ISアスラン戦記2
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HRの時間、クラス対抗戦のクラス代表を決める事になった。

 

「先生、代表は織斑君がいいと思います!」

 

一人の女子の発言に他の女子も同意した。

 

「い!? 何で俺!?」

 

一夏が慌ててそう言うが周りの雰囲気が一夏が代表でいいだろうと言う雰囲気になっていた。

 

ふむ、面倒事から解放される。

 

俺がそんな事を考えた矢先、一夏が俺を巻き込んだ。

 

「せ、先生!! 俺はアスランを推薦します!!」

 

一夏!! 俺を巻き込むな!!

 

周りのクラスメイトもソレはソレでありかもといった雰囲気になりつつあった。

 

そんな時だった。

 

オルコットが声高に叫んだ。

 

「その様な選出は認められませんわ! 男がクラス代表なんていい恥曝しですわ」

 

恥曝しときたか。

 

其処まで言うか普通?

 

お前には常識と配慮が足りないみたいだ。

 

それでもまだオルコットの言葉は止まらない。

 

「この様な屈辱をこのセシリア・オルコットに1年間味わえとおっしゃるのですか!? 大体、文化としても後進的な国で過ごさなければならない事事態、耐えられない苦痛ですわ!!」

 

その言葉に流石の俺もつい口が滑った。

 

「ほう? ではその文化としても後進国からISコアを恵んで貰っているのは何処のどの国かな?」

 

その言葉にオルコットの口が金魚みたいにパクパクと動いた。

その顔は怒りに満ち溢れている。

 

「イギリスが先進国なら今の発言が文化的で優雅な発言とでも? フッ、なら俺はそんな人や国を罵倒する文化など興味も魅力も感じんな。没落しても無駄にデカイプライドを持ち続ける。だからジョンブルは衰退した。そんな過去の黴臭い栄光にしがみ付くくらいならいっそ後進国で俺は十分だ」

 

その言葉に我慢なら無いばかりにオルコットはキレた。

 

「あ、あ、あ、貴方!! 私と私の祖国を侮辱しますの!?」

 

「フッ、自分の発言は棚に上げてその言い草。笑わせる。もし人の悪口を言うならば自分に帰ってくる事を予期しろ。まさか、自分が一方的に言えると思ったか? 悪いが俺は自分の友が馬鹿にされているのを黙って見ているほど優しくはないぞ」

 

オルコットはどうやら我慢の限界だったらしく怒り狂いながら人差し指を突き出し、俺に宣戦布告してきた。

 

「け、決闘ですわ!!」

 

俺はその言葉に自分の中に抑えていた感覚が解き放たれるのを感じた。

 

“ソレ”が目を覚ました。

 

 

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セシリアはアスランの沈黙を見て怖気づいたと思った。

 

(フン、所詮、男などこの程度ですわ)

 

セシリアは生前の父親を思い出した。

 

母親にオベッカを使い卑屈に振舞う父親。

女尊男卑が明確になった時など更に卑屈になった。

 

目の前の男も同じように卑屈になった。

 

そう思っていた。

 

しかし、ソレはセシリアの勘違いだった。

 

「ほう? ならば、討たれる覚悟は出来ているのだろうな? セシリア・オルコット?」

 

アスランがそう口にした瞬間、世界が変わった。

 

比喩でも例えでも無い。アスランを中心に世界が変わった。

 

心臓を直接鷲掴みにされた様な感覚。

背中には今まで流したことの無い量の冷や汗。

肌は鳥肌がたち。

唇は震えが止まらない。

 

セシリアは周りを見たとき殆どの生徒が震えながら泣きそうな顔をしていた。

中には呼吸困難なほど荒い息をして泣いている生徒までいた。

 

あの箒ですら震えを必死で押しとどめて耐えていた。

 

一夏は椅子にへたり込む。

 

真耶は半泣きになりながら震えていた。

 

千冬はその額に冷や汗を薄っすらと流した。

 

(誰ですの!? “アレ”は!?)

 

今まで温厚だが嫌見たらしい男と思っていたアスランがセシリアには化け物に映った。

 

そして、セシリアの本能が告げる。

 

“アレ”と戦うな!

 

“アレ”の前ではお前は無力そのものだ!

 

“アレ”から今すぐ逃げろ!

 

“アレ”はお前にとって死そのものだ!

 

しかし、セシリアは自身のプライドがその本能をねじ伏せた。

 

(お、男に、私が男に圧倒された!? このセシリア・オルコットが!? ふざけないで!! 私は代表候補生ですのよ!? ソレをこの様な男に圧倒されたなんて!?)

 

セシリアはその屈辱を怒りに変えてアスランに言い放った。

 

「じょ、上等ですわ!! この私が貴方を倒してさしあげますわ!!」

 

そこですかさず千冬が命令した。

 

「オルコットとザラが戦いその後勝った者が一夏と戦う。ソレで異存は無いな」

 

その言葉にアスランは放っていた何かをその内に押し込め、元のアスランに戻った。

 

「解りました」

 

「解りましたわ!!」

 

それに何とか気を取り直したセシリアが今までの恐怖をかき消す様に了解の声を上げた。

 

 

 

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やれやれ、コレだけ脅しても立ち向かうか?

 

俺も大人げ無かったしクラスの奴等には申し訳ない事をしたな。

 

しかし、この世界のIS乗りはプライドが高過ぎるぞ。

 

俺は席に静かに座ると溜息をソット落とした。

 

 

 

 

 

 

 

 

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借金の赤い騎士はこの学校生活をどう過ごすのだろうか?
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