『改訂版』真・恋姫無双 三人の天の御遣い 第一部 其の十六
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『改訂版』 第一部 其の十六

 

 

 

涼州 冥安

【緑一刀turn】

「という訳で羌族王、((迷姚|めいよう))さんです。」

 俺の隣で金狼の毛皮のビキニにロングブーツ、金狼の毛皮のマントを肩にかけた赤蓬髪の美少女、炙叉が腕を組んでふんぞり返っている。

 マントが無けりゃラムちゃんのコスプレですか?とツッコミたくなる出で立ち。

 組んだ腕の中でオッパイが存在を主張しまくってるのでせめて手は腰に当てて・・・・・いやそもそも何でそんなに態度デカイの?

「それはずっと見てたんだから分かってるわよ。でも敗軍の将でありながら何でそんな横柄な態度なのかしら?」

 ちょ、ちょっと華琳さん?あなたまで何でそんなに喧嘩腰ナンデスカ?

「フン。私は御子様に下ったのであって、漢族に下った訳ではない。貴様に((遜|へりくだ))る((謂|いわ))れは無かろう、魏王曹操。」

「あら、私をご存知のようね。」

 二人とも口元が笑ってるのに目が座ってる・・・・・怖えぇよぅ・・・。

「治世の能臣、乱世の奸雄と噂は聞いている。成程、怖い女だ。紫電の御子様も苦労なされる。いや、真に苦労しているのは曹操自身か?」

「ど、どう言う意味よ!」

「華琳、落ち着きなさいって!」

「おぬしは江東の麒麟児、小覇王孫策だな。」

「へえ、私の事も知ってるの?」

「敦煌は商人の街だ。西の外れとはいえ情報は早い。・・・・・ふむ、これまた怖い女だな。」

 ((炙叉|しゃさ))をよく見ると組んだ手の中に首飾りの宝石が握られている。

 ((凰羅|オーラ))を見てるのか!

「おい北郷、迷姚のあの物言い。もしかして・・・」

 さすが冥琳、目聡いなぁ。

「うん。炙叉・・・迷姚は術師だってさ。さっき俺たちも予言されたよ。」

「妖術使いか・・・・・それより、もう真名を預かったのか?まったくお前達のその才能の方が恐ろしくなってきたな。」

 それって絶対褒めてないよね・・・。

「妖術使い・・・だと・・・」

 その声は・・・愛紗!?

「羌族王!お主と同じ妖術使いが我らを操りご主人様たちの命を狙った事!私は忘れておらぬぞっ!!」

「お、おい愛紗・・・」

 言いかけた所で愛紗が青龍偃月刀を手にしていないのに気が付いた。

 まだ冷静さは失って無いようだ。

「それについては申し開きが出来ぬ。((只一向|ただひたすら))に頭を下げるのみだ、関羽。」

「え?・・・・・それは・・・」

 それまでの態度とは一変、愛紗に対し言葉通り素直に頭を下げる炙叉。

 愛紗も炙叉がそう来るとは思ってなかったんだろう、すごく戸惑ってる。

「おぬしは御子様に絶対の忠誠を貫く真の忠臣だと噂が高い。ウチももっと早く御子様にお会いできとりゃぁ・・・い、いや私も早々に御子様とお会い出来ておればこのような戦もせずに済んだのにと・・・・・これは愚痴だな・・・すまん、聞かなかった事にしてくれ。」

「う、うむ・・・」

「いずれにせよ我が配下のしたこと。その責は私にある。故に私は身も心も御子様方に差し出し((如何様|いかよう))な罰も甘んじて受け入れよう。ですが御子様方・・・私はまだ乙女ゆえ出来れば初めては優しく・・・・・でも御子様方が荒々しくでなければ燃えないと言うのであればそれも仕方なし・・・・・それも男らしいというかやっぱりそっちの方がいいと言うか・・・」

「ちょっと炙叉さん?擦り寄って一体何をカミングアウトして・・・・・・ぅおわあぁっ!あ、愛紗っ!俺にも見えるほどの凰羅がっ!!

 

「ぐぉ・しゅ・じ・ん・さ・まぁああぁ・・・・・はなのしたがのびていらっしゃいますよぉおおおぉ!」

 

「「「ヒイイイィィィーーーーーーー!!」」」

「おおっ!なんと凄まじき凰羅!正に身を焦がす嫉妬の炎というやつだな♪」

 何そんな嬉しそうに言ってるんだこの子はあああぁ!!

「盛り上がっている所すまんが、迷姚殿。どうもあなたの発言がさっきから気になってな。」

 ここでまさかの冥琳からの助け舟!しかもタイコンデロガ級イージス艦並みの頼もしさ!

「おぬしは・・・美周朗!周公謹だろう!成程噂に違わず・・・・・・い、いや何でも無い。で、何かな?」

 な〜んかさっきから炙叉の行動が一貫してないなぁ・・・・・どういう事だ?

「もしかして迷姚殿はこの戦に反対だったのではないのかと思ってな」

「「「え?」」」

「あぁ・・・その話か・・・・・・丁度良い。此度の顛末を話そう・・・・・少々長くなるぞ。」

 

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 そんな訳でみんなを集め、話を聞くことになった。

 今日はこのままここで野営と決めて兵たちに指示を出し、炙叉の話を聞くためにテーブルと椅子、日除け風除け用に大型の簡易天幕を張り、ついでにお茶とお菓子まで用意された。

「それじゃあ炙叉、始めてくれ。」

「うむ了解した、御子様よ。・・・まずはこの私の事を話した方が・・・・・うん?馬超と馬岱もおったか。」

 翠と蒲公英は炙叉を睨んでいた。

 この中で一番炙叉を恨んでいるのはこの二人だろう。

「・・・・・母様やみんなを殺しておいて、こんな所で茶飲み話とはいい気なもんだなっ!」

「戦場であれば戦士が死ぬは覚悟の上であろう。」

「てめぇ!突然攻め込んで不意打ちしておいてっ!!」

 翠が立ち上がって飛び出そうとするのを周りの数人が慌てて抑えた。

 

「黙れっ!!痴れ者がっ!!お前は自分の母の死を汚す気かっ!!」

 

 炙叉の大喝にテーブルの上の湯呑がビリビリと震える。

「お前の母は古強者の猛者よ!こちらも古強者が一騎打ちを挑み相打ちで果てたではないかっ!!」

 炙叉の目は本気で怒りに燃えている。

「・・・・・そんな・・・あたしは母様が殺される所を・・・・・」

「ああ、見たな!丁度決着が着く直前にやって来たのを覚えているよ。その後お前が?徳に言われて泣きながら軍を撤退させたのも覚えている。」

 それで翠はその事を知らなかったのか。

「馬騰の相手をしたのは私の父、前の羌族王だ。」

「え?炙叉、お前・・・」

「馬騰と父は幼馴染だったと聞く。それにお前の祖母は羌の者であろう。我らがそのような者の死を辱めると思うか!?」

 翠の祖母が羌族出身・・・・・そうだ、正史でも馬騰は羌族とのハーフだった。

「馬騰は凄かったよ。病の身で在りながら父と相打ちしたのだからな・・・・・」

「炙叉・・・・・武威の城が荒らされて無かったのはお前が・・・」

「うん・・・私が略奪を禁じた。誇り高き戦士には相応の礼を以て応えねばな・・・」

 翠は立ったまま項垂れていた。

「・・・・・・迷姚・・・誤解の謝罪と・・・母様を誇り高い戦士と言ってくれたことには・・・・・感謝する・・・・・後の事は・・・あたしの気持ちが落ち着くまで待ってくれ・・・」

「構わぬ。気にするな・・・・・気持ちは分かるつもりだ。」

 炙叉も父親を失って気落ちしたのか・・・・・あれ?

「炙叉、お前が羌族王になったのってその後なのか?」

「あぁ・・・親父殿の後を次いでな。口やかましい親父殿であったが居なくなると寂しいものだ・・・」

「それまではどうしてたんだ?」

「おお!その話であったな、御子様よ!私は元々この戦に反対だった。親父殿や長老達を止めるつもりで武威に行ったというのに結果はご覧の通り。長老達を止められずこの有様じゃ。」

「あのう・・・迷姚さんはどうして戦に反対だったんですか?」

 朱里が手を挙げて質問した。

「・・・・・・御子様・・・あの可愛らしい娘は?」

「あぁ、蜀の軍師で諸葛亮孔明・・・」

 

「この子が臥竜!諸葛孔明なんか!?じゃあ隣のとんがり帽子の子が鳳雛?士元ちゃ!?」

 

「「「へ?」」」

 俺たちが振り向くより早く炙叉は二人に飛びついていた。

 

「カワイイ!カワエエ!!どえりゃあドゥルキスや〜ん!!!」

 

 な、なんだぁ!?

 二人を抱きしめ頬ずりしている炙叉を、全員が目を点にして見ていた。

「あの・・・・・・炙叉?」

 

「はっ!!・・・・・・・・・あはは・・・やってしもた・・・」

 

 顔を真っ赤にしてバツが悪そうに笑っていた。

 

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「いやあ、はんかくさい事してスマンなぁ。ウチかわいいモンに目ぇなくてつい暴走しちゃうんじゃ。」

 なんか方言が入り混じって意味の解らない単語もあるぞ。

 はんかくさいって何?

「それがもしかして炙叉の素なのか?」

「ウチは敦煌に長くおってなぁ。あそこ大陸各地はもちろん、世界中から行商人が来よるけぇ色んな言葉が混じるんよ。ドゥルキス言うんも((羅甸|らてん))語で可愛いっちゅう意味じゃ。」

「ラテン語!?」

「敦煌は西域の天竺、更に((羅馬|ローマ))からも人が来よるけん。そういやぁ御子様もさっき言うとったなぁ・・・カミングアウトとか、あれはどこの国の言葉ね?((日耳曼|ゲルマン))の言葉に近い気ぃもしよるが・・・」

 英語ってこの時代まだ成立してないんだっけ?

「ええと・・・・・あ!そういえばキックって言葉が・・・」

「キック?あぁ蹴りの事やろ。あれウチが広めてん。なんか格好よかったけん。」

 こいつが出処かああああぁ!!

「それと同じ国の言葉だよ・・・」

「おお!やっぱ日耳曼系やったか♪」

「ねえ一刀。迷姚の言ってる言葉が半分くらいしか理解出来ないんだけど。あなた通訳してくれるかしら?」

 華琳の言葉にみんなを見回すと全員同じ様だ。

「炙叉・・・悪いけど話し方戻してくれる?」

「あ〜〜〜・・・・・一度素に戻ると・・・・・ちくっと待ったって・・・・あー、あー・・・うん、うん・・・」

 暫し待つと炙叉は表情も引き締める。

「うん。お待たせした御子様♪」

「それじゃあ続きをお願い。」

「羅甸語もいいけどやっぱり日耳曼の方が・・・」

 

「そっちじゃねええええええぇぇええっ!!」

 

「へ?あああ!何故戦に反対だったかという話だったか。」

 

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「先ほど話した通り私は敦煌に居る事が多くてな。おかげで情報は良く入ってきた。ここに集まっている人達の噂も最近良く耳にするぞ。」

「それで私たちの名前を知っていたのか。」

「いやぁ・・・さっきはあんな事言ったけど実は噂の人達に会えたのが嬉しくってさあ♪立場上ああ言わないといけなくって・・・・・羌には内緒にしといてよ!お願いだから!」

 おいおい・・・・・まだ完全に元に戻ってないぞ。

「御子様の噂も結構前から聞こえてました。最初は・・・・・そうそう((菅輅|かんろ))から聞いたんだ。間もなく天の御遣いが降りてくると。」

「「「菅輅は敦煌にも来ていたの!?」」か!?」

 華琳、雪蓮、愛紗がハモって驚く。

 菅輅って俺たちが来るのを予言した占い師だったか?

「菅輅とは知り合いだから。商売仲間というか商売敵というか・・・私も敦煌で占いやってたから・・・そういやあいつあれ以来戻ってこないな・・・えっと、それから御子様が三人現れたって噂が流れてきて、これは騙りが出たかなと思ってたんだけど反董卓戦が終わる頃に三人が力を合わせたって・・・しかも名前が三人とも同じ、見た目までそっくりだと・・・そんな噂が流れてきたら自分の目で確かめたくなるだろう?」

 そんな事、同意を求められても答えられないって。

「あ〜、たんぽぽその気持ち分かる・・・・・ご主人さまの噂って派手だったから実際見てみたくなるんだよねぇ♪」

 答えられる人がいました。

 それもたんぽぽが・・・・・たんぽぽだって炙叉を受け入れ難いだろうに、努力してくれているんだろうな。

「まさかご主人様見たさに戦を起こしたのではあるまいな!」

 愛紗が鋭い目つきで見据える。

「違う違う!見るだけなら自分一人で旅すればいいだけだろう?実際そうしようとしたんだけど・・・・・親父殿に止められて、しかも敦煌に閉じ込められてしまってなぁ。まあ、御子様の噂を聞いた後で嫁入り前の娘が御子様に会うと言えば、どんな親だって普通止めるわな。」

「あぁ・・・そっちの噂も流れてた訳ね」

 華琳を始め全員が腕を組んで「うんうん」と納得していた・・・・・。

「むしろそっちの噂の方が民には受けていたな。皆娯楽に飢えておるからこの手の醜聞は広まるのが早い。」

 くそう、必死に解らない振りしてたのに今のでどんな噂かハッキリしちまったじゃないか!

「そんな時に鮮卑と烏丸が袁紹に味方して河北を攻めたと匈奴から情報が入って来てな。親父殿と長老達、それに?の奴らもまんまと匈奴に乗せられて戦を始めてしまった。私から見れば匈奴の奴らが漁夫の利を狙っとるのは明らかだったが。いくら次期王と言っても所詮小娘一人、私が何を言っても聞いては貰えなかった。逆に言えば言うほど親父殿は意を固めてしまってな・・・・・これは私も悪かったのだろうな。あまりに御子様の真偽を確かめてからと言う物だから・・・おかげで敦煌に閉じ込められ、なんとか抜け出して武威に着いたら親父殿と馬騰が一騎打ちをする所だった・・・・・親父殿にとっては漢族襲撃より、むしろ御子様討伐が目的だったやも知れん。」

「「「俺たちを討伐!?」」」

「親父殿や長老達には御子様方が女と見れば片っ端から食い尽くす化け物に見えていたかの様だったしな。噂が凄すぎたのだ。」

「なによ。結局はあんたのチOコが原因じゃないのよ!華琳様!だからこいつのを早く切り取ってしまえばよかったんです。」

 うわ〜ん!桂花に反論できねええぇ!!

「桂花、それは様々な要因の一つに過ぎないわ。朱里の策を採用して噂を広めたのは我々なのだし・・・・・策士、策に溺れるとはよく言ったものだわ。まさかこんな結果が出るとは思いもしなかったもの・・・」

 華琳にも予測できない方向に事態が進んじまった・・・・・というか、こんなの誰も予想できないって!

 これまで顎に手を当てて考えていた詠が顔を上げた

「ねえ迷姚。あなたが羌族王になったのはお父上が亡くなってからなのよね。」

「あぁ、そうだ。お父上なんて上等な物じゃ無かったけどな。」

「それじゃあ・・・洛陽襲撃や楡中襲撃の時はあなたが王様だったって事よね。」

 詠の言葉にみんなが息を飲む。

「うむ。確かにそうだ・・・・・最も今度は長老達によって武威に閉じ込められていた・・・どうも親父殿と長老達は早くから御子様が本物だと見抜いておった節がある。長老達にとっては私を守る為の手段だったのだろうが・・・・・だがこれは言い訳だ。私はあの時に命を張ってでも止めるべきだった・・・・・それが出来なかったのが私の罪だと思っている。どのような罰も甘んじて受ける覚悟はできている。」

「あなたの首を刎ねて匈奴が動かなくならそうするわよ。でもそれこそ匈奴の思う壺じゃない!あなたが罪を償いたいと言うなら、生きて匈奴を牽制する盾になりなさいよ!」

「私も詠の意見に賛成だな。北方の守りに羌が入るならかなり楽になる。当事者としてはどうだ、華琳?」

 冥琳の言葉を受けて華琳が頷く。

「そうね、現状じゃ河北の守りを強化したいところだし、河西の守りを任せられるなら助かるわね・・・・・でも、翠はどうかしら?羌との共闘を上手くできる?」

「・・・・・・その事なんだけど・・・・・朱里、西涼に代官を出して貰えないかな?」

「はわわ!?ど、どういう事ですか!?」

「・・・今のあたしじゃ感情を上手く制御出来そうにない・・・母様みたいに西涼を治める自信ないよ・・・・・暫くは桃香様の所で頭を冷やしながら、民を治める勉強をしたいんだ・・・」

「な、成程・・・・・お気持ちは分かりますので、お応えしたいんですが・・・何しろ人材が・・・・・・あのぉ、華琳さんの所からは代官を出せませんか?」

「私の所から!?出せなくは無いけど・・・・・いいの?それで・・・」

「華琳さんがご心配して下さってる事は分かります。けどそれは今後の話し合いで決めれば良いかと・・・」

 二人はあえて口に出さないけど、国境線の話だ。涼州をどう扱うか。

 正史では魏の領土、でも現状では翠が治めて四番目の国になるか、蜀に編入する方が自然な流れだろう。

 本当に頭の痛い問題だ。

 

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「取り敢えず今は羌をどうするか決めるのが先だろう。北郷、お前はどこまで譲歩すると言った?」

 冥琳に言われて思い返す。

「ええっと・・・敦煌での商いと涼州西部での遊牧・・・・・・」

「羌が御子様の軍門に下ることが条件。だから先程言った通り私はもう身も心も御子様方の物という事だ。」

 またしても俺たちに身体を摺り寄せてくる・・・・・だからそんな事すると・・・。

「ご主人様にベタベタとくっつくなっ!!」

 と、愛紗が怒り出すんだよ・・・結局展開が振り出しに戻っちまった・・・・・。

「我が身を差し出し一族を救う、うら若き女王・・・・・中々に美談だろう♪」

 ハーレクインロマンスかよっ!

「美談というより艶本の様だな。主は逆らえないのをいいことに思うがままに・・・」

「ちょ、星っ!何言い出すんだっ!!」

「・・・隊長・・・不潔です・・・」

「お?凪、懐かしいツッコミやな、それ。」

「ツッコミ入れられる内容は前よりひどくなってるのぉ♪」

 何?紫はそんな事言われてたワケ?

「私は別にそのような展開でも一向に構わない、と言うかそんな御子様もまた魅力的・・・」

 だから変なカミングアウトするなっ!!

「ご、ご主人様がそのようなことをなさるはず・・・・・・・ない・・・と思う・・・」

「愛紗!そこははっきり否定してっ!!」

「ああもうっ!そんなことはどうでもいいだろっ!!とにかく迷姚っ!お前がご主人さまにくっついてるのが気に入らないんだよっ!!ご主人さまから離れろっ!!」

「ははっ!馬超、ようやくお前らしい言葉が聞けたじゃないか!だが、断る。」

「な、な、な、なんだとてめぇっ!!」

「御子様方の本当の価値というものが目に見えず、理解出来ないお前達のより私の方が御子様の傍にいるのが相応しい。」

「「そ、そんなことありませんっ!!」」

「お♪臥竜鳳雛の反撃か♪」

「ご主人さまの素晴らしさはここにいる誰もが知っていますっ!」

「そ、そうです・・・ご主人さまがいらっしゃらなかったら私達はここまで来れなかったに違いないんです・・・」

「そうだそうだー!兄ちゃんは力は強くないけど頼りになるんだぞっ!」

「そうなのだ!お兄ちゃんたちは強くないけど鈴々たちには必要なのだっ!!」

 

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【エクストラturn】

「なんか盛り上がって来たわねぇ♪ねえ祭、お茶じゃなくお酒が欲しくなってこない?」

「おぉ、良いですな♪おい!誰か酒を持って来い!」

 雪蓮と祭の所に給仕が酒壺と盃を持ってくる。

 月と詠は会議に参加している上に人数が多いので輜重隊から給仕係が数人回されていた。

「雪蓮殿、祭。わしもご一緒してよろしいかな?」

「桔梗か。おお来い来い♪」

 その様子に気付いた桔梗も席を移動してきた。

「こんな面白いものお酒のツマミにしないなんてもったいないわよねぇ♪」

「こちらだけ酒で盛り上がろうなどずるいですなぁ。私も呑みますぞ♪」

「星、お前が焚付といてもうこっちに来るのか?」

「いや、もう私がいじらなくとも充分面白くなってきたからなぁ♪」

「う〜ん・・・蓮華とシャオがいたらもっと盛り上がったのに・・・思春、明命、あんたたち代りに参戦してきなさいよ。」

「・・・・・・・・・・・・は?」

「は、はい!周幼平いってまいりますっ!!」

「・・・・・・ええと・・・私は別に北郷の事など・・・」

「蓮華の代弁って事で♪行ってきてちょうだいよ♪」

「は、はあ・・・・・分かりました。甘興覇、参戦してまいります。」

「・・・・・まったく素直じゃないんだから。」

「というよりも思春自身が自分の気持ちに気付いておらぬのじゃろ。若い若い♪」

「本当に素直じゃないのは魏の覇王さまよ。」

 雪蓮と祭の後ろから聞こえた声は。

「「め、冥琳!?これはその・・・・・」」

「お酒のことなら咎めないわよ・・・むしろ私も貰うとするわ。今日はもう会議にならん。」

「ほほう、さすがの美周朗殿も匙を投げたか♪」

「焚つけた張本人が何を・・・・・まあ、迷姚がそう仕向けたというのもあるがな。」

「あの子って本当、頭いいわよねぇ・・・・・ああやって腹を割って本音でやりあって、早く溶け込もうとしてる・・・いい子じゃない♪」

「それだけではなく本気で楽しんでいるみたいだがな・・・・・」

 冥琳も盃を((煽|あお))りすっかりくつろぎモードに入っている。

「なんや自分らばっかり酒呑んで?ウチも混ぜて♪」

 ついに霞まで酒宴に参加した。

「なんだ霞、こっちに来るのが遅かったではないか♪」

 星が茶化すが霞は軽く流す。

「いやぁ、あの迷姚がどんな奴か見定めよう思うて見てたんやけど・・・・・あれは武人ゆうより商人やな。敦煌で占い師しとったそうやから、海千山千の商人相手に鍛え上げたもんやろ。愛紗あたりは手のひらでコロコロ転がされとる♪」

「成程、商人か・・・・・合点がいったよ♪」

 冥琳は一人クスクス笑っていた。

 

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【緑一刀turn】

「わ、私は別にあいつらの事なんて・・・」

「ほほう♪荀ケ、では私からお前に一つ予言をくれてやろう・・・・・」

 炙叉が意地悪い顔でニヤ〜っと笑う。

「な、何よ・・・」

 

「お前は御子様のお子を授かるっ!!」

 

 桂花をビシッと指さした!

 

「い、いやあああああああぁぁぁああぁぁああぁぁっ!!」

 

楳図かずお調の顔で悲鳴を上げる桂花。

「しかも一人や二人では無いぞぉ!!」

 指をワキワキさせて更に脅しを掛ける炙叉。

「や、やめてぇ!き、聞きたくないっ!!そ、そんなおぞましい事ぉっ!!」

 ついに桂花が走って逃げ出した・・・・・。

 って、状況を説明してると俺も精神的ダメージを受けるんですけど・・・・・。

 おい!紫!赤!俺一人に解説やらせるんじゃねぇ!

「ん?なんだ関羽、馬超。お前らも聞きたいのか?」

「べ、別に私は・・・」

「あ、あたしだって占いなんて・・・」

「そうか。では止めておこう。聞きたくもない事を無理に教える事もなかろうしな。」

「「くうううぅぅぅううっ!!」」

 愛紗と翠が悔し涙を浮かべて頭から湯気が出ていた。

 え、偉いぞ二人共。よく堪えた!

「あっはっはっは!素直に言えば良いのに・・・どれ・・・」

 炙叉がまた首飾りの宝石を握る。

「ふ〜む・・・・・・関羽!お前・・・」

「な、なんだ・・・・・・」

「料理くらいは作れるようになっといた方がいいぞ・・・・・・」

 心底哀れんでいる顔で言った・・・・・そこまでしなくても・・・・・いや、確かにあの炒飯のままでは俺の命に関わるし・・・・・。

「き、貴様っ!!」

 凄む愛紗を無視して今度は翠に向き合う。

「それに馬超、お前その年で・・・・おもらし」

「うわあああああああああああぁぁっ!!」

 

「二人ともお子を授かるまでに何とかしておけよ。」

 

「「・・・え?」」

「いつかまでは分からんがな♪」

 穏やかな笑顔で言う炙叉に愛紗と翠も顔が緩んで行き、チラチラと俺たち三人を見たと思ったら顔を赤らめて俯いてしまった。

 い、いや・・・・・桂花の時とは違う意味で俺たちの精神に負荷が掛かるんですけど・・・。

 

「迷姚!さっきはよくもやってくれたわね!」

 

 あ、桂花が戻ってきた。

「我らが最終兵器を喰らうがいい!貂蝉!卑弥呼!」

「はぁ〜い♪呼ばれて飛び出て。」

「じゃじゃじゃじゃ〜ん♪」

 うわっ!桂花の奴とんでもないのを連れて来やがったっ!!

「な・・・・・この二人・・・」

 さすがの炙叉も漢女二人の前には勝てないか?

 

「あははははっ!泣けっ!喚けっ!この巨乳人めっ!!この世の地獄を味わうがいいっ!!」

 

 あぁ、やっぱり桂花にはそっちの方が重要なんだ・・・・・。

「なんと美しい筋肉だ・・・世界は広い、私も精進せねば・・・」

「あ〜らん♪そんなに褒められると照れちゃうわん♪」

「羌族王迷姚よ!お主中々見どころが有るではないか。がはははははは!」

「えぇえ!?な、なによそれぇっ!!」

 い、いや・・・これには俺も驚いた・・・・・。

「まさか初対面でこの二人に耐えるとは・・・・・」

「ねえねえご主人さま。」

「ん?たんぽぽ?どうしたの?」

「紫苑と桔梗もあの二人を初めて見た時、特に動じて無かったって焔耶が言ってたよ・・・」

「・・・・・そういや祭さんも・・・華佗もそうだし・・・・・人生経験を積むとアレが気にならなくなるのか?・・・・・炙叉はそれだけの経験値を持っているって事なのかなぁ・・・」

「もう一人、恋殿を忘れているのです!まあ恋殿ほどの天下無双となれば恐れる物等何も有りはしませんがな!」

 突然現れていつもの恋自慢をするねねだが・・・・・。

「み、御子様!!こ、この子はなんですかっ!?」

 更に突然背後から現れた炙叉にハグされた。

「うにゃああぁ!!な、なんですか!こいつは突然!!」

「に、兄さま!助けてぇ!」

「あ、流琉も捕まってたんだ・・・・・え?流琉の力でも振りほどけないの?」

「孔明ちゃんや士元ちゃんとはまた違うドゥルキスな子が・・・」

「炙叉・・・お前、目がやばい感じになって来てるぞ・・・・・」

「北郷ぉ・・・変な感心してないで助けてやれよ・・・」

「あ、白蓮・・・」

「あ、あなた・・・・・」

 炙叉が白蓮を見たとたんに流琉とねねを解放した。

 そして驚愕の表情で白蓮にゆっくりと近付いて行く。

「な、なんだよ・・・・・一体・・・」

 白蓮の両肩に手を置くと、

「高望みさえしなければ普通の幸せが手に入る・・・・・生きていれば必ず良い事だって有るんだから・・・・・・・負けちゃだめよ・・・・・」

 涙を流して優しい笑顔で・・・・・・。

「うわああぁぁああぁん!!」

 白蓮は泣きながら酒盛り組の方に走って行ってしまった。

「・・・・・視えた物があまりに・・・・・心配のあまり言わずにはいられなくなってしまって・・・・・・」

 実に済まなそうな姿の炙叉・・・・・・何が視えたかは聞かないようにしておこう・・・。

「おい北郷!」

 秋蘭が手招きしてる。

 俺はこの場を離れ秋蘭の元へ。

「どうした?」

「いや、場の収集がつかなくなってきた。スマンが迷姚を連れて少し天幕の外で待機してくれんか?」

 秋蘭はそんな言い方をしたが・・・・・・俺は秋蘭越しに華琳を見た。

 いかにも不機嫌そう・・・・・春蘭が何やら話し掛けているが、火に油を注いでる感じだなぁ・・・・・つまり、華琳が落ち着く時間を稼げって事か。

「了解。貂蝉と卑弥呼も連れて行った方が良さそうだな。」

「ふふ、そうだな。こちらから呼びに行かせるからそれまで頼む。」

 という訳で俺たち三人は炙叉と貂蝉、卑弥呼を連れて外に出た。

 

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「あはははははは!あ〜面白かった♪」

 俺たちは普通の会話が天幕まで届かなくなる位の距離で立ち止まる。

「おいおい、あまりやりすぎるなよ・・・」

「いやいや、別にからかうだけのつもりじゃ無かけん。みんないい人達ばい。」

「また素が出てるぞ。それに連れてきた羌の兵に聞かれたら・・・」

「大丈夫♪あいつらはウチとおんなじ戦反対派や。それにその二人ならウチの言葉理解できるんじゃろ♪」

「えぇ〜♪問題ないわよん♪」

「うむ、気にするでない♪」

「そうそう、二人に訊きたい事有ってん。御子様方三人をこの地に降ろしたんはあんたらなん?」

「「「え?」」」

「凰羅を見れば分かるって。二人がこの世の者じゃないいうのんはな。」

 いや・・・普通に見てもこの世の者じゃないとは思うが・・・炙叉が言いたいのはそういう事じゃ無いんだろう。

「んまぁ♪この世の者とは思えない美しさですって♪」

「そこまで言われてはさすがの私も照れてしまうではないか♪」

 

「「「そういう意味でもねえええぇぇえええええぇっ!!」」」

 

 モジモジしながらトンデモねえ事言うから思いっきり叫んでしまったじゃないかっ!

「ご主人さまはこの世界に呼ばれてやって来たのよん。わたしはそのご主人さまを追っかけて来たの♪」

「私は海を越えた倭の地より不甲斐ないこの弟子を鍛え直しにやって来た、元大陸の管理人といった処か。今ではご主人様とだ〜りんの愛の下僕よ♪」

「貂蝉、卑弥呼、そんな事まで言って大丈夫なのか?」

「こういう子は隠しても分かっちゃうものなのよ。ねぇ、迷姚ちゃん♪」

「うむ、故にどう対処するかも本能的に理解するのだ。のう、迷姚よ。」

「あはは・・・予想より大物なんでちくっとビビったけど・・・まあ、大丈夫♪それからウチの事は炙叉って真名で呼んでや。ウチの事信用してくれた事への返礼じゃ。」

「ウフフ♪それじゃあ今日から私たちはお((恋敵|とも))だちよ、炙叉ちゃん♪」

「うむ。良き((恋敵|とも))となろうぞ、炙叉よ♪」

 どうしていつも貂蝉と卑弥呼の口から友って言葉が出るたびに寒気が走るんだろうな・・・・・?

「・・・・・ご主人さまー!」

 お、月。

 どうやら華琳も落ち着いたみたいだな。

 おっとその前に。

「あの子もカワイッムギュゥッ!!」

 俺と紫、赤の三人で炙叉のマントの端を掴んでいた。

 結果、走り出そうとした炙叉は首が締まって動きが止まった。

「いい加減その行動パターンは覚えたよ。」

「ケホケホッ!御子様たちイケズやち・・・・・あの子自身もカワイイけどあのヒラヒラな服がまた何とも・・・」

「あの・・・どうかなさったんですか?」

 月が不思議そうな顔でやって来た。

「いやいや、何でもないよ。それより向こうも落ち着いたのかな?」

「はい♪それに鈴々ちゃん達がおなかすいたって言い始めまして、今からお昼ご飯になりますよ♪」

「お、そう言えばそんな時間だもんな・・・・・そうだ月。」

「はい?」

「ほら炙叉、ハグする前に言わなきゃいけない事有るんだろ。」

 炙叉の背中を押してやる。

「え?あ・・・そやね!・・・・・ウチの真名は炙叉。良かったら受け取って貰えんじゃろか?」

 顔を赤くして言う炙叉に、一瞬キョトンとしながらも微笑む月。

 

「はい♪私の真名は月です。よろしくお願いしますね、炙叉さん♪」

 

 どうやら次は食事をしながらの真名交換会になりそうだな。

 俺たちは明るい笑い声の聞こえてくる天幕に向かって歩き出した。

 

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楊州 建業

【蓮華turn】

 夜も更け、今日はもう眠ろうと夜着に着替え寝台に向かった所で、廊下を走る音が聞こえてきた。

 この軽くも騒がしい走り方はシャオね。

「お姉ちゃんっ!!」

 ほらやっぱり。

 扉を開けて入ってきたシャオ・・・って!

「なんて格好してるのっ!下着姿で・・・」

「そんな事より一刀がっ!!」

「は?一刀は西涼じゃない。寝ぼけてるの?」

「一刀が浮気してるっ!!」

「・・・・・・・・・・・・・・・え?」

 何を言ってるのこの子は?

「そ、それは一刀だもの・・・・・明命や祭、雪蓮姉様もいるから仕方ないというか・・・」

 それでも心穏やかではいられないけど・・・。

「違うわよお姉ちゃん!新たな驚異よ!これはっ!!」

「・・・・・・ええと・・・房陵で加わった馬超とか厳顔の事かしら?」

 思春と明命にそれぞれ一刀たちの行動は逐一報告する様に命じて、ちゃんと届いているけど赤一刀が・・・・・・その・・・そういう報告は来てないし・・・。

「その人達でもないっ!!本当に新たな驚異なのよっ!!」

「要領を得ないわね・・・・・大体あなたは何でそんな事が判るのよ?」

「シャオには判るんだもんっ!!妖術とか占いじゃないわよ!強いて言うならこれは女の勘よっ!!」

 ・・・・・・・・・・・真面目に聞いていた私が馬鹿みたいだわ・・・・・・。

「あなたやっぱり寝ぼけているのよ。早く寝なさい・・・・・なんだったら一緒に寝てあげましょうか?」

「もうっ!お姉ちゃんの分からず屋!」

「あっ!だからそんな格好で走り回るんじゃないっ!!」

 結局シャオは下着姿で部屋を飛び出して行った。

 もう、華琳や愛紗もいるから大丈夫よ。朱里や雛里も策を立てていたし、イザとなったら思春と明命に力づくで止めるように言い含めてあるし、心配いらないわよ。

「・・・・・・・・・・・・」

 もう!シャオが変な事言うから気になって来たじゃないっ!!

 

-10ページ-

 

益州 成都

【桃香turn】

「・・・・・・・・はっ!」

 なんだろう?突然不安に駆られて目が覚めちゃった。

「ええと・・・・・・おやつの食べかけたゴマ団子は・・・・・うん♪ちゃんと食べたから大丈夫♪・・・・・あれ?」

 寝台の横の机。

 その上に幾つか置いてある写真立て。

 真桜ちゃんから貰った写真、みんなが写っている写真の中でご主人さまたちだけを写した物が倒れてる。

「着替える時後ろ向けて・・・・・その後ちゃんと直したはずだけど・・・・・」

 その写真立てを手にとって・・・・・なんかご主人さまの顔を見たくなっちゃった♪

 木戸を開けると少し欠けた月と星の光が満天に広がっていた。

 窓枠に座って月と星の光でご主人さまたちの写真を眺める。

「・・・早く逢いたいなぁ・・・・・無事に帰って来てね、ご主人さま♪」

 そっと写真立てを胸に抱きしめた・・・・・。

 

-11ページ-

 

涼州 敦煌

【緑一刀turn】

 敦煌の支配権を完全に取り戻し、俺たちは街の様子を見に来ていた。

 今は城壁の上で一休みをしている最中だ。

 流石は商業都市、豪商の方が権力を持っていたり西域の影響かギルドみたいな物まであって交渉は難航したが、何とかまとまった。

 炙叉と翠が居なかったらどうなっていた事か・・・・とにかく疲れたよ。

 そうそう、炙叉はあの日全員と真名を交換して今ではすっかりみんなと打ち解けている。

「のう、玉碧の御子様・・・・・・この視察が終わったら・・・・・行ってしまうんじゃろ。」

 俺の左腕を抱きしめ見上げる顔は寂しさを訴えている。

「あぁ・・・やっと終わった戦乱を反乱なんかで再燃させたくないからな・・・・・大陸が落ち着いたらこっちにまた来るよ。三人一緒ってのは難しいと思うけど・・・」

「う〜ん・・・・・分かった!ウチが先に羌を鍛え上げて部下に任せられる様にすればいいんじゃな♪そうすればウチの方から会いに行ける!劉備や孫権にも会ってみたいし♪」

「あはは!それじゃあ俺ら三人と炙叉で競争だ。誰が最初に国をまとめ上げるか。」

「うん♪ウチ頑張るよ・・・・・・あっ!数え役満☆シスターズの舞台がもうすぐ始まる時間や!」

 シスターズはこの敦煌を皮切りに大陸一周ツアーを開始した。

 紫の話じゃ以前からのシスターズの夢だったらしい。

 まあついでに各地の様子を調べる役目もやらされるらしいけど。

 

 俺は西の空を見上げた。

 シルクロード。

 遠くはヨーロッパまで続く道・・・・・・でも。

 今俺が見るべきは東。

 この疲弊した大陸を早く復興しなくては・・・・・。

 みんなが力を合わせれば決して難しくはないさ。

 

「よしっ!行こうぜ炙叉!!」

「うん♪実はウチ数え役満☆シスターズの舞台を前から見てみたかったんじゃ♪」

 

 俺は炙叉の手を握り走り出した。

 

 

-12ページ-

 

あとがき

 

 

其の十から七話分費やして

ついに五胡編終了です。

 

羌族王の炙叉について補足

実はこの子の基本部分は

ミーハーです!

しかもロリコンな上にSとM両方の気質を持ち合わせているので

華琳がその気になれば格好の獲物になっちゃう子ですw

素の時に話す言葉ですが

いくつ方言を混ぜたか

作者も把握しきれてませんw

「〜じゃ」は広島弁のイントネーションで

「はんかくさい」は北海道弁

後、ラテン語とアングロサクソン系の古英語につながるゲルマン語

完全に現代英語ですねw

使うとなんとなく格好良さそうという理由で使っているみたいです

 

 

蓮華と小蓮

小蓮の感もすごいですが

蓮華がさりげなく怖いこと言ってますw

 

 

次回からは南蛮編に入る予定です。

 

 

 

説明

大幅加筆+修正となっております。

五胡編最終話です!
オリキャラの羌族王が
恋姫たちを怒らせたり喜ばせたり泣かせたりと
やりたい放題ですw


ご感想、ご指摘、ご要望、更に
「最初はどうなるかとハラハラして見てたッスけど、羌族王が女の子だと分かった瞬間に納得したッス。この戦は最初から勝っていたんだなと。だって北郷様ッスよ!」
などのご意見がご座いましたら是非コメントをお寄せ下さい。


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コメント
…ん〜、どうも『管路』って、名前間違われ易いみたいだなぁ。今までにも三度程、誤字で菅路になっている作品を読んだ事があるし。実際には草冠ではなく竹冠なんですよねぇ…。(クラスター・ジャドウ)
量産型第一次強化式骸骨様  あの場では一刀たちに阻止されましたが、一刀の目を盗んで絶対やったと思いますwww(雷起)
神木ヒカリ様  それはもう大変な事になりますwww とりあえず元版に在るように先ずは明命に大変なことになってもらいますw(雷起)
アルヤ様  元版の時に結構悩んだのを覚えています。 南蛮行→桃香が蜀を手に入れている→桃香が徐州を手放す理由は何か?→五胡迎撃と益州復興なら蜀に留まるのでは?といった感じでこうなりましたw(雷起)
あの後、月は炙叉にハグされてしまったのだろうか。・・・炙叉にハグされた月を助けようとした詠が、月と一緒にハグされるという展開を想像してしまった。(量産型第一次強化式骸骨)
炙叉が美衣達を見たら大変なことになりそう。(神木ヒカリ)
南蛮より五胡が先ってなんか不思議(アルヤ)
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