ストライクウィッチーズD プロローグ
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1944年  ブリタニア  宮藤研究所跡

 

 

 

 

 

そこには、人類の英雄である宮藤博士の墓標が置かれていた。

そこに一人青年が花束を墓標の前に置く。

 

 

???「博士・・お久しぶりです・・・」

 

 

青年はそう言うと墓標の前に座り、鞄の中からワインとアルミ製のマグカップを二つ取り出し、ワインをマグカップに注いで一つを墓標の前に置く。

 

 

???「どうですか・・・そっちは? 何か良い事ありましたか? こっちはいつも通り散々ですよ・・・」

 

 

青年は話しかける様に独り言を呟いて行く。

 

 

???「博士・・実は俺・・・んっ?」

 

 

青年は誰かがこちらに来るのを気配で感じ取ったのか、すぐさま、音を絶てずに近くの崖の下に隠れた。

 

 

???「(誰だ・・・?)」

 

 

青年は突然やって来た来訪者の正体を確かめるため、耳を澄ませた。

やがて、二人の少女と思われる話し声が聞こえてきた。

 

 

芳佳「坂本さん・・・此処が・・・」

美緒「ああ、ここが博士の墓標だ・・・」

???「(この声は・・・・美緒ちゃん? それに・・・もう一人は?)」

 

 

青年が声の主を特定していると、声が聞こえてきた。

 

 

芳佳「あの、坂本さん・・・これ・・」

 

 

そう言って芳佳は墓標の前に置かれているマグカップ持った。

 

 

美緒「ああ、見せて見ろ・・」

 

 

芳佳はそのまま、中身が入ったままのマグカップを美緒に渡した。

美緒は芳佳から、受け取ったそれをじっくりと観察した。

 

 

美緒「これは・・・ワインだが・・・、何故こんな所に・・」

???「あ〜あ、俺としたことが飛んだヘマをしちゃったな〜」

芳佳「え?」

 

 

青年は観念したかのように崖を上り、墓標の横に立った。

芳佳はいきなり出て来た青年に驚き後ろに後退した。

美緒は自分でも気配に気づかなかったためか、すぐさま、背中に差している扶桑刀を抜いて、芳佳を護る様に扶桑刀を青年に向けるが・・・

 

 

美緒「ゆ、優輝さん・・・・?」

???「よっ、久しぶりだな。美緒ちゃん・・・五年ぶりだね。」

美緒「優輝さんこそ・・・いったいどこで何を!?」

???「悪かったって・・・それにしても、随分立派になったもんだ・・・」

美緒「そ、そんなこと//// ゆ、優輝さんに比べたら私なんて///」

 

 

青年の言葉によって、美緒はたじろいでしまい、顔を赤くしてしまった。

二人で盛り上がっている中、芳佳はどうしていいか分からず青年の方を向いたり、美緒の方を向いたりとそわそわしていた。

 

 

芳佳「え、え〜と、うう、えええ?!?!」

美緒「おい、宮藤。何をしてる! 早くお前も挨拶せんか!」

芳佳「え、あ・・・はい・・」

優輝「宮藤って・・・・君は・・・・じゃあ」

 

 

さっき呼んだ名前に優輝の顔は一遍して、少し間を開けながらも、その名前を出していく。

 

 

芳佳「はい。わたしは「宮藤芳佳」です」

 

 

芳佳は自分の名前を元気よく喋った。

 

 

優輝「芳佳・・・そうか君が・・・」

 

 

と郷愁に駆られるかのように、空を仰ぎながら、芳佳の名を呼んだ。

 

 

芳佳「えっと・・わたしのことが何か・・・・」

優輝「いや・・・その・・・どう言ったらいいか・・・」

芳佳「え〜と、そのあなたは・・・・?」

優輝「ああ・・・俺は・・・・」

 

 

 

 

優輝「一条・・・一条優輝。君のお父さんの親友さ・・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

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