<短編>女神異聞録PERSONA零・偽
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 時は2013年。

とあるのどかな田舎町において再び夜のテレビに変わる噂が流れ始める。

 

「ねえ知ってる? 真夜中深夜零時に鏡の前に立ってなりたい自分をイメージして、それが鏡に映れば本当になれるって噂」

「あれでしょー? 確か『パンドラの鏡』って奴。実際にやってみたけど何にも変わらなかったよ?」

「へぇ……実際にはなんてお願いしたの?」

「『彼氏ができるくらい、かわいい私になりますように』ってかな? 彼氏はできたけど、別に何にも変わってないんだよねー」

「へ、へえ……そうなんだ」

 

 そして数日後、その彼女は死体で発見された。

 外傷もなく、まるで二年前のあの事件のように――。

 

「なぁ……やっぱりあれって二年前の奴と似てねえか?」

「町に流れる噂、そして何の外傷もない死体……犯人の目撃情報は、皆無。まさかとは思いましたが、こうも共通点が多いとなれば無視できません」

 

 あの時から二年。成長した世界を救った少年少女は再び仮面の鎧を纏う。

 

「まさか、またこいつの出番になるとはな……」

「あの人が守ったこの世界……絶対に滅ぼさせはしません!」

 

 さらにあの世界の終わりから4年が経って、再び世界を救った者たちが舞台へと上がる。

 

「俺はもう逃げない……自分自身からも、その犯した罪からも!」

「ここ、どうなってるんですか……?」

 

 幻想から現実へ、そして理想の世界に舞台は変わる。少年は罪を犯し、罰を与えられる。

 だが少年は決意する。もう逃げないと、立ち向かう勇気をあの一年の戦いの中で知ったから。

 なんら普通の転校生。彼女とともに不思議な事件に巻き込まれていく。

 鏡は望んだ姿を映し出し、ヒトはそれが当然のように思う。本当の自分を知ろうとせずに。ヒトは本当の自分から目を逸らし、理想だけを追い求める。決して逃れられるはずもないのに、ヒトは自分を偽り続けるのだ――ペルソナという仮面をつけて。

 

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後書き

 

 以前書いた女神異聞録PERSONA零・偽とは違った作品となりました。

 ペルソナ3,4のキャラクターを登場させつつ、オリジナルのストーリーを展開していく形になっております。

 連載するかはまだ分かりませんが、もし書くのであればまた楽しんでいただけるような作品にしたいと思っております。この作品でのそれぞれのペルソナシリーズの主人公の名前は「有里湊」、「鳴上悠」です。

 今後とも泉海斗のことをよろしくお願いします。

 最後に登場する予定のキャラクターを紹介します。

 それでは!!

 

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主な登場予定の人物

・綾崎優也……今作品の主人公であり、前作東方異聞録PERSONA零と同一人物。八十神高校の二年生として転校してきた少年。「罪」と「罰」を体験し、新たな事件に巻き込まれる。アルカナは「世界」、所持ペルソナは「アーサー」。

 

・如月有栖……主人公と同時期に転校してきた少女。いたって普通の女の子のようであるが、主人公と同じように事件に巻き込まれる。アルカナは「恋愛」、所持ペルソナは「エルピス」。

 

・真田明彦……ペルソナ3シリーズに登場した人物。今作品においては新人警察官として八十稲羽に配属される。直接の上司は堂島遼太郎。警察に協力する高校生探偵である白鐘直斗とともに事件に立ち向かう。アルカナは「皇帝」、所持ペルソナは「カエサル」。

 

・アイギス……ペルソナ3シリーズに登場した人物。今作品においては事件に再びシャドウが出現したという嘗ての仲間である真田から連絡を受け八十神高校に転校生として潜り込む。今作品においては「ワイルド」の能力はない。ペルソナ3シリーズの主人公である有里湊と同じ「ワイルド」の能力を持つ主人公にその影を合わせてしまう。アルカナは「永劫」、所持ペルソナは「アテナ」。

 

・白鐘直斗……ペルソナ4に登場した人物。今作品においては二年前の事件と共通点が多い連続殺人事件を調査するために警察と協力体制を結んでいる。「ペルソナ」のことを知っている真田と知り合い、協力して事件に関わっていく。アルカナは「運命」、所持ペルソナは「ヤマトタケル」。

 

・巽完二……ペルソナ4に登場した人物。今作品においては直人と同様に二年前の事件と共通点が多いことに気付き、外部協力として直人の手伝いを買って出ている。アルカナは「皇帝」、所持ペルソナは「ロクテンマオウ」。

説明
 いくつもの事件が世界の崩壊の危機を誘った。
 だがいずれも少年少女たちの活躍により、阻止されていた。
 彼らは知らない。自分たちの知らない、幻想となった世界においてもひとりの少年が仲間たちとともに戦っていたということを。
 そして時は経ち――2013年。
 マヨナカテレビという噂が薄れてきた時期に、また新たな噂が小さな田舎町に流れるようになった。
 『パンドラの鏡』――その鏡に映るのは希望<偽り>か、それとも現実<真実>か。
 その噂とともに人々を震撼させる連続殺人事件。
 二年前と同じ外傷もなく殺されるという不可思議な殺人事件。
 その事件を解決するために、再びペルソナ使いたちは闘いの舞台に立つ。
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