東方若泡録 Like Pop Dream 〜うたかた夢想〜 |
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今日のような日和を麗らかと形容するのだろう。 そんな言い方をしたくなるある晴れた日のこと。
時刻は朝方。
幻想郷が一角、湖に臨む紅色を基調とした館、紅魔館。
まだ角度の浅い朝の日差しを受ける館の一室、この館の主の私室。
中ではこの館の主、小さいなりながら幾星霜もの年月を生きている吸血鬼、背にはコウモリのような翼、青味がかった銀髪を肩辺りの長さにしている『レミリア・スカーレット』が、従者である『十六夜咲夜』を後ろに身支度を整えている最中だった。
そこへ、
「お姉様〜、 お姉様〜?」
幼い声と同時にドアがコンコンと低い位置で叩かれる音がした。
しかし音源である存在は返答を待たずにドアをガチャリと開けた。
ノックの意義を無に帰した、その幼い声の持ち主は寝間着姿だった。
寝起きそのままでここに来たらしく、いつもはサイドテールにしている背まである金の髪は寝癖で若干乱れていて、色とりどりの結晶体が翼形のフレームに順に提がっているような奇妙な翼はタレ気味に下がり気味だった。
小柄なレミリアよりもまた少し小さいこの少女、レミリアの妹で名を『フランドール・スカーレット』。
右腕には、 …見て察するにおそらくウサギをモチーフにしたと思われる素朴な…否、言ってしまえばヘタクソな手製のぬいぐるみが抱きかかえられている。
しかしフランが起き抜けである今にも抱いているところや縫製自体はしっかりとなされているところを見るに、心を込めて作られたもので、それをフランも大事に思っているのは明白だった。
「どうしたのフラン?」
「あのね、お兄様がいないの。 お部屋にも居なかったの。 今日どこかにおでかけなの?
…今日はフランと遊んでくれるって約束してたのに。」
整った顔の眉を八の字にして、寂しさと切なさと、…自覚の無い愛しさの割合が多い不機嫌な表情になったフラン。
「…フラン 様、 …あ ぅ」
そんなフランに咲夜が何かを言おうとしたところ、その咲夜の言をレミリアが手を軽く挙げて遮った。
「フラン? 何を言ってるの。」
そしてレミリアは傍らのラックに掛かっている帽子を取りつつ、表情の無い顔と平坦な声でフランに告げた。
「彼はあなたが殺したでしょう?」
… ?
・Like Pop Dream 〜うたかた夢想〜・
開幕
説明 | ||
今回は趣向を変えて東方を書いてみました。 まぁ冒頭なので短いですが。 …でも思いつきな上に細かい部分はほとんど知らないのでご容赦願います。 一応ヒロインは『フランドール・スカーレット』になっています。 |
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