真・恋姫無双「新たなる地と血」第32話 |
この作品は恋姫無双の2次創作です。
作者の勝手な解釈もある為、若干キャラの性格等のズレが生じる場合が御座いますが
そこらへんはご容赦のほどを。
反董卓連合が解散して数ヶ月の月日が経った。
一刀は皇帝陛下と洛陽を月から託され、毎日多忙な日々を過ごしていた。
「――――となっております。以上で報告を終わらして頂きます。」
「うむ、報告ご苦労。最近漸く落ち着いて来たようじゃな。」
「そうですね、先の戦の事後処理も粗方終わりつつあります。一段落、と言った所でしょうか?」
「そうか…ご苦労であったな。」
一刀の報告を聞いた劉弁は一息吐くと一刀と周りにいた臣下に労いの言葉を掛ける。
「さて、一段落した所で北郷。お主には漢中に行って貰いたいのじゃ。」
「は?漢中に…ですか?」
「うむ朕の代わりにあそこに行って、礼の品々を渡してきて欲しいのじゃ。そして朕が無事洛陽に辿り着き皇帝になった事の報告、そしてお主が相国になった挨拶にも行って貰いたいのじゃ。」
今一劉弁の言わんとする事が分からず、一刀はなぜその様な事をする必要があるのか質問をした。漢中は現在張魯率いる五斗米道が本拠とし、漢王朝の統治を離れた独立国の状態であった。そこへ態々出向く必要があるのかと疑問に思った。そんな一刀の疑問に答えるように劉弁は話し始めた。
「朕が張譲に連れ去られるその途中、大怪我に遭いお主達に助けてもらい、怪我の治療の為一旦別れたであろう?」
「はい。自分達は洛陽、そして華佗達は別の所へ…あっ!もしかしてそこが漢中なのですか?」
気が付いた一刀に劉弁は大きく頷いた。
「気が付いたようじゃな。お主の予想通り、朕達が向かった先は漢中じゃ。」
話の流れから漸く一刀は気が付き、そんな所で劉弁が治療をしていた事に大変驚いた。先ほども言ったように漢中は現在漢王朝の統治を離れ独立国の状態。まさかそんな所に行っているとは思いも因らなかったが、華佗がいれば当然と言えば当然である。華佗曰く患者に身分も何も関係無いとの事で、当然その師である張魯も同様に言い、劉弁の治療を行なった。
「ちなみに一樹も連れて行け。」
「は!?いや、遊びに行く訳では無いですから、それは流石に出来ませんよ。」
「北郷。ここ数ヶ月間休みは取ったか?」
「え〜っと…」
劉弁の問いにここ数ヶ月間の休みを心の中で指折り数えてみる。
「確か一週間位だったと思います。今現在忙しいので、中々そんな暇が無くって…」
「ここ数ヶ月でお主が取った休みは、五日じゃ。お主が月の跡を継いで仕事に精を出してくれるのは大変嬉しいが、その所為で一樹に寂しい想いをさしても良いのか?」
「あの子なら分かってくれます。」
「全くぅ、『子の心親知らず』とは良く言ったものです…」
「ちょっと待って下さい。何処で知ったんですか?その諺…しかも間違ってますし…」
「そうなのか?貂蝉が教えてくれたのじゃが。」
部屋の隅にいる貂蝉に目をやると、親指を立ててサムズアップして応える。
「けど、今回の使い方はあながち間違ってはいないと思うわよ、ご主人様ぁ?」
「どういう意味だよ貂蝉?」
「ここ最近一樹ちゃん元気がないのよ。本人は何でもないと言い張っているけどね。」
「貂蝉の言う通り、ここ最近良くボーっとしてる事が多いのじゃよ。さっき貂蝉が言ったように大丈夫と言ってな。」
「で、一樹ちゃんの元気が無い理由って言ったらご主人様しかないのよ。劉弁ちゃんや劉協チャンの方は心当たりがないって言うしね。」
「いやだからって俺って決め付けるのはちょっと可笑しくないか?」
「では聞くが北郷。ここ最近一樹と話しはしたか?」
一刀は劉弁に聞かれ記憶を辿ってみる。すると、
「・・・・・・・あれ?俺何時一樹と話をしたっけ?」
一刀は必死になって思い出そうとするが最近一樹と会話らしい会話をしていない事に気が付く。顔を合わせても朝一の挨拶そしてそのまま仕事に向かい、夜は遅くまで残り帰って部屋に戻ると既に一樹は寝てい
るという有様。それを思い出した一刀は手を額にやり「あいた〜」とがっくりと項垂れる。
「どうやら気が付いたようじゃな。全く一樹を悲しませるなんて父親失格です。」
「…面目ないです。」
「と言う訳で漢中には一樹ちゃんを連れて行くようにそして数ヶ月前の反董卓連合のときの約束を今こそ果たすように!」
一刀は(そう言えばそんな約束もしたなあ)と思い起こす。劉弁の言う様に一樹と久々に一緒にいられるかと思うと嬉しくなって来た。
「その任しかと受け賜りました。」
「うむ、頼んだぞ。」
「ご主人様、ついでと言っちゃあなんだけど、ここにちょっと寄って欲しいのよ。」
そう言って貂蝉は折りたたんだ紙を渡して来た。一刀はそれを受け取りそれを広げて見ると地図に印と店の名前とが記されていた。
「…これは?」
「卑弥呼がご主人様に是非会わせたい人がいると言っていたわ。そこに行って卑弥呼か華陀ちゃんの名前を言えばいいらしいわ。」
誰だと聞いても貂蝉は答えてくれず、それは会ってのお楽しみと言われた。
〜そして出発の日〜
一樹はご機嫌で一刀の前に座っていた。
「嬉しそうだな、一樹?」
「うん!嬉しいよ!父上と一緒に遊びに行けるんだから。」
「はは、そうか。それはよかった。だが俺は一応言っておくけど遊びに行くんじゃないからな、仕事をしに行くんだからな。」
「でも父上と一緒♪」
馬車の中でニコニコしている一樹を見ると一刀は改めて連れてきて良かったと思い、劉弁に内心で礼を言う。
この話を聞いた日一刀はいつもより早く帰り、一樹に一緒に出掛ける事を告げるとその喜びようときたら凄かった。会う人会う人にこの事を言い回り、皆に良かったねと言われていた。。
〜漢中〜
特に何事も無く漢中に辿り着いた一刀一行は、張魯がいる城へと向かい使者としての役割を全うし、こちらも特にこれと言った事も起こらず無事に済んだ。
数日ほど張魯よりもてなしを受けた。そしてその後数日間は自由行動を他の者に言い渡し、一樹と共に街に出て貂蝉が指定した酒家に向かった。
訪れた時は丁度昼前で客も疎らで、入って店員を捕まえると卑弥呼の名前を出した。それを聞いた店員は一刀にそこで待つように言い奥へと行ってしまった。
そして戻ってくると少し離れた建物の二階へ通されここで待つよう言われた。
椅子に座り暫く待つと扉の外から声がした。
「失礼しま〜す。」
そうして入って来たのは少女。しかも瓜二つの顔。一刀は見覚えある顔に一瞬固まった。
「え…」
「お久しぶりですね、北郷さん。」
「何間抜けな顔してるのよ?私達の事忘れたの?散々私達を弄んだくせに。」
「大喬!それに小喬もなんで君達がここに!?」
「あんたと一緒でここに飛ばされたのよ。」
小喬はそう言って盆に乗った器を置きお茶を煎れた。
「え!?君達はここに『居た』のではなく飛ばされたのか?」
「そうよ。私達が気が付いた時…「待たせたな客人。」あ、((鏡華|きょうか))様!」
ちょうどその時一人の女性が入ってきた。その人物を見て一刀は、
「え!?蓮華?…いや、違うよな。さっき小喬は違う真名を言ってたし…」
「ほ〜私の娘の真名を口にするとは良い度胸だ…」
そう言うと女性は一刀に向けて殺気を放った。その殺気を受けて一刀は背中に冷たいモノが走った。
「も〜鏡華様、その方は向こうの蓮華様を助けて下さったお方ですよ。お止め下さい。」
「…」
「…」
大喬に言われたが女性はまだ殺気を納めず、一刀をじっと睨んでいた。
「…ふ、中々肝が据わっているなあ。ま、合格だな。」
「「「へ?」」」
暫くして殺気を納めた女性は突然言い出した言葉に一刀の他、大喬、小喬も呆気に取られていた。
「あの一体どう言う事でしょう?それに娘って、もしかしてあなたは…」
「私の姓は孫。名は堅。字は文台。よろしくな相国どの。」
「はい〜〜〜〜〜!?!?!?」
ちょっと長くなりそうになったので出来た分だけとりあえず投稿〜
元々孫堅さんは第2部開始時一刀達と一緒に居る予定だったのですが、ふと二喬の事を思い出しこの二人と一緒に出そうと急遽出番を変更した方です。どうして一緒に居るかは次回で明らかになりまする。
新年度も始まり、異動の為新しい環境に若干戸惑っております。やってる事自体そう変わりはないんですが、生活のリズムがまだ体が慣れないので眠いorz……あ。いつもだわwwww
皆さんも体調には気をつけて下さいね〜
ではまた次回ぃ〜
説明 | ||
反董卓連合より数ヶ月が経った洛陽。 多忙な一刀に劉弁はある場所へ赴くよう言った。 その場所とは…? 第3部開始〜 |
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コメント | ||
IFZ さん>一刀、丼モノ好きだからww(アロンアルファ) 陸奥守 さん >じっくり見ると色んな所が違う…てところですww(アロンアルファ) 親子丼フラグww(IFZ) じっくり見ると皺がっ・・・てことですか。(陸奥守) アルヤ さん >ぱっと見です。実際は(ry(アロンアルファ) 断金 さん >どうしようかな〜(アロンアルファ) Mr.ハリマエ さん >さてさて、どうなるでしょうwww(アロンアルファ) 文台さんやけに若いのな。蓮華と見間違えるくらいって・・・・・・(アルヤ) 文台さんも、落ちんのかな?(断金) なんともはや・・・・・驚きの展開、まだまだ続くんだろうな(黄昏☆ハリマエ) |
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