神様踊る展望台 第三話 |
男子A「昨日俺すごいもん見ちまったかも知んないんだ」
いきなりセリフからはいられてしかも名前の表示もないからなんのことかわからないと思うから簡単に説明していこうと思う。少し面倒かもしれないけど頑張って欲しい。まず俺はいつも一緒に登校する4人で何事も無く校門をくぐり、いかにも主人公ですって感じの位置に値する教室の一番左後ろの席についたところだ。右前に座るのが悪友の吉井 和樹(ヨシイ カズキ)で生意気にもさっき発言してたやつだ。こいつの説明はあんまりしたくないから短めに、バカ・黒短髪・男・オタク・バカ。
和樹「なんだか失礼な上に2回ぐらいバカって言われた気がする・・・」
女子A「毎日言われ続けて誰も言ってないのに言われてる気がするようになってきたんじゃないの?自意識過剰ね、極度のナルシストね。ほんと引くわ・・・」
冷酷・・・というかただ悪口を言ってるのは和樹の幼馴染みの新内 茜(ニウチ アカネ)。ボーイッシュなのに中途半端に家事ができる微妙なキャラ設定の人間だ。茶髪のショートで背は少し低いぐらい、元気があり容姿もいいからクラスのムードメーカーだ。和樹にだけは厳しいけども・・・まあ言わなくてもいいよな。席は俺の前で、美咲は右に座っている。座席はクラス分けの次の日に、ルーズリーフ一面に引かれたクラスの人数分(40人)の縦線に1人1本ずつ横線を引きながらやれば文句ないだろ?というよくわからない理屈で始まって、誰が結果を調べるんだという話になり渋々発案者の担任が一晩徹夜して結果が分かったのだ。たまに最初に戻るような線を引いたやつのせいで時間が以上に掛かったらしいがそんなことするのは和樹しかいないだろう。そんなこんなで隅に仲良し4人が揃うという奇跡が起きたのだ、若干の疑惑はあるがな。
美咲「それで何を見たのですか?」
和樹「実は記憶が曖昧なんだよなー」
幸也「ニヤニヤした顔を俺に向けるな。ただでさえお前の顔は俺を苛立たせるのにそんな顔されたら手が出るぞ」
和樹「イタッ!?何すんだよ、てかそれは足だ!」
幸也「手は制御できたんだけどまさか足とはな・・・驚きだ」
和樹「驚きだ・・・じゃねーよ」
美咲「・・・・・そんなことより、何を見たのですか?」
和樹「話が中断したのは多分俺のせいじゃないはず。まあ気を取り直して話すと、昨日の11時頃用事があって第三公園の前を通って帰ってたんだ。幸也の家で遊んだ後だ、ほら茜がもう少しで全裸になりかけた日だ?まあ見てもお子様体型だから嬉しくはないけど」
茜「死ねっ!今すぐ死ね!世界中のAカップに謝罪して苦しみながら死ね!!」
和樹「グハッ・・・・グッグハッ・・・・・・・・ドスンッ」
美咲「・・・お話はもう終わりですか?」
茜は深く踏み込みボディに一発、そのあと左ジャブのワンと右ストレートのツーがほぼ同時に和樹にクリーンヒットした。というかボディからのジャブって一回離れないといけないからあまり手際が良くないな。座ってる相手にボディ入れて最後にストレートが見事に入ったから椅子から落ちたし。茜はイライラしながらカバンから教材を出して俺は冷静に分析して美咲は自分のことをしながら表面だけ心配する、そして和樹のこの有様がいつもの風景だ。
和樹「ま・・・まあ待てよ・・・。話は最後まで聞けよ、ここからがいいところなんだから」
美咲「いいところ?」
和樹「その公園に幸也がいたんだ」
俺は不意のことだったからびくりとしてしまった。こいつ・・・まさか?!
美咲「そういえばお兄様は夜遅くにお出掛けになられましたね」
和樹「しかもここからが最骨頂なんだ。公園には幸也一人じゃなくて可愛い女の子といたんだ」
茜「え?え?え?!誰と、誰といたの!?」
幸也「茜、顔近い・・・」
美咲「お兄様公園で何をなされていたのですかお相手は誰ですか何才ですか可愛いですか何処で出会って何がきっかけで会う事になったのですかその人はお兄様のことをどう思っているのですか既にコトは済ましてしまったのですか?」
美咲は1回落ち着いたほうがイイな、それに文と文の間で息継ぎをしよう。美咲が微笑みながら聞いてくるけど目が笑ってない。それに声のトーンが少し低い。なんだか少し寒いな・・・。
和樹「何をしてるかはわからなかったけど、とりあえずベンチで寄り添っているのは確かだった」
茜「さあさあ、お姉さんに行ってご覧。大丈夫怖くないよー」
美咲と茜がジリジリと詰め寄ってくるから圧迫感がある。美咲が真顔で茜が笑顔で迫ってくる。笑顔は明らかにからわれてるし真顔がヤバい。くそぅ、急なことだからちゃんと嘘がつけない。俺が何かしたのか・・・。
幸也「あー、えと・・・」
茜「ネタは上がってるのだから白状したらどうだ?楽になるぜ・・・・・・・・・カツ丼くうかい?」
茜は話のネタになるとでも思ってるのかいやらしくにやついてるし美咲は相変わらず真顔だし、和樹は殴りたくなるほど笑ってやがる。もう教室には半分くらいの生徒が来ている。学校に早く来た(?)ためまだ授業まで12分48秒もある。それだけ時間があれば一つの学年には簡単に知れ渡るに違いない。嘘ではないにしろこれ以上の情報流出は避けたい、尾ひれが付いて良くない方に発展するからな。ふと見ると後ろのドアが開いている。
幸也「そういえば茜、俺のカバンにお前が言ってた漫画・・・」
茜「そんなもんどーでもいいから、さっさと吐け。あと本は授業中読むから」
こいつの気を紛らして逃げようと思ったのに、てか授業中に漫画読むなよ。茜はボーイッシュの名をほしいが言わんばかりにしているため、案の定スポーツができる。逃げ切るのは可能だけど朝から走るのはなぁ。しんどい!!
「みんなおはしー・・・」
クラスの大半がその挨拶に気を取られてしまった。表記ミスじゃないぞ、だって『よ』のじゃなくて『し』ってはっきり言ってるんだぜ?何はともあれ・・・茜の気が緩んだ今しかない。
幸也「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
茜「あ、待ってよ。ちっ・・・和樹捕まえたらジュースおごってあげる!」
和樹「任せろやあああああああああああああああああああああ」
和樹もダッシュしてくるが走り出すタイミングが違うんだから追いつくはずはないのに追いかけてきやがる。くそなかなか速い。褒美があるからやる気出すって現金な奴だな、かなり安いけども!!俺は階段を下りて2年の階に行き突っ切ろうとする。何処に向かってるなんて聞くなよ、俺もわからん。
女子B「幸也先輩こっちです」
ふと俺を呼ぶ声がした、今日は登場人物が多いな。扉の上のプレートを見ると「2−3」と表示されている。考えてる暇もないので開けられた扉に入る。影にいた子が扉を閉めてくれたので和樹は通り過ぎていった。てか和樹なら殴り倒せばよかった!
女子B「大丈夫ですか幸也先輩」
幸也「おかげで助かったよ・・・ってなんだ浴織か」
浴織「なんだ・・・じゃないですよ、せっかく助けてあげたのに」
幸也「悪ぃ、助かったよ。ありがとう」
さっきの声の主と閉めてくれた子が同一人物とわかったので顔を上げる。そこには綺麗なブロンドヘアーの小柄な女の子が立っていた。コイツは秋乃 浴織(アキノ アオリ)。ロリでとんでもなくかわいいから学校のアイドルみたいに崇拝されているけど、一部の人にしか見せない裏があるから厄介なんだよ。
浴織「いえいえどーいたしまして。お礼にせんぱいのぉ・・・」
幸也「ちょ、お前。やめろ」
浴織がゆっくりと俺に迫って来て、体にさわりながら誘惑してくる。また迫られてるよ俺・・・。
浴織「えぇー、嫌なんですか?わたしぃ、先輩となら別に・・・///」
浴織のあからさまに危険な発言によって周りがざわめきだす。お前の影響力は凄いんだからあんまりそういうこと言うな!
生徒A「あれって確か2年の」
生徒B「やっぱしカッコイイ人は釣り合う人を選ぶのかな・・・」
生徒C「秋乃さんがー・・・」
生徒D「そう?あたし的には3年の」
生徒E「くそう、俺だって・・・俺だって・・・」
生徒F「爆発しろっ!!」
ヤバイ、周りがすごい勢いで誤解し始めてる。これじゃあさっきと変わらないじゃないか。俺が何か悪いことしたのか?
幸也「ストップだ浴織。俺も場所もよくないから」
半暴走モードの浴織を落ち着かせるために押し返すと目に涙を浮かべて、明らかな嘘泣きなんだけど涙出るの早すぎるぞおい・・・。
浴織「やっぱり私みたいな胸のない子は飽きたらポイなんですね・・・」
周りの連中が罵声を浴びせてくる。そりゃ俺が本当にそんなこと言ったら仕方ないけどなんにも言ってないのにこれはおかしいだろ、いくら主人公補正でも現度を持ってくれよ。これ以上は今後の学校生活を脅かすに違い無いから浴織の手を引き教室を出る。浴織をこのままほっておいたらそれこそ捨てたみたいになって俺がいじめられる。
浴織「そんなに乱暴にしないで・・・」
幸也(そんなこというからああああああああああああああああああああああ)
俺は声に出さずに心の中で絶叫してしまうほど殺気を感じてる。浴織のとどめの一言によってもう俺は2−3にはこれないだろう、下手したら浴織のファンから悪質ないじめがあるかもしれない・・・はぁ。罵声を聞き流してとりあえず走って屋上に向かう、聞き流さないと心が折れるからな。・・・・はぁ〜しんど。
【あとがき】
ふう・・・疲れた。
てなわけで以下省略!!
説明 | ||
A「おはしー!」 B「・・・」 A「・・・おはよー!」 B「おはしー!!」 |
||
総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
241 | 238 | 0 |
タグ | ||
オリジナル | ||
ゆきなさんの作品一覧 |
MY メニュー |
ログイン
ログインするとコレクションと支援ができます。 |
(c)2018 - tinamini.com |