超次元ゲイムネプテューヌmk2+ BlackFateその7
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〜午前十時 リーンボックス郊外〜

 

「はいとーちゃーく。」

「……リーンボックス…。」

 

ねーさんの手を離し、リーンボックスの緑の大地に着地。

何処までも続く緑と、すぐ近くにある特徴的すぎる建造物。わたしの記憶と一致した。

こうしてみると、何十年たってもゲイムギョウ界自体は大して変わっていないことがわかる。

……変わったのは、人間どもの考えか。

 

「とりあえず、教会に行けばチカ辺りに話通じるでしょ。行くわよ。」

「了解。」

「らじゃっ!」

 

ねーさんを先頭に、リーンボックスに入る。

ラステイションと似たような多階層都市であるが、また違う雰囲気。確かマジェコンヌ事変前までは四国の中で特に対立していたそうだけど……。この辺そういうとこ出ているのかなぁ。

 

「……?」

「どうした?」

 

日本一が怪しく周りをきょろきょろと探っている。誰か探しているのだろうか。

 

「あ、いえ。なんでもないですよ。」

「だったら怪しいことすんな。怪しまれる。」

「う、すいません……。……ちょっと、用事が出来たので、行ってきます!また教会で!」

「なっ、おいコラ!」

 

止める暇もなく、日本一がリーンボックスの路地裏に消えて行った。

…妙に焦っていた辺り、何か隠し事があるのだろう。

何を企んでいる……?

 

「偶にはリーンボックス製の銃器も……ってあれ?あいつは?」

「いきなりどこかに走り去っていきましたよ。教会で落ち合おう、と。」

「全く、とんだじゃじゃ馬ね…。」

 

ねーさんが言えたことでもないけど。

とは決して言えない。ねーさんに対してそんなことは決して言えない。

私はケイから教わった【WA】よろしく、半歩下がってユニねーさんの後ろを歩いて教会に向かった。

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〜同時刻 リーンボックス 路地裏〜

「はぁ、はぁ………!どこに行った……!」

 

狭く薄暗い路地裏を走り続ける。

女神さま達と歩いていた時、ふと見かけた人影。

小さな体に大きすぎる帽子。……間違いない、と思い追いかけては見たものの、あっさり見失ってしまったみたい。

ああもう、今逃がしたらまた……!

 

「ッ……!そっちか!」

 

コツ、と足音がした方向をみると探していた白い人影が見えた。…誘っている。

いや、挑発している。「お前では無理だ」と。

…上等。どこまでも追いかけてやる……!!

 

街中を、奴に誘われるまま走り続ける。

何度か同じ道を走ったりもしたけど、多分おちょくっているんだろう。

諦めろと。無理だと。

 

三回目の街角を抜けた先。リーンボックス市街から出てすぐの平原。

待ち構えていたように、白い人影は佇んでいた。

私は勢いに任せ、背中に差したプリニーガンを抜き、刃を出してそいつに切りかかった。

 

「…。」

 

私に切られる気はないと言いたげに、そいつはダガーを抜いて刃を合わせ、防いだ。

レーザーブレードを受け止めるダガー…何か細工がしてある……?

 

「何で、何であんたがここにいる……がすと!!」

「あなたに居場所を制限される筋合いはないですの。」

「そうじゃない…!何で、ずけずけと私の眼の前に現れた!!」

「追いかけてきたのはそちらですの。多少動けば撒けると思ったのにですの。」

 

目の前の少女どころか幼女の外見をしたこいつ、がすとは私を小馬鹿にしたような顔で私の顔を見つめる。

何も悪いことなどしていない、と言いたげな顔だ。

 

「今度こそ逃がさない…!今度こそ、絶対に……!あんたを殺す!!」

「おやおや。随分と物騒な発言ですの。これでは日本一が悪役ですの。ヒーローはどこに行ったんですの?」

「ヒーローだ…!私は、ヒーロー…!だから!あんたを絶対に許せない!!」

「全く、前の相棒に容赦の一つも無ですの?」

「だから、だぁっ!!」

 

刃で押さえ付けたがすとを横から蹴り飛ばす。まるで手ごたえがないままがすとの小さいからだが吹き飛び、ぬいぐるみのように地面から跳ねて樹に叩きつけられた。

相変わらず、気色悪いほど脆い。

 

「はぁ。肋骨が折れたかもしれないですの。まったくひどいことをするですの。」

 

立った。

本気で蹴った。勿論殺すつもりでだ。死なないと言っても脚力には自信があるし、骨を折ってもいいと思う。

だが、がすとは立った。蹴られたわき腹を押さえようともせず、一切痛がりもせず。

まるで何事もなかったかのように立ち上がり、服に着いた埃を払っている。

見ているだけで、気分が悪くなりそうだ。

 

「あれ、首の骨が外れたですの?おーい日本一ー。」

 

…驚愕の光景を目の当たりにした。

がすとの首が、折れた。

人形か何かのように、首の皮が外れてあらぬ方向へ傾いている。

肌の亀裂から、どくどくと血も溢れ、緑の地面が少しずつ赤に染められていく。

 

「まったく、手伝ってもくれないなんて本当に外道ですの。人の心は残っていないんですの?」

「あんた……!何で、生きてるの……!?そ、んな、状態で…!」

「ん?ああ、これは正確に言えば私の身体ではないですの。つぎはぎで創ったホムンクルスというやつですの。」

「ホムンクルス…!?人間を作ったとでも言うつもり…!?」

「まだ不完全なんですのー。だからこうやって自分で操作しないとロクに動きやしない。」

「………ッ」

 

そう言いながらがすとは無理やり頭を胴体に乗せていた。

なんの痛みもなさそうな顔で、自分の頭を持っていた。血が流れ出るのも構わずに。

今のがすとが作られた身体なら、もう諦めているのかもしれない。

 

「あー、この身体はやっぱ未完成だったですの。適当に破棄しとくですの。」

「がすと…一つ、聞かせてくれない?」

「何ですの?」

「その体…つぎはぎって言ったけど、【どこから調達した】の?」

 

私の質問にがすとは口を噤んだ。

……話す気がない、いや…私に聞く覚悟があるのか試している……?

 

「……ですの。」

「…ちゃんと、言って……!!」

「各国で調達した、私と同じ体型の少女からはぎ取って、ですの。」

「や、っぱり……!」

「正直、悲鳴は聞いてて心地いいものではなかったですの。いやぁ、大変だったですの。泣き叫ぶのを押さえつけてまるで強姦か何かのように刃を腕に、足に、首に差して切り落として、縫合して。錬金術でわざわざ私に似せて作って。霊魂というのは信じないタイプでも思わず殺した奴らの悲鳴が聞こえたですの。」

 

がすとの表情は、笑顔で固定されていた。それ以外の表情を知らないのかと思えるほど、がすとはずっと笑顔だった。

…それだけに、気味悪さが増していた。そして、怒りも。

 

「……その体を作るために、何人、殺した…」

「さて。一桁で収まる程度の人数ですの。」

 

……赦せなかった。

自分の激情に任せ、私はプリニーガンをがすとに突きつけ、そして、発砲した。

 

何の抵抗もなく、がすとの身体は地にふせ、光と共に消えて行った。

…私を、本当におちょくりにきただけだったのか、と呟いた。勿論それに応える者などいない。

怒りが、収まることを知らない。

嫌悪。憤怒。憎悪。

ヒーローには似つかわしくない黒い感情がぐるぐるぐるぐると回っている。

死体は消えても、血だまりは消えはしない。

緑の大地、リーンボックスに相応しくは思えない紅い血だまり。

……誰とも知らない、何の罪もない。ただがすとの複製の為だけに殺された幼い女の子達の血。

 

……許せなかった。

がすと以上に、何もできない無力な自分自身が。

 

ただ、ごめんなさいと。

がすとの犠牲になってしまった少女たちに、心から、謝った。

説明
短い。誰か私にモチベーションとインスピレーションとアイデアをください。
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コメント
がすと怖ぇ…てかスゲェ…(駆蘭)
>椿ちゃん がすと「ドヤァ。」ドヤ顔がウザい。果てしなくウザい。がすと「あんなお手伝いさんじゃなく、目指すは本格的な戦略兵器ですの。楽しみにしてるですの。」(リアルではおぜうタイプ@復帰)
>クリケット氏 がすと「全く、悪人呼ばわりとは酷いものですの。そんな殺人狂と一緒にしないでほしいですの。そんなに殺したいなら墓場逝けですの。」誰にでも喧嘩売るがすとマジがすと・・・(リアルではおぜうタイプ@復帰)
フウ「がすとは最早安定のキャラだね」 ヴァイス「人間だって色々なのがいる」 フウ「にしてもホムンクルス…ほむちゃんなんて可愛らしいものじゃなさそう」 ヴァイス「今の所はただの劣化コピーだけど…どうなる?」(風音ツバキ)
うーむ、がすとがとんでもない悪人になったな。氷室、お前とどっこいじゃね? 氷室「人間なんかと一緒にすんな。 反女神だろうが邪魔すんなら……殺す。」 …もっと極悪人がすぐ傍にいたよ。 (クリケット)
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