、
「ああああーっ!!!」
セッテは倒れた。
「どうにか勝てたな…さて、君が何者か聞かせて…あれ?」
ブレイドが振り返った時、カリスはもういなかった。
「あれ〜?……まぁいいか。」
ブレイドはセッテを連れてラピュタを脱出した。
その頃、ツバサの世界。
「危ない危ない、あのままあそこにいたら面倒なことになるからな。」
ツバサは自分の家に帰っていった。
「なぁフィリップ。さっき誰かに俺達の台詞言われた気がするんだけどよ…」
「奇遇だね翔太郎。僕もだ」
Wがそんなやり取りをしている目の前では、ムスカとソウガの戦いに決着がつこうとしていた。
「ぐっ…」
「最後だ。これで終わらせるぞダンテ!!」
「ああ、決めようぜバージル!!」
ソウガはドレッドマグナムをホルスターに収め、さらに群雲を納刀。その群雲の柄に群雲のギジメモリを装填し、柄を叩く。
〈MURAKUMO・MAXIMUM DRIVE!〉
ソウガは居合の態勢に入る。そして、Wやムスカが気付いた時には、
もうソウガはムスカの背後に移動していた。
「ヴァリアブルスラッシュ」
「ジャックポット!!」
「ぐあああああああああああああ!!!」
ソウガが告げ、群雲を収める音が聞こえた瞬間、ムスカはダメージを受けた。
「おいフィリップ!何が起きた!?」
「超高速で移動して、ムスカを全方位から斬りつけたんだ。」
「なんてスピードだ…全然見えなかったぜ…。」
「それより翔太郎。こっちもマキシマムだ!!」
「お、おう!!」
フィリップに言われ、Wも必殺技を放つ。
〈XTREAM・MAXIMUM DRIVE!〉
「「ダブルエクストリーム!!」」
「があああああ!!!」
Wはムスカを蹴り飛ばした。
「お、おお…」
ムスカは呻きながら立ち上がり、ソウガはムスカに言う。
「終わりだムスカ。ラピュタの歌声の力がない以上、もはや貴様に勝ち目はない。」
「年貢の納め時ってやつだ。観念しな」
「…まだだ…まだ終わらん…!!」
ムスカは懐から、レリックを取り出した。
「私はラピュタの王族の血を継ぐ者…貴様らごときに敗れるなど、あってはならん!!!」
ムスカは自分にレリックを埋め込んで、その力でダメージを回復させ、さらに飛行石を出す。
「最終プログラム起動…ラピュタよ…真の姿を現せ!!」
ムスカが唱えた時、ラピュタが震えだした。
「な、何だ!?何が起きてやがる!?」
「わからない…だが、よくないことだというのは確かだ!」
「させると思うか?潰してやるよ!!」
「待てダンテ!!迂闊に仕掛けるのは危険だ!!ここは退くぞ!!」
「…チッ!!」
Wとソウガは撤退した。
「第四波動!!」
アークライトは炎を出し、ロボット兵を撃墜した。
「敵はあと何体残っている!?」
次の敵を探すアークライト。そこへ、先に脱出してランカとシェリルを学園に送り届けたクロスとフェイトが来た。
「お手伝いします会長!!」
「頼む!!」
クロスの言葉を聞いて、再び敵の掃討に入るアークライト。
と、ラピュタを脱出したライダー達がやって来た。
「みんな!って照山!!」
「それからそのライダーさんは!?」
驚くクロスとフェイト。
はやてとソウガが説明する。
「そうだったのか…とりあえず、照山。今治すね」
クロスはアンリミテッドフォースを使って照山を治した。怪我を負った者も全員だ。
「サンキュー光輝。」
「どういたしまして♪」
「しかし、こいつらどうする?」
ヴィータはウーノ、トーレ、クアットロを見ながら言う。それについては、スバル、ティアナ、ギンガ、ノーヴェ、ウェンディが挙手をした。
「あたし達が、学園まで連れて行きます。」
「あそこが一番安全ですから。」
「目を覚まして暴れないよう、見張る必要もありますし…」
「もう大丈夫だとは思うけどな。」
「あたしらに任せるッス。」
スバル達はウーノ達を学園に連れて行った。
次の瞬間、ラピュタに変化が現れた。
ラピュタは彼らの目の前で、変形したのだ。
ムスカと同じ姿の、黒い巨大なロボットに。
「ウソだろ?」
「ありえない…」
戦慄するW。その時、ロボットからムスカの笑い声が聞こえてきた。
「素晴らしいだろう?これこそラピュタの最終兵器、『ラピュタの神』だ!さぁ私の力にひれ伏したまえ!!」
「か、神って…」
「どう見ても神には見えんな…」
なのはとシグナムは感想を言う。
「こんな隠し玉が用意されているとは…」
「ハッハッハッハ☆」
「笑ってる場合やないやろ!!」
唖然とするアクセル。笑うドナルド。ツッコむはやて。
「ヤバい…ヤバすぎるよ…」
「最後の最後で、またでかいのが出てきたな。」
「これはねぇ。」
危機感を抱くブレイド。呆れるソウガ。
「…かつてない程、ひどい一日になりそうだ。」
「もうなってるって。」
白い目で見るアークライトと照山。
「光輝…」
フェイトはクロスに話しかけ、クロスは呟く。
「ここからが本当の戦い、だね。」
************************************************
次回、
仮面ライダークロス!!
ムスカ「見せてあげよう。ラピュタの雷を!!」
ダンテ「いくら無限の力っつったって、こりゃあねぇだろ。」
クロス「行くぞ、ムスカ!!」
第十九話
Mの狂気/落城。そして…
これが裁きだ!!
仮面ライダーソウガ
ダンテとバージルがソウガドライバー、スラッシュメモリ、ブラストメモリを用いて変身するライダー。名前の由来は剣(Sword)と銃(Gun)のイニシャルから。スーツのイメージは、デビルメイクライ2の魔人化ダンテをライダーっぽくした感じ。決め台詞は、
「さぁ、泣き叫べ」
「ジャックポット」
ダンテとバージルの能力や魔力が完全に一つになっているため、凄まじい戦闘力を誇る。
戦闘スタイルは超刀群雲とドレッドマグナムを使った白兵戦。
必殺技は、群雲の『ヴァリアブルスラッシュ』と、ドレッドマグナムの『ドレッドバースト』と『ドレッドスレイヤー』。二人で同時に『デッドエンド』と発音することによって発動する両足蹴り『オーバーキラーシュート』。
パンチ力 75t
キック力 90t
走力 100mを3秒
ジャンプ力 ひと飛び200m
オーバーキラーシュート 160t
超刀群雲
ソウガが使用する日本刀。大剣にも分類できる程の大きさで、切れ味は閻魔刀以上。
ギジメモリ、群雲メモリを装填した後、柄を叩くことによって、超高速で相手を全方位から斬り刻む必殺技、ヴァリアブルスラッシュを発動する。相手が再生能力を持つドーパントだった場合は、それを無効にしてメモリブレイクできる。ただしこの機能が適応できるのはドーパントのみで、それ以外の再生能力は無効にできない。
ドレッドマグナム
ギジメモリ、ドレッドメモリを装填して使用するハンドガン。本人の意思でフルオート、狙撃、榴弾、砲撃などを自由に設定できる。
必殺技は、排侠動作を行うことによって発動する。相手を消滅させる砲撃、ドレッドバーストと、超高速で移動しながら全方位から銃撃し、最後に零距離からドレッドバーストを放つ、ドレッドスレイヤーの二種類がある。
スラッシュメモリ
最強の剣聖の記憶を宿したガイアメモリ。ブラストメモリと組み合わせて使用することで、ダンテとバージルをソウガに変身させる。
ブラストメモリ
最強の銃使いの記憶を宿したガイアメモリ。ブラストメモリと組み合わせて使用することで、ダンテとバージルをソウガに変身させる。
ちなみにソウガが使用するメモリは、魔界の技術によって特別な処理を受けているため、T2エターナルメモリの力を受けない。
ソウガドライバー
ドクロの形状をしたドライバー。メモリを装填すると、ドクロの目からメモリのイニシャルが露出するようになっている。
このドライバーは二つ存在しており、装着した片方がドクロの右目部分から、もう片方が左目部分からメモリのイニシャルが露出するようメモリを装填した後、互いの腕が重なるように空中で交差させることで、ソウガへの変身を完了する。
説明 | ||
これまでの、 仮面ライダークロス。 ムスカ達の暴挙を食い止めるべく、ラピュタへ乗り込んだライダー達。 待ち受けていたのは、人類超人化システム、ラピュタの歌声によってパワーアップしたムスカ達だった。 この恐るべき強敵を倒すべく、ダンテとバージルは新たな仮面ライダー、ソウガに変身する。果たしてその実力は? 今回はゼロディアスさんの『魔法少女リリカルなのはVivid&HERO』から、風上光と李ツバサが出ます。そしてスカリエッティファンの方々御免なさい。 |
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