決闘の立会人は征服王 |
・Fate/unlimited codesでしか実現しなかったセイバーVSディルムッドの騎士道精神溢れる正々堂々した決闘…。
この二人を部下に欲しいと思っていたイスカンダルなら、それを叶えてやって欲しいと思った。
イスカンダルだと、もし切嗣やケイネスがマスターでもデコピン……いや、鉄拳制裁するかもしれないが。
「この決闘、征服王イスカンダルが立会人となろう!! 何人たりとも邪魔はさせぬ!! 思う存分に戦え!!」
「征服王…」
「…すまない、感謝する」
「なぁに、気にするな! 余も、お前達の決闘が見たいのでな!!」
「あ、結果は出来れば引き分けが良いがな…そうすれば、二人とも余の物だ! いずれ我が軍勢に加わらせてくれと言わせてやるわい!!」
「フフ…それは難しいですね」
「フッ…戦うからには、どちらかが勝つ結果が望ましい…そして、貴様の部下になるつもりは無いぞ?」
「言ってくれるのう…だが、それでこそ説得のし甲斐があるわい!!」
「勝った方と同盟を組む!! そして…次は、余とあの金ぴかとの決闘の立会人になってくれぬか?」
「承知致しました、征服王。貴方と英雄王の戦い、しかと見届けましょう」
「約束しよう、騎士の誇りに懸けて。決闘の間、バーサーカーの相手は任せて貰おう」
「よし! 交渉成立だな!」
「聞けぃ、我が軍勢達よ!! これより、征服王イスカンダルの立会いの下、二人の英雄による決闘を行う!!」
『ウォオオオオオオ!!』
「それを邪魔しようとする無粋な輩は、誰であろうと容赦はせん!! 我等の力で攻め滅ぼすのだ!!」
『イスカンダル!! イスカンダル!! イスカンダル!!』
突然現れた征服王は、セイバーとランサー…二人の騎士の決闘の立会人になると宣言した。
『王の軍勢(アイオニオン・ヘタイロイ)』を発動させ、決闘場として提供するイスカンダル。
征服王の呼びかけに応えて集まった英雄達も、セイバーとランサーの決闘を見届けたい想いは同じだからだ。
「お、お前はまた何てとんでもない事をやらかすんだ…」
「どうした、坊主? お主が言い出したんだぞ?
『この先、アーチャーやバーサーカーと戦う為には…まずはセイバーかランサーと同盟を組むべきだ』…とな」
「…ああ、確かに言ったさ!! でもな!! それがどうして固有結界使ってまで、アイツ等の決闘を見届る展開になるんだよ!?」
「あのなぁ、坊主…そんな簡単な事が何故分からんのだ? 余が、あやつ等を部下に欲しいからに決まっておろうが!!」
「お前、まだそんな事言ってるのか!? こんな事してやったって…令呪でも使わない限り、騎士道精神を持つサーヴァントが主替えに賛同する訳ないだろ!?」
「将来部下になるかもしれぬ勇者達の望みは出来る限り叶えてやりたいだけよ!!」
「…でもまた断られたら、どうするんだよ?」
「その時は、また別の方法で説得するだけよ! 誇り高き英雄が、一度や二度断られた程度で諦めるような奴の軍勢に加わってくれる訳が無かろう!?」
「た、確かにそうだろうけど…これで断られたら、お前が損するだけじゃないか」
「そんな小さな事を気にするでないわ! 余がそうしたいから、そうしているだけだ!」
イスカンダルのマスターである少年、ウェイバー・ベルベットが心の底から呆れと驚きが混じった複雑な表情で頭を抱える。
「……僕だってなぁ!! お前よりアイツ等みたいなサーヴァントを召喚したかったよ!!」
「んん?」
『!?』
「お前なんて、マスターの僕の言う事全然聞かないし!! いくら王様だからって、今は僕のサーヴァントなんだぞ!!」
「だからこうして共に戦っておるではないか、坊主」
「せめて、社交辞令でも良いからマスターって呼べぇ!!」
『……』
「ああぁ〜、もう!! どうせケイネス先生の聖遺物盗むんだったら、ランサーの方を手に入れたかったさ!!
そもそも、本来ならお前は先生のサーヴァントになる予定だったんだぞ!!」
「おお、そう言えばそんな事があったのう…そんな些細な事、すっかり忘れておったわ!!」
「わ、忘れてたぁああああ!?」
イスカンダルの言動に、ウェイバーが感情を爆発させる……サーヴァントとマスターとしては、真逆に思える主従関係だ。
だが、自分のマスターとの関係がお世辞でも良好とは言えないセイバーとランサーには…本音をぶつけ合える二人のやり取りは、とても羨ましく思える光景だった。
「…私と貴方が初めて戦った時でしたね」
「そうだな…あの時も、征服王は突然現れた」
「バーサーカーとアーチャーが乱入してからの乱戦だけなら、まだ良かった…だが、貴方が令呪によって騎士の誇りを汚される方が耐えられなかった…」
「マスターの命令は絶対…そう思っても、心の底では納得出来ない命令だった。征服王が我々の誇りを優先してくれたのは…今も、感謝している」
「ええ…私もです」
「お前…あれだけ正面から先生に喧嘩売っておいて、忘れてたのかよ!?」
「あの魔術師か…魔力供給はともかく、性格の相性は最悪だと思うが?」
「先生のエリート至上主義者な性格じゃ、どんな人格者のサーヴァントでも苦労するって……お前だと、先生にもデコピンかましそうだけどさ」
「当然よ! もし余があ奴のサーヴァントとして召喚されたのなら、あの腐った性根を叩き直してやるわい!!」
「……先生、お前に速攻で令呪使いそうだな」
『……』
「…? 何だよお前等? 決闘はしないのか?」
「い、いえ…その…」
「皮肉な物だな、セイバー…我等を正当に評価してくれるのが、ライダーのマスターとはな」
ライダー組の会話に入りたくてウズウズしているアイリ。
自分の計画台無しにされて内心超凹んでる切嗣、それを察しているけど上手いフォローの言葉が見つからない舞弥。
ライダー組に言いたい放題言われてキレまくりだけど、これならまだランサーの方がマシだと思ったケイネス。
いつの間にか決闘の観戦に来てて、それ等の様子を楽しみながら酒呑んでるギルガメッシュ。
<あとがき>
Fate/Zeroって、サーヴァントとマスターの関係が良好なのがライダー組とキャスター組ぐらいしかいませんからね…。
ディルムッドはウェイバーや士郎のようなマスターとなら、上手くやれたのかもと思います。
・Fate stay night設定ならどうやってディルムッド登場させれば…HF√で黒化したセイバーを救おうとする士郎に答えるかのように、ディルムッドが召喚されるとか?
セイバーの危機にディルムッドが駆け付け、共闘したアインツベルンの森での再会なら…何と言う皮肉な運命。
Fate/unlimited codesの対戦前会話から、5次ランサー&ライダーとは仲良くなれそうだし。
クーフーリンとディルムッドのWランサーなんて見られるのは、タイガーころしあむとかhollow時空でないと無理かもしれませんが。
説明 | ||
あまりにもディルムッドが不幸過ぎたので、勢いで書きました。 鬱展開クラッシャーは、やはり『王道少年漫画なら主人公だったであろう』ライダー組に担当して貰いました。 |
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コメント | ||
やっこさん>ありがとうございます。Fate/Zero本編では不憫過ぎた騎士達、こういう舞台が無いと決闘なんて出来ないと思いましたので。(ノワール) イスカンダルによる決闘という設定いいですね。部下にしたいという理由も彼らしいですが、決闘を邪魔させない戦士としての考え方も一流なんですよね。本音を言えるライダー組の関係って素敵だと想います。ディルムッドとセイバーが気持ちよく戦いへの雄叫びを叫べる様子がとても素敵でした^^(やっこ) 達さん>でしょうね。切嗣と相性良いのってアーチャー(エミヤ)とか、EXTRAの緑アーチャーとかだと思います。(ノワール) |
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