喜緑会長無題短編
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ある晴れた日の生徒会室、俺は喜緑君と二人きりで生徒会の仕事をこなしていた。

彼女と二人になれたのだから、他の役員が用事で早退した事に感謝している。

 

「喜緑君、そちらの議事録の処理は終わったかな?」

「はい、書類の整理をお手伝いします」

 

喜緑君はそっと立ち上がり、俺の隣のパイプ椅子に腰を掛ける。

彼女の美しい翡翠色の髪の毛がふわりと肩に掛かり、思わずそれに見とれてしまう。

 

「会長、私の髪の毛が気になりますか?」

「ひぁっ!? 綺れ……い、いや、地毛にしては美しい緑色だな」

「……会長だけに秘密を教えてあげますね、私の髪はお茶の香りがするんですよ。 ほら……」

 

彼女の手に導かれ髪に触れると、しっとりとした絹のような感触が俺の指に絡みつく。

俺は吸い付けられるように、香りが届くであろう範囲まで顔を寄せていた。

 

「会長! 今度文芸部で映画を作るから、撮影の許可……」

 

振り向くと生徒会室の入り口にビデオカメラを構えた涼宮が立っていた。

予定外のちん入者はなぜビデオカメラを構えているんだ!?

 

「ふぅん、そう。 撮影許可の言質を取るためにビデオを持ってきて良かったわ、まさか会長が書記と不純異性交遊してたなんて!」

「ば、バカを言うな! 不純な事はない!」

「そうですよ、涼宮さん。 私達は純粋に……」

「キスしてたのね!」

 

結局俺は涼宮に脅され協力、いや撮影の許可を得る事を余儀なくされてしまった。

あの角度から録画されたらいい訳も出来ない……喜緑君、まさかグルじゃないだろうな。

 

「会長、どうでしたか?」

「ああ、普通にシャンプーの良い香り……」

 

彼女の『わかっている』と言わんばかりの笑顔を見て頭を抱える、どうやら彼女に手玉に取られてしまっているようだ。

 

終わり

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涼宮ハルヒ 会長 喜緑 

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