IS 世界を守る者 EP14 極意
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ラビットハッチ。

 

そこでは一夏がジェネシスで解析したアンノウンのデータやジンヤが密かに回収したコアについての解析をしていた。

 

「なるほどな…アンノウンやコアの解析はまだ時間が掛かるが、アンノウンは無人機である事、コアは無登録の物である事が分かった」

 

解析をしていた賢吾の言葉に仮面ライダー部の面々は騒ぎ始めた。

 

すると、ジンヤは言った。

 

「無登録のコアに無人機か…間違い無く、犯人は篠ノ之束だな。これは条約違反だから報告しなければな…」

 

「ちょっと良いか?」

 

すると、IS学園の方の入り口からラウが入ってきた。

 

「あ、ラウ兄ってえええええええ?!」

 

「ちょっ、兄さん!」

 

「ら、ラウさん!痛いですよ〜」

 

何故か、真耶を連行してきた。

 

「ラウ兄!なんで山田先生を連れているんだよ?!」

 

「お前等、尾行されていたぞ」

 

「え、山田先生に?!」

 

「仮にも真耶は織斑千冬と日本代表の座を争っていたからな…」

 

ラウは真耶の掴んでいた手を放すと、真耶はラビットハッチの窓を見てビックリした。

 

「ち、地球ですよ?!アレ、ということは…ここは何所ですか?!」

 

ジンヤは呆れながら、IS学園の方の入り口へ向かった。

 

「ちょっと外うろついて来る」

 

そう言うと、ジンヤはラビットハッチから自分の部屋へ戻った。

 

(そう言えば、僕も一夏もそろそろ別の部屋に移るんだったな…)

 

そう思ったジンヤは早速荷物を纏める準備をし始めた。

 

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一方、整備室では1人の少女が自身のIS、打鉄弐式の調整をしていた。

 

「…次はここの調整ね。確か、ドライバーは…」

 

少女はドライバーを探していると、ドライバーが渡された。

 

「はい、ドライバー」

 

「ありがとう。…ってえ!?」

 

ここには自分しか居ない筈なのにドライバーが渡された。

 

少女がドライバーを渡した方を見ると、そこにはジンヤが居た。

 

「…神崎ジンヤ」

 

「僕を知っているようだな、所でキミは…」

 

「…更識簪」

 

「簪だね、それじゃあ次はどうすれば良いの?」

 

「…え、別にしなくても…」

 

「1人より2人で早く済むよ」

 

結局、ジンヤと一緒に調整する事になり思ったより早く進んだ。

 

「所でさ、何で1人でコレの調整していたの?整備班の人と一緒にやった方が良いのに…」

 

「…私の姉さんは自分1人でISを作れる天才なの、それなのに私は…姉さんみたな天才じゃないの…」

 

ジンヤはため息をしながら言った。

 

「あのね、兄や姉が天才だから弟や妹も天才とは限らないんだよ、むしろ、人はそれぞれ個性が大切なんだよ。僕の兄さんは優秀だけど、兄さんに似ていなくて良かったと思っているよ」

 

ジンヤの言葉に簪はきょとんとした。

 

「僕の兄、神崎ラウは超絶の危険人物であるバイオテロ鎮圧作戦じゃあ、ネメシスの如く片手にはガトリング、逆の手にはロケットランチャーで装備し、ナイフと弓矢が有れば、ランボーみたいに街一つを軽く制圧できる危険人物なんだよ。ね、似てなくて良かったでしょ?」

 

ジンヤの言葉に簪は笑いながら言った。

 

「ハハハ、確かに似ていなくて良かったね…」

 

「やっと、笑ったね」

 

ジンヤも笑いながらそう言うと、工具箱にあるスパナを持った。

 

「てりゃぁ!」

 

スパナを整備室の入り口に向かって投げた。

 

「きゃぁ?!」

 

「誰?大人しく出てこないと、また投げちゃうよ」

 

「分かったから、お姉さん大人しくするから…」

 

入り口から出て来たのは、簪に似た少女だった。

 

「あの…まさか、その……簪の………」

 

すると、その少女は持っていた扇子が開くとそこには『では、自己紹介を♪』と描かれていた。

 

「私はこのIS学園の生徒会長にして簪ちゃんの姉、更識楯無よ」

 

「あ、どうも神崎ジンヤです」

 

そう言うと、ジンヤは続けて言った。

 

「あのすいませんけど楯無さんも簪のISの調整を手伝ってくれませんか?ちょっと急用が出来て…」

 

すると、ジンヤは簪に小さな声で言った。

 

「それじゃあ、お姉さんと頑張ってね」

 

「分かった、頑張ってみるよ」

 

そして、ジンヤは去り、2人だけになった。

 

「あの…姉さん、ちょっと弐式の調整データを確認をお願い」

 

「了解♪簪ちゃん♪」

 

そして、2人は整備をし始め、少し分かり合えた。

 

一方、ジンヤは明日、部屋が変わるので荷物を纏め終えると、仮面ライダー部の調査結果のレポートを見ていた。

 

『結果的には無登録のコア、無人機の件から見てこの襲撃の犯人は篠ノ之束だと思われるがラウ兄の証言によれば白騎士事件の犯人については少し疑問が発生した』

 

「疑問だと?」

 

すると、ジンヤはもう1枚のレポートを読み始めた。

 

『白騎士事件が発生する少し前に篠ノ之束はISをNASAに発表し、良い評価を受けていた。(ラウ兄曰く、電話してきたらしい…)また、ちゃんと人を見るようにと約束していたらしい。なお、山田先生が仮面ライダー部の顧問になり、ラウ兄は副顧問になったぞ。 報告者 織斑一夏』

 

「どういう事だ…」

 

ジンヤは考えていると、右腕のジャンボットが叫んだ。

 

『ジンヤ、ドーパント反応だ!場所は……さっきの整備室近くだ!!』

 

一方、先ほどの整備室近くでは簪と楯無は異形と対峙していた。

 

亀をモチーフに右腕に盾を装備しているシールド・ドーパントと…

 

『見〜付けた〜ねえ、なんで?なんでなの?私が落ちたのに、何で貴女が受かったの?ねえねえ?もしかして、お姉さんのコネなの?』

 

シールドの変身者はどうやら、受験に落ちた女性らしい。

 

すると、楯無は反論した。

 

「簪ちゃんは自分の力でここに入学したの!貴女みたいに逆恨みする人に言われる資格は無いわ!!」

 

「姉さん…」

 

『庇いあい?ウザイよ、貴女』

 

ドスをきかせた声でそう言うと、シールドは右腕の盾で楯無を殴り飛ばした。

 

「きゃあ!」

 

「姉さん!」

 

『人の心配をしている場合?それより、真っ二つのお時間でちゅよ〜』

 

赤ちゃん言葉を言いながらそう言うと、右腕の盾から刃を出すとチェーンソーみたいに高速回転し始めた。

 

「ひっ……!?」

 

簪は後ろに下がっていくが、壁にぶつかって止まる。

 

『痛くないでちゅよ〜パカッと切れるだけでちゅからね〜』

 

(怖い……助けて……誰か、助けて……!)

 

恐怖で固まる簪はただひたすら祈った。

 

ヒーローが自分を助けに来るように…

 

『あれれ〜?もしかして、助けを待っているの?無駄でちゅよ〜何故ならこれは現実、アニメや映画のようにいかないんでちゅよ〜』

 

そう言うと、シールドは右腕で高速回転するチェーンソーみたいな盾を振りかざされた。

 

「……ん、ざ……き……く……」

 

振り下ろされる瞬間、簪は叫んだ。

 

「神崎君っ!」

 

バキッ!

 

『ゴベバァ!』

 

そんな音と共にシールドは殴り飛ばされ、簪は恐る恐る、前を見るとそこにはジンヤが立っていた。

 

「大丈夫?簪」

 

「う、うん!」

 

「あらら〜お姉さんは無視?」

 

「楯無さんなら大丈夫でしょ」

 

「ちょっと、お姉さんの心が傷付くよ…」

 

3人はそう言っていると、シールドは立ち上がってドスのきいた声で喋った。

 

『貴様…死ぬ覚悟できとるのかワレエ!!』

 

すると、ジンヤは2人の前に立ち、デルタドライバーを装着すると、デルタフォンのトリガーを引いた。

 

「悪いけど、倒されるのはお前だよ…変身!」

 

『STANDING BY、COMPLETE』

 

掛け声と共にジンヤはデルタフォンをデルタムーバーにセットして仮面ライダーデルタに変身した。

 

「あれは……」

 

簪は思い出す。

 

今、ISの台頭により都市伝説と化したが世界を守る戦士達、仮面ライダーの事を…

 

すると、デルタは赤心少林拳の構えを取った。

 

『アンタも拳法家なの?!私は合気道をやっているの!アンタを切ってやるわ!!』

 

シールドはそう叫びながらチェーンソーの如く高速回転する盾で切りかかるが、それを軽く回避された。

 

『うあたぁぁぁぁ!』

 

デルタは奇声を発しながら、回し蹴りを叩き込むと、追撃に掌打を叩き込む、吹き飛ばした。

 

『キサマァァァァ!!』

 

怒り心頭になったシールドは盾を剣道の突きのように放った。

 

対するデルタは腰を落として拳の一撃を叩き込んだ。

 

『赤心少林拳、正拳突き』

 

すると、シールドの右腕の盾にヒビが入った。

 

『バ、バカなぁぁぁ!!私の盾にヒビがぁぁぁ!!』

 

『止めと行くぜ!』

 

『ま、待って!』

 

すると、シールドは一方的に喋り出した。

 

『貴方、拳法家でしょ?!その力や拳は自分の為の物なの!!なんで他者の為に使えるの!!』

 

『確かにそうかもな…だが、僕は拳法家である前に仮面ライダーなんだ。人の夢を守る為の戦士だ、その拳はその為に使う物だ』

 

そして、デルタは飛んだ。

 

空中で一定の型を決めると、叫んだ。

 

『デルタライダー!!』

 

それと同時にシールドの周りには強力な重力波が発生した。

 

『じゅ、重力波だとぉぉぉぉぉ!!』

 

そのまま、デルタはキックをする形で落下してきた。

 

『月面キイック!!』

 

『何の!』

 

シールドは右腕の盾でキックを防ぐが、先ほどの一撃もあってヒビが大きくなり、盾は破壊されキックが直撃した。

 

『ぐぎゃぁぁぁぁっ!!わ、私がこんな所で…』

 

『所詮、その程度さお前は』

 

そして、シールドは爆散し、近くにはシールドの変身者の女とメモリブレイクされたシールドのメモリがあった。

 

そこへ教師部隊が遅れて来た。

 

『第七騎兵隊はいつも遅れて現れるか…』

 

すると、教師部隊がデルタに銃を構えた。

 

「貴方、何者ですか…」

 

『仮面ライダーデルタ、ISの台頭により都市伝説となった者だ』

 

そう言うと、デルタは凄いスピードで去っていった。

 

(仮面ライダー…神崎君がそうだったんだ)

 

簪は自分のピンチに颯爽と現れて敵を倒す、自分の大好きな勧善懲悪のヒーローを思い出した。

 

そして、翌日。

 

ジンヤは自分の新しい部屋の前に居た。

 

「(よし、頑張るぞ僕!)あの、失礼します!」

 

ジンヤはドアをノックをして、開けるとそこには…

 

「お帰りなさい、アナタ♪ご飯にする?お風呂にする?それともワ・タ・シ?」

 

そこには楯無が裸エプロンの状態でジンヤを待っていた。

 

すると、ジンヤは無言でドアを閉じた。

 

(あれ、おかしいぞ?!新しい部屋だよね?!何で、楯無さんが?!)

 

「どうしたの?」

 

声がする方をみるとそこには簪が居た。

 

「いや、あの…僕の新しい部屋を間違えて…」

 

「この部屋で合っているんだよ」

 

そして、簪と一緒に部屋に入った。

 

「ひどいよ〜アナタ〜」

 

「結婚していないでしょ」

 

楯無のボケ(?)に簪はツッコミ(?)を入れた。

 

「あの…なんで2人のお部屋なんですか…」

 

ジンヤがそう言うと、楯無が扇子を取り出すと、そこには『生徒会長権限』と描かれていた。

 

「という事でよろしくね、ジンヤくん♪」

 

「あの、仮面ライダーという事は内緒にするからね」

 

「まあ、こちらこそよろしくお願いします」

 

こうして、ジンヤの受難はまだまだ続く。

 

 

説明
打ちえぬ時に打ち出す。

それが極意。
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タグ
IS BSAA 仮面ライダー 赤心少林拳 ドーパント 

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