ゲイム業界へようこそ!その29 |
俺はこの状況でどのような行動を取れば良いのだろうか?
ただ彼女達の戦いを傍観する?それとも片方に加勢する?いや、今の内にこの場から離れる?どれが正しい答えなのか今の俺には決めることが出来なかった。
頭の中で正しい解を見つけ出そうと必死に考えていると、向こうから声が聞こえてきた。その声の主はコンパとアイエフのようだった。これでネプテューヌ側は3人、ブラックハートは更に苦戦を強いられるだろう。
おそらく俺がただ傍観していれば、原作の流れから察するにブラックハートの敗北という結果に終わるだろう。それはある意味正しい答え、第二の人生を始めたばかりの俺には、原作通りの流れになることが一番魅力的な結果なのだ。自分の身を案じるのなら、この場は傍観することが最も正解のような気がする。
俺の取るべき行動が今決定しかけた時、ネプテューヌがブラックハートに向けて言葉を言い放つ。それは確実に当たり前のようにブラックハートへ向けた言葉だったのだろうが、その言葉は俺の決まりかけていた行動を大きく否定するものでもあった。そして、その言葉によって思考し、出来たばかりの俺が取るべき行動が正しいと思えてきたのだ。それは深く考える必要のない、至極簡単な結果だった。
ネプテューヌの言葉に、ブラックハートが言葉を返す。その言動を聞いて、俺を頭の中がとてもスッキリしたようだ。清々しい気分でもある。俺自身にとって、正しい答えが見つかった瞬間だった。
答えが見つかった俺は自然と体が動いてきた。向かう先はもちろん彼女だ。
彼女との距離を一瞬で詰め、そして抱きしめた。それは彼女の悲痛な顔を消し去るため。いきなり抱きしめられ、困惑している彼女に俺は言葉をかける。
「無理しなくてもいい。もう、俺の唯一人の仲間を悲しませはしない。」
その言葉を聞いて安心したのだろうか、彼女、もといブラックハートは僅かに声をあげ泣き出してしまった。その涙から彼女が本当に辛かったのだろうと理解出来てしまう。そんな彼女を俺はより深く抱きしめる。
ブラックハートの唯一のパーティーである俺が取るべき行動なんて最初から決まっていたのだ。俺は迷う必要などなかったのだ。
………………
「ど、どうして兄様!?私じゃなくて彼女の方へ行ってしまったの?」
ネプテューヌの台詞に俺はブラックハートを抱きしめることを止め、彼女に相対した。本当に理解出来ないようで、ネプテューヌは酷く困惑しているようだ。それはそうだ、彼女は俺とブラックハートの関係を何も知らないのだから。
「ネプテューヌ、先に言ってをおくぞ。俺はお前のことを嫌っているわけじゃない。むしろ好意さえ持っているな。」
「ならなんで、どうしてなの!?」
「どうしてか…。お前が分からないの当然だ、今まで言ってなかったし、言えなかったしな、この際だからもう言ってしまうぞ。俺がこっちに来た理由は簡単だ、彼女が俺にとっての仲間であり、ただ一人のパーティーだからだ。」
俺の言葉にネプテューヌ、コンパはとても驚いた顔をしていた。それに対してアイエフは納得、理解したような表情を見せた。俺がそっちのパーティーに加わらなかった理由を知ったからだろうか?
「だから今ここではお前達と敵対するよ。悪く思わないでくれ。」
「そんな…。」
そうして俺は武器を構える。今まで仲良くしていた俺が急に敵になったと知ってか、ネプテューヌ達は動揺しているようだ。俺は罪悪感を覚えたが、それでも自身の立場と信念を貫こうと、彼女達をしっかりと見据える。
俺は彼女達から隣に立つブラックハートに顔向けて声をかけた。
「ノワール、やれそうか?」
「大丈夫よ。3対2でまだ不利なはずなのに、なんでか知らないけど問題無いかなって思えてくるのよね。」
「そうか、安心したよ…。ならばノワールはネプテューヌの相手を頼む。俺をコンパとアイエフの相手をするからさ。」
「二人も相手に大丈夫なの?」
「心配してくれるのは嬉しいけど、問題ないぞ。これでもかなり強くなった方だし、それに…」
「?」
「これでも俺はお前の唯一人のパーティーなんだぞ。大丈夫だ、信用してくれ。」
俺の言葉にブラックハートは力強く頷き、ネプテューヌを見据えた。どうやら大丈夫そうだな…、後は俺の頑張り次第ということか。
「いくぞ、ブラックハート!」
「ええ、そっちは任せたわよ、レン!」
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リトバスアニメ化バンザーイ!!これで小鞠ちゃんにまたあえるね♪ | ||
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