超次元ゲイムネプテューヌmk2+ BlackFateその16 |
〜午後三時三分 プラネテューヌ教会〜
「遅い!!!!一体何分かかってるのよあいつは!」
教会内にユニの怒号が響いた。
先ほど(正確に言うと2時40分頃)プラネテューヌに到着し、イストワールに事情を話したユニ一向。
海上を飛んだこともあってか髪がパサついているとのことでネプギアを呼ぶ間風呂シャワーを浴びたりなどくつろぎまくっている。
そして呼び出してから10分程度。ネプギアは到着していない。
「ふっ…。まだ10分ですよ…。っとと…。」
「女神の機動速度なら五分で十分でしょうが!」
「二時間海上で遭難した私が言えることじゃないですよー」
教会の端で一本指立て伏せする日本一の正論にも八つ当たり気味に噛み付くユニ。
最早誰の話も聞かないだろう。子供である。
「……。」
「ネロ様ー。あの人止めてくださいよー。」
「断る。ねーさんを殴るわけにはいかないし、見ての通り整備中だ。」
「えー、私見ての通りトレーニング中なんですけどー。」
「だったら放っておけ。」
「えー。」
ネロも機械腕を整備しており、日本一とユニに目を向けようともしない。
イストワールも平然と作業しており、ユニの暴走を気にしているのは日本一だけのようだ。
「ああもう!一体どれだけ私を待たせ「切り刻め!」ッ…!っと!」
突然斬撃がユニ目掛けて飛んでくる。とっさにそこらの椅子を盾にすると、一瞬で細切れになり消え去った。
ユニが女神化し斬撃が来た方向、教会の入り口を見ると、女神化したネプギアが刀を手に佇んでいた。
「Hugh!とんだ挨拶じゃないネプギア?」
「…口が減りませんね、ユニちゃん。」
「そういうあんたは随分と口が減ったじゃない。ちゃんとストロベリーサンデー食べてる?」
「私はシュークリーム派です。」
「ま、これでも売られた喧嘩は買う主義なのよね。Shall we Dance?」
「……」
無言でネプギアは姿を消した。肯定と受け取ったユニも嬉しそうな表情で教会を出ていく。
一気に静かになった教会内。やっと話ができるとイストワールは笑顔で作業をやめ、ネロと日本一の二人に声をかけた。
「さて、騒がしい方がいなくなりましたしそろそろ話しましょうか。」
「何をです?」
「第三次ギョウカイ墓場侵攻作戦。とは言いますが実際は四女神…ああ、ブランさんが既に救出されてましたね。となると三女神救出作戦といいましょうか。」
〜同時刻 プラネテューヌ プラネタワー上空〜
「随分とスマートな武器になったじゃない。何、刀が好きなお年頃?」
「……」
そういうユニの手にあるものは髑髏がついた鞄である。
刀どころかそもそも武器にすら見えないが誰も突っ込まない。
「んで、ネプテューヌさんとは違って鞘付なのもそういう理由?」
「……」
「ったく…。無愛想な女は嫌われやすいわよ?ま、そんなこと言ってる場合でもないか。」
ネプギアは無言で刀を構える。
数時間ぶりの再開でこうまで変わるか、とユニは若干関心していた。
「オーライ。かかってきなさい!」
「斬り伏せます…」
抜刀した瞬間、ネプギアが姿を消す。
キュン、キュンとブースター音がなっている当たり亜音速とか光速とかそんな感じで移動しているのだろう。
「Wow♪It,s Sonic♪」
「切り刻め…!」
ジャキン、ジャキンと斬撃が四方八方からユニを襲う。
踊るように鞄で斬撃を防ぐ。
ガキン、と金属音が響く。互いに腕がびりびりと痺れる。
「HeyHeyHey!Came on!」
姿を現したネプギアに対し手を叩いて挑発するユニ。そのウザさにネプギアも一気にイラついている。
「出て、紫の刃…!」
ネプギアが腕を振るう。
するとネプギアの周りに数本の紫色の水晶のような剣が数本現れ、ネプギアの周囲を回る。
「……貫いて」
ネプギアの言葉と同時に複数の剣がネプギアの背後に移動し、ユニに向けられる。
「ジェラシー、セット!」
鞄が開き、二挺のガトリングが跳びだす。
ガトリングを構えると同時に剣がユニに向かって飛び出した。
ユニもガトリングを掃射し、剣を砕き続ける。
「イエァーハァ!!」
「……!」
8本程砕かれて打ち止めなのか、ネプギアが刀を振るってガトリングの弾を弾き飛ばす。
飛んだ斬撃がユニの持つガトリングまで届き、爆発した。
「うっわ、アブな・・・・・何、殺す気?」
「……」
「ったく、お転婆よねほんと!」
無言でユニに向かうネプギア。
その様子にユニはニヤリと笑って鞄をネプギアに向けた。
「オーメン。」
言葉と共に鞄が開かれ、中から眩い輝きが溢れ、ネプギアの目を晦ませた。
鞄を閉じ、大砲型に変形させネプギアの頭に叩きつけた。
「武器を増やして出直してきなさい!」
大砲の引き金の音と共に極太レーザーがネプギアを吹き飛ばす。
高高度からの砲撃で叩き落とされる。
射線はプラネテューヌ市街を逸れ、近くの平原に落下。
ユニの場所からでもわかるような大きさのクレーターができ、その衝撃を物語っていた。
「はぁ。ま、リベンジできただけも良しとするかな。…ネプギア、弱くなっちゃって、まぁ。」
ユニは溜息をつきながら、恐らく気絶しているだろうネプギアを回収しにクレーターに向かった。
〜プラネテューヌ教会〜
「さて、纏めると目標はゲイムキャラの力を使ってのシェアクリスタルで女神の救出。これに付きます。マジェコンヌ幹部の撃破は第二目標。つまりは余裕があればの話しです。深追い、無理は禁物。救出を最優先としてください。」
ネプギアとユニが殺し愛を繰り広げている間。
教会ではイストワール、ネロ、日本一が作戦会議中だった。
「質問はありますか?」
「はーい。罠あるんじゃないですかー?」
「十中八九あります。しかしあるとわかれば話は別です。」
「…まさか、あるとわかってりゃ話は別なんて精神論じゃないですよね?」
「まさか。ダミーを用意します。罠が回避できないと思ったら使ってください。恐らく浅部に囚われているでしょうし、そこまで危惧することもないとは思いますが…」
イストワールが首をかしげていると、教会の入り口の方で扉が開く音が鳴った。
ネプギア達が帰ってきたか、と全員が入口の方を見ると、イストワールの予想を裏切る光景があった。
ユニがネプギアを担いで戻ってきたのである。
正反対の結果を予想していたイストワールは一瞬表情を崩したが、即座に無表情に戻した。
「…おかえりなさい、ユニさん。ネプギアさんは…気絶しましたか?」
「みたいよ。こいつ何があったか知らないけど妙に弱くなってたのよね。」
「ふむ。それはいけませんね。もうすぐ一大事だというのに。」
「で、姉さん達を助けるんだっけ?いつ行くの?ネプギアこんなだけど。」
「明日の早朝。ネプギアさん、ユニさん、ネロさん、日本一さんの四人で向かってもらいます。目標はネプテューヌさん、ノワールさん、ベールさんの三人の救出。深追いはしない方が身のためです。」
身の為、と言われて場の全員が眉を顰めた。
つまりは、【ザ・ハードには勝てないだろうから救出だけしてさっさと帰ってこい】と言われたわけなのだ。
イストワールからすれば【ただでさえ強いだろうザ・ハード相手に((相手に封印されていた女神|おにもつ))アリではただでさえ勝ち目が薄いのに無いに等しくなる】ための忠告のつもりだったのだが、若干ズレて伝わっていた。
結果的に士気はあがったのでイストワールはそれはそれでよしとした。
「とにかく、今日は教会に泊まってください。明朝に出撃です。準備は万全にするように。では解散。」
「あ、だったら私少し出かけてきまーす!」
「んじゃ、こいつ寝かせてくるわ。」
解散を宣言した直後に日本一ははしゃぎながら外に出、ユニはネプギアを背負ったまま教会の奥に消えて行った。
残ったのはイストワールとネロ。
二人の表情は先ほどよりも神妙さが増していた。
「どうですか?この時代は。」
「…まだ、ラムねーさんとロムねーさんに会ってない。」
「ああ、リーンボックスに行っていたんでしたね。……ネロさん。」
「…何。」
「あなたの未来改変の最初の障害が恐らくこの作戦です。あなたはこの先数々あるであろう障害を全て乗り越えなければならない。そうでなければ、そもそもあなたは生まれない。だからと言っても障害を乗り越えたとしても、救われるのは彼女たちと【その時に生まれるあなた】であり、あなた自身ではありません。……わかっていますね?」
「……」
イストワールの言葉にネロは俯き、答えを返さない。
【自分は決して救われることはない。】目の前で姉を殺され、既に希望なんてものは消え去ったようなものだったが、微かに抱き続けていた願い。
それを、真っ向から否定されたのだから。
「…今日は、休んでください。そして決心してください。【あるはずのない命の使い方】を。」
「……ッ!!」
ネロが聞きたくないと言いたげな様子で走りだし、奥に消えて行った。
また一人謁見の間に残されたイストワール。その表情はどこかはかなげだった。
「…あるはずのない命の使い方、か…。わたしも変なことを言います。あのひとに毒されたのでしょうか……。さ、ダミーを早めに作っておかないと…」
またイストワールは膨大な量の画面に向き合い、操作を始めた。
〜プラネテューヌ市街 路地裏〜
「……」
日本一が向かったのは、プラネテューヌ市街の一角。
何か、誘われるようにこの場所を訪れた日本一は、嫌な予感と呼べるものを感じていた。
「…この感じ。いるんでしょ?がすと。」
「ふぅ。全く、何なんですの?日本一はがすとのストーカーか何かですの?」
日本一の目の前に現れたのはがすとだ。
だが、明らかにその姿は不自然なものだった。右腕がない。
「がすと…それも、造ったのか…」
「御名答ですの。何かいつの間にか腐ったか右腕が落ちていてちょっと困ったですの。」
「…何の用。わざわざ呼んだってことは、何かあるんでしょ……」
「いやなに。ちょっとした忠告ですの。【女神を信じるな。女神は絶対正義ではない。】」
「何を…!仲間割れさせるつもりね!!」
日本一が走りだし、がすとに向けて蹴りを振るう。
蹴りを左肩で受けたがすとは肩が吹き飛び、血がぶちまけられた。
その結果、無い両肩から血が溢れだすという、子供が見ればトラウマものの状態になっていた。
「全く、人の話は最後まで聞くもんですの。」
「あんたの話を聞いて、どれだけの人が不幸になったかわかってるの!?」
「知ったことではないですの。元来人間は争って、他人を蹴り落として何ぼですの。自己犠牲は甘えですの。女神を信仰するなんて甘えは、ね。」
「女神様を信仰することが甘え、そんなことがすとに言われる筋合いはない…!みんな、女神様が好きだから、女神様を信じているから信仰してるだけなんだから!」
「だから甘えだというんですの。好きという感情も、信じているという行動も結局はただの自分勝手。欲望の産物ですの。教会の人間の潔癖症には反吐が出るですの。」
「私としては、あんたに何より反吐が出る…!」
「全く、平行線の話をするつもりはないんですの。それじゃ、あと一言で〆させてもらうですの。」
「………」
「【神は決して、有情ではない。見返りは、いつ来るかわからない。気を付けてですの。】」
がすとが言い切った途端、がすとの身体が膨れ上がり、破裂した。
血液や臓物が飛び散り、傍から見れば惨殺現場だ。
「……何が目的なんだよ、がすと…」
日本一にはがすとの行動が理解できなかった。
小さい頃に出会い、自分の考えに賛同して一緒にヒーローとして悪党を捕えたりした。
友達だと、仲間だと思っていた。
でも、がすとは裏切った。悪に手を染めるという日本一にとっての最大の裏切りを行った。
運よく生き残ったものの、裏切ったときのがすとは自分を殺すつもりだった、と日本一は思っている。
しかし、時には自分を誘い、時には自分に忠告し。
がすとが何をしたいのか、日本一には一向に理解することができなかった。
「……」
ふと空を見た。
もうすぐ日が落ちるのか、空は紅く染まっている。
例えがすとにどんな理由があろうとも、日本一のやることは変わらない。
悪に染まってしまったがすとを、己が正義に従い、殺すこと。
日本一のヒーローとしての心も既に失われていたのかもしれない。
しかし、その歩みは止まることはない。
正義。誰にでもある正当化された自分勝手な欲望。
それしか、日本一が寄り添うものはなかったから。
〜本日のキャラ紹改〜
ネプギア:鬼いちゃん化したと思ったら刀しかなかったので寧ろ弱体化していたというオチ。ほら、閻魔刀だけ縛りでバージルやってみなって。作者やったことないけど。
ユニ:女神化ユニがソニックなのかダンテなのかもう誰なのかわからない。もう間を取ってギースでもいい気がしてきた。
説明 | ||
※神次元ゲイム(ry の公式サイトのキャラ紹介を見て作者が思ったこと 【ねぷ子以外の女神何歳だよ】 |
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>トマト畑氏 こんな修正パッチ。【女神候補生悪魔化パッチ】ネロ「……(←最初から元ネタの一つがDMC)」フロム「何かにショックを受けて力を求めるのはよくあるけどそれで弱体化するのは新しいよな。」がすと「ですの。」 (リアルではおぜうタイプ@復帰) ユウ「ネプぎゃあとでも言えばいいのでしょうか?」 いえいえここはユニちゃんが複数の言語を使用していやがる!?とか。 ユウ「なるほどどんな修正パッチをあてたのでしょうか?」 違うだろ。(トマト畑) >燐氏 フロム「長い。要約頼む。」がすと「【わりとどうでもいい】」フロム「OK,わかった。まぁ、なるようになるんじゃね?」ネプギア「………」ネロ「運命?そんなもの投げ捨てるもの。自分で作る物だ…!」がすと「あ、主人公(笑)が主人公っぽいことを」(リアルではおぜうタイプ@復帰) >ロージュ&ミヤウエ御中 まさか、ダンテが被るとは…… フロム「てかどの辺がハリネズミだったんだ?」がすと「さぁ……。」ユニ「ま、気にすることでもないんじゃない?」フロム(女神化前はまとも・・・)(リアルではおぜうタイプ@復帰) >ツバキちゃん 何故かDMDなここじゃあ閻魔刀と幻影剣縛りだとこの先生きのこれない。 フロム「FEとベオの入手予定は?」ない。 フロム「えー…」ユニ「ちょっと前発売されたゲームの主人公を真似てみたわ。かっこいいでしょ?」がすと「鞄が無ければですの。」(リアルではおぜうタイプ@復帰) >クリケット氏 フロム「ほんとだ、悪魔(失笑)がまともなことを言ってる…」がすと「こ、これは…悪魔(爆笑)じゃない、悪魔(偽)だ!ですの!」ネロ(扱い余計悪くなってる…)(リアルではおぜうタイプ@復帰) 紅夜「ネプギア……」空「自分を見失って力に執着しているね。これもまた一つ未来」紅夜「この先、どうなってしまうんだろう……」空「僕は破壊神だから未来なんて見えない。けど未来は希望と絶望、混沌と秩序の可能性」紅夜「全て運命、なのか」空「それを運命として受け入れるならその程度、抗うのなら、また違う運命は来るかもね」(燐) ヤバい。ユニがウチ等のやる奴とちょっと似てきたかも。こんなにハイでダンテじゃないけど。あ、ソニックはちょっと入ってるか。(柏中ロージュ&ミヤウエ) ヴァイス「…フォースエッジとベオウルフが足りない…」 アリス「日輪脚とか月輪脚ができませんね。マヴカプなら閻魔刀だけでも簡単なコンボはできますけど」 ヴァイス「それよりも…ラステイションの候補生…変わったね…」 アリス「待ってる間に英語の本でも読んでたんでしょうかね?」(風音ツバキ) 氷室「ネプギア……堕ちたな。所詮、力だけに執着する奴なんかに本当の強さは得られないってことだ。」 ガーン、氷室が……あの殺人狂が始めてまともな事を言った! 氷室「力ってのは強い意志に応じてついて来るもんだ。鍛えるならまずその弱すぎるメンタルを鍛えるんだな。」 ……お前、マジ熱でもあるんじゃないの?(クリケット) |
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