ゲイム業界へようこそ!その40 |
「すみませ〜〜ん。ノワ…ブラックハート様はいっらっしゃいますでしょうか?」
「あぁ、レンさんでしたか。今ブラックハート様を呼んで来ますので少々お待ちになっていて下さい。」
そう言って教院関係者の人は女神様であるブラックハ−トを呼び出しに建物の中へと入っていった。協会の関係者の人達とはもう顔馴染みになってしまったな。ノワールを誘うために必然と何度も協会へ足を運ぶのだ、そりゃ嫌でも顔を覚えられるか。
最初の頃は女神様本人に何のようなのか?とか女神様との関係は?とかいろいろ質問などされたのだが、今では特に用件を言うわけでもなく直ぐにノワールのことを呼んで来てくれる。人に覚えられるってのは幾分嬉しいものだね。
ちなみに俺は資金集めもといモンスター退治の為、昨日に引き続き今日もノワールと一緒にクエストへ行こうと考えていた。そしてあわよくば昨日のようにクエスト終了後二人でデート…うおっほん!店巡りとかしたいところである。はぁ〜楽しみだなぁ〜、店巡り店巡り♪
頭の中で今日の予定とか考え耽っていると、協会の扉が開いていつものようにノワールが出てくる……ってアレ?さっきの教院関係者の人だ。ノワールはどうしたのかな?
「あの…ブラックハート様は?」
「すみません、ブラックハート様は本日体調があまり芳しくないので、お部屋でお休みしております。ですので、申し訳ないのですが今日のところはお引取り願えますでしょうか?」
「ノワール、じゃなくて!ブラックハート様は病気か何かで寝込んでるんですか!?」
「はい。ですがレンさんが気に病む程の重症というわけではなく、ちょっとした疲労のようです。おそらくは今日、明日お休みされれば体力の方も元通りになると思いますので。」
「そうですか…。でしたらブラックハート様にお大事にと伝えておいてもらえますか?」
「ええ、分かりました。ブラックハート様へしっかりと伝えておきますね。」
教院関係者の話からノワールの体調不良のことを聞いて俺は少し取り乱してしまったのだが、どうやら思ったより症状が軽いようなのでホッとした。ノワール体を壊して原因の一つとして俺が変に彼女を引っ張り回したせいもおそらく含まれているのだろう。思った以上に負担をかけてしまったみたいだ、俺の今まで無理な行動が悔やまれる。
悩んで今は仕方が無い。今日は大変ではあるが一人でクエストに行くことにしよう。後、もしクエスト終了後にノワールが幾らか体調を回復していて彼女と面会出来るようだったら、栄養があって食べやすいデザートでも持っていこう。たくさん食べて早く元気になってもらいたいしね。
教院関係者の人へ軽く挨拶をして、俺はアニメエイトへと向かうことにした。
………………
「彼、行ってしまわれましたよ。」
「そう…ありがと。」
「良かったのですか?レンさん、ブラックハート様が体調を壊したのだと本当に心配しているようでしたよ。」
「彼には悪いと思ってるけど、でも今はちょっと会えそうにないのよ。会っても何て話せばいいのか分からないし…。」
「何はともあれ、今日はせっかくですのでゆっくりとお休みになられては?レンさんともどういう対応を取ればいいのか考えてみるのも良いかもしれません。」
「そうね…、そうする。一人になりたいから後は下がっていいわ。」
「畏まりました。」
ブラックハート様の部屋から退出し、私は扉をゆっくりと閉めました。
どうやらレンさんと昨日一悶着あったようなのです。女神様が昨日の夕方戻られてからずっとあのご様子、そして今現在もどこか上の空の表情で、私を含む関係者への対応も短くあっさりしていました。これは私の思った以上に深刻ですね…。
これもレンさんのブラックハート様への影響力のせいなんでしょうね。それだけ彼はブラックハート様にとってかけがえの無い、大事な方なのでしょう。これはおそらく、私達が女神様を元気づけようと言葉をかけたところで変化は皆無に等しく、レンさんが何か事を起こさない限り女神の復活はほぼありえませんね。
私達関係者は今回は黙って傍観するのみ。レンさん、ブラックハート様のことしっかり頼みますよ?ある意味、レンさんの言葉、行動一つでラステイションの今後の運命が懸かっているようなものなんですからね。
………………
アニメエイトに到着っと。さて今日は一人でのクエストだからレベル低めの楽なやつでも受けようかな?現在の俺のレベルが17だから一人で受けるのに良さそうなクエストは「女神の癖に生意気だ!」「働きたくない」あたりかな。「働きたくない」のクエストは前に一度達成しているけど、やや苦労した思いがあるからな。でもあれから俺の成長したし、これくらいがちょうど良いかも。
「レンじゃない、こんな所で何してたの?」
「ん?」
急に声をかけられ、振り返って見るとそこにはアイエフが立っていた。アイエフがいるならと周りを見渡してみるが…アレ?
「あぁ、アイエフか。いつもの二人は?」
「ネプ子とコンパのこと?今日は休みを取っていて別行動なのよ。いくらパーティーだからって別にずっと一緒にいるわけでもないんだし。」
「なるほど、確かにそうだな。」
彼女の言い分に納得してしまう。それはそうか、プレイ側だとアイエフがネプテューヌ達と仲間になってからは、確かにずっと一緒にいる印象があったが、よくよく考えてみればパーティーだからと言って一時たりとも離れず朝から晩まで一緒にいるわけでは無いことくらい分かる。
だとすると今はアイエフ一人なのか。ん?少し気になることがあるので聞いてみることに。
「じゃあ今はフリーなのか。じゃあアイエフはどうしてここに?」
「そんなのクエスト受けるからに決まってるでしょ?だったらあなたは何でここにいるのよ?」
「うっ!?たっ、確かにそうだな…。変な質問して悪かった。」
「まったくあなたもネプテューヌに似て少し抜けてるとこがあるわよね。」
「褒めてない…よね?」
「当たり前じゃない。」
アイエフのゲイボルグ(言葉)が俺のブロークンハートに突き刺さる。ゴハァ!!効いたぜ、アイエフさんよぉ…、口から吐血してしちまったじゃねぇか?(という妄想)
とまぁ彼女の言葉に傷つくも、俺は話を進めることにした。
「そっか、ちなみにどのクエストに行くかは決まったのか?」
「それがまだなのよね…。いつもは誰かと一緒に行ってたのだけど、今回はおそらく一人での申し込みだろうから、私一人に見合ったクエストを受けなくちゃならないだろうし。」
「確かに一人だとそれだけ大変なんだよな。」
そう言って俺はせっかくなのでアイエフのレベルを確認してみた。フム、15か…思ったよりレベル上げ頑張ってるな。そうだ!せっかくだし一緒にクエストへ行かないか聞いてみよう!一人増えるだけでもお互いに負担がかなり減るだろうし。
「ならせっかく機会だ。俺と一緒にクエストに行かないか?」
「えっ?いいのかしら、あのノワールさんだっけ?あの人と二人だけのパーティーなんじゃないの?」
「別に二人だけに固執してるわけじゃないさ。それに今日はノワールが体調崩したみたいで、元々クエストには一人で行こうと思ってたところだったしね。」
「そうだったの…。なら、そうね。一緒にクエストへ行きましょ。その方がお互い負担が減るだろうし。」
「おぉ、助かるよ。」
「お互い様よ。それであなたの方で行くクエストは決まっていたの?」
「あぁ〜それはだなぁ…。」
ここでアイエフに俺達がクエスト達成可能の物をいくつか提示してみた。俺が一度行ったことのあるクエストについてはその時感じた感想なども合わせて説明し、俺の話をアイエフは頷きながら注意深く聞いていた。
「なるほどね。それにしてもあなたの話を聞いてて思ったのだけれど、結構戦闘慣れしてるのね、レンって。」
「そんなことないよ。ただモンスターの特性とか行動のパターンをその都度よく観察して、自身の最善の行動を考え選択しているだけ。」
「ふ〜ん、まぁ適当に特攻して敵を倒しましょうなんて考える奴なんかよりは数倍マシの判断よね。」
「そうそう。適当に突っ込んで大怪我とかしたくないし。」
会話で意気投合していた俺達。やっぱりアイエフは賢い子なんだと改めて認識したよ。そしてネプテューヌパーティー唯一の苦労人、ホント哀れすぎる…。
そんなこんなで話し合った結果、俺達は「暴走ロボを討て」のクエストを申し込むことに決めた。レベルの方も申し分無し、もちろん俺は先日行ったばかりで敵への対処方法も問題なく、それを彼女へ伝えることで万全であり、それらの理由からアイエフからも快く了承を得ることが出来たのだ。
クエストの受付の為、アニメ店長のもとへと向かう。相も変わらず他の女性店員達のところには長蛇の列が出来上がっているのに、店長のところには僅か数名といった人数。店長の何がいけないのだろうかとか考えつつ、俺とアイエフは店長の列に並んで待つことにした。そして大した時間も掛からず俺達の番がやってくる。
「こんにちわ〜アニメ店長。」
「おぉ〜ソウルブラザー・レンじゃないか!今日も彼女と一緒にクエストか?」
「いえ、実はノワールが体調を崩しまっていてお休みしてるんです。それで今日は別の知人とクエストに行くことにしたんです。後、ノワールは彼女なんて大層な人じゃないです。」
「ほうほう、そいつは災難だった。早く彼女さんが復活してくれるといいな!それで今日の相方というのは…あぁアイエフのことか!」
「こんにちわ、店長さん。」
軽く挨拶をするアイエフ。どうやらアニメ店長とは一度会ったことがあるようだ。様々なクエストを受けているネプテューヌ達のことだ、別段そのパーティーであるアイエフが店長のことを知らないわけがないだろう。
店長とクエスト受付の手続きを素早く済ませた俺達が早速目的の場所へ行こうとすると、店長が何か言い忘れていたことがあったのか声をかけた。
「そうだ二人共、最近になって目撃されているのだが、エリアのレベルに見合ってないモンスターが出現しているらしい。もし、遭遇してしまったら迷わず逃げることも大事だからな。」
「それは確かに大事なことですね。よく覚えておきます。」
「えぇ、注意しておくわ。」
「それじゃあ気をつけて行って来い!お前達の無事の帰りを待ってるぜぇ!!」
………………
エリアに辿り着いた俺達は目標であるモンスターのATW-9を探すことに。とりあえず敵モンスターの特徴や対処方法をあらかたアイエフに説明しておいた。所々に質問を受け付けながらもアイエフをしっかりと俺の言葉を覚えてくれ、結果としてモンスターとの遭遇時も何等問題もなく、俺達は怪我一つせずにモンスターを討伐していくことが出来た。
軽く会話も交えながらも淡々とATW-9を倒していき、気付けば討伐数も既に9体で次がラストとなっていた。
「後一体で目標達成だな。」
「えぇ、そうね。思った以上にスムーズだから少し驚いてるわ。」
「確かに今までの戦闘で問題とかは無かったけど、それでもアイエフが驚くほどのことなのか?」
「ネプテューヌ達とクエストに行くとほぼ確実に面倒ごとを彼女達が起こすのよ。で、結局一日に行けるクエスト数は一回だけ。」
「うわぁ…そいつは大変だな…。」
「そういうことよ。レンとの初クエストはもう終わりそうだけれども、まだクエストを開始してから1時間と少ししか経ってないじゃない。私は今驚いているけど、本来はこれが普通なのかしら?」
「それでも俺達は結構スムーズに行き過ぎてる方だから、本来はもっと掛かると思うぞ。まぁネプテューヌ達とクエストに行った時ほどは掛かるとは思わないが…。」
「はぁ…私組むパーティー間違えたのかしら…。」
溜め息をついて落胆するアイエフに俺はかける言葉が見つからなかった。だって、もし「だったらパーティー抜ければいいのでは?」なんてことを俺が言って、本当に彼女がネプテューヌのパーテューから抜けてしまったらどうなる?予想は大変難しいのだが、少なくとも非常にヤバイことくらいは俺でも分かる。
「でもアイエフはネプテューヌ達が嫌いなわけでもないんだろ?」
「それはもちろんそうよ。別に人として嫌いなわけじゃないし。」
「だろ?それに他の奴とパーティーとか組んでもそれで良くなるとも限らない、だからと言って単独で行動しても大変なだけだ。」
「はぁ〜〜あなたの言う通りね。確かに今の環境で不自由しているわけでもないわ。少しだけ私が我慢すればいいだけのこと。」
「まぁ、苦労が積み重なってどうして愚痴とこぼしたくなった時は俺にでも言ってくれ。多分お前の苦労を知っているのは今のところ俺だけだろうし。」
「ふぅ〜ん、ならこのクエストが終わったら、さっそく愚痴を聞いてもらおうかしら?もう既に結構溜まってたりするのよね。」
「りょーかい。ならサクッとラスト倒してしまうか?」
なんとかアイエフを元気付けることに成功。なんとかアイエフがネプテューヌのパーティーから抜けるフラグを折ってやったぜ…。後で自分自身に頑張ったご褒美でもあげよう。ウン、そうしよう。
「そろそろ話しかけさせてもらっていいかしらね?」
「「?」」
急に後ろから声をかけられ、俺とアイエフが振り向く。そして声の主を見て、俺は驚きを隠せなかった。
(マジェコンヌだと…!?)
「あなたはこの前、突然理由も無しに私達を襲ってきた変質者!?」
「変質者だなんて失礼な奴だ。まぁいい、今お前に用は無いからな。」
「お、俺に何か御用でもあるのですか?」
突然のマジェコンヌの出現に俺は対応に困った。こんなことありえない。絶対にありえるわけ無いのだ。
なぜならこのクエストは一度達成済みであり、もちろんメインの物語とは全く関係の無いものだからだ。必然、マジェコンヌがいるなど以ての外なのである。なら、何故今になって奴は俺の前に現れたのか?
状況が把握出来ない俺はとりあえずマジェコンヌの言動に注意し、観察することに決めた。
「別に用があるって程のことじゃないんだけどねぇ、あぁ〜面倒だから率直に聞くから。」
「あんたどこから来たの?」
「っ!!?」
説明 | ||
「デート・ア・ライブ」ってラノベが気になる今日この頃。 あれのイラストレーターってつなこさんだったのね。しかもアニメ化企画進行してるみたいだし。やべぇ、つなこさんの絵が動くのか、テンションあがってきたよ! |
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