魔法少女リリカルなのはStrikerS00(仮)−−11 初仕事−−
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本編三話目。

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−−初仕事−−

 

はやての挨拶が終わると、各々が持ち場に着くためにバラける。

なのはは、ナカジマとランスター。

そして、少年と少女を連れてどこかへ行ってしまった。

なのはが連れて行ったということは、((FW|フォワード))である可能性が高いか。

「刹那」

「フェイト」

考え事をしていると、フェイトに声をかけられた。

そして、

「おう、刹那」

「久しいな」

「元気そうね」

「また、会えたな」

ヴィータ、シグナム、シャマル、ザフィーラ。

はやての守護騎士。

「主から聞かされた時は驚いたが……しかし、ようやくお前と手合わせが出来るな」

「おいおい、シグナム。会って早々、それかよ」

シグナムの言葉に、ヴィータが呆れた様に言う。

「それとは何だ。こいつは強者だ。手合わせを申し込むのは騎士として当然だ」

……騎士の事は分からないが、違う気がする。

「安心しろ、約束は守る」

「ふっ……((違|たが))えるなよ」

「ああ」

「シグナムは本当にバトルマニアだよな〜」

「刹那君も大変ね」

両手を頭の後ろで組んで、やはり呆れた様に言うヴィータ。

シャマルはやや面白がっているように見える。

「私とも模擬戦してね」

シグナムに対抗してか、フェイトにも申し込まれた。

「……もう一人いたな」

ザフィーラが静かに呟いた。

 

「さて、私はこれからはやてと中央に行くから」

「我も主の護衛として行かねばならぬ」

「ああ」

「私は医務室。まだ、設備の設定を終えてないから」

「アタシも自分の訓練をしなきゃな」

「セイエイはどうする?」

「……そうだな。俺には仕事らしい仕事はないからな。((散歩|・・))でもするか」

「「……は?」」

刹那の口から【散歩】という単語が出たため、全員が素っ頓狂な声を出した。

「どこに何があるのか。それを確認しておこうと思ってな」

「それで散歩かよ」

「ああ」

「あ、じゃあ私が一緒に……」

フェイトが手を挙げるが、

「お前は主と仕事だろう」

「うっ……そうです」

シグナムの鋭いツッコミに縮こまる。

「主を待たせることは許さんぞ」

「ううっ」

「ではな」

シグナムがフェイト連れて行き、ザフィーラがその後を静かに追う。

「アタシも行くかな」

「じゃあね、刹那君」

ヴィータ、シャマルも去り、独りその場に佇む。

《マスター?》

「……始めるぞ」

エクシアの言葉を合図に歩み始める。

《散歩……ですか?》

「ああ。あいつらが気付いているかは分からないが、必ずガジェットの製造者がいる」

《前にもマスターが仰っていましたね》

「ガジェットを製造した者が単独なのか、それとも組織かは判断できないが、少なくともそれなりの規模を有しているのは間違いないはずだ」

《確かに、あれを製造するとなるとそれなりの設備も必要ですね》

「ガジェットはレリックという((古代遺失物|ロストロギア))を狙い。六課はその対策部隊。いわば敵対関係になる。つまり……」

《隊舎に攻め込まれる可能性も否定出来ない》

「そのとおりだ」

《だから、マスターはそのために隊舎の中を散歩すると》

「ああ。お前も記録しておけ。それと、攻め込まれる可能性のあるパターンとその場所をある程度算出しておいてくれ」

《了解しました》

攻め込まれる可能性がどれ程のものか。

攻めるなら正面からか。

工作を行うように忍び込むようにか。

はやて達は魔導師としては優秀だ。

無論それ以外でも。

だが、本当の戦い――組織立って敵対者と命を賭けた戦いというものは経験が少ないだろう。

下手をするとゼロだ。

こういった感覚は、戦い――いや、戦争の経験者でしか持てないだろう。

勝利するためには正面からの戦術だけでは足りないこともある。

破壊工作や情報戦。

時には裏切り。

あらゆる手段を用いて勝利を齎す。

それが、戦い。

あいつらに足りない感覚。

この先も持つ必要がない感覚。

それを補助するのが俺の仕事なのだろう。

 

「隊舎内は、だいたい見終わったか」

《ですね。このあとは?》

「そうだな、外も見ておくか」

隊舎内の散歩が終わったところで通信が入った。

『刹那君』

「なのはか。どうした?」

『今、時間ある?』

「ああ。大丈夫だ」

『それなら、外の訓練所に来てもらってもいいかな?』

「わかった」

『うん。ロビーから外に出るとビル群が見えると思うから、そこで待ってるね』

なのはからの通信が切れたところで思い出す。

「ビルなんてあったか?」

《私の記録にはありません》

「出てみれば分かるか」

 

ロビーから出て、暫く歩くと確かにビルが見えた。

「海の上に? 確かにビルだが……来た時はなかったはず」

《なのはさんとレイジングハートを感知しました。なのはさんの仰ったとおり、あのビル群に居ますね》

「行ってみるか」

 

海沿いから一本の道がビル群に向かって伸びていた。

その道を進むと、魔導師試験の会場に似た廃棄都市が目に映った。

「刹那君」

「なのは」

陸士隊の制服ではなく、見慣れた教導隊の白い制服を着たなのはだった。

その隣には、フェイトの副官シャリオ・フィニーノ。

「((一月|ひとつき))振りですね。刹那さん」

「シャリオ」

「あれ? シャーリーのこと知ってるの?」

「フェイトと模擬戦をした時にな」

「はい」

「そっか」

暫くすると、ナカジマとランスターを先頭に、赤い髪の少年とピンクの髪の少女がこちらに向かってくるのが見えた。

訓練を終えた後なのか、4人共少し息が上がっていた。

やはり、あの子供達もFWだったか。

「はい。皆、整列」

「はい!」

息が上がっていても、はっきりと答える4人。

何か気になるのか、視線がやや泳いでいる。

いや、理由は単純だ。

俺のことだろう。

「部隊長の挨拶の時に紹介されたけど、改めて紹介するね。民間協力者の……」

「刹那・F・セイエイだ」

「え?」

「民間協力者?」

ナカジマとランスターが疑問の声を出す。

「ほら、挨拶は?」

なのはが二人の態度に、やや注意を入れる感じで自己紹介を促す。

「あ、すみません! スバル・ナカジマ二等陸士です」

「ティアナ・ランスター二等陸士です」

「エリオ・モンディアル三等陸士です!」

「キャロ・ル・ルシエ三等陸士であります」

エリオと名乗った少年が、一番気合いが入っている気がしたのは気のせいか?

「キュク〜」

「?」

鳴き声のようなものが聞こえた。

辺りを見回すと、上空から白い生き物が降りてきて、両手を差し出したキャロの掌に立った。

「あ、この子はフリードリヒ。私の使役竜です。フリードと呼んでください」

「……竜?」

「はい」

「キャロは竜召喚士なんだよ」

狼に変身したアルフを見た時も驚いたが……。

まさか、お伽話で聞く竜をこの目で見ることになるとは……。

「キュク〜」

一鳴きすると、翼をはばたかせ、フリードは刹那の周りをクルクルと飛び始めた。

「?」

「フリードに懐かれちゃったみたいだね」

なのはが微笑ましく様子を見ていた。

「フリード。ほら、戻ってきて」

「キュク〜」

キャロが声をフリードに話かけると、それに答えるようにキャロの元に戻った。

「すみません」

「いや、いい」

頭を下げるキャロに、特別気にした様子もなく応じる刹那。

「話が逸れたな。なのはが言ったとおり、俺は民間協力者だ。階級もないし、4人の上司というわけでもない。今後、敬礼はしなくていい。言葉遣いも普通で構わない」

俺の言葉に、ナカジマとランスターが怪訝そうな顔になる。

「ナカジマにランスター、どうかしたか?」

「あ、いえ。私の事はスバルで構いません。刹那……さんは、なのはさんとお知り合い……ですか?」

「フェイト隊長達と同じで、十年来のお付き合いだよ。まぁ、一時期会えない時もあったけどね」

なのはがナカジマの疑問に答えた。

十年も関わったわけではないが、話がややこしくなるからそのままにした。

「そうでしたか」

なのはの答えに納得したのか、表情から緊張の色が消える。

「ランスターは?」

「あ、ティアナで結構です」

「ああ。それで?」

「以前、一度お会いしませんでしたか?」

ティアナの言っていることは、おそらく試験終了後のことだ。

だが、ティアナの発言になのはが反応を示した。

「せ、刹那君。ティアナと知り合いだったの!?」

「何故、取り乱している。ティアナに会ったのは魔導師試験の時、廊下ですれ違っただけだ」

「あ、そういうことか」

部下の手前、余りこういう姿を晒すのはどうかと思うが……。

「あの日、魔導師試験が行われたことをご存知だったんですか?」

「実は、刹那君も二人の試験状況を見ていたんだって」

「「え!?」」

ティアナの疑問になのはが答えると、スバルとティアナが驚きの声を上げた。

「私も後から知ったんだけどね」

「八神部隊長とフェイト隊長がヘリから見ていたことは聞きましたけど……」

「俺も一緒にヘリの中からモニターで見ていた」

「そ、そうだったんですか」

「しかし、すれ違っただけで良く覚えていたな」

「えっと、ミッドで黒髪と褐色の肌は珍しいですし、管理局の施設……まして、本部の上階に私服の人は殆ど入りませんから」

「なるほど」

「それと、もう一つよろしいですか?」

「ああ」

「どうして、陸士隊の制服を着ているのですか? 管理局員にしか支給されないはずです」

「はやて……部隊長の差し金だ」

「え?」

「私服だと浮いちゃうからだって」

俺の答えに素っ頓狂な声を上げるティアナに、なのはが苦笑いしながら補足する。

「はぁ……」

それでも、やはり気の抜けた答えが返ってきた。

 

スバルとティアナの質疑応答を終えると、二つの強い視線を感じた。

その視線の元は、

「エリオ・モンディアルとキャロ・ル・ルシエだったな」

「は、はい!」

「俺の顔に何か付いているか?」

「い、いえ!」

否定するが、視線は変わらなかった。

……この二人には聞きたいことがあるが、今はその時ではないか。

「なのは。俺をここに呼んだのは、FWに紹介するためか?」

「それもあるけど、訓練風景を見てもらいたかったのと……」

「……と?」

「刹那君も訓練はどうかなって」

「……訓練内容は?」

「シミュレーターだけど、ガジェットの全機撃破」

スフィアの次はガジェットか。

「刹那さんは、デバイスを持っているんですか?」

思案していると、スバルが疑問を口にした。

「ああ、持っている」

翡翠の宝石を見せる。

《エクシアと言います。どうぞ、よろしく》

「喋った!」

「インテリジェント・デバイス……ですか?」

スバルが驚きの声を上げて、ティアナは冷静に答えを導き出す。

《厳密に言えば違いますが、そう思っていただいて構いません》

「刹那君も皆と一緒に前線に出るよ」

「刹那さんは、どちらの分隊に所属されているのですか?」

これまで、静かに話を聞いていたエリオが手を挙げて質問をした。

「俺はどちらの分隊にも所属していない。単独戦力だ。もっとも、どちらにも力を貸せる立場でもあるがな」

「そうですか」

納得したのか、エリオは手を下げた。

「民間協力者の方に前線に出ていただくのですか?」

今度はティアナが手を挙げて質問をした。

「皆、と言ってもエリオとキャロはフェイト隊長から聞いていると思うけど、刹那君は皆より強いよ」

なのはが、ティアナの質問に答えた。

ん?

「フェイト? どういうことだ?」

「あれ? 何も聞いてない?」

「ああ」

「えっと、フェイトちゃんはエリオとキャロの保護責任者なんだよ」

「保護責任者?」

「「はい!」」

エリオとキャロが元気よく答える。

「刹那さんのことは、フェイトさんから聞いています」

「とても強くて……大切な方だって言ってました」

フェイトが俺のことを話たのか。

「どんな方なのか、お会いしてみたいと思っていました」

「だから、こうしてお会いできて、その……とても嬉しいです!」

エリオとキャロが先程までの緊張した面持ちから一変して、子供らしい表情を見せる。

「……フェイトがどう言ったのかは知らないが、俺はそれほど強くはないぞ」

「刹那君が弱かったら、管理局の魔導師みんなが弱いことになっちゃうよ」

「そ、そんなに強いんですか?」

苦笑するなのはに、スバルが目を丸くする。

それはそうだろう。

オーバーSランク魔導師であり、エース・オブ・エースの二つ名を持つなのはが言うのだ。

冗談には聞こえない。

「私と模擬戦をして引き分けだよ」

「フェイトさんとも模擬戦をして、3本中1本は取ってるそうだからね」

なのはとシャリオが模擬戦の結果を答える。

その言葉に、スバルとティアナは驚きの余り声が出ないという感じだ。

エリオは目を輝かせていた。

「言葉で説明するよりも実際に見てもらった方が早いかな。そんなわけで、ガジェット訓練……どうかな?」

「何がそんなわけなのかは分からないが……いいだろう。ガジェットは俺達の敵だからな」

「うん!」

何故、なのはが嬉しそうに答える?

「なのはさん。AMFはどうしますか? 刹那さんのデバイスに手を加えるのは……」

「そうだね……」

シャリオが空中パネルを叩きながらなのはに聞く。

「AMF?」

「ガジェットが持つフィールドエフェクト。簡単に説明するなら、魔力を無効化する防御魔法だよ」

二カ月前にガジェットと戦った時に感じた手応えはそれか。

「訓練ではデバイスに細工して、AMFを疑似的に再現しています」

「エクシアに手を加えるのは避けてもらいたいところだが……」

《少しよろしいですか?》

「エクシア?」

《シャリオさん。パネルをマスターに渡してください。それと、AMFとやらのプログラムを見せてください》

「え、ええ。いいわよ」

空中パネルと文字の羅列が目の前に現れる。

《マスター。22番と23番以外のプログラムを私に移してください。その番号は、データ取得用プログラムです》

「わかった」

エクシアの指示に従いパネルを叩く。

《……完了しました。これで、AMFを再現できます》

「そうか。……どうした?」

なのは達が唖然とした表情をしていた。

「刹那君。いつの間に……」

「ああ。エクシアを修理した時に、マリエル・アテンザから教わった」

「え?」

「ちょ、ちょっと待ってください! 修理した話は聞きましたが、たった一日で操作方法を覚えたんですか!?」

《マスターは元々機械類に強いですからね》

「……」

全員、開いた口が塞がらなかった。

デバイスに関する調整や修理はかなり難しい。

自身のデバイスのことであっても、精々チェック程度の知識しか持たない。

ましてや、他者が組んだプログラムを自身のデバイスに組み込むなんて、デバイスマイスターでなければ出来ない。

それを刹那は簡単にやってのけた。

驚かない方が無理だ。

「ガジェットを出してくれ。訓練を始める」

「わ、わかりました。動作レベルは……」

「最大でお願いね」

刹那ではなく、なのはが答えた。

「あ、あの。なのはさん?」

シャーリーの戸惑いの声に構わず、なのはは次の指示を出す。

「数は30体。制限時間は10分」

「ええ!?」

「さ、30体を10分!? たった一人で!?」

「これでいいよね? 刹那君」

「ああ。問題ない」

シャーリーとスバル、ティアナが驚きの声を上げるが、なのはと刹那はそんな事はお構いなし。

仕方なくシャーリーは、なのはの指示通りにガジェットを出す。

「なのは、このビルは……」

「実体を持ったホログラムってところかな」

「破壊しても?」

「大丈夫だよ」

「了解。……行ってくる」

「いってらっしゃい」

「刹那さん! 頑張ってください!」

なのは達に見送られて、待機状態のガジェットが居る場所に向かう。

 

なのはさんの先導でビルの屋上に上がり、そこから廃墟を見渡す。

離れた場所に男性が独り佇んでいる。

「ティアナ、こっちに来て。そこからだと良く見えないでしょ? モニターをセットしたから」

「はい」

なのはさんの呼び掛けに駆け寄る。

エリオとキャロは先程の言葉のとおり、刹那さんに会えたことが嬉しいのか、モニターを食い入るように見ている。

僅かな動きも見逃さないといった感じ。

勿論、私も同じ……といっても、私はエリオ達とは意味が違う。

なのはさんが認める程の実力の持ち主だ。

一挙手一投足、見逃さずに勉強させてもらうつもりだ。

 

廃墟の中に大きな光が発生する。

その光が収まると、そこに鎧を纏った男性が現れた。

「あれが……刹那さんのバリアジャケット」

「背中から出てる光が綺麗です」

「そうだね〜」

エリオ、キャロ、スバルが思ったことを口にする。

キャロの言うとおり、背中の突起物から放出されている緑色の光はとても綺麗だった。

それはともかく……。

右腕には剣。

左腕には盾。

明らかに接近戦重視。

あの武装で……たった一人で、10分以内に30体の撃破は……。

「刹那君、準備はいい?」

『ああ』

「あ、今回はちゃんと繋がってるね」

『エクシアに抑えるように言っておいたからな』

なのはさんが、刹那さんに通信で確認をとっているけど……なんの話かしら。

「前にね。刹那君がエクシアを起動させた瞬間に通信が繋がらなくなっちゃったんだ」

私の心を読んだかのように、なのはさんが呟く。

「刹那君とエクシアの所為だって言ってた」

『……俺の背中から光が出ているのは知っているな?』

「うん」

『これは【GN粒子】という』

「「GN粒子?」」

知らない単語だ。

なのはさんを含めて全員が声を揃えて口にした。

『GN粒子には通信阻害を発生させる特徴があるが、エクシアにそれを抑えてもらった』

「通信阻害を……GN粒子って一体?」

『いずれ追って説明する。今は訓練に集中させてくれ』

「うん。わかった」

なのはさん達と知り合いで、ジャケットも普通とは異質。

おまけに、GN粒子……だっけ?

刹那・F・セイエイさん。

一体、何者なんだろう。

「間に合ったか」

考え事をしていると背後から声が聞こえた。

 

≪よろしかったのですか?≫

「単語を教えたところで答えは出ない。様々な世界の知識や資料が納められている無限書庫でもな。それは既に確認済みだ。この世界――この次元に、GNドライヴは存在しない。お前を除いてな」

≪マスターがそう仰るのであれば、私から言うことは何もありません≫

「すまないな。余計な気を遣わせた」

≪お気になさらず≫

『刹那君。始めるよ?』

「ああ」

『それでは、レディー……ゴー!』

 

なのはの合図と共に、GNソードのライフルモードから5発の光弾が30機のガジェットの群れに襲いかかる。

散開するガジェットに3発が当たり、爆散する。

「射撃!?」

近接戦じゃないの!?

「刹那君の右腕の武器は、剣と銃が一体になっているんだよ。GNソードって言うんだって」

驚く私になのはさんが説明をしてくれる。

GNソード……GN粒子に何か関係が?

それよりも……。

爆散した時に出来た煙の中から、散開したガジェットのうち5体が上に飛び出る。

しかし、刀身を起こした刹那が既にガジェットの接近しており、2体を切り裂く。

ガジェットとすれ違うが、体を捻って右腕を払い一文字に切り裂く。

残った2体が逃走を開始する。

それを見た刹那は、刀身を畳みライフルモードで何もない場所に3発撃ち込む。

そして、逃走したガジェットとは逆方向に飛んでいく。

「なんであんな場所に……」

私が疑問の言葉を口にしている間に、光弾はビルに当たる。

次の瞬間、崩れ始めたビルの場所に先程逃走したガジェットが現れ、崩れ落ちてきた瓦礫に潰れて爆発する。

「っ!」

≪相変わらず、デタラメな人ですね≫

「にゃははは。皆の前だから、張り切ってるのかな?」

レイジングハートとなのはさんは何だか慣れた感じみたいに言っているけど、そいう問題ではないと思いますよ!?

ガジェットが出現する場所を的確に先読みできるなんて不可能ですよ!

1分足らずで5体撃破。

さらに、両腰から何かを抜いたかと思ったら、光刃が出現し二刀流で次々にガジェットを切り裂いていく。

「す、凄い」

食い入るように見ていたエリオが声を上げる。

「完全状態のアイツは、あのような武器も持っているのか」

「こりゃあ……((やべぇ|・・・))な」

刹那さんの訓練開始直前に来たシグナム副隊長とヴィータ副隊長が声を上げる。

 

≪マスター。4時の方向に7体≫

「了解」

逃走するガジェットを追いかける。

こちらに気づいたガジェットが攻撃を仕掛けてくるが、GNシールドで防ぎそのまま接近し、GNビームサーベルで1体を切り裂く。

近くに居たもう1体のガジェットに突き刺す。

残り5体のうち3体が再び逃走を開始し、2体は逃走するガジェットの援護のためか、その場に留まりこちらに攻撃をしてくる。

その攻撃をジグザグに回避しながら接近し切り裂く。

「逃げた3体は?」

≪2時の方向。散開はしていません≫

「了解。追撃する」

GNビームサーベルを両腰に戻し、逃走した3体を追いかける。

視界にはガジェット3体とビル。

左右のビルは高いが、正面はかなり低い。

このままでも追いつけるが……。

 

逃げるガジェットを追いかける刹那さん。

残りは今追っている3体で最後。

残り時間は2分ちょっと。

と、左右と正面やや上に射撃。

ビルに当たり、崩れて瓦礫がガジェットの前に落ちる。

瞬間、ガジェットが動きを止める。

それを見逃さずに加速して一気に距離を詰めて、右腕の剣で2体を切り裂く。

そして、再び逃走するガジェットに右腰から剣を抜き、それを投げつける。

AMFにより、一瞬剣が止まるけど、剣はAMFを抜いて光刃が突き刺さりガジェットは動きを止める。

光刃が消えて、柄が地面に落ちる。

そこに射撃を1発放つ。

今度は、AMFが発生せずガジェットを貫き爆散する。

『ミッション完了』

「おつかれさま」

刹那さんの通信になのはさんが答える。

でも、僕は……。

((僕達|・・))は声が出なかった。

僕達の条件は、4人で8体を15分以内だった。

刹那さんは、一人で30体を10分以内。

おまけに、設定レベルが全く違う。

フェイトさんが刹那さんのことをよく話してくれたけど……。

これほどの強さだなんて。

それに、全く息切れをしていない。

凄い。

それしか出てこない。

「シャーリー、時間は?」

「えっと、8分34秒……です」

1分以上も余裕があるなんて。

「ふっ……流石はセイエイ」

「あ〜あ、知らないぞ」

シグナム副隊長は、何だか嬉しそう。

ヴィータ副隊長は……何で疲れたような顔をしているんだろう?

「なのはさん。刹那さんは、どうして最後にビルを破壊したのでしょうか?」

キャロがなのはさんに手を挙げて質問をした。

「そうだよね」

スバルさんも同じ疑問を持っていたみたいだ。

「刹那君の速度なら普通に追いかけてもガジェットに追いつけるだろうね」

「それならどうしてですか?」

「どうしてだと思う?」

疑問を疑問で返されてしまった。

「もしかして……」

ティアナさんが何か気づいたみたいに呟く。

「ティア?」

「あの時、左右に建っているビルにはどちらにもガジェットが通れる隙間があった」

あ、そうか。

「刹那さんはビルを破壊することで、瓦礫で逃走経路をなくした」

「正解」

なのはさんがにっこり笑った。

「左右に分かれると時間のロスになる。だから、ビルを壊して左右の逃走経路をなくして、正面のビルを飛び越えて逃走するという選択に絞らせる」

「さらに、正面のビルも壊して、ガジェットの動きを少しでも止めたんですね」

「そう。そして、その隙をついてガジェットを破壊」

瞬時にそんな判断が出来るなんて。

やっぱり、凄いという言葉しか出てこない。

ふと、何か影が横切った。

見上げると、光――GN粒子を放出させながら、刹那さんが僕達の前に降り立った。

-3ページ-

読了おつかれさまでした。

新人4人の訓練を省いて、自己紹介と刹那のガジェット訓練。

う〜ん。

戦闘は難しいです。

そして、サブタイトルをつけるセンスが欲しいです。

 

追伸

こんな駄文を作る私をお気に入りに登録してくださった方々。

本当にありがとうございますm(_ _)m

気がついたら30名の方がお気に入り登録してくださっていて、本当に驚いています。

某サイトの時の倍ですから(^^;

説明
再び魔法少女の世界へ降り立ったガンダムマイスター刹那・F・セイエイ。はやてが部隊長を務める機動六課がついに活動を開始する。魔法少女リリカルなのはA's00〜とある日常〜(仮)の設定を踏まえたクロスオーバー作品です。読みづらい、誤字脱字等の至らないところが多々あると思います。作者の原作知識は、それほど高くありません。また、オリジナル設定が含まれておりますので、原作を大切にされている方はご注意ください。
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コメント
>ゼロ・スパークさん。お久しぶりです。こちらでも感想を書いていただいてありがとうございます。(ケイ)
お久しぶりですね。某サイトでこの物語を読ませていただいていた者です。覚えてもらえていたらうれしいです。見ない間に大分面白くなっていてとてもよかったです。今後も頑張ってくださいね。(ゼロ・スパーク)
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