ゲイム業界へようこそ!その30
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「ねっねぷねぷ、これはいったいどんな状況なんですぅ!?」

 

 

 

私に向かって声をかけてくれるコンパ。

 

彼女の態度から、まったくこの場を理解出来ておらず、しかもいつの間にか知らない女の子とレン…もとい私の兄様が武器を所持し向かってくるのだ。

 

 

 

私だってまだ困惑しているのに、コンパに説明しろと言われても分かるわけないじゃない!アイエフの方は動揺してはいるものの、とりあえず応戦体勢にはなってるみたい。

 

 

 

「コンパ話は後にして!今は向かってくる二人に応戦して!私はあの私と似た格好の女の子を担当するから、二人は兄様のことをお願いね!」

 

 

 

「分かったです!……というかねぷねぷ、その兄様っていったいどういう…?」

 

 

 

「コンパ、今は流れを察すれば分かるでしょ?兄様ってのはレンのことで、私とコンパの二人であいつと戦うわよ!」

 

 

 

「なっなんだか頭の中がまだ分からないことだらけですけど、とりあえず頑張るです!」

 

 

 

アイエフの言葉でどうやらコンパは理解してくれたみたいね、なんだか半信半疑って感じだけど…。っと、そろそろ私も目の前の敵に集中ね。さっきまで戦っていた彼女が私へと急速に接近してきた。その表情はどこかすっきりとした表情。さっき兄様と抱きしめあって、何か話し合ってたみたいだけど、それでどうやら彼女の何かしらの気持ちが吹っ切れたみたね。

 

それにしても兄様も私というものがありながら、あんな女の子なんかと…。

 

 

 

「あの女の子を負かしたらすぐにそっちを援護するから、それまで二人は兄様のこと抑えておいて!」

 

 

 

「了解!むしろこっちの方が2対1で有利だし、そんな強そうじゃないから、すぐにレンのこと負かしてネプテューヌを助けにいくわ。」

 

 

 

そう言ってアイエフは持っている双剣を構えてた。私はアイエフの言葉にこれまでの経験から注意をしておいた。

 

 

 

「アイエフ、兄様は私と互角の強さを持っていると思うわ。説明は省くけど、絶対に油断はしたら駄目よ!おそらく二人で戦ってやっといい勝負かも知れない…。」

 

 

 

「レンさんってそんなに強かったのですか〜?」

 

 

 

「ねぷ子が言うならおそらく間違いないわね…。分かったわ、気をつけとく!コンパは後ろから射撃で援護して。私は彼と接近戦をして抑えるから!」

 

 

 

「わっ、わかりましたですぅ!」

 

 

 

さてと、私もそろそろ戦闘に集中しなければね。あっちの二人は意気揚々と迫ってきているけど、私達3人だって負ける気はさらさら無いわ。兄様には悪いけど、この勝負私達が勝たせてもらうから。それと最後に理由をしっかりと説明してもらうからね、兄様?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

………………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

さてと、コンパとアイエフどちらから対処するべきかな?

 

 

そんなことを俺は思考していた…とは言っているが別段余裕があるわけでもない。ただ今の俺ではさすがに二人同時に対応することは出来ない、各個撃破がおそらく無難な案だろう。

 

 

 

そうなると狙う相手は…やっぱりコンパかな?原作知識を知っている俺としては、まだこの時点は序盤であり、アイテムスキルが片手で数えるほどしか習得していないはず。だから倒してアイテムスキルで復活する(復活のアイテムスキルはゲーム進行が中盤あたりになってからのはず…by筆者)というのは考えられない。

 

 

 

そこから考えられることはHP(ヒットポイント)が少なく、倒しやすいキャラを狙うこと。それはつまりコンパが該当するのだ。

 

 

 

このゲームを初見プレイして序盤に感じたのは、コンパの打たれ弱さだったのを今でもよく覚えている。難易度ハードでプレイしていると、敵からの攻撃が2回連続コンパに向かったり、ボスの攻撃が彼女に当たると大抵落ちてしまう。それでいて装備が整ってきた中盤以降でも、結構落ちてしまうのでコンパには本当に苦労させられた。

 

 

この経験から活かし、コンパから相手をするのでほぼ間違いないだろう。よしっ、考えはまとまった、後は臨機応変に動くのみ!

 

 

 

「こ、こっちに来ないでくださいですぅ〜〜!」

 

 

 

コンパが無理難題な言葉を発しながら、大きな注射器から透明の液体をこちら向けて発射している。あんな大きな注射器はどこから取り出したのか?後そんな注射器から、どうやって液体をここまで高速に飛ばすことが出来るのか?

 

 

 

多くの疑問が浮かぶ中、今はそれを横に置いておき、そのぶつかったら痛いであろう液体の雨をうまく掻い潜り、コンパへと接近していった。俺とコンパの距離はもう僅かだ!

 

 

 

「させない!コンパは早く離れて!!」

 

 

 

そこへアイエフが割り込んできた。俺と同じ武器種、双剣の連打を繰り出してきて、俺はやむを得ず一時後ろへと引いた。その間にコンパはまた距離を取ってしまった、これはマズイな……。

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