ポケモンになってしまった俺物語 2 |
どうも皆さん久しぶりです、ピカチュウになってしまった人間こと俺です。
バシバシバシバシバシバシバシバシ!
いやぁ、あれから1年、ほんといろいろありました。
バシバシバシバシバシバシバシバシ!
訓練中に野生のオニスズメの集団に襲われて必死で逃げたり、食料を調達している時にトレーナーに遭遇しゲットされそうになりながらも我武者羅に逃げたり。
……なんというか、逃げる訓練してるみたいで泣けてくるね。
バシバシバシバシバシバシバシバシ!
訓練中に危うく山火事を起こしそうになって必死で土をかけたり、散歩中に何の偶然なのかまたもやオニスズメと遭遇し一匹だと思って何とかやっつけて悦に入っていたところに、どこからか現れたオニスズメの群れにまたもや追い掛け回されたり。
……ったく、少しの間くらい、何気に俺の初勝利を喜ばせてくれたっていいだろう!!!
バシバシバシバシバシバシバシバシ!
と、まぁ、ほんと辛いことだらけの毎日ですが、それでも俺は今も元気に頑張っています!
バシバシバシバシバシバシバシバシ!
……えぇ、先ほどから擬音ばかりで申し訳ない。
一体何をバシバシやってるのかと気になる方もいるだろうが、これはあれだよ、一応特訓……のつもりだよ?
TVでピカチュウがアイアンテールを覚えるために尻尾を鍛えていただろ?
俺もそれを習って尻尾を鍛えてるんだよ。
電気タイプの弱点はやっぱり岩とかだからさ、そんな相手に遭遇したら今の状態だとまず間違いなく負ける。
なんたって、今現在俺ができることといえば“電気ショック”で痺れさせるか、相手を“たきつける”か、なけなしの爪で“ひっかく”か、“砂をかけ”て目くらましを狙うくらいなものだ。
まぁ、わからない人はいないとは思うが簡単に言えば、ポケモン業界で言うところの電気技とノーマル技という岩タイプに対しては微妙というか、あまり効かないというか、全く効かないというか、そのような類のものということだ。
“たたきつける”はまぁ、個人的にはゲームを通しても好きな技ではあるんだけど、現実的にいえば岩タイプに対してのダメージなど微々たるものしかない。
結局倒すことはできないから話し合いで解決するか、最悪逃げるしかない。
まぁ、オニスズメ相手に逃げることに慣れた今の俺なら(慣れたくはなかったけどな!)、基本遅い奴が多い岩タイプ達に逃げ遅れることなど滅多にないかもしれないが、流石にいつまでも逃げてばかりではいられないだろう。
以前、この森に棲んでいるコラッタやポッポ達から聞いた話では、ここの森はトキワの森らしい。
だから、ここら辺では苦手なタイプを持つポケモンと遭遇する危険性は少ないかもしれないが、それでも絶対とは言い切れない。
なぜなら、ここはゲームじゃなく現実だからだ。
ある程度は生息する地域に大差はないだろうが、ポケモンだって意思があり、その自分の意思で行動するわけだから、自分が今まで住んでいた地域から出るポケモンがいたってなんの不思議でもない。
いつそんな相手に遭遇するかわからないのだ。
だから最低でもアイアンテールだけは、なるべく早いうちに覚えておかなくてはいざという時に大変だろう?
そんなわけで、俺はアニメのピカチュウのように石を蔦で尻尾に括り付けて上げ下げしたり、尻尾をうまく使いこなせるように尻尾を的の木に打ち付けたりしている。
……ちなみに今やっているのが、尻尾を的となる木に打ち付けているというところだ。
バシバシっていうのは木を打ち付けてる音だぜ?
しかし、いやぁ、尻尾を使いこなすってホント難しいなぁ。
普段使う手や足と違い、ほとんど意識して使ってなかったから、改めて意識して使ってみるとなかなかに思い通りには動いてくれない。
今も木を的にして打ち付けているのだが、なかなか狙ったところには当たらない。
電撃の時もそうだったが、もしかするとそれ以上に難航するかもしれないな。
石をぶら下げて上げ下げするのもかなりしんどい。
最初のころなんてなかなか上がらず踏ん張りに踏ん張って、あろうことか力の入れどころを間違いウ××が出てしまい、急いで物陰で処理をしたものだ。
あの時はほんと「やっちまった!」って感じだったからなぁ。
せめてもの救いはその場に俺以外に誰もいなかったってところか。
誰かに見られていたら俺死ねるね、羞恥心で絶対死ねると思うね。
……ほんと、お恥ずかしい限りだ。
まぁ、今では何とか力の入れどころを覚えて行うことができるようになったが、ほんとにあれは黒歴史だ、早く忘れたいものだ。
……って、このように思い出している時点で忘れさる時が遠のいていくのだろうな。
◆◆◆◆◆
さて、ただ訓練をするだけではいけない、とりあえずこの世界の情報を少しずつでも集めていこうかな。
そう思い、依然知り合ったポッポのもとを訪れた。
ひこうタイプということもあり、年がら年中飛び回り、いろんなところに行き、いろんなものを見ているのだ。
情報を集めるには最適といえるだろう。
そして、聞いた情報をまとめると以下の通りだ。
1、 木の実は森の西に多くある
……今度取りに行ってみよう。
2、最近スピアー達が活発化している
おそらく、コクーンからスピアーに進化する時期でスピアー達の神経が過敏になってきているのだろう。
繁殖期や成長期というものは他のポケモンもそうだが、スピアーは特に気が高ぶり危険度を増す。
スピアーの巣の在処は確か森の東の方角だったか?
……なるべく近づかないようにしよう。
3、ニャース型の気球がトキワの森の上空を越えてで森の前にある村の方角へ向かっていった
……もしかしなくてもロケット団ですか?
その中に誰が乗っていたのか聞いてみると、Rと描かれた変な服を着た男女の二人組と、不自然に二本足で立っており尚且つ人間の言葉を話すニャースが乗っていたという。
ニャースが二本足で立っているのもそうだが、人間の言葉を話すなんておかしい話だよなぁと、ほかのポッポ達が笑ってはいたが俺からしたらあまり笑えない。
つまり、全部が全部ではないにしろこの世界はアニメの世界を基にしていると考えていいかもしれない。
そして、その世界のロケット団団員であるムサシ、コジロウ、ニャースの三人組は目をつけたものをあきらめない執念深さがある。
現に、目をつけられたサトシのピカチュウを追ってカントウ中をストーカーし、果ては地方を超えても船にしがみついてまで追ってくるという執念深さ。
何度電撃でふっとばされても次の回にはケロッとしてまた襲撃してくるタフネスさも注目でき、団からの援助資金が尽きたとなればアルバイトをしてまで金をためて追いかけ続けるという、野球ファン顔負けの追っかけぶりを見せてくれる。
またもや個人的な話だがそんなギャグにも使えてシリアスでも使えるロケット団のキャラとしては俺は嫌いではない。
しかも、毎回毎回高度な機械兵器を制作して投入してくるという、もうお前らロケット団の技術部にでも配属された方がいいんじゃねぇのとか、その資金ほんとどっから持ってきたんだとかいろいろと突っ込みを入れたくなるが、そこは突っ込んではいけないという大人のお約束。
いつもいつも失敗ばかりしている彼らだが、その執念と技術力は本当に目を見張るものがある。
サトシのピカチュウを追ってなければ、恐らく彼らは今頃かなり昇進してたんじゃね? と以前俺の友人が言っていたが、それには俺も少なからず同意できる。
そんな奴らに目をつけられたらマジでたまったものではない。
サトシは主人公補正とか、仲間がいたりとかその他もろもろの要因で毎度毎度ロケット団の襲撃を潜り抜けてきてはいるが、普通他の奴らじゃ絶対無理だ。
……出来るだけサトシやロケット団とかかわらない方向で行こうか。
じゃないと、今の俺なんて一発でゲットされちまうからな。
4、少し前、初心者のようだがかなり腕の立つ3人のトレーナーがこの森を通って行った
ここがアニメの世界を基準にしているとなると、その3人のトレーナーというのは、ロケット団が来たという時期を考えてもおそらくシゲルたちサトシ以外の3人の事だろう。
と、いうことはもう少ししたらここにサトシやロケット団たちが来るということか。
シゲル達の後に出たことと、いろいろと騒動に巻き込まれて遅れたことを考えても大体あと数日後くらいか。
……見つからないようにひっそり隠れてるか、もしくはそろそろこの森を出て先に進むことを考えるか。
ま、それはもう少し特訓を重ねてからだな。
と、そんな感じの事がポッポの話たことだった。
いろいろと知ることができ、かなり有意義な時間だったな。
特にアニメを基準としていること、サトシやロケット団のことを聞けたことがかなり大きい。
もしこの世界がゲームとかの世界を基準にしてるのだったらいろいろと不都合が生じる可能性だってある。
例えば、技は4つまでしか覚えられないとか、ほかの技を覚えるのに技マシンまたは秘伝マシンを使うかをしなければいけないとかだ。
流石に、4つまでしか覚えられないというのはいろいろと戦闘の幅が狭まってしまうからな。
ま、そのことに関してはここがゲームじゃなく現実だと認識した時からあまり心配はしていなかったがな。
とりあえずいろいろ聞かせてくれたお礼に木の実を一つプレゼントしておいた。
まぁ、なんにしても、今の俺にできることなんで限られているわけだが。
ロケット団にしろサトシにしろその他のトレーナーにしろ。
結局強くならなくちゃ撃退することも、逃げることもできやしない。
と、いうわけで
バシバシバシバシバシバシバシバシ!
もっと強くなるために今日も特訓特訓っと。
説明 | ||
少し時間が飛びます ……しかし、全体的には進んでいないという |
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