とある断片話 中編
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数年後、少年は青年になった。

当時に比べ風間ファミリーにも新しい仲間が増え、さらに順風した生活を送ることとなった青年だったが、少しだけ心残りがあった。

それは少年時代に遊んだ小雪のことである。

小雪とは、それほど遊んではいなかったが自分を含め当時の風間ファミリーは仲間だと思ってはいた。しかし、ある日を境にまったく現れなかった。幼なかった風間ファミリーにはその理由を知るすべはなく、ただ消えてしまった仲間と認識していた。

「今頃……ユキは何してるかな?」

ふいに青年は小雪を思い出す。

短い時間だったが、いつしか彼にとって小雪は初恋の相手感覚になっていた。もちろん『感覚』だけで恋愛感情とは違う。だけどそれに近い感じではあった。

「やまーと!」

声がした。それは懐かしい声。

「……ユキ?」

幻聴かと思うが。

「大和っ! やまーと!」

声は何度も自分を呼び、それは幻聴ではないと確信させる。

二人の青年と一人の女性いた。

その女性側は満面の笑みで言った。

「また、会えたね大和♪」

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その笑顔は、青年の心に何を突き刺した。

 

説明
これはある青年の断片話。
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真剣で私に恋しなさい!S 榊原小雪 

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